表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/106

それからとこれから

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます。


ブックマーク、評価をくださり誠に有難うございます。

感謝、感謝そして感謝あるのみです。

皆様の期待に沿えるように頑張っていきたいと決意を新たに投稿していきます。

拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

「妾と夫婦になってたもれ。」


空中に浮きながら器用に正座をして足の間に両手を挟み込みモジモジとしながら俺を見てリューは言った。

空中に浮いてるので、逆さまになったりくるりくるりしているが「思念」と呼ぶ体なので頭髪などは乱れたりしていない。

俺は「宇宙に出るとこういう風になるのかな」などと不要な考えをしながらもハッキリとプロポーズをしてきたリューの心情を察しようと考えた。


「結婚なんてもう諦めていたのになあ。」


俺はぼそりと呟きながら思った。

40前までは考えていたが、仕事を辞め自営業に転身してようやく人並みに暮らせるようになったが、既に初老と言われる歳になったし、嫁すら来ないだろうと思っていた。

しかもこんな若い子が「結婚してくれ」なんて夢にも思わなかったが、とにかく自分を覚悟を決めなきゃいけないので、覚悟を決めるべく話を始めた。


「45のおっさんだぞ?」


「あほう!それを言うなら妾なんて1632歳になるんじゃぞ!」


「せん・・・お互いの性格も判っていないのにか?」


「それを言えば、政略結婚なんてどうするのじゃ?」


「ああ、ああ言えばこう言う。・・・ホントにいいんだな?」


「妾に任せい!ヌシ一人養うくらい簡単じゃ。」


・・・多分夫婦になることは決定事項で進めているんだな。

と、俺は苦笑いをしながらリューを見ていた。


「どうせ親からも勘当されて天涯孤独の身だし、この歳で家族が持てるなんて幸運これからもなさそうだしな。」


「では!」


「龍になり立ての俺だが、宜しく頼みます。」


俺もベットの上で正座をしてぺこりと頭を下げてリューの申し出を受ける事にした。


「うむ!殊勝な心構えじゃ!思念でなかったら抱き付いていところじゃ!」


こうしてリューと夫婦、嫌ドラゴンだから「つがい」になったのだが、もういくつか問題があることを尋ねた。


「リュー?番になったのはいいが、触れる事もキスすることもできないのに、どうすりゃいいんだ?」


「聞いてなかったのかえ?さっきも言ったじゃろ「再生する」とな。」


どうやら「地球」には「魔素」は「フィーグル」と同じくらいの濃度があるらしいのだが、不純物が混じっていて魔法を使っても4割強の威力や効果しか発揮できないらしい。


「魔素は利用すればする程、純度が高くなって魔法の効果が発揮されるのじゃ。」


それでもリューの魔法が通常と変わらないのは「万物の魔導」の司を持っているので、不純物を取り除いて使用することが出来るとの事だ。

魔法でも「まじない」「術」「魔術、神聖術」「魔法」「魔道」「魔導」の順に高位となりリューはその最高位に属するという。


ちなみに一般で使われるのは「術」「魔術」で宮廷魔術師が「魔法」に近い「魔法」そして勇者たちは「魔法」、古龍以外の龍族は「魔道」を使用するそうだ。

魔道の高位まで行くとリューの「魔素の加工」が無意識で常時行使できるのだが、それより下位は加工専用の魔法をいくつも多重展開しなければならないという。


そして魔法の行使だが、3つの方法がある「自身の体内にある魔素」「外気の魔素」「自身の体内にある魔素を喰わせる」という方法があり「魔道」以下はどんな加護があっても、どれか1つだけでしか行使できないそうだ。


「地球の魔素は不純物が強くこびり付いておる。妾でも意識しながら加工しないと使えんから厄介じゃな。」


そして驚くべきなのかもしれない。「地球」では過去に頻繁に魔法が使われていた形跡があって今でも、ごく僅かに使われている可能性があるだろうと言っている。

魔素は地球上内を滞留していて、初めは純度は高いが年月を経て不純物と結合してしまうのだという。


「全く行使されていないのならば、妾が加工しても不純物は取り切れんのじゃが、加工をすれば純度が高い魔素が出来ると言う事は今でも少しだが使われているか、過去に普通に魔素を使って呪いなどの行使がされていたと言う事じゃ。」


そうすると魔素の使用の痕跡があったとするなら、多分神話や伝説として残っているものか、ヨーロッパ方面がその魔法って言葉が多く残っているな。


そうして話を戻すと本来、肉体と魂魄は俺の中で休眠しながら、魔素を使って構成元素を吸収しながら再生をする。そして最後に肉体と魂魄が同時に覚醒するはずだったが、魂魄だけ先に覚醒してしまったという。


「・・・とまあ魔素と魔法の関係は覚えたな?それでは妾の復活の準備じゃ。また体を借りるぞ?」


俺はまたもや体の支配権を取られてしまい、リューが部屋の隅に移動をして右手をかざすと飛行した時と同じ光る英語の筆記体のような文字が空中から現れて帯になり高さ150㎝くらいの卵型になる。


「見ておけ?これが、行使紋と言って「魔導」では普通に使われる呪文じゃ。もっとも妾は必要とせんが、ヌシは暫くの間必要になるの。

なあに、訓練すればあの時みたいに指を鳴らしたり、指差しするか、視線を送るだけで行使が出来るようになるの。」


―「無詠唱」ってやつか?―


「無詠唱?ああ、勇者たちが使うアレじゃな?」とリューは聞き返した後、笑いながら教えてくれた。勇者達が使うのは確かに「無詠唱」というが、良くても2流らしい。

勇者達が使う手順は「見る」「認識」「使用または対抗魔法選択」「呪文詠唱」「行使」「発動」の順番を頭の中で考えながらやるので口ずさむ詠唱よりは遥かに速い。


しかしリューの場合は「見る」時点で発動してしまっていて、どんな魔法でもそれだけで完了してしまうと言った。

今回は俺に魔法を教えるために、わざとジェスチャーをとったり、行使紋を見せているのだという。

・・・神様、私の伴侶はとんでもない女性です。既に尻に敷かれるのが確定してます。


そう話しながらも延々と卵型に形を成している行使紋が止まり、上部が金色をして下に行くにつれて銀色にグラデーションが掛かった大きな卵が姿を現した。


「素手の子の卵の中にある程度再生した妾の体が入っておる。

そして卵の殻がフィルター代わりをして純度の高い魔素を卵の中に取り込んでおる。

そうじゃな、復活まで4ヶ月というところか。その間半径で2㎞に高位の認識阻害を掛けておこう。

魂魄と体の融合は同時進行じゃないと体が思い通りに動かないからの。

最後の10日間は妾も中に入って思念体と魂魄と体の融合をせねばならないからの。」


―ん?思念と思念体って同じじゃないのか?―


「ちがうの。思念は魂魄から飛ばした意識みたいな物じゃ。そして思念体は魂魄から切り離して一つの生命体と呼んでもおかしくないものじゃ。

じゃから妾が復活した時は卵が完成した時より記憶がない。今の妾は全く別の記憶を持つ思念なのじゃ。」


―何故そんなことしたんだ?―


「決まっておろう。ヌシの訓練を手伝わなきゃならんの。」


―手伝う?―


「あの痴れ者2人と後ろに控える黒幕とやらに罰を与えるにはヌシの強化が必要だからじゃ。」


―そうか、でも逃がしちゃっただろ?―


「妾は手は打っていると言ったの。彼奴等には「まーきんぐ」とかいうやつと、使い魔を付けておいたの。」


―ああ!それ―「じゃ・・って!いきなり元に戻す・・な・・・って。」


突然意識を戻されて講義をしようと思ったら。

リューに抱っこされた状態になっており驚いて言葉に詰まってしまった。


「どうじゃ?驚いたか?」


「え?あ、ああ・・・・。」


リューは俺をベットに座らせて自分もその隣にトスっと腰を下ろした。


「まずは説明の前に。」


と言ったと同時に何かが広がった感覚があり、あとから「守られている」感覚に覆われた。


「おお~。魔の理を教えただけでそこまで感じ取ることが出来るようになったの。感心感心。」


そう言ってパチパチと手を叩いていた。

そして俺に抱き付きながらニヨニヨと笑みを浮かべ「んん~」と頬にスリスリしてきた。


「どうじゃ?触り心地は。」


「はい。ものすごくいいです。いい匂いもするし。」


「これは作り物じゃが、本物はもっと気持ちがよいぞ?」


と妖艶な眼差しと笑みを俺に向けてきた。


「でもなあ、こんなちっちゃな体じゃ何もナニも出来やしない。」


俺はガックリとうなだれると、リューには「ナニとは?」と首を傾げながら聞いてきた。


「だってほら、○ーク○ッツみたいになっちゃって・・・ああ、○ラン○フルトが懐かしい」


「ぽーく?ふらんく?なんじゃそれは?」


「ああ、いや・・・なんでもない。」


リューは「?」と不思議そうな顔をしていたが、「さて」と言いながら訓練内容を伝えてきた。


「まずは1ヶ月間ひたすら制御と魔素の加工と取り込み、そして多数展開。これをすべて同時に行使してもらおうかの。

ああ、それから姿勢はあの「せいざ」というヤツが最も適しておるの。

自身の中と外、身体と周囲を制御するのにはもってこいじゃ。」


俺は「げ」と声をあげてうんざりしたが、リューに「なんじゃ?」と目を細くして横目で睨んできたので「なんでもないです」と返事をして続きを聞く。


「2ヶ月目からは制御のほかに術の練習もやっていくぞ?魔導まで熟練をあげなきゃならん。」


「・・・・さいですか。」


「3ヶ月目からは実践じゃな。魔導まで上がらなかったらここでも訓練の「めにゅー」が増えるぞ?」


「了解。んで4ヶ月目は?」


「実戦訓練じゃ。妾も寝てばかりじゃったからな。体が再生するまでに実戦で使う勘だけはみがきたいからの。」


「うわあ~。お手柔らかに頼みます。」


「なに、時には息抜きも入れてやるから心配するでない。」


そう言ってニヤリと笑うリューはあの時に笑った怖い顔をするのであった。

俺ももうあそこまでやってしまっていたので後には引けないと覚悟を決めて訓練に励もうと決意したのだった。




最後までお読みいただきありがとうございます。


次回は少し長めになりますが、楽しみにしていただけると嬉しいです。

今後もよろしくお願いたします。


次回更新は17時です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ