旅の途中ー1
朝は起きるもの。
リュウセイは目を覚ましてテントから出る。
太陽もまだ顔を出さしていない時間ひんやりとした空気に毛皮を包む肌にも届く。
水道をひねれば水が出た。街からだいぶ離れた公園に備え付けられた水道なのに水は繋がっていた。
誰がここを管理して整備しているのかわからないが、ありがとうとしか思わなかった。
顔を洗って顔を拭く。
すっきりしてわずかに尻尾を振りつつ深呼吸をする。
さて、と体を動かす。ヴァズロフと暮らす前から朝は体操をさせられて習慣化していた。
それに加えて最近始めたことがあった。
誰も見ていないのを確認してふっとバックルが現れてベルトが腰に巻かれる。
黒に染められて体を締め付け光が黄色味のある装甲となって体を包む。
マズルを拘束するように黒が包み黄色の装甲が顎と共に挟み、右の眉筋に一本の角が後ろへ伸びる。
黒いミイラと戦った時の姿にリュウセイはなった。
あの時から自由に身に着けることができるようになっていた。
どうしてこう変身のか主治医の先生であるホウジョウが調べていたが答えは出なかった。
バックルの前に手を出すツルギが作り出された様に空中に現れる。
握りを掴む。
ヴァズロフから借りたままのツルギ。返そうにも変身を解くと消えてしまうので返せないでいたが、渡すとヴァズロフに言われ所有したままでいる。
ツルギを使って体を動かす。
刃物は包丁ぐらいでこんなに大きな物を扱ったことがなかったが、体は動作はその重みや振りぬいたツルギに遊ばれることなく勝手知ったる様に馴染んでいる。
考えないよう驚かないようにしている。
一人ででも歩けるように渡してくれているのとしたら、とバックルを触る。
歩ける姿を見てもらわなくてはいけない。
軽食を取った後、テントをたたみ周りの風景に日が当たり始めたころバイクを走らした。
一人で旅をしていても襲ってくるモノはいなかった。




