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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー・ホラー風味

とばっちり

作者: まい

 夏のホラー2022投稿用

 へぇーそうなんだー、こわいねー。




 …………ん? あ、私の番?


 それじゃあそうねぇ。



 あ、じゃあ別のガッコーに行っちゃった親友から聞いた話!!


 ……そんな親友が居たなんて聞いたことがない?


 い、いや。 ホントにいますよ? ホントに(汗ダラダラ&目が背泳ぎ)


 …………その話ばっかりに突っ込んでたら、進まないから! ほらほら始めるよ!!



~~~~~~



 さっきも言った通り、別のガッコーに行っちゃった親友から聞いた話ね?




 その親友の友達……仮にMちゃんね。 そのMちゃんはクラス内の別のグループが、面白そうな話をしているのを聞いちゃったんだって。


 ……Mってどんな意味? そんなのは良いのよ!

 ……マ○ヒスト? ネコのみーちゃん? ミステリー研究会の子? ムー大陸の生き残りの末裔(まつえい)? いや、知らないからっ!!

 つーか名前の話はおしまい!



 こほん。

 でね? Mちゃんが聞いたのは、ラジオ局が使っている周波数なのに、放送されていないそのラジオ局の放送を聞き続けると変な声が聞こえるって話。


 ………………あーもう、ちょっと黙って! 今は意味分かんなくても、すぐ答えを言うから!



 でね? そのMちゃんはそれだけで、分かっちゃったのよ。


 ラジオ局だけじゃなくて、テレビ局もいつでま24時間365日放送している訳じゃないのよ。


 ほら。 機械のメンテナンスとかするために、どんな法則かは分からないけど、深夜に何時間か放送しない時間がたまに有るのよ。


 …………知らない? まあ深夜番組とかに興味が無い人はそうでしょうね。


 …………あ、私? 私は深夜番組の録画視聴勢だから。

 深夜番組はバカにできないわよ? 格好いいアイドルとかも出てて、深夜番組だからって狙って少しだけエッチな発言とかして。

 これがまたエッッッッッ!!


 興味出た? だったら後でコッソリその番組名を教えてしんぜよう。



 あ、じゃなかった。 思いっきり脱線してんじゃん。



 話を戻すけど、それでMちゃんが早速ラジオ局の○○○(ピーー)がメンテナンスで深夜に放送が無いのを見つけて、その日に実行したんだって。


 するとね? 最初の20分位は何も無かったんだけど、根気強く聞き続けてたら、なんかボソボソっと何人かで喋る声がうっすらと響く様になってきたんだって。


 そこから音量を上げてみたりなんなりしている内に、ハッキリ聞こえるようになったんだって。


 その内容がね?



「いやー、百物語も残すところ泣いても笑っても後1話! やっとと言うか、もうと言うか。 (はく)物語、始まります!」


 とか言う軽いノリで始まったんだよ。


 …………うん。 普通は白物語って何か分からないよね。


 私も親友に()いてみたんだ。

 それによると、複数人で遊ぶお喋りゲームで、司会進行役の人が読み上げる怪談……怖い話に割り込んで“怖くない話”に変えながら、10あるキーワードも変えるのを目指すゲーム。


 変えられるのは単語単位だけど、変えるには参加者がサイコロを振って、あらかじめ参加者それぞれで決めたサイコロの目以外を出さなきゃいけないんだって。


 参加者にはそれぞれ役職ってのを選んで、それぞれに決められた体力と特別な能力があって、共通ルールで決めたサイコロの目を出しちゃうと体力が1減るとかね?


 まあ1度聞くだけじゃ分からないと思うけど、そんなゲームが有るんだって。


 …………うん。 私も分からなかった。



 でさ。


 その親友もルールが分からないなりに聞いてたそうだけど、怪談自体は知っているモノだったんだって。


 猿夢(さるゆめ)って知ってる?


 うん。 怪談と言うより、都市伝説だけど。

 夢の中で電車に乗ってて、他の乗客が停車した残酷な駅名通りになって〜ってやつ。


 …………そうそう、それ。



 それが白物語では見る影も無くなってってね。

 凄かったみたいだよ?


 そもそもの電車がベビーカーにされちゃったり。


 残酷な駅名が早食いとか大食いとか、お立ち台ディスコとかバカバカしくてさー。



 ………………あ、ごめん。 これは記憶違いだった。


 それは教えてもらってから、ネット動画で検索して見たヤツだった。




 ラジオから聞こえてきたのはね? 変わる単語一つ一つは面白かったり可愛かったりするんだよ。


 ほら、出てくる猿はヒツジになったり、止まる駅がカラオケ大会だったりバーベキュー大会になったり。


 でも乗客が減っていくのは、なんど変えようとしてもサイコロで失敗して、変えられなくて。


 単語の変え方も全体で見ればちょっと面白いかな? 位の控えめで。


 乗っている電車はトロッコに変わったんだよ? なんかむしろ、肝試しで使いそうなモノになっちゃってるしさ?



 結果として最後のまとめで、単語を変えた状態で読み返す時になって、通して読んだらミステリーホラーっぽい薄気味悪さがある怖い話になっちゃって。


 (ひゃく)物語にイチ(いち)足りないまま終わる(はく)物語としてはならず、百物語の方が成立しちゃったんだ。




 …………あ、オチはまだだよ?


 それでね? その百物語の参加者達は妙にソワソワしているように、小声でボソボソって喋るだけになっちゃって。


 最後に聞こえたのが「あっ、ヤベ!」って(おどろ)いた声と、何かが勢いよく倒れる音。


 ……そう。 多分ロウソクの灯台(とうだい)を倒しちゃったんだろうね。




 この展開に納得が行かなかった親友は、また同じラジオ局のメンテナンス日を狙って、また謎のラジオを聞こうとしたんだって。


 そうしたらね?



「前回の白物語が失敗して、百物語も結界にも失敗しまして、参加者の全員が不幸になりました。

 つまり呪われたんです。 それで今生き残ったのは自分ひとり。

 この呪いをひとりで受け止めきれる程に自分の心は強くありません。

 なので、これを聞いてしまっている皆様にも、呪いをお裾分(すそわ)けしたいと思います」


 なんて言われたんだって。



 これを聞いちゃった親友は急いでラジオの電源を切ってベッドに潜り込んだんだけど、窓を()からコンコン叩き続ける音とか、親は別の階で寝てるのに、親友の部屋の扉をカリカリ引っ()く音が聞こえたり、廊下(ろうか)を歩き回る音が聞こえたり。


 …………うん。 分かりやすい怪奇現象だね。


 それに悩まされて寝られなかったんだって。


 それから次の朝に、(ひど)い顔の親友を見た親友の両親が心配して、事情を聞いたらすぐに神社でお(はら)いしてくれるよう手配してくれて。


 お祓いに行ったら、怪奇現象が消えて平和な夜に戻れたって。





 ………………うん。 聞いた話。


 ……絶対に(うそ)? 親友から真剣に、同じ真似はするなって言われたよ?


 まあ、それを信じてくれって私が言っても、やる人はやるんでしょうけど。


 しかも今夜、その○○○(ピーー)が丁度メンテナンス日だけど、ダメだからね?




 絶対に、ダメだからね? やっちゃ。







 ……あーー、やっちゃったんだ?


 分かるよー? 1日休んでそんな顔をして登校してきたら。


 ね? 本当でしょ?


 だって私の実体験だも…………いやいやいや! 親友は嘘を()かないもん。





 …………親友の存在を信じてくれないの?


 なんで? どうして?


 なんでなんでなんで?


 なんでなんでなんデなンデナんデナンデ何デナンデナンデナンデナンで?


 ナンデ シンジテ クレナイノ?


 ホントウ ノ コト ナンダヨ?


 シンユウガ ワタシニ イルンダモン!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 二重三重に『怖い』が変わっていく。語り手視点で通しているのも良いです。 [気になる点] 今回は設定を公表されていないので、読み手に考える余地がありますね。 語り手の女性、本当は… [一言]…
[良い点] 最後の方、どんな「親友」なんでしょうね~? [一言] テレビだと砂嵐かカラー確認画面にピー音でしたっけ? ラジオメンテナンスはどんなんでしたっけ? 最近夜更かししてないので気にも留めてな…
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