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領都での戦い

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます


お待たせしました。本日の投稿です。


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

 リュセフィーヌは武器を魔法袋にしまいながら左足のつま先で3度地面をつつくと、勇者マユを見る。


「教えてもらおう。その武器は地球のものじゃな?いつ、どこで、だれが持ってきたものじゃ?おとなしく話せばヌシの処遇について妾が口添えをしてやろう。じゃが、言わぬのであれば……」


 ほんの瞬き程度の時間に20mの間合いをゼロにして、マユの目の前に立つリュセフィーヌは、ガトリング砲の銃身を掴み、握り潰しながら彼女の顔に触れるほどに自分の顔を近づけて、目を見る。


「拷問にかけても聞き出すからの」


 勇者マユはリュセフィーヌの殺気を至近距離から浴びせられて、今までに感じたことのない恐怖を味わっており、立っているのがやっとな程、力が入らずに震えて失禁までしていた。


「「「勇者様!今助けま……ごぶあ!」」」


 周囲にいたアドラ兵は呆然としていたが、はたと気が付き彼女を救出しようと動いたその時、突然足元から何かに引っ張られる感触を覚えると、そのまま缶を縦に潰したように次々と潰れていき、一瞬にして全員肉塊となって絶命していった。


「投降せねば、容赦はせんと言っておろうが……といっても全滅じゃの?」


 マユからは目を離すことなくリュセフィーヌは淡々と語り、彼女に「どうする?」と目で語るのであった。


「投降…します。何でも言います。お願い、殺さないで。お願いだからたすk………」


 降参を申告した勇者マユが、ボチュンという音と共に突然破裂し、膝から下を残すだけでコマ切れとなってしまう。

 飛び散った肉の破片と血を全身に浴びたリュセフィーヌは、何事もなかったかのように真っ直ぐに立つと、周囲を検索し始める。


「……なるほど、裏切り行為が検知されると身体の内部に埋め込まれた魔法が展開される仕組みかの。〈隷属〉〈エクスプロード〉〈自在〉の掛合わせで対象者を触媒とする魔術じゃの。ったく、碌でもない魔法を使うやつらじゃの人種というのは…」


 リュセフィーヌは解析が終わり、毒を吐きつつも復活と再生の複合魔法の《再誕》の魔導を展開して傷一つない姿をした勇者マユが光の繭から現われるのであった。


「やれやれ、このままにしても良かったのじゃが、そうもいかぬ状況になったのでな。さて、次はあっちじゃの」


 溜息をつきつつ目の前に眠るマユの襟を掴み、アーデルハイドの所へと引き摺りながらミノル達が戦っている場所を見るのだった。


 ◇◆


「ヤーノ。ココはもういいから嫁さん達のほうに行っていいよ。もしかすると敵の援軍が来るだろうから、そっちの方を頼む」


「わかった。気を付けてくれよ。と言っても、もう大丈夫みたいだね。それじゃあ、あっちで待ってるよ」


 ミノルの提案にヤーノが承諾しその場を去っていく。

 2人の勇者は肩で息をしながらもミノルに向けて構えを崩さずに対峙していたが、リュセフィーヌの死体から造り上げた聖鎧と聖銀を編み込んだローブはボロボロで腕や頭から血を流し、最初の頃の余裕は無くなっていた。

 対するミノルも銃や聖刀、対龍族魔道で鎧は破壊されてしまった為、キャストオフしており少しばかり鱗が剥げていた。


「くそ!銃も効かないとは、なんて化け物だ!」


「化け物なんて差別もいいところだぞ。フィーグルでは人種以外の外見の者だって居るんだ。ましてや現代兵器は魔法には叶わない事だって承知の上のはずだろ?先輩」


 銃の弾切れにより、聖刀でミノルを斬りつけながら毒を吐く勇者ミホに、攻撃を捌きながら現実を突きつけるミノルが地球からフィーグルでの先達と嫌味を吐く。


「有効打が当たらない!〈身体強化〉の重ね掛けと《滅龍》の付与をしているのに!あたしの対龍族魔道だってほとんど効いていない!」


「俺が使う魔導よりもランクが下の魔道なんて効く訳ないだろうが」


 勇者ワカコはミホに補助魔法と魔道を付与しながらも、ミノルへ攻撃を加えるが、展開直後から対抗魔導をかけられており、逆に反撃されてしまっていた。

 ミホもすでに体力の限界が近く、ワカコも魔力が尽きつつあった。


「あっちも終わったようだな。おい、お前たちの仲間が捕まったぞ。どうする?」


 ミノルはリュセフィーヌが戦っていた場所をチラリと見ると、今まさに勇者を引きずりながらその場を離れる彼女を見て、こちらにいる2人の勇者に向かって声を掛けるが、黙ったままミノルへと武器を構えたままであった。


「降参はしないのか?古龍相手に勝てる訳ないだろ?アドラで召喚されたからってフィーグルを混乱に陥らせることはないだろう?今なら引き返すことだって可能だぞ?俺だって鬼じゃないんだ。大人しく武器を下ろすんだ」


「うるさい!その見下したような態度が気に入らないのよ!」


「ふざけんな!化け物の分際で偉そうに講釈するんじゃないわよ!」


 ミノルは説得を講じるが、ミホとワカコは聞く耳持たずといった状態で再び攻撃を仕掛けるのであった。


「しまっ!ぎゃああああああ!」


 休みなしの打ち合いにミホがよろけてしまい、ミノルの容赦のない手刀が襲い掛かってくるが、体を捻り躱す事に成功する。

 しかし、反対方向からの蹴りが来ており、それをまともに食らってしまいガードした左腕の肘から下が千切れ飛んでしまった。


「終わりだ」


 左腕の負傷によって蹲ってしまったミホの首を右手で掴み、そのまま持ち上げながら彼女へと引導を渡すかのように告げたミノルはそのまま握り潰すと、鈍い音を立てながら首をへし折られて絶命する。


「みほおおお!いやああああああ!」


 ミノルの手に、絶命し力なくぶら下がるミホに向かってワカコは悲鳴を上げて涙を流すが、反応はなくワカコは絶望してしまう。


「いやああ、やだああ」


 ミホを見ながら、失禁し、倉庫の屋根の端まで後退りをするワカコ。

 

「次はお前の番だ。散々フィーグルの民を苦しめてきたんだ。償ってもらうぞ」


 掴んでいたミホから手を放しそのまま地面へと落下させると、ワカコへと歩き出す。

 「死にたくない」とつぶやきながら首を振り無理と分かっていても杖をかざすが、友人の死を見てしまい、自分の死が目の前に迫ってくる恐怖から意識を集中させる事が出来なくなっており、魔法が展開してくれない。


 もはや逃げ場もなく、屋根から足を外しかけてしまい思わず後ろを見てしまう。

 すると、つい先程まで勇者マユが戦っていた場所からキラリと光る物を見つけると、それが緊急離脱用に支給されていたマユが支給されていた魔道具であることを推察して、しかも赤く発光していて展開直前状態であることが確認できた。

 ワカコも同じ魔道具を持っているが今から空間収納から取り出して展開準備しても間に合うわけもなく、それを利用することが有効と知るや、屋根からストンと足を外して落下していく。


 ミノルは助けようとダッシュして手を伸ばしたが、その手を払われてしまった為、落下から守るべく自分も飛び降りる。

 屋根から地面まで10mほどで、下手をすれば怪我どころじゃ済まないと思ったが、勇者ワカコは途中で壁を蹴って横に飛び、そのまま地面へと転がり、立ち上がるとリュセフィーヌが戦っていた場所へ走り出していった。


「馬鹿野郎が!ケガしてるじゃねえか!逃げたって意味はないんだぞ!」


 ワカコは右手が折れているらしく、肘がおかしな方向に曲がっており、ミノルが声を掛けるがそれを無視して走っていくと、途中で転んだようで数回転げまわってしまい止まると倒れこんだまま動かなくなっていた。


「まったく!何を考え…て…」


 ワカコへと近づいたミノルは寝転がっている彼女に声を掛けたが、左手に何か握っておりそれが魔道具であることを確認してしまい、何かをしようとしていたことを今更知ってしまうのであった。


「転送!」


 ワカコは叫ぶと、彼女は光に包まれていきその場から消えてしまった。

 ミノルは彼女に手を差し伸べた状態でしばらく固まっていたが、姿勢を正すと空を見上げるのだった。


「ミノル!大丈夫か!」


 ワカコが落下して逃走する姿を見たヤーノは、即座に追いかけたが間に合わず、その場に立ち尽くすミノルに声を掛ける。


「……馬鹿たれ、逃げて良い事なんて何にもないんだぞ?罪を償えっての…」


 ヤーノに「大丈夫」と言いながら、再び空を見上げて勇者ワカコに文句を言うミノルであった。


 ◆◇


 城塞都市ボルガノ

 ローグイン王国の中で王都を凌ぐ広さを持ち、王都とコーワンの中間にあり、魔獣の森とダンジョンが隣接した都市である。

魔獣の氾濫を抑制する目的で造られた防衛都市だが、魔獣素材やダンジョンから得られるレアアイテムがフィーグル随一の貴重な資源獲得地であり、冒険者には垂涎物の地であるこの地には、さらに温泉もあって観光地としても有名であった。


 人口1万6千人と都市の大きさに反比例した住民数だが、ここを訪れる冒険者や買い付けに来る商人、温泉目的の観光客のためにある施設が殆どを占めているので、そこの従業員が住民なので、特に大きな問題となっていないのが現状である。


 そして現在は、アドラ神聖公国遠征軍の本拠地として占領されており、一時は王領と王都のみを残すだけであったが、使徒ヤーノとローグイン国軍の反撃によりコーワン領都とコーワン領のこの城塞都市のみとなっていた。


 そして都市ボルガノ代官屋敷のある一室のドアをノックするアドラ兵に「入れ」と声がした。

 「失礼します」と中に入っていくと遠征軍司令官と数人の部下が詰めており、地図を睨みながら今後の作戦について談義中であった。


「通達します。ただいま領都コーワンにてゲリラによる反乱が発生。ドナクレアの魔龍と思しき竜人とその仲間2匹、そして使徒ヤーノにより第3守備大体が壊滅。勇者ミホが戦死。勇者マユが捕らえられたとの事です」


「なんだと!では第1から第2大隊はどうしたのだ?」


 兵士の報告により、司令官とその部下達は騒然としながらも報告の続きと状況を尋ねる。


「そこは不明です。つい先ほど勇者ワカコがドナクレアの魔龍の仲間にやられて、重傷を負いながら転移してきてその報告を受けたので、私がここへ来た次第です。」


「なんということだ…では援軍はどうしたのだ?」


「それも不明です」


 ドナクレアの魔龍、勇者をも屠ってしまう竜人、そして使徒ヤーノと問題が重なってしまい司令官は胃に痛みを感じながら報告を受けたのであった。


 

最後までお読みいただきありがとうございました。


次回も楽しみにしていただければ幸いです。


次の更新は明日になります。

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