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prologue 流星ー1

獣人が主人公の作品です

 何時のことだっただろうか。

 明かりのない部屋で窓を開けて星空を見ていた肌白い君。

 あの時声をかけられただろうか。

 こっちに気づいて驚いた顔をしたのは覚えている。

 それからか、二人で星空を見て話をしたのも覚えている。

 大人は空の星には行けない、と言ったらしい。

 なら行こうあそこへ、と君は言った。

 君の言葉は力強くそして、夢はわくわくは魅了するには十分だ。

 そこに何も確証はないのに返事をするには簡単だった。



 白い壁と白い床の通路から透き通るほどの艶やかな手を壁について白い部屋の中へ声をかける。

 声に気づいて振り返る長い赤毛を束ねた血色の良い肌の女性と看護師。白い衣服をまとっている。

 一つの無人のベッドに集まっていた。

 見知った顔で短く声をかける鋭い目つきだが怖い感じをさせない赤毛の女性。

 無人のベッドを見てから女性を見た。

 そこにいた友達の名前が出ない。

 不思議に思うも違和感がすぐに薄れた。居たのは覚えているのに。

「退院したよ」

 低音で静かに赤髪の女性は眉一つ動かさずにやさしくそう言った。

 退院する、そんなことを言っていただろうか。

 礼を言うが納得しないままに離れる際、部屋の入口に掛けられたネームプレートを見るが、友達の名前はなかった。


 扉に手をかけようとしたところで扉が先に横に滑って開いた。

 ここの人ではないと一目でわかる黒のスーツ、深々と帽子をかぶって顔は見え辛かったが、無精髭が白色なのか灰色なのか、とにかく黒ではなかったのが見えた。

 スーツの人はしゃがんで視線を合わせて挨拶してきた。赤毛の女の人と同じように鋭い目をしていたが、同じように怖さのない目をしていた。

 頭を撫でられ去っていく男の人を見送る。

 たまにこの病室に来る人。この病室のお兄さんの知り合いなのに何をしているのか知らない。ただ、少し疲れているように見えた。

 開いた部屋に入るなり声をかける。夕日の差し込む光で橙に染まる白い部屋。一つしかないベッドの上に今まで話をしていたからか上半身を起こしている。

 ベッドが小さく見えるほど体格の大きいお兄さんは声をかけてきた客人に、目を細め微笑んで手を振る。

「どうした今日はずいぶんと早いじゃないか」

 さわやかな声で招き入れる。

 そそくさとベッドに近づいて、今あったことを話した。

 話しながら淡い黄色みがある金髪と同じ顎の髭が濃くなったと思った。

「そうか」

 窓から見える夕日が沈もうとしていた。

「君はどうしも友達に会いたいかい」

 会いたいと言った。

「どうしてだい」

 空の星に行くと約束したからだと言った。

「そうか」

 大きな手が頭に置かれる。

 手が退き、退いた手で自身の足を摩った。

 お兄さんは目を瞑って開けた時頷いた。

「君に選択をさせるというのは酷なのだろう。だが、君は頭が良い子だ」

 射貫くような今までに見たことのない目に驚きはしたが、背けることなく見続けた。

「君の友達を追いかける方法はある急がなくてはならないし出会えるかは君の運になるだろう。それでも君は、この手を取れるか」

 お兄さんは手のひらを向けた。

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