フィーグルと地球と女神のつながり
あけましておめでとうございます。お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます
お待たせしました。
拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。
「―さ――き―――い」
誰だ?
「ミ―ル―――お―てく―さい」
聞こえてくる声は女性らしく、やさしい口調のように聞こえる。
「ミノルさん、おきてください」
確か俺は、越界門のブラックホールに引き込まれて―――
そうだ、あの時―――――
◇◆
「くっそ!絶対抜け出して手前ら細切れにしてやるからな!!!!」
俺は、目の前から遠ざかる空間に向かって叫んでいた。
光の鎖を伝い、もう少しで脱出が出来たと言うのに、あと30㎝で扉の端に手が届きそうだったが、健闘空しくブラックホールへ呑み込まれてしまった。
そしてどんどんと奥へと引き込まれ、目の前にあった出口の光がに小さくなり、遂には真っ暗な闇の中に漂うだけになってしまった。
俺は龍化すると、スポットライトの概念魔道《照射》で周りを照らすが、先に何も照らされる物は無く、光の先には闇が広がるだけだった。
いや、先を照らしているのか?と思った俺は、〈輝球〉を展開して、まっすぐに飛ばしていく。
眩しく光る球は、どこまでも飛んで行き遂には見えなくなってしまう。
「確か30㎞まで確認できたはずだからその先までは照射は可能…と」
どうやら光は通るらしい……では空気は?
俺達龍種は、水中でも呼吸なしで1時間は呼吸なしでも活動出来る為、今は何があるか分からなかった為、息を止めていた状態だったが、意を決して呼吸を始める。
ゆっくりと息を吐き、吸い込もうとした途端、呼吸ができなくなってしまう。
まずい!この空間には空気が存在しない!
咄嗟に《結界》を張って、魔法袋から水中戦用にとアダマンタイト製の《金剛硬化》を付与したタンクローリーサイズに超超高圧(PPa)に圧縮した酸素を取り出し、結界内に充填する。
「げほっげほっげほ!あーびっくりした。空気が吸えないってああなるんだな」
まるでラップで覆われたように息を吸おうとしても出来なくて、軽くパニックを起こしてしまった。
酸素だけ抽出して詰めたから、1時間に1回充填で約10日というところか…
古龍の体は1か月は飲み食いしなくても大丈夫だし、4日位なら不眠で動く事が出来る。
魔道展開でも、周囲に魔素はごく微量にしかなく、体内の魔力のみの展開となりそうだ。
魔力枯渇で、どのくらい回復に必要なのかわからないし、
ブラックホールは光も通さない重力の塊――――
そう謂われているが、この空間がブラックホールとも限らないし、そうかもしれない。
そもそも、ブラックホールの中ってどんな風になっているかなんて、高卒の俺には全く分からなかった。
俺は結界維持の魔力マージンは残しながら、方向はわからないが、照射を展開してあちこちと飛行してみたが、なにも見当たらないし、どこにも行き着く事はなく、どこまでも闇が続く何もない、虚無の空間をさまよい続けた。
あれから体感で4日以上は動いただろう、捜索途中で眠くはなって来ていたが、そのまま続行していたが、今は強烈な睡魔が襲ってきており、瞼が重く開くことが難しくなっていた。
「だめだ、体内魔力も1割位しかない。すこ…しだけ……仮眠………を…………」
そして俺は意識を閉じるのだった。
◆◇
「お願いします!どうか起きてください!」
俺を揺さぶりながら、起こそうという声に反応をして、ゆっくりと目を開ける。
肌には心地の良いそよ風が当たり、サワサワと木々や草の葉が擦れる音や、鼻から感じる緑の匂い。
そして緑の匂いに微かに花のような匂いが混じっている。
「あ?ああ、起きるよ……!!俺はあの空間から出たのか!?」
確か、あまりにも眠たくて魔力もまずい状態でいたはずなのに、この空気は?匂いは?
一気に目が覚めて、勢いよく体を起こすと「きゃ!」と短い悲鳴が聞こえた。
「ああ、びっくりしました。ミノルさん目が覚めましたね?」
「え?は、はい。えと、あなたは?」
上半身を起こした俺の横には、尻餅をついたような姿勢で優しい笑顔を浮かべた女性が、俺に語り掛けてくる。
そして俺は、古龍の姿になっていた筈なのに、龍人モードの姿になっていた。
「初めまして、私はメルディアと申します。ようこそ、私の世界へ」
「初めまして、ミノル・カツラです。私の名前を知っている?私の世界?俺はあの暗い空間に…」
「ああ、それなら私が、あの空間からあなたを出しました」
「出した?脱出不可能と言われているブラックホールの中から?」
「ああ、あれはブラックホールではありません。貴方達の言葉で”境界”と呼ばれるもので、別世界同士を隔てている、極々薄い壁なのです。そしてミノルさんは人種によってこじ開けられた時に出来る”隙間”から壁の中、次元の狭間に閉じ込められてしまったという形になります。それを見つけた私が、ここに引き込んだと言う事です」
「……そうだったんですか、ありがとうございます。助かりました」
あらゆる魔導と能力を使っても、脱出する事が出来なかったのに、よくそんな事が出来るなと、俺は思いながらも感謝を述べたのだった。
「それで、繰り返すのですが、ここは何処なのですか?」
「ここは私とその力を受け継ぐ者たちが住まう世界。そしてその者達がここから地球を管理している場所。地球とこの世界は2つで1つの世界。フィーグルでいえば、天界といわれる場所です」
「地球?ここは地球なのですか!?そして管理すると言う事はあなたが神なのですか?」
「いえ、私は神ではありません。私は創造者。世界を創造し、そこに住むだけの存在。他の世界とも交流はしますが、地球に住む人々を監督する権限は持ちません。フィーグルで存在するメーフェと同じ存在です。神と呼ばれているのは監督者たちの事ですね。まあ、たまには天啓とか祝福は偶に与えますが、この世界では私は誰にも与えた事は無いですね」
「メーフェを知っているのですか!?じゃあ、アドラ聖教の3女神も?」
「はい、メーフェは私の双子の妹です。あの3人の子は、従妹ですね。もっとも地球世界を作ったのは私の父ですけどね?」
確かに言われてみると、顔付や髪が同じく、瞳がブラウンのメーフェに対して燃えるような赤い瞳とその違いだけで、プロポ―ションも同じで均衡がとれた体つきだ。
服装は初めて見た時は向こうが、神を連想させる姿だったが、こちらはドレスを着ていて、上流階級の貴族を思わせる姿をしていた。
「そして私が呼んだ理由ですが―――」
確かに、俺をわざわざ次元の狭間から助け出すはずがなく、聞きたかったこともあり、真面目な顔になったメルディアに向かって俺は身を乗り出す。
「―――その前に、お茶にしましょう」
思わずコケてしまい、一瞬張り詰めた空気が緩んでしまう。
「ふふっ。それじゃあ、私の屋敷に戻りましょう」
メルディアは立ち上がると、俺の手を取って起き上がらせてくれると、そのまま目の前にある屋敷へと手を引いてゆく。
森の中にぽっかりと空いたこの場所は、花畑が広がり奥に見える森も鬱蒼としておらず、所々に太陽の光が降り注ぎ、穏やかな時間が流れている感じを受ける。
目の前に立つ屋敷は、大小3つあり、真ん中にヨーロッパの古城を思わせるような建物に、両脇に大邸宅のような建物がある。
真ん中のまるで城のような建物の前に着くと、高さ3mはある大きな玄関が開き、建物の中にある大ホールに入っていくと、100人以上はいるメイド服や侍従の服装をした様々な種族が並び、メルディアに向かって一斉に御辞儀をしたのだった。
狼人、猫人、犬人をはじめとした獣人やエルフ、ドリアード、ピクシーといった精霊族、後列にはゴブリン、コボルド、オークなどの使用人のような作業服を着たモンスター種の妖精族が立ち並んでおり、圧巻の規模に驚いていた。
そのまま列を通っていき、正面奥にある広く大きな階段の前には、2人の男女が立っていた。
メルディアと俺が2人の前に着くと、2人は2手に分かれ、真ん中にメルディアが立つと男性が1歩前に出てくる。
「ようこそいらっしゃいました、ミノル様。わたくしはドワーフ族で執事のセバスチャンと申します。以後お見知りおきを」
え?ドワーフ?ドワーフなの!?――――俺が驚くのも無理はない。
慎重派190㎝でシャープな顔つきでアンカー型の髭、白髪交じりの髪を折るバックにしたスリムな体形のナイスダンディな男性が俺に向かって御辞儀をする。
フィーグルのファンタジー的なズングリムックリではなく、素敵なオジサマに俺は絶句していた。
「驚きましたか?地球世界のドワーフ族は皆、こういう姿なのですよ。もっとも地上にいる人間の常識ではフィーグルのドワーフ族が主流でしょうね」
「あ?え?ああ!じっと見てしまい申し訳ございません。ミノル・カツラです。よろしくお願いします」
正気に戻った俺が挨拶すると、入れ替わるように女性が出てくる。
「今度は私が――侍従長を務めます、龍族のエンシェント種でエリザベスと申します。最上位種であらせられる古龍様にお会いできるとは、我ら龍族の誉れでございます。ああ、その気高き御姿…抱き枕に…げふんげふん…尊き胤を…ウオッホン!……失礼いたしました―――。以後、末永くお見知りおきを」
美しい顔の青と銀の瞳をする、俺と同じく側頭部から10本の細い黄金色に輝く角があり、輝くような銀髪を後ろで髪留めで留めた20代前半の成人女性。
確かに龍族らしく、他のメイドとは違う光沢のある風呂のエプロンドレスを着て、スカートから見える尻尾は灰色に見えたが、白と黒の鱗が交互に生えていた為、そう見えるらしい。
「あははは……こちらこそよろしくお願いいたします」
最後に述べる不穏な言葉が気になり、俺は乾いた笑いをしながら挨拶をするのであった。
「この世界に住む住人は、元々地上に住んでいたのですが、人間の虐待などで絶滅寸前にまで減ってしまい、私が保護したのです。地上にはもはや別種族は存在していないのです。繁殖力だけはあって、数の暴力には勝てないのですから」
そういって横を向き、寂しそうに笑うメルディアだったが、両手で頬を数度叩くと俺に向き直り、一通りの紹介を終わらせ、メイドの案内で応接室へと向かう。
時おり俺の後ろで、じゅるりと舌なめずりをするエリザベスの視線に軽い恐怖を覚えながら、応接室の中に入り、茶菓子とコーヒーを頂き、一息ついたのである。
「ごめんなさいね。ベスったらはしたない事をしてしまって。この子の種族はね?絶滅危惧を通り越してこの世界に3人しかいないの。下位種では血統も保てないし、残りの2人同士で結婚しちゃって、旦那になる人が2人目はいらないっていうし、もう下位種でもいいかというところに貴方に会っちゃって……」
「そんな!あの2人が結婚したので血統を継ぐのは、果たされましたから別にこだわりはないのです!ただ、本能といいますか、その…ミノル様!申し訳ございません!」
「いやいや、気にしないでください。優秀な血を欲するのは生命として当たり前の事ですから。ただ、もし私がエリザベスさんの事を好みと思っても、すでに私はリュセフィーヌの婿なのです。そして彼女の方針に従うと約束してますから、私よりもリュセフィーヌの説得が先になりますからね」
俺も実際、こんな美人に言い寄られるのは悪い気はしないが、やはり第1がリューであり、もしエリザベスさんが、彼女に嘆願したところで許可は下りる筈がないと思っていたからである。
「さて、時間も差し迫っておりますので、本題に入らせていただきます」
紅茶を一口飲むとメルディアはまじめな表情になり、俺に語り掛ける。
「実際には、地上の人間と彼らが作り上げた神々の粛正。そして越界門の破壊です。理由は―――」
いきなりであるが物騒な話と思っていたが、俺もそれは考えていたことなので、そのまま話を聞いて行く。
本来の地球世界は、互いに不可侵の約定の下、他種族が暮らしていた。
しかし、繁殖力の強い人間は徐々に生存圏を拡大し、ついには他種族を支配下に置くようになり、現在に至るという事。
もちろん他種族も抵抗したが、魔力適性の弱い人間は、錬金術から化学と科学技術が発展し、対抗出来なくなって行き、絶滅寸前にまで追いやられてしまう。
そして、もう一つの原因として世界に広がった人間は各々で神話や伝説で神を作り上げ、それを信仰していった事で、元々従属者と天使族がその信仰力を使って、”神”として昇華し、人間に力を分け与え、時には自身も戦いに参加してしまうようになったという。
メルディアの父も戦いを諫めようとしたが、自然崇拝されることで力を持つ彼女は、対抗力を失ってしまっており、絶滅に瀕している種族を保護する事で精いっぱいだった。
人間の神となった幾多の従属者や天使族はメルディアと袂を分かち、天上と地上の間に"ヴァルハラ"や"桃源郷"、"天国"、"冥府"、"地獄"といった神世界を独自に作り上げ、地上に影響を与えてヒャッハーしているという。
「このままでは、地球世界は崩壊を迎えてしまい、生命が住めない土地になってしまいます。あの月のように―――」
正直俺は驚いていた。
月は本来、地球にはない星で、有史以前の太古、メルディアと袂を分けた少し後に「地上だけじゃ足りねえ!そうだ!もっと別の世界の地上を呼び寄せて遊ぼうぜ!」という理由で召喚されて、原住民とそこの創造者と眷属とで戦争した結果、人も住めない星になって、地球の周りを回っているという。
「月の元創造者が私とメーフェの母となる人です。父も誤ったのですが、母は自分も同じ立場だったら逆だったのかもしれませんと、死んでいった地上の民や眷属を偲んで涙を流しながらも気丈にそう言ったと、聞いています」
そして2人が生まれ、次元跳躍の能力を持つメーフェが「粛正できる種族を呼んで解決する」と従妹の3姉妹と母が作ったもう片方の世界へ飛び、片方の世界がなくなり、神族達と地上の民との間で戦争が絶えなかった不安定だった世界を安定させると、3姉妹に横取りされてしまい、涙目だったという。
「想像できるという事は、壊すこともできるのでは?それか、他の創造者に助けを求めるとかは、しなかったのですか?」
俺の質問にメルディアは答える。
実際破壊は可能であるが、それは世界創造のルールに反する行為で、実行すると2度と想像ができなくなるという。
世界の住民による自爆か、自然消滅なら新たに想像する事が出来る。
また、他の創造者に助けを求めた場合、管理能力と創造能力に欠陥があるとして爪弾きにされてしまい、すべての創造者からハブられてしまうとの事であった。
両親も今はメルディアとメーフェの婿探しで旅に出ているという。
婿になれば、親族間の問題として解決できる上に、2人とも適齢期という事もあり、留守をメルディアが請け負っているという。
「最後になりますが、越界門についてです」
越界行為自体は悪いことではないが、あくまで平和的な交流を前提としたもので、今回のような恒久的な越界と、戦争や、略奪を目的とすることはタブーとなっていた。
過去に前例があり、2つの世界で瘴気が充満し、自浄作用が追い付かなくなって、最後には創造すらできなくなる虚無の空間となってしまったという。
そして散っていった瘴気の塊が、近くの世界に入り込み悪影響を与え、大騒ぎとなった事があったという。
「なるほど、しかし俺が粛正行為をする事は先ほどの、戦争なんたらの話に抵触するのでは?すでに私は地球世界の住民ではなくフィーグル世界の住民なのです」
「それはありません。越境に関してはフィーグルは私の妹、すなわち親族の世界の住民という事、そして邪な行為ではなく、平和的な交渉が不可能となった、最終手段の武力による行為です。そしてその行為は、創造者代理の私が依頼するのですから責任は持ちます」
確かに、どこぞの世界みたいに「話し合いだ~」と何度も繰り返して解決しないし、いざ武力制圧しようとすれば「戦争反対!」なんて言い出してずるずると長引く事なんてしてしまうよりは、圧倒的な力でねじ伏せてから、「少し頭冷やそうか?」としたほうが手っ取り早いと、俺は思っていた。
「まあ、依頼と言われても、今起こしていますし、地球人類にもお灸を据えた方が良いかなとも思っています。しかし、地球世界となると俺がフィーグルに戻る方法はどうするのでしょうか?さすがに人柱は気が引けるのですが―――」
「それには心配しなくて大丈夫です。地上と地上を直接繋げる場合は絶対に必要とされますが、私のいるこの世界を経由することで人柱は不要になります。そしてもう一つ、ミノルさんの持つ"理"の司が必要になります」
「俺の理が?言葉の意味は知ってますけど―――」
俺はなぜ必要なのかがわからず、首を傾げる。
「はい、言葉の意味そのもので結構です。越界の度に莫大な魔力と魔素を必要としますが、"理"の力を借りて"物事の筋道、筋道"を"おさめる"事、"越界に莫大な魔力、魔素の必要性"を"越界に代償なく通過可能"に書き換える事が出来ます。もっとも地上と地上のルールには干渉できませんが、自由性のあるこの世界を使えば干渉は可能です」
「この司にそんな力があるとは知りませんでした」
「その世界を管理する者からの承諾が必要という縛りはありますけどね」
そうそうホイホイと使う事は出来ないのか、と俺は思う。
しかし、代償なしにできるのは非常に助かるし、自由に行き来できるので、フィーグルに戻る事が出来る事も出来るならば、良いと思ったのだった。
「っと、その前にミノルさんの本体が必要ですね」
「本体?どゆこと?」
いや、ここにある身体が本体なのではないかと思うのだが、この子は素っ頓狂な事を言い始めるなと聞き返してしまった。
「ミノルさんの本体は時空の狭間で魔力枯渇、空腹、疲労、休眠不足で、軽い冬眠状態です。今は…北大西洋上で浮かんでいますね」
「は?」
俺は思わず、間抜けな返事をしてしまう。
「ミノルさんの身体を引き込もうとしたのですが、結界が張られていて弾かれてしまって、地球上に飛ばすしか方法がありませんでした。ですが、依頼をしたかったので意識体だけこちらに呼び寄せた次第なのです。」
「おいいいい!戻れるのですか!?」
「ええ、大丈夫です。そろそろミノルさんの身体も回復したようですので、自身で覚醒が出来る筈です」
「そうか…よかった……」
安堵の息を吐き、冬眠ってあるのかと、思わず自分の身体について新発見をしたのである。
「地球とこちらの座標設定は後になりますが、転異空間の作成に2日かかります。準備が出来たら呼びますね」
「了解。ちなみに俺はどのくらい眠っていたのか分かりますか?」
「こちらの世界に呼んだのは9時間前ですが、狭間にいた時間はちょっとわからないですね」
「分かりました。ありがとうございます」
狭間にいた時間が6日くらいで、ここにきてから9時間。
後は、地球との時間の流れの差がどのくらいあるかが問題となるが、自力での覚醒に今まで無理だったという事は、焦っても仕方のない事と自分の中にある焦燥感に無理やり言い聞かせる。
「あいつらの越界門定着に必要な大規模魔法陣は起動していないのですね?」
「はい。ですが、どこで行われているかが私にも見つける事が出来ないのです。日本であることは確かなのですが……」
「いや、それだけでも助かります。それでは私は体に戻ります」
「分かりました。それでは御武運を」
俺は席を立ち、メルディアが手を掲げると身体が淡い光に包まれて、何かに引き込まれていく体感を覚えるのであった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回も楽しみにしていただければ幸いです。
次回は近日中には投稿します。よろしくお願いいたします。
今年もどうかよろしくお願いいたします。




