第一話(3)妹の愛奈と現在の地球連合騎士団。
「アイドルは、ステージの上で歌とダンスでパフォーマンスをしてるんだ。ブレイブアンヘルなら、東京のアイドルグループだから、ライブがあったら見に行けると思うよ。」
「ライブって?」
「アイドルが歌とダンスをするイベントがあるんだよ。」
「そうなんだ。」
竜也がHPCで調べてくれた。
「今日この後あるみたいだね。出番が20時15分からってなってるね。当日券あるかわかんないけど。」
「竜也は、アイドルのイベント行ったことあるの?」
「無いけど・・。この世界に興味を持ってくれたのが純粋に嬉しいから。それに、会場は渋谷で近いから。」
「そっか。ありがとう。」
「僕からもいい?僕が魔王を倒して、地球連合つくったよね。あの後、どうなった?」
「都市は透明な結界に護られてて、その中の科学技術の発展スピードが、異常なの。まるで、この世界みたい。」
ユナが、苦い表情で言った。
「ユナは、両親と一度都市の中に入った事あるの。」
「そうなんだ。地球連合騎士団は、どうなった?」
「あれは、地球連合龍騎士団になったみたい。」
「龍騎士団?」
「丁度この家の建物と同じ高さ位の大きさで、人の言葉を理解する機械のドラゴンに乗った騎士団だよ。人型にもなるって、聞いたよ。」
「科学技術を持ち込まないように気を付けてたのに・・・。誰がそんな事を?」
「ごめんね。それは分かんない。あの都市は、闇が深いって父さんが言ってた。」
「そっか・・・。」
『兄貴??』
突然扉が開いた。振り返ると、制服を着た女の子が立ってる。
『愛奈ごめん。異世界から友達来てて・・』
『異世界って、本気だったんだ。』
これが日本語?二人が何を話してるか、分からなくて不安になる・・。
『この後、ブレイブアンヘルのライブに案内する予定だったんだ。』
『アイドル?兄貴、私が説得しても見に行かなかったのに、急にどうしたの?異世界行って別人になった?』
『成ってないよ!』
『でも、その田舎のメイドさんみたいな服で、行かせるつもり?』
『服、貸してくれるのか?』
『最初から、そのつもり・・。』
私は、その女の子に手を指し伸ばされた。
『来て!』
「この女の子は、妹の愛奈。この世界の女の子が着る洋服を貸してくれるんだ。着替えてきていいよ。」
『え?もしかして、日本語分からない?』
『そうだよ。』
「よろしくお願いします。」
私は、優しく手を握った。
『オッケーって事?なら、私の部屋に行こう。』
『兄貴は、ドアの外で通訳!!』
『分かったよ!』
ユナは不安そうに私の裾をつかんだ。
私達は、愛奈さんの部屋に連れてってくれた。