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運命の石 ―ラピスラズリ―

作者: 柊つばさ

昔々イギリスにオリバーというとても元気な男の子が住んでいました。オリバーは新しいことに好奇心旺盛でした。


ある日、オリバーは学校の帰り近所の教会を訪れました。この教会はとある箱でとても有名だったからです。この箱は『契約の箱』と呼ばれていました。この箱には神の十戒が刻まれた2枚の石板が納められていて絶対に触れてはいけないという噂が流れていました。しかし、オリバーは箱に触れ、実際箱の中に何が入っているのか確かめたかったのです。


オリバーが恐る恐る教会の中に入って行くと誰も居ない様子でした。長い身廊を歩いて行くと聖域が見えました。聖域は教会の中で一番神聖な場所でした。その時、オリバーは彫刻の像の陰に小さな箱があることに気がつき、「これだ!」と叫びました。オリバーは急いでふたを取り箱の中を覗き込みました。すると突然、魔法の封印が解けてオリバーは深い眠りに落ちました。


オリバーが眠りから覚めると、近所の教会と似た場所にいると気がつきました。目の前には聖ミカエルの彫刻がありました。オリバーは顔を上げて聖ミカエルをじっと見つめました。すると突然、聖ミカエルが話しかけてきました!


「こんにちは。私は大天使ミカエル」と聖ミカエルが言いました。

オリバーは驚いて呆然としていました。

「今オリバーはパリのセント・ミシェル大聖堂にいます。でも夢の中だよ」と聖ミカエルが言いました。

「僕は今どうしてここにいるの?」とオリバーが尋ねました。

「契約の箱に触れたんじゃないの?」と聖ミカエルが言いました。

「うん。でもあの箱が本当に魔法の箱かどうか分からない」とオリバーが言いました。


オリバーが聖ミカエルと話をしていると、オリバーは自分たちの方へ足音が近づいてくるのが聞えました。そして、黒い服をまとった誰かがこう言いました。「私はピエール。この大聖堂で司祭をしています」


オリバーはピエール司祭に謝りました。「こっそり忍び込んでごめんなさい!」

「心配しなくていい。オリバーは今日私と聖ミカエルに会いに来る予定だったんだよ」とピエール司祭が言いました。

「どういうこと?」とオリバーが言いました。

聖ミカエルはオリバーにペンタグラムのシンボルが刻まれた魔剣を見せました。


「この剣には魔法がかかっている。安らぎと幸せをもたらすが、その一方で災いと不幸ももたらす。オリバーが大人になる頃この剣を巡って争いが起こるだろう。この剣のことは口外しないこと」

「どうしてこの話を僕にするの?」とオリバーが言いました。

「オリバーは神様からのメッセージを人々に伝える役目があるからだよ」

「これも神様からのメッセージなの?」

「もちろん」

「でも・・・・・・信じられない!」

「この夢から覚めるとオリバーのポケットの中にはラピスラズリの石が入っているよ。これは魔法の石。剣に刻まれたペンタグラムのシンボルの中央にこの石をはめ込むと夢が叶うでしょう。この石はオリバーのお守りであり、剣を尋ねる者に絶対渡してはならない」と聖ミカエルが言いました。


オリバーが夢から覚めると本当にポケットの中にラピスラズリの石がありました。オリバーは興奮し、石を持って急いで家に帰りました。オリバーがテレビのスイッチをつけてしばらく見ていると、スクリーンの中にパリのセント・ミシェル大聖堂が映っていたのでもう一度びっくりしました。

「火事でペンタグラムのシンボルが刻まれた剣が行方不明です!」とレポーターが伝えていました。

この時、これは本当の話なんだとオリバーは思いました。



終わり



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