第一話(6)・魔王騎士団を作る為に私たちにできる事
「これからどうするの?」
ユナは不安のまなざしを竜也に向ける。
「かつての仲間は敵の一員になってる。俺を語る敵が地球連合騎士団を指揮している。だが、何も変わらない。俺が魔王を名乗り勇者を討伐する。だが、かつてのような小規模の6人パーティーでの戦いは、今回は敗戦濃厚だ。だとすれば、こちらも軍隊で戦う必要がある。」
「魔王騎士団って事?」
私の言葉に、竜也は力強くうなづいた。
「確かにそうだな。義勇兵を作り・・・。」
「兄貴!今度は私も戦う!!」
愛奈さんは、竜也に詰め寄ると、首を横に振った。
「容認できるわけがない。それに、愛奈に頼んだのは、ミカとユナの歌とダンスの指導だろ!二人がアイドルになるための指導をしてくれると話してくれたから連れてきたんだ!」
「竜也私たちも愛奈さんに戦いを教えるから!お願い!」
「なんでそうなるんだよ!!」
竜也は今まで見たことないくらい激高し私たちを一瞬にらむと思いため息をした。
「・・・・。私たちはこの村でただ世界が救われるのを祈り待ってるだけだった。でも、自分でもどうにかしたくて町の外に出てモンスターと戦い、町の自警団にも教えてもらい戦うすべを身に着けたの!」
「兄貴!私は本当は兄貴にアイドルで歌い踊ってる私を見てほしかった。でも、兄貴は一度も見に来てくれなかった。ずっと私は兄貴の無事を祈り待ってるだけだった!!だから、私にもできる事をやらせて!!今度は、私も一緒に戦わせてよ!!」
「・・・・・・。愛奈、一週間、二人に歌とダンスの指導を受けながら、戦う訓練をしてくれ。町の外にいる、デーモンスライムに勝てたら考える。」
「・・・・。二言はないよね!」
「勝てたら、考える・・・。」