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CEOに会おうー1

「ヴァズロフさん行ってきます」

 とリュウセイ。オルグ用のヘルメットを両手に持っている。

「ああ、いってらっしゃい」

 見送るためエプロン姿のまま店から出たヴァズロフはバイクに跨るリュウセイに言う。

「リュウセイくんいつの間にバイクの運転なんてできるようなったの」

 ヘルメットをかぶり後部席に跨るアオイ。

「三日前だったかなあ。俺用のヘルメットができるのに時間がかかってそんなに運転していないけど」

「安全運転でお願いします」

 言いながらリュウセイの腰へ腕を回す。尻尾が邪魔にならないように腰に巻かれている。

「大丈夫。行ける気がする」

 三角の耳を伏せてヘルメットを被る。

 ラダトより長い顎を守るパーツはマズルにそって伸びており、首をと降りたところでマスクガードが閉じてシールドが張られた。

 リュウセイはヴァズロフに手を振ってバイクに音を立てて走り出させた。

 青い空の下、バイクが広い道を走る。

 運転手はパッセンジャーを乗せて、シティの中心にある遠くからは塔に見えるビルへ向かっていく。

 駐車場に止めたバイクから降りたリュウセイとアオイ。

 二人はヘルメットをバイクに置いて、リュウセイは伏せていた耳を立たせる。

 街灯が並ぶ芝生が左右に敷かれた歩道をアオイが先導して歩く。

 流石にシティの中心なのか人の行き来が多くもあってリュウセイは声をよくかけられた。

 足を止めずに挨拶をしながら進めば目的の場所は近づいてきていた。

 宙に浮いたように敷かれて目立つ大きな輪を描いた石造りのオブジェクトがはっきりと見えてくれば、青みがかった白いビルもその大きさが実感できるほどにすぐ側まで来たとわかる。

 遠くでは一つの建物だと思っていたものが四つのガラス張りのビルに囲まれて、一つだけ高いビルだとわかった。

 アオイの歩みは青みがかった白いビルに向かっていた。入口へ伸びる広い階段を上がり、守衛に親しげに挨拶をして中へ入る。

 リュウセイもその後をついて行く。アオイが挨拶した守衛に会釈して通り入り口をの自動ドアを通った。中を物珍しそうに見渡していると、アオイが呼び駆け寄る。

 エレベータが上へと昇る。

「そういえば、さっきさ」

 ガラス越しに地面から離れて空に昇るのを眺めながらリュウセイは口を開く。

「ん、なに」

 同じように風景を眺めていたアオイが視線を向ける。

「勇者様の話をしたら二人とも、なんていうか難しい顔をしたからさ聞いちゃいけなかったかなって」

「ああ、うん。ちょっとリュウセイくんにどう説明したらいいのかわからなくて、でも、ヴァズロフさんが言ってたじゃない会いに行こうって、その時に説明する。その方がきっとわかってくれるかもしれないから」

「……わかった」

 リュウセイは一つ頷いた。

 エレベーターがゆっくりと重力がかかり止まるのがわかる。

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