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カオル・ホウジョウのレポート

 いつぶりだろうか、筆を持って以前まで書き留めていたことを再会するとは思いもよらなかっただろう。

 彼の起きていた生きていた時間を計測するためかはたまた自分の時間感覚を守るためなのか。

 今はもう覚えてはいないが、これを書くということは書かなければならない事があるということだ。

 彼が起きたのは何かの事故なのかそれとも彼自身が起こした事なのか。

 現場にいなかったために推測でしかない。

 本人もどうして起きれたかわかっていない様子だった。

 彼、人々に勇者と言われている人気の熊のオルグ。

 今はアキラツと呼んでもらえていると本人が伝えてきた。

 話してくれた時恥ずかしそうではあったが嬉しい顔をしているのを覚えている。

 彼が、アキラツが喜んでいるのは私も嬉しいことだ。

 忘れないために書くべきだろう。

 マリイスと呼ばれる大型人型機動兵器そのパイロット。

 パイロットとは間違ってはいないがその実、まだ感情もなく自己意思を持たないデザインベビーをナノマシンセルの中で育てた生体コンピューター。

 人の形を取っているのは稀だろうか。

 このような人の業をするためにマリイスは作られていない。本来の敵のために製造された兵器なのだが、長く長く広がりすぎた星雲同士の戦いは限度を超えてしまった。

 本来このような生体コンピューターを作るために我が師はシステムを構築してはいない、私は師の元を離れ汚名を濯ぐために行動するつもりだった。

 だが、何もできずこの世界に閉じ込められた。

 何が起こったかはわからない気づけば世界は閉じていた。

 昔誰が言ったのか天動説の思わすように世界には端が作られ、天には蓋がされていた。

 だがそこにある覚えのある太陽と月そして星々。

 偽りのようで本物であるような幻想な世界。

 神のみぞ知る神の御業。

 科学者であるにもかかわらずそれを受け止めなければらなかった。

 ここまで綴ることはなかったか。

 さてあれ、振り返れば長くなってしまった。

 そんな経緯のあるマリイスのパイロットであるアキラツをサルベージしたのは罪悪感だったのか罪滅ぼしか、師の威光を少しでも取り戻したかったのか、それとも彼への懺悔からか。

 当時は数あるマリイスの生体コンピューターになった子供たちは多かった。

 だが、救えたのはアキラツだけだった。

 うまくいったというよりも奇跡だっただろうか。他の子どもはうまくいかず今は眠ってもらっている。

 それでも彼の肉体は衰えていくのは早かった。こんなことになるとは想定していなかった。

 彼は避難民ばかりのこの劇団の光。

 勇者と呼ばれるのは当然の様に。

 彼の人生を救いたと私は思い何か出来ないかと模索した。

 寿命を延ばす術はそう簡単に発見できなかった。体を構成している細胞と紐づいているナノマシンセルに何か異変があったのだろうか見落としがあったのだろうか。

 探している間にも彼の寿命が尽きてしまう。そうはさせられない。苦渋だった。でも彼は受け入れてくれてしまった。またナノマシンセルで眠ることを。

 冒頭の話に戻る。

 ナノマシンセルから出てきてしまった勇者。

 きっかけはもしかしたらもう一人のオルグであるリュウセイが握っているかもしれない。

 彼は別の星から来たのは明白だ。

 マシーンの脱出ポッドとヴァズロフは言っていた。この世界にあるマリイスの登録されたデータは全ての船からコピーして閲覧できるようにした。なので残っている物はあるはずがない。

 空に流星が流れて落ちたすなわち他所から来たことに相違ない。

 確信は彼もまたナノマシンセルで作られた生体コンピューターの子なのだから。

 模範になっているモデルはアキラツが証拠になる。

 アキラツには彼だけの細胞を使われていないヴァズロフの細胞がたまたま結合に役立っていた。血縁者でも縁者でもないが調律があった。

 それでも長く生きられない体だ。

 しかし、リュウセイは違う。普通の人と言えば語弊があるだろうか、全くといって健康的だ。まるで他人の体を器にしているようだ。

 ヴァズロフとアキツラの事を考えればありえないわけではないが、ナノマシンセルに結合されている細胞は複数あるわけではない。他の世界ではすでに技術が確立していることなのだろうか。

 であれば、彼は何をしに来たのだろうか。こちらに来たことによって記憶を喪失してしまったのだろうか。

 彼のリュウセイの成長を赤ん坊の頃から見届けたと言っても良いほどに嘘を裏付けるには難しい。

 そして、謎は増える。

 変身をした。

 衣装を変える舞台の着替えとは違い、リュウセイ本人の意思で操っている。

 最初に目撃してから一切そんなことがなく、別の世界に来るための特殊な服装、防護服だったのかと思っていたが、ヴァズロフが身に着ける舞台の魔人、マリイスを小型軽量化したスーツであるヴァズヴァロフと同じか似た素材を使っているのを測定できた。

 また、ヴァズヴァロフの持っていたツルギはそれに吸収されたようで、リュウセイがあの姿になってベルトから3Dプリントされるように現れる。

 色々と実験や検証をしたいのはやまやまだが、そちらに気を取られるわけにはいかないこの世界に不穏分子が現れた。

 奴らは何者だろうか。

 何にしても正体を明かさなければならない。

 わかっていることは、どこからか現れていること。つまりどこかに潜んでいるということ。そして、リュウセイを狙っていること。

 しかし、しばらく一人で出かけると言う。

 急なことでドローンの一機も着けてやれていない。

 オルグとアレを含めて個人スペックを鑑みてもどうにかなるだろうが無理をしないといいが。

 サザマのところへ行く予定もあるとのことだ一つ連絡をしておこうか。

 杞憂で終わればいいのだが、離れるならその間にすべきことを仕込もうか。

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