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神騎士ドラゴウル  作者: 皇 緋尚
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第一話   ボーイ・ミーツ・どらごん?




 人気のない公園のベンチに座ってスマホをいじるサラーリマンが一人いた。

公園の周囲にも人がおらず、しんと静まり返っていた。

「今月は祝日ないからなぁ、適当にサボらないとやってらんないぜ」

小声で愚痴を呟きながら、スマホの画面を眺め続けるサラリーマン。

「だったら、ひと暴れしてその鬱憤を晴らしてはどうだろうか?」

「は?」

 唐突に聞こえてきた声に驚いたサラリーマンはスマホから視線を外し、声の主を探した。きょろきょろと左右を見回すが姿はない。正面に視線を向けるも、やはり姿はない。

 ならばと後ろを振り返るがやっぱり誰もいなかった。

 幻聴か何かかと自分を納得させたサラリーマンが正面に視線を戻すと、そこに一人の男が立っていた

「っ!!」

 驚きのあまり声にならない声を上げるサラリーマンに男はにっこりと笑いかけて言った。

「さぁ、キミにこの『力』を授けようじゃないか」

「う、うわあああアアアァァァッ!」

 サラリーマンが灰色の毛で覆われていく。やがて、灰色の毛が全身に行き渡る頃には、頭部が犬のように変貌していた。





第一話   ボーイ・ミーツ・どらごん?




 キーンコーンカーンコーンと鳴る鐘の音が学園中に響き渡る。

それと同時に校内に張り詰めらていた気配が解かれ、一気に騒音が溢れ出す。

 本日6月13日は私立英進高等学校の中間試験最終日であった。それゆえについ先ほどまではピリピリとした鋭い緊張感で満たされていた。

 終了と同時に答案用紙の回収が始まり、お互いに言葉を交わし始める生徒達。それまでの静けさと打って変わってざわつく教室。それはどこの教室でも変わらない光景だった。

 普段であれば注意の一つも押し付けてくる教師も、回収されてくる答案用紙に黙って目を向けていた。

 なぜなら、午前10時30分――――現時刻をもって中間試験の全日程が終了したからである。最後のテストが終了した直後、このわずかな時間の雑談だ。

 さすがの口うるさい教師といえども多少は目を瞑るというもの。

 全ての答案用紙が回収されて、自らの手元にやってきたそれをとんとんと教壇の上で軽く叩いて整えると、ついに教師が静かにするようにと言葉を口にした。

 まだまだ話したりないといった表情の生徒が多数いたが、それでも会話を続けようとする者は誰一人いなかった。

「みんなテスト、お疲れ様。とくに注意事項とかもないから、このまま今日はお終いってことでいいぞ。それじゃ、また明日」

 担任の粋な計らいに教室が一気に活気付く。その騒音を背に教師は足早に職員室へと戻っていった。その姿を見送った一人の男子生徒、篠賀谷(しのがや) 啓祐(けいすけ)は手早く帰り支度を済ませて友人の元へと向かった。

「お~い、尚冴。これから買いに行くんだろ?」

「もちろんだ。さすがにテストはサボれないからな」

 声をかけられた男子生徒、(まとい) 尚冴(しょうご)は帰り支度の手を止めずに答えた。

「健太も行くだろ?」

「ああ、ゲームは買わないだろうけど、一緒に行くよ」

 二人のもとにやってきた男子生徒、尾崎(おざき) 健太(けんた)は頷いた。

「よしよし、それじゃあ、さっさと帰ろうぜ!」

「尚冴」

出鼻を挫くように少女、里坂(さとさか) 美月(みつき)が声と共に現れる。

「ゲームを買ったらまっすぐお家に帰ってくるのよ?ゲームセンターなんかに寄道しないようにね。お昼、準備して待ってるから」

「うぃ。言われるまでもないさ。買ったゲームを早くやりたいし、寄道なんかしないよ」

「お昼ご飯はちゃんと一緒に食べるわよ?」

「あ、はい」

 部屋でゲームをやりつつご飯を食べようと画策していた尚冴の野望を、きっちりと釘を刺して阻止できたことを確信した美月は

「よろしい。それじゃ、またあとでね」

 琴音(ことね)、帰るわよと一人の女子生徒を伴ってさっさと教室を後にした。

ついつい見送ってしまった彼らははっと我に返る。

「尻に敷かれてるんだな」

「というか、母親と子供って感じの会話内容だったね」

「やかましい。俺たちもさっさと帰るぞ」

 二人の言葉から逃げ出すように教室を出る尚冴を二人はやれやれといった表情で追いかけるのであった。




  啓祐(けいすけ)健太(けんた)の二人と共にゲームを購入した尚冴(しょうご)はすぐに帰路についた。いつもならゲームセンターに寄って長々と遊んでから帰るのだが、さすがに今日はそうもいかない。

 理由は単純明快、買ったゲームを早くやりたいから。もちろん、美月(みつき)に釘を刺されていたというのも即帰宅した理由の一つではある。

 いつものバス亭で降り、いつも通りの道を歩き、あとはいつも通りに家に到着するだけであった。

 しかし、すべがいつも通りというわけではなかった。それは、いつも通りかかる公園にさしかかった時の事である。

 ひっくひっくと誰かが泣いているようであった。その声が聞こえてしまった尚冴は気になった。そのまま素通りすることも出来た。が、気になってしまった。

 ならば様子を見るしかないじゃないか、そう結論付けた尚冴は公園の敷地内をひょいっと覗き込む。

 すると、犬のような生物が尚冴の視界に入ってきた。その外見はふわふわの真っ白な毛並で、小型犬と思われる大きさ。該当する犬種を答えるとしたら、その生物はどこからどう見てもポメラニアンだった。

 もっとも二足歩行で、えぐえぐ泣きながら何かをふろしきに包んでいなければの話ではある。

 包み終えた風呂敷を背中に担ぎ

「よいしょっと、これからどうすればいいのだ。色々とまずいことになりそうな予感しかしないのだ・・・あ」

「あ」

 目と目が合う。不思議生物に見つかってしまった尚冴は思わず呟きをもらし逡巡する。

 おそらく多くの人はこの不思議生物とのコンタクトを図るだろう。日本語を話しているわけであるから。

 ならば、尚冴のとる行動はひとつだ。

「見なかったことにしよう」

 早くゲームをやりたい、そんな一心である尚冴は目の前の現実から目を背けた。

「いやいや、待って。待つのだ。そこはスルーしてはいけないところなのだ」

 脱兎のごとくやってきた不思議生物は尚冴の足にすがるようにしがみついた

「こら、はなれろ」

「い~や~な~の~だ~!」

 言葉だけでは全く意味がなかった。この不思議生物がもっとおぞましい姿だったら全力で蹴り飛ばしたことだろう。

 なんなら見かけた瞬間に見詰めることもなく脱兎のごとく逃げ出したはずだ。

 なまじ愛嬌のある姿だからこそ足を大きく振って離そうとしたり、壁に叩きつけるような行動をとることができなかった。

 そういうことを平気でやってのける人間もいるであろうが、少なくとも尚冴はそのようなことができる人間ではない。

「いいから離れろ!」

(わがはい)の話をきいてくれるなら離れてもいいのだ」

「・・・仕方ない。わかった」

「おおぅ、意外と素直なのだ」

 拍子抜けした口調でそういうと不思議生物は尚冴の足から離れた。

「で、話したいことってのはなんだ?」

「この世界は狙われているのだ」

 きりっとした表情の不思議生物はさらっととんでもない発言をした。

「え?何から?宇宙人とか?」

「異世界人なのだ」

「それを阻止するために来たとか?」

「おお、話が早いのだ。と言っても吾がどうこうするわけではなく、戦う力を授けに来たのだ」

「なんか長い話になりそうな予感しかない」

「まぁ、短くはないと思うのだ」

「だったら、こんな道端で話し込むわけにもいかないだろう」

「まぁ、確かになのだ。喫茶店とかファミレスにでも行くとするのだ」

「いや、待て。そうじゃない」

「ん?」

「こんなところで話をしていて人に見られたら、ポメラニアン相手に話をしているように見えるだろうが。さすがにそれはない」

「ふむふむ。まぁ、犬や猫に話しかける人間は割りと大勢いるとは思うのだ。それじゃあ、どこのお店に入るのだ?」

「店にはいかんぞ」

「ふむぅ、それは残念なのだ。ああ、学校に行くところだったのか。ならば、屋上とか体育館の裏とかでもいいのだ」

 尚冴の服装を見て、そう判断した不思議生物に尚冴は首を横に振って否定した。

「いや、帰るところだよ」

「え?早くない?もしかして体調が優れないとか」

「中間テストの最終日で早く終っただけだよ」

「じゃあ、帰宅してから話すとするのだ」

「・・・う~ん」

「なぜ悩むのだ?」

「なぜ悩まないと思った?」

「え?だめ?」

「だめじゃないけど・・・他の人に会ったときは犬のふりができるのであれば許可してやる」

「ふ~む。まぁ、いいのだ。どのみち普通に喋っていると色々と大変そうだから、普段は犬のふりをするのだ」

「ならばよし」

 こうして尚冴は不思議生物をつれて帰宅することになった。


「ただいま~」

自宅のドアを開け、玄関に入る尚冴。その声を聞きつけた美月がぱたぱたと小走りで出迎えてくれた。

「おかえりなさい。微妙に遅かったわね。どこか寄道・・・してたわね」

 尚冴が片手で抱いている不思議生物に目を留めた美月が、若干の呆れを滲ませながら断言した。

「それで?この子、どうしたの?」

「拾った・・というか、拾わざるを得ないというか、連れてけとゴネられたというか」

「はっきりしないわね」

「とにかく、今日から家で飼う事になりました。だよな?」

 尚冴の呼びかけにポメラニアン(不思議生物)はこくこくと頷いた。

「可愛いじゃない。それに賢いわね、この子」

 はしゃぐ美月の声に反応したのか、それとも二人がやってくる気配が微塵もなかったためか、奥から二人のメイドがやってきた。

 一人は静石(しずいし) 琴音(ことね)。帰宅の際に美月が声をかけていた女子生徒である。そして、もう一人は静石(しずいし) 真理奈(まりな)。琴音の姉であり、琴音と同様に尚冴と美月にとっては年上の幼馴染みで、姉のような人物である。

 静石家は里坂家に代々仕える家系で、男ならば執事、女ならばメイドとして奉公している。琴音と真理奈の両名もその例に漏れず、里坂家のメイドをしている。

 琴音は美月と同年代ということもあり、彼女の専属メイドとして。姉の真理奈は尚冴の専属メイド(仮)として仕えている。

「あら、ポメラニアンですか。愛らしいですね」

「あんたゲームを買いに行ってたんじゃないの?」

 女性陣は尚冴からポメラニアン(不思議生物)を奪い取ると、かわるがわる抱っこしたり頭を撫でたりと愛で始めた。

「俺もよくわからんが、とにかく今日からこいつを飼う事にした。あ、ゲームちゃんと買ってきたぞ」

「うん、その情報はいらなかった」

「お前が聞いたんだろうが・・・」

 ぼそりと呟く尚冴に、美月が問いかける。

「この子、飼うのはいいけど、ごはんとか寝床とか必要なものはどうしたの?」

「拾ってそのまま帰ってきたのに、そんなものあるわけないだろう」

「よくそれで今日から飼う事にしたとか宣言できたわね」

 琴音の鋭い切れ味の言葉がざっくりと尚冴の胸に突き刺さる。

「お昼食べたら、みんなで買いに行きましょう」

「そうですね、そうしましょうか」

「この子、お腹は減ってるかしら?なにかあげれるものがないか見てくるわ」

「とりあえず、にぼしでも齧らせておけばいいんじゃないか?なぁ?」

「うな~」

 ポメラニアン(不思議生物)の肯定するかのような鳴き声に、時が止まったかのようにしーんと静まる。

「お前、どんな鳴き声してるんだよ」

 美月の手から奪い取ったポメラニアン(不思議生物)に威圧するように言い放つ尚冴。

「う、うな~」

 ポメラニアン(不思議生物)が困ったように鳴いていると、美月が再び自分の腕に抱き戻す。

「ちょっと変わった鳴き声だけど、可愛くていいじゃない」

「ちょっとか?本当にちょっとだと思うか?」

 それなりに長い付き合いである尚冴は、美月が本気でそう言っていることくらい承知で聞き返した。が、その答えは琴音と真理奈から返ってくる。

「美月様がそう言ってるからそれでいいと思うわ」

「美月様がそうおっしゃる以上、その通りでしょ」

「あ、はい。そうですね」

 それ以上の反論も特にないので、尚冴はこくりと頷いた。決してメイド二人の威圧感に負けたわけではない。

「とにかく、でかけるのが決まった以上、少し早いけど食事にしましょう。琴音、準備するわよ」

「はい」

「真理奈はこの子に煮干をあげてちょうだい」

「かしこまりました」

「尚冴は手を洗ってきなさい。どうせ出掛けるのだから、着替えはしなくてもいいでしょ」

「え?」

「え?」

 キッチンに戻ろうとしていた美月が尚冴の反応に踵を返す。この子は何を言っているのかしらと不思議そうな視線を向けてくる彼女に、尚冴はキッパリと言い放つ。

「いや、俺は行かないぞ?」

「どうしてかしら?」

「いや、だってゲームしたいし」

「あぁ、もう!予想はしてたけど、まったく・・この子は」

「こいつと留守番してるから、買い物は任せた」

 ポメラニアン(不思議生物)を抱き上げ、尚冴はいい笑顔でサムズアップしてみせた。

「はいはい、わかったわよ。ほんとにもう・・・どこで育て方を間違えたかしら」

「お前に育てられた覚えはないぞ」

「ほんとに?」

「・・・ほんとに」

「ふ~ん、へぇ、そうなんだぁ」

「そ、そうだよ」

 戯れ笑う美月の視線から逃れるように、尚冴は足早にその場を離れるのであった。




 昼食後、しばらくしてメイド二人を引き連れて買い物に出掛ける美月(みつき)を見送った尚冴(しょうご)が自分の部屋のドアを開けると、腕を組んで仁王立ちするポメラニアン(不思議生物)の姿があった。

「この世界は狙われているのだ、キリッ」

「あ~、そういえばそんな話をするんだっけか」

「忘れないで欲しいのだ!というか、わりと非常識な感じのこの状況で、よくもまぁそこまで順応できたもんなのだ」

「まぁな」

「いや、褒めてないのだ」

 呆れた口調で抗議してくるポメラニアン(不思議生物)に尚冴は尋ねた。

「それで?結局、何から狙われてるんだよ」

(わがはい)がいた世界、この世界からみれば異世界なのだけど、そこに存在するとある組織から狙われているのだ」

「何のために?」

「吾がいた世界を征服するための足場作り?的な?そんな感じなのだ」

「世界征服するためにまずは異世界を征服するって何かおかしくないか、それ?」

「ちょっかいかけてるのはここだけではないのだ。最終的にありとあらゆる異世界を征服する気に違いないのだ」

「そりゃまた大変そうなお話だな」

「とにかく!現在!今!なう!この世界が狙われているのは間違うことなき真実なのだ!そこで吾がそれを阻止するべく、やってきたわけなのだよ」

「阻止するって、具体的にどうするんだよ?」

「吾が阻止するわけではなく、そのための『力』を授けにきたのだ。そして、選ばれたのが尚冴、キミなのだ!」

「いや、犬に『力』を授けられても・・・」

「犬じゃないのだ!ドラゴン!しかも、神様!」

「はいはい、ドラゴンね、ドラゴン」

 尚冴がぽふぽふと頭を撫でくりまわすと、ポメラニアン(不思議生物)の尻尾がぴこぴこと嬉しそうに左右に動く。

「犬扱いするななのだ!吾は異世界より顕現せしドラゴンの神!すなわち、GOD (ゴッド・)OF (オブ・)DRAGON(ドラゴン)。略してG・O・D(ゴッド)!神様って呼んでいいのだよ?」

DRAGON (ドラゴン・)OF (オブ・)GOD(ゴッド)D・O・G(ドッグ)、犬でよくない?」

「よくないのだ!」

 ポメラニアン(不思議生物)は両手でぽふぽふと尚冴の足を攻撃して抗議する。

「わかった、わかった。じゃあ、名前で呼ぶことにするから教えてくれ」

「吾はドラゴンの神である。名前はまだないのだ」

「名前、ないのかよ!」

「こっちの世界にくるために本体から切り離された分身体みたいな感じなのだ。故に固体名がないのだ。せっかくだし、尚冴が名前を付けてくれ」

「ふむ・・・じゃあ、この地方で有名な人物、独眼竜の伊達政宗からとって、マサムネで」

「わりとまともな名前で吾、びっくり」

「話が進まなくなるからな、ちゃんと考えたぜ」

「おぉ、吾の話をそんなにも真面目に聞いてくれるなんて」

 じ~んと感動するポメラニアン(不思議生物)改め、マサムネ。

「いや、さっさと話を終らせて買ってきたゲームを早くやりたい」

「ですよね!そんなことだと思ったのだ」

 吾の感動を返せ、と愚痴りながらも話を本題に戻していく。

「それでは『力』を授けよう!ほい」

 マサムネはどこからともなく取り出した風呂敷包みの中からテニスボールほどの大きさの球体を尚冴に向かって放り投げた。

「おっと・・いきなり投げるな」

と言いつつも、きちんと受け取った尚冴はその球体をまじまじと眺めた。透明なそれは片手で握ることができる水晶玉のようであった。

「これは?」

「龍の『力』を人間が使用するために精製された宝玉なのだ」

「龍の宝玉か」

「のんのん、名称は別にあるのだ」

 器用に人差し指?を左右に振るマサムネ。

「『力』とは魂に直結するもの。龍の『力』とは、すなわち龍の魂。縮めて龍魂(どらたま)!」

「龍魂ね。まぁ、わかった。で、これでどうするんだ?」

「あ、使い方を教える前にもう一つ渡すものがあるのだ、ほい」

「だから投げるなって、うん?腕輪か?」

 自分に向かって投げつけられたものを見事にキャッチした尚冴の言葉は、マサムネへの抗議から質問へと変化した。

「うな~、その通りなのだ。それを右腕に装着して欲しいのだ」

「はいはい」

 マサムネの言葉に従って腕輪を右腕に装着した尚冴に、マサムネは満足そうに頷き言った。

「それでその腕輪はもう外れないのだ」

「は?お前、そんな大事なことは先に言えよ!どうするんだよ、これ!」

「焦るのはわかるのだ。学校にそんなのを付けて行けないとかそういうことを言いたいのはとてもよくわかるのだ」

「美月に見つかったらどうする!」

「え?そっち?そっちの方が重要性高いの?」

「正直、美月が納得すればあとは大概どうにでもなる。この街ではな」

「なにそれ、怖い。あのお嬢さんは何者なのだ・・・」

 ぶるぶるっと身体を震わせるマサムネ。

「家の正面にやたらとでっかいお屋敷があっただろ?」

「ごーじゃすな感じの豪邸だったのだ」

「あそこはここら辺では有名な金持ちの一族でな、結構な権力を握ってるんだよ」

「まさか・・・?」

「うむ、たぶんお前の想像は正しい。そこの末の娘が美月だ」

「あ~、両親に溺愛されてる感じの?」

「兄と姉が一人ずついるが、その両方からもだ」

「わ~お、それはなんというか、うん、なんか察したのだ」

 キラキラとどこか悟ったかのような表情でマサムネは頷いた。そして、おや?っとばかりに首を傾げる。

「そんなお嬢様がなぜに尚冴の家に?」

「まぁ、昔に色々とあってな。なんやかんやと美月は俺の許婚になったのさ」

「なんやかんやって・・・」

「そんなわけで、お互いの家には自由に出入りできるようになったし、まり姉は俺の専属メイド(仮)になってお世話してくれてるわけだ」

「ふむ~、なるほど」

「って、そんな話はどうでもいい。これ、どうするんだよ?」

 右腕にしっかりと嵌った腕輪を指差す尚冴に、マサムネはしたり顔で諭す。

「大丈夫なのだ、その辺の心配は一切必要ないのだ。その腕輪には尚冴の意思で消えたり出現したりする便利な機能が搭載されているのだ!」

「おお、ホントだ!消えた」

 マサムネの言葉通りに腕輪を消すことが出来た尚冴は、消したり出したりを繰り返して、その機能を十分なほどに確認した。

「それで必要な時にだけ出現させれば、日常生活は今まで通りというわけなのだ」

「すごいな、これ」

「本題はここからなのだ!」

 まだ腕輪を出したり消したりしている尚冴に、マサムネはその行動を中断させる。

「腕輪を出した状態で龍魂は右手で持つ。まさに今の状況、これが『力』を使うために必要な条件なのだ」

「ふむ」

「あとは簡単。龍魂に魔力を流し込んでから、握りつぶすようにして割るのだ!」

「いや、簡単じゃないだろ、それ。こんな固そうなもの割れるか!というか、魔力を流し込むってどういうことだよ」

「え?右手の先に気とか魔力とかそんな感じのものを集中させて溜めるような感じなのだ。小さい頃とかにマンガやらアニメやらで影響を受けて真似したこととかない?」

「あ~、言わんとすることはわかった。わかったけど、上手くやれるかはわからないぞ?」

 尚冴はそう言いつつもマサムネに言われた通りにやってみる。すると、龍魂が発光して龍の文字が浮かび上がった。同時に腕輪から

[ソウルリンク:ドラゴン]

と、システムボイスが発せられて待機音が鳴り始めた。

「おぉ、随分と渋くてかっこいいな、このシステムボイス」

「いや~、褒められると照れるのだ」

「お前の声と全然違うだろ!」

 割と高めな声質のマサムネの発言にツッコミを入れたせいで、尚冴の集中が切れてしまったらしく龍魂の光と文字が消え、待機音が止まってしまった。

「いやいや、あのシステムボイスは吾の本体の声なのだ。つまりは吾の声とも言えるわけで、どやぁ」

「どやぁ、ってお前・・・」

「ほらほら、それはいいからもう一度龍魂に魔力流して、今度はちゃんと握りつぶすように割るのだ」

「わかったよ」

 いまいち納得のいかない表情を浮かべつつも、尚冴はもう一度龍魂に魔力を流し込む。龍魂が発光し、銅色の龍の文字が浮かび上がる。

[ソウルリンク:ドラゴン]

「今なのだ!割る!」

「割る!」

 尚冴がぐっと右手に力をこめると、何の抵抗もなくすんなりと龍魂が砕け散った。その瞬間、咆哮と共に一匹のドラゴンが出現した。銅色に輝く粒子で実体化したようなそのドラゴンは尚冴の周りをぐるぐると周り、やがて尚冴を覗き込むように正面で止まる。

「おおおお」

[フォーム:ブロンズアーマー]

 驚いている尚冴の声に重なるようにシステムボイスが鳴ると、ドラゴンは粒子となって尚冴の身体を覆う。そして、銅を基本色とした全身を鎧で武装した騎士のような姿へと変わっていた。

「これって鎧を着たってことなのか?頭には兜とかないのか・・・うぉ、なんだ?フルフェイス?」

 外見的には全身に鎧を身に着けており、この姿を傍から見れば尚冴だとわかることはない。しかし、装着者の尚冴にしてみれば、鎧の重さはまるで感じられず、視界が狭まるといった変化もなかった。

 尚冴の視界に入る自身の身体が、鎧姿に変わったなくらいにしか把握できていなかった。そのため、顔に手を当てることで初めてフルフェイスの兜を装着しているのだと察することが出来たのだ。

「まぁ、落ち着くのだ。自分が今どんな格好なのか把握できないからちょっと困惑するだろうなとは思っていたのだ。ちゃんと、対応策はあるから」

「意外と考えてるんだな、お前」

「まるで何も考えてないかのような物言いが気になるけど、まぁ、いいのだ。それではお見せしよう。吾の108ある奥義が一つ、秘技・姿写し!」

「奥義なのか、秘技なのか、どっちかにした方がいいと思うぞ?」

「そんな細かいことはどうでもいいのだ。ほれ、自分の姿を思う存分確認するがいいのだ」

 尚冴の前に三面鏡の姿見を出現させたマサムネが得意げに言った。

「奥義としてはしょぼい気もするが、普通に便利そうな技で感心した」

「うん、うん・・うな?微妙に褒めらてないような気がするのだ」

「これで異世界の組織と戦うのか?」

 全身をある程度確認した尚冴が、首をかしげているマサムネに問いかける。

「そうなのだ。今から、簡単に基本的な使い方を教えるのだ。後は実戦でおいおい覚えていけばいいのだ」

「わかった」

「いい返事なのだ。では、まず、右手を見るのだ」

 尚冴が右の掌を広げてじっと見詰めると、マサムネは慌てて訂正した。

「右腕、右腕を見て欲しいのだ。籠手に腕輪が一体化しているのがわかると思うのだ」

 確かに、そこにはマサムネの言葉通り、先ほどもらったばかりの腕輪が確認できた。

籠手と一体化しているものの、腕輪本来の色であるプラチナに変化はない。しかし、装飾として嵌っていた水晶の球体は、透明から銅へと変化を見せていた。

「その腕輪は変身だけでなく、武器とか技とかに用いる重要なアイテムなのだ!」

「鎧の装着とかでなく、変身か。特撮ヒーローっぽくていいかも」

「あの、真面目に聞いて欲しいのだ」

「聞いてる聞いてる。聞いてるから説明、続けていいぞ」

「まず、武器の取り出しからなのだ。まずは腕輪を腕時計を見るようにしてみるのだ」

 尚冴は言われたとおりに右腕を胸の前に出して腕輪を見た。

「中央の水晶の周りに四つの宝玉があるのだ。ちょうど、3時6時9時12時の四方向に」

「おう、あるな」

「じゃあ、9時の方向にある宝玉を押してみるのだ」

 ほら、早く言ったとおりにするのだ、と尚冴を急かしつつ、マサムネの使い方説明基礎編は続くのであった。




「そうそう、それで変身解除なのだ」

「で?これはどうすればいいんだ?」

 尚冴(しょうご)は球体に戻った龍魂(どらたま)をマサムネに見せながら尋ねる。

「その龍魂は尚冴が持っていていいのだ。吾がいなくても変身できるように」

「持ち歩くには微妙に邪魔なんだが・・・」

「邪魔って・・・まぁ、それに関しても対策はあるのだ」

「あるんだ」

「あるのだ、どやぁ」

「どやぁ、はいいから、早く教えろ」

 えっへんと胸を張るマサムネに尚冴は催促した。

「異空間に収納スペースを設けて、そこに尚冴がアクセスできるようにしてあるのだ。尚冴の意思一つで出したり仕舞ったりできるのだ」

「腕輪と同じ感じでいいのか?」

「そうそう、そんな感じ」

「おお、ほんとだ。何もない空間から出したり仕舞ったりができる」

「龍魂以外にも使ってかまわないのだ」

「おお、いいのか!」

「いいのだ、どやぁ」

「それはもういいから。とはいえ、太っ腹だな」

「まぁ、異世界の組織と戦ってもらうわけだし、このくらいは当然なのだ。これでハンドフリーな生活が送れるのだ」

「これは結構ありがたい」

 上機嫌のまま、尚冴はテレビを点けてゲーム機を起動させた。買ってきたゲームを挿入し、いよいよ遊び始めようとしたその時である。

「尚冴!何かが起きそうな気がするのだ!さっそく異世界からの侵略者が動き出したっぽいのだ」

「まじか!ようやくゲームができると思ったのに・・一応、念のために聞くぞ?」

「うな?」

「行かなきゃダメなのだろうか?」

「ダメなのだ。今すぐ行くのだ」

「ちっ、わかったよ」

 テレビとゲーム機の電源を落としてから立ち上がる尚冴に、マサムネは言った。

「あ、そうそう。戸締りはすでに真理奈(まりな)ちゃんがしてくれているから、あとは玄関だけなのだ」

「りょ~かい」

 尚冴はマサムネを連れて外に出た。

「それで、敵?とやらはどこにいるんだ?」

 玄関の施錠を終えた尚冴がマサムネに問いかける。

「ん~、あっちの方なのだ」

「あっちの方って、ざっくりとした説明だな」

 マサムネが指差した方に視線を向ける尚冴。

「ちょっと距離があるから、(わがはい)に乗るのだ!」

「いや、乗るのだ、ってお前。それは無理な―――おおおおおお」

「さぁ、乗るのだ」

 ずももももと馬くらいの大きさになったマサムネが再度促した。

「お前、でかくなれるんだ」

「龍の神ですから、どやぁ」

「ふわっふわだな」

「龍の神ですから、どやぁ」

「いや、それは違くないか?」

「とにかく、出発するのだ!」

 ふわふわの毛並を堪能し続けている尚冴を背に乗せ、マサムネは空へと飛び上がる。そのまま走り出すと思っていた尚冴が驚きの声を上げる。

「空、飛べるのかよ!」

「龍の神ですから、どやぁ」

 最短ルートで向かうのだ、と尚冴に告げてマサムネは目的地へと飛ぶのであった。



 

 昼下がりの住宅街を抜けた先に大きな公園があった。近くのコンビにで買い物を済ませた一人の女性が何気なく、いつものようにそこを通り過ぎようとした。そんな他愛もない出来事である。

 しかし、不運なことに今回は他愛もない出来事ではすまなかった。公園を通り抜ける途中で、犬のような頭部を持つ人型の何かに出くわしたのだ。獣人のようなそれは、皮製の簡易な鎧を身につけ、手に大きめの棍棒を持ち、腰には短剣を差している。

「獲物、見ツケタァ!」

「ひっ・・・」

 女性は引きつった声をあげて尻餅をつく。そのまま立ち上がることが出来ずに、ずりずりと後ろに逃げようとするが、焦っているせいなのか、足に上手く力が入らないためか、まったく動けていない。

 犬頭の獣人は棍棒を振り上げ、ニヤリと笑う。そして、振り下ろされる腕。その光景に思わずぎゅっと強く目を瞑り、女性は反射的に頭を抱えこむ。

 次の瞬間、どんっ!という音と共に衝撃が駆け抜けた。そう、女性には音と衝撃が伝わっただけである。棍棒で殴られた衝撃と痛みではない。目の前で何かが衝突した際に発生した音と衝撃。彼女はそれを感じたのだ。

「え・・・?あ・・・」

 恐る恐る目を開けた女性が目にしたのは、一人の少年の姿。足元にはポメラニアンと思われる可愛らしい犬の姿もあったが、犬頭の獣人は見当たらない。

「大丈夫ですか?」

尚冴(しょうご)が女性に手を差し伸べると、戸惑いながらも女性はその手を握った。女性を立たせてから、尚冴は言う。

「えっと、歩けます?」

「え?あ、はい・・たぶん」

 足をがくがくと震わせながらも、女性はしっかりと頷いた。

「じゃあ、逃げてください」

「え?」

「早く。あれはまだ無事みたいなんで」

 尚冴がちらりと目を向ける。それを追って女性も視線をそちらに向けた。その先には先ほどの犬頭の獣人が転がっていた。より正確に言うならば、今まさに起き上がろうとしているところだった。

「ひっ!」

「とにかく、逃げてください」

「は、はい!」

 恐怖に引きつった表所のままで女性はふらつきながらも公園の出口に向かって逃げていく。その背中をある程度見送ってから犬頭の獣人に視線を戻すと、ちょうど立ち上がって体勢を整えたところであった。

「あれって獣人なのか?犬男とか、ワードックとか?」

「あれはコボルトなのだ。ただなんかちょっと普通と違うような?」

「普通じゃないコボルトってことか」

「ん~、うむ~?ま、コボルトってことでいいのだ」

「雑な判断だな、おい」

 にぱ~っと断言したマサムネに尚冴がつっこむと、それを合図にしたかのごとく犬頭の獣人、いやコボルトが棍棒で殴りかかってくる。

「獲物、逃ガシタ!オ前ノセイ!」

「うおっ!結構、速い!」

 ぎりぎりでかわした尚冴は、棍棒を振りぬいたコボルトのわき腹を思い切り蹴り飛ばす。たまらず、コボルトはよろめいて数歩後ろに下がった。その隙に尚冴は走って距離を空ける。

「あいつ、以外と弱いのか?」

「弱いんじゃなくて、尚冴が生身でもそこそこ強くなっているだけなのだ」

「そうなの?」

「そうなのだ。変身するための隙を作るためにある程度生身でも戦えないとダメかな~と思って、契約時に肉体強化をしておいたのだ」

「そういう説明もちゃんとしておけよ」

「うっかり忘れてたのだ。それはそうと、ほら、見るのだ!大してダメージは負ってないのだ」

 二度も攻撃を受けたためか、コボルトはフーッフーッ!と息を荒げて尚冴を睨みつけている。

「確かに元気そうにこっちを見てるな」

「さぁ、初陣なのだ!変身してさくっと倒してしまうのだ!」

「よし、やってみるか!」

 尚冴は腕輪を出現させ、龍魂(どらたま)を握り締めるように持つ。

[ソウルリンク:ドラゴン]

「変身!」

 気合をこめた一言を発し、尚冴は龍魂を握りつぶすようにして割る。

[フォーム:ブロンズアーマー]

 割れた龍魂から出現したドラゴンが銅色の粒子となって尚冴を包みこむ。一瞬で銅色をベースカラーとした全身鎧が形成され、騎士の姿へと変わった。

「ウアアアアアアアッ!」

 唸り声を上げたコボルトが再び棍棒を振りかざし、尚冴に襲い掛かる。今度は避けずにそれを受け止めた尚冴は、コボルトの腹部に思い切り拳を叩き込んだ。

「グルゥゥァァッ!」

 生身で蹴り飛ばした時とは違い、今回は明確なダメージがあった。腹部を押さえ込むコボルトを見て、尚冴はそう確信していた。

「一気に片をつけるか」

 尚冴はそう呟き、腕輪部分の9時の方向にある宝玉を左手で押した。

[ウェポンリンク:ドラゴン]

 決定ボタンを押すように水晶部分を軽くタッチ。

[ソード]

 システムボイスの直後、一振りの剣が目の前に出現する。尚冴はそれを当然の如く握り締め、コボルトに向かって二度、三度と斬りつけた。

「グァァァァッ!」

 苦痛の声を上げるコボルト。斬られた箇所から黒い煙のようなものが一瞬だけ噴き上がる。

「コノッ!」

 お返しとばかりに棍棒振るうコボルト。その腕を切り払う尚冴。

「ガァッ!」

 その痛みからか、コボルトは棍棒を落としてしまう。

「オノレッ!」

 左手で短剣を抜き放つコボルトだったが、尚冴はそれよりも早く決着をつけるための行動を完了させていた。

 コボルトが棍棒を落としたとわかった瞬間、腕輪の12時の方向にある宝玉に触れる。

[フィニッシュリンク:ドラゴン]

 ちょうどコボルトが短剣に手をかけたあたりで、システムボイスが発せられ待機音が鳴り響く。

 そして、コボルトが短剣を抜き放ち――――尚冴が水晶をタッチする。

[ドラゴニック・ブレイド]

 尚冴が持つ剣の刀身が銅色に輝く。コボルトが攻撃するよりも速く、横一線に切り払った。

「ギャアアアアアァァァァァッ!」

 断末魔の悲鳴を上げるコボルトが爆散すると、黒い煙のようなものが立ち上り、すぐに霧散して消えた。残ったのはスーツ姿で倒れているサラリーマンの男性だけであった。

「で、これはどうすればいいんだ?生きてるんだよな?」

「大丈夫なのだ、すぐに目を覚ますはず。(わがはい)たちは帰るとしますか。ささ、乗るのだ」

「おう」

 巨大化した背中に尚冴が乗ると、マサムネは飛び上がって公園を後にするのであった。




「どこに行ってたのよ!」

 帰宅して早々に美月(みつき)に怒鳴られることとなった尚冴(しょうご)はマサムネを持ち上げて、

「散歩につれてけってマサムネがうるさかったから、仕方なく散歩に行ってたんだよ」

 さらっとマサムネのせいにして難を逃れようとしていた。

「散歩ね・・この子の名前、マサムネにしたの?」

「おう、こいつも気に入ってるみたいだ」

「尚冴にしてはいい名前を付けたじゃない。マサムネちゃん、色々買ってきたわよ~。さっそくジャーキーでも食べる?」

「うなっ!うな~!」

 ぱたぱたと嬉しそうに尻尾を振るマサムネを尚冴から取り上げると、美月はそのままリビングの方へと戻っていった。それを見送ってから、尚冴は自分の部屋に戻って、ようやく買ってきたゲームを始めることができるのであった。


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