episode リュウセイ
流星が落ちてから時間が経つのが早い。
保護した彼、身体チェックをすまして歳は若く青年らしいと診断を下されたオルグの狼が目を覚ました後、経過を見た。
目覚めた二日間は赤ん坊のようだった。
身体や臓器の機能に問題はないと再度の診断結果を見た。見たが実際喋ることもできず、自力で排尿できるようでもなかった。
こちらからの意思表示は反応して伝達されているのはわかるようだった。
食事は固形物どころか離乳食も食べれなく、栄養のある流動食を施した。
三日目。二日間が嘘だったかの様に、たどたどしいが言語を喋れるようになり、自分で排尿できるようになった。勝手に歩き出すのでヴァズロフが慌てて後ろから追いかけるのはほほえましく思った。。
種族は違えど親子のようだった。
食事も固形のある離乳食を食べれるようになっていた。自分で食事はまだできるようではなかったが。
この頃には流星流星と言っていたためか、皆彼をリュウセイと呼ぶようになっていた。
五日目。彼はいったい何者だろうか。
筋肉量は日増しに増加し、オルグらしさ、と言っていいのか毛並みもよくなったようだ。
何より、身体能力。これがオルグ特有なのかあまりに知識がないため基準が資料によるものと比較するしかないのだが、我々ラダトとは一線を引くものがある。
ヴァズロフ又は警備隊の面々が良き遊び相手になってくれていた。
食事も離乳食から離れ、肉も野菜も形を崩さなくても食べれるようになり自分で箸やフォークナイフスプーン、一通り使えるようになっていた。
教えればテーブルマナーも習得できるだろうか。
七日目。一人の青年として扱えるほどに素行も知能も同一の人物とは思えないほどに目を見張るほどだ。危惧することもあるがあとは、多くの人と触れさせなければならない。
ヴァズロフに預けることにした。
なつかれていたのもある。それに何か不備があれば取り押さえられるのも今は彼だけだ。任せよう。
ヴァズロフからの報告が上がる。
勇者の再来と人の目が集まっていること。
シティの人々がリュウセイをオルグを見るのが二人目なのだからそうもなろうか。
童話の中で話が収まってくれればよいのだが。
報告の中に気になることがあった。
彼は宇宙に興味を示している。
シティにある本屋や図書館、またはデータベースから星や船の勉強を自発的に始めている。あてがわれた自室には関連した本や物が置かれているという。
外に行こうとしているのだろうか彼は。
だが、技術部門から彼は外から来たというのはお墨付きだ。外へ行こうとするのも自然の流れだろう。
やはり彼は何者なのだろうか。何をしに来たのだろうか。
しかし、このシティから出ることは出来ない。
それでも彼が行動を起こすというならば、何か手を打つべきだろう。
私個人としての意見を言えば、一人の住人として暮らしてくれれば良いと願うのだが。




