神の楽しみ
コミックポルカ公式のX公式アカウントよりアナウンスがありましたので確定しました()
5月9日からコミカライズ公開となりますので皆様、よろしくお願いいたします。
「カケル、邪魔するぞ」
と言う訳で五人が登場……。
「や」
訂正、アメノサさん含めて六人が登場。
仕事大丈夫なのかな……。
「今日の料理は?」
「あ、えと……いなり寿司と卵焼きとすまし汁です」
「寿司……というと、魚と米の料理だな?」
「普通のお寿司はそうなんですけど、いなり寿司はまた違うというか……」
「? まぁ、作りながら学ばせてもらおう」
という事で早速調理へ。
と言っても、やることはあまり無いんだけどね。
「まずはご飯とこいつらを混ぜ合わせます」
「……ほう?」
取り出したるは、イセカイカワブタの炊き込みご飯。
そいつにひじきと、枝豆を混ぜ合わせる。
枝豆は冷凍のやつを前もって解凍して中身を取り出しておきました。
翔君がチル中にやってくれました。
「混ぜ合わせたら、この中にご飯を詰めていきます」
「こいつは?」
「豆腐を薄切りにして油で揚げて作ります。味噌汁とかに入ってましたよね?」
五目……には足りないから四目かな。
四目ご飯をいなり用のお揚げに詰めていく。
こういう単純作業は頼むと魔法でやってくれるからラベンドラさんが便利なんだよね。
「その間に卵焼きとすまし汁ですけど……」
「両方任せてくれ」
だそうで。
なのでお任せ。
まぁ、材料とかは俺が用意するんですけどね。
「カケル」
「何でしょう?」
「昨日の甘いお酒、美味しかった」
「気に入ると思ってました」
で、やる事無くなったからお皿とかの用意をしていたら、アメノサさんから声が掛かり。
「出来れば作り方を知りたい」
カルーアの作り方を尋ねられる。
ヘイ神様? 作り方を伝えていいか教えて?
(ちょいと待たれよ)
待つ。
(構わんらしい)
ありがとうございました。
……いいんだ。
まぁ、許可貰えたし教えるか。
「ラム酒って伝わります?」
「???」
「そこからか。えーっと……砂糖を作る時に出る糖蜜とか搾り汁から作られるお酒なんですけど」
「蜜から……お酒?」
「です。酵母とか加えてなんやかんやするらしくて……」
「???」
俺分かった。
教えていいよって許可が下りた理由。
教えても再現出来ないからだこれ。
「『無頼』……」
「あンだよ?」
「カケルがいじめる」
「いじめてませんが!?」
酷い言いがかりである。
遺憾の意を示す。
「カケル、出来たぞ」
「あ、はい。じゃあ食べましょう」
なんてやり取りの間にも、料理を勧めていてくれるラベンドラさんマジエルフ。
と言う訳で料理を並べていきましょう。
まず大皿に乗せたいなり寿司。本日のメイン料理なり。
続いてイセカイカワブタの出汁をたっぷり使った出汁巻き卵。まず間違いないお味。
出汁巻き卵には大根おろしを添えております、はい。
そして同じくイセカイカワブタの出汁と醤油で味付けしたすまし汁。
具材はワカメ、エノキ、リボーンフィンチの溶き卵となっております。
「カケル」
「はいはい」
「まだあの酒あるか?」
「残ってますよ」
「んじゃあそれを冷ロックで。ガブロの旦那は?」
「わしはお湯割りじゃのう」
多分日本中探してもここだけだと思いますよ?
冷ロックなんて単語が出てくるの。
「カケル」
「はいはい」
「ワインはまだ残っているか?」
「昨日全部飲み干したでしょう?」
「(´・ω・`)」
どんな顔してもダメだよマジャリスさん。
ワインはそこら辺から生えてくるわけじゃないんだから。
ある分飲んだらなくなるのは必然でしょうに。
「また姉貴に頼んどきますから」
「絶対だぞ!!」
と、釘を刺されたけど、何なら既に次のワインを送ってくれと連絡はしてるんだよな。
姉貴も仕事だから色々タイミングとかあるんだろうけども。
「じゃあ食べるか」
ドラゴンエプロンを脱ぎ、虚空へと収納したラベンドラさんが着席したのを合図に、皆さん手を合わせてください。
「「いただきます」」
食事、開始開始~。
*
異世界の神の朝は早い。
……いや、神なので休息やら睡眠やらは不要な存在なのだが。
それはそれとして行動を起こそうとした時の取り掛かりは早い。
「う~む……こいつは百年に一度の当たり年と言われた540年前には劣るのぅ……」
まぁ、その起こそうとした行動は、神の取り分で徴収したワインの評定なのだが。
しかもどこか現代人が聞いたことがある様な文言での評定であるが。
「まぁ、キープじゃのぅ」
そう言ってグラスの中にワインを残したまま、そのグラスを三度振り。
グラスの中のワインを地面に垂らせば、そこからワインがこんこんと溢れて来て。
あっという間に、ワインで出来た泉が出来上がる。
「一旦、口の中を最悪にしとくか」
と、神様の姿はその場から消え去り、出現したのははるか遠くのワインの泉。
その泉には看板が立てられており。
そこには――『今後更新されないであろう最悪の出来』と書かれており。
その泉から直接ワインを掬い、一口。
「不味い。もう一口」
またしてもどこか現代日本人が効いた事のある様なフレーズの後、グラスを振って残ったワインを霧散させ。
取り出したるは、翔からお供えされたドイツワイン。
「むほほ~。楽しみじゃのぅ!」
そのワインを一滴だけグラスに注ぐと、神の力を行使して、そのワインを無限倍。
あっという間に、グラス一杯にワインが増加。
「は~、最高じゃぁ……」
そのワインを一口飲み、恍惚な表情をする異世界の神は。
ドイツワインのラベルに、独自の評価を書き込んだ。
『今後二百年は到達出来ぬ味』と。




