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因縁の対決?

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます


更新できず誠に申し訳ございませんでした。

3000字程度からの投稿予定に少しだけ加えておきました。


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

 ミノルとリュセフィーヌ、アーデルハイドはコーワンの港へと400m上空から落下を始める。

 足元に見えるウォーターフロントに数百名の姿を見えており、鎧で身を包み剣や槍、そして鉄砲を持って倉庫の陰に隠れて戦っている20名程の人に向けて攻撃している様子が見えた。

 左右の大きな通りを挟まれた形で倉庫の陰から獣人らしき者達からは魔法が放たれて応戦はしているが、やはり数百にも及ぶ鉄砲の数には勝てず、徐々に距離を縮められていて押されているようだった。


「鉄砲の方がアドラ軍か?…とすれば、あちらの方がメーフェの言っていたヤーノのゲリラ軍ということか」


 ミノル達は魔大陸へと来る前に、現人神となっているメーフェからヤーノが陥落寸前のローグインでの現状を聞いており、海上からの大規模輸送を阻止するべくコーワン領の領都を奪還しようとしている事を聞いていた。


「リュー!あっちの兵隊達がアドラ軍の…って、あれ?」


 たった今まで一緒に飛び降りて横にいた方向を向いたミノルは、リュセフィーヌとアーデルハイドが居ない事に不思議に思い見回すと、ミノルより上にいて羽を羽ばたかせながらミノルに向って何か叫んでいた。


「あほおお!ホバリングか落下速度を遅くしろおおお!」


「あ……って!おわあああああああああああ!」


 彼女の声にようやく気付き、下を向くと時すでに遅く地面が目の前に迫っており、ミノルは情けない声を出しつつ地面へと激突するのであった。

 

 ◇◆


 勇者マユは勝利を確信していた。

 昨夜の軍施設破壊が敵軍に送り込んでいたスパイからの情報で各施設に待ち伏せていたのだが、予想に反して突然の領主城の襲撃により、軍の大半をそちらへと取られて行ってしまって爆発のあった倉庫の消火と再編成により、施設の半分以上が警備できない状況になってしまった上に、謀反の勇者こと使徒ヤーノの出現に統率が困難となっていた。


「マユユ!あなたは重歩兵だから屋根伝いの移動はできない!ここで残りの兵をまとめておいて!」


「わかった!ソノッチ!ワカちゃ!頼んだよ!」


「「任せて!」」


 勇者ミホと勇者ワカコを見送り、各部隊長へ兵をまとめるように通達、最重要個所の施設のみへと対象を搾り部隊を分けて移動していると、ゲリラ部隊が今まさに破壊を実行しようとする姿を捉えて攻撃を開始。

 敵は建物等の遮蔽物を巧みに利用して応戦し、予想よりも被害が大きかったが、数の暴力には勝てずに敵からの反撃が少なくなってさらに、援軍としてくる予定だった飛空船3隻がやってきて上空に待機していた。

 

「よし!空挺部隊さえ降りてくればもうこっちのものだ!」


 勇者マユは飛空船から降下艇による部隊を待つように上空を見上げていた。




 本来、飛空船には大砲等の重量物を載せる事が出来ない為に攻撃能力がなく精々魔法による射出攻撃か、爆弾による空襲しか持ち合わせておらず、兵やいくらかの物資を運ぶ程度でしかない。

 飛空戦艦はあるが、大砲8門と弾丸、火薬で普通ならば、乗組員と兵を合わせて1000名の所、300名程しか乗り込む事が出来ないし、大砲発射時の衝撃と応力により船体が大きく傾いてしまい、ほとんど使い物にならない事が分かって3隻しか製造されなかった。


 よって、通常では兵を戦地まで運んで50名ほどが乗れる降下艇と落下傘、竜人等の有翼種を用いた空挺部隊の運用が最も有効的とされ、飛空船を持つ国と軍隊はその方式を主流としていた。


 ◇◆


 そして今、竜人と思わしき3匹が降りてきた事に彼女は成功を確信するのだった。

 

「あああああああああああああああ!」


 上空から叫び声をあげながら勢いよく落下し、真中へと落ちて来ると地面が爆発したような衝撃と煙を上げて、敷石の破片などを勢いよく飛ばしてしまったため、アドラ軍もゲリラ部隊も攻撃が止まってしまっていた。


「っつ~~~~~!!!足が痺れる~~~~~!」

 

「もう~。そのまま落ちるから~そうなるんだよ~」


「あほじゃの。」


 小さなクレーターができた中心でペタンと尻餅をつき両足をプラプラとさせるメタリックな鱗をした姿に黒い鎧を着た竜人の近くに羽を羽ばたかせながらゆっくりと着地をする竜人が2匹。

 

 真紅のブレストアーマーに上腕部と腹部、太ももが露出した部分に金色の鱗の体が見えて、黒地の中心に金糸でドラゴンを模した刺繍を施したマントを羽織った竜人。

 マリンブルーの鱗にシアンのインナーとブルーメタリックの胸当てと脛当て、手甲を装備しており、真っ白で袖、裾、襟に赤の刺繍が施されている前空きのフード付きローブを羽織った竜人の2人が尻餅をつく竜人に声をかけていた。


 両軍は呆気に取られていた。

 皆が知る竜人や蜥蜴人種は猫背の前屈みで腕が太く、脚が短い獣のような風貌の竜人しか知らず、背が真っすぐにして腕や足の対比は人種のようなシルエットの竜人を見たことがない。


「お。おい。その姿は何だ?援軍か?ならば我々に加勢せよ」


 アドラ軍の部隊長らしき人物がミノル達へ声をかける。


「いや~落下先の戦況を見ていて考え込んでいたら、〈浮遊〉や羽のホバリング忘れちゃってて」


「おい、こr――」


「まったく、ミノル自身が考えた身体構成じゃろ?妾よりもうまく使いこなせい」


 ミノルとリュセフィーヌが部隊長の言葉を無視して会話をする。


「駄目ですよ~装備も~体も~無事だったから~良かった物の~下手をすれば~大惨事~」


「うむ、その通りじゃ。まだこの身体がどの位の”すぺっく”を持っておるのか解らんしの」


「おいこら!貴様ら!私の話を―」


 話を続けるリュセフィーヌとアーデルハイドに部隊長は近づきながら声をかける。


「うるさい」


 丁度、座っているミノルの横に来た時に部隊長はミノルの一言の後に突然の衝撃を食らって、そのまま後ろへと弾丸ライナーのように飛ばされると、後ろに控えていた兵隊達を一直線に巻き込みながら隊列も1/3の位置で止まる。


 部隊長が飛んだ跡には、首から上が無い者、腕や足が吹き飛んでいたりしており、数十名が絶命もしくは重傷を負っていた。

 当の部隊長は腕や足が変な方向を向いて歪といえる姿を晒し、ミノルに殴られた顔面は吹き飛んでなくなっていた。


 ミノルは後ろから喚きながら近付いてきた部隊長に裏拳をお見舞いしたが、意外にも吹き飛んで行ってしまった事に自分の拳をジッと見つめていた。


「リュー。おおよそだが龍人モードの時よりも、かなり力はありそうだぞ」


「ふむ、ではミノルの言うかなりとはどの位なのか試してみるとしようかの」


「私は~後ろの~ゲリラ部隊の~治療と~護衛に入るわね~」


 ミノルは立ち上がり、埃を払いながらリュセフィーヌとアーデルハイドに報告をすると、2人各々が自分の持ち場を申告してアドラ兵に挑もうとするのであった。


 ◆◇


「何よ…今のは何?竜人じゃない。龍族?…いや、龍族の人化はあんな姿をしない。…じゃあ、何なのあいつらは」


 大隊長の護衛で後方で待機していたマユは味方と思っていた竜人からの予想していなかった攻撃で驚きつつも、その3匹について分析をしていたが、首都にある国立図書館で学んだ知識に全く該当するものがなく、疑問ばかりが頭の中に浮かぶのであった。


「勇者マユよ。彼奴等は何者だ?私の知識には当てはまるものがない。もしかして勇者ヒロシの言う新兵器とやらか?」


「いえ、伯爵様の言う新兵器はいま私達が持っております。それにこちらを攻撃するなどそのような兵器は聞いておりません」


「そうじゃな。貴殿の言うとおりだ。自軍を傷つける制御のできない兵器など――っと来たぞ!」


 正面を見るマユはいわれる前に行動しており、大隊長の前に立ち盾を構えていたが、味方に向かってくるミノルとリュセフィーヌに驚きを隠せないでいた。


 ミノルは右の部隊へと歩き始め、リュセフィーヌには勇者のいる左の部隊へと歩き始めると、アドラ軍からの銃の斉射が始まったがそれに動じずにガードの姿勢をとることもなく悠々と敵軍へ近づいていく。

 火縄銃の弾はミノル達に命中しているが金属にあたるような音を立てて全て弾き返されており、100mはあった距離が50mほどになると地を蹴り一気にアドラ軍へと肉薄すると右腕を大きく振りかぶり、何かを払い除けるような仕草をすると、その手に当たる兵達は肉塊と化しながら吹き飛んでいた。

 次に左手を鉤爪のようにしながら大きく振りかぶってから振るい、そして右手も同様に振るう仕草を何度も繰り返していきながら多くのアドラ兵を屠り続けていくのであった。


 一方左部隊へと向かったリュセフィーヌは依然使った棍に魔力を通すと輝きながら形を変えていき、バスターソードへと変化する。

 リュセフィーヌはそれを右手に持ち、軽く左払いに振ると剣の間合い全てのアドラ兵が両断され、血を撒き散らしながら他の兵の元へと飛んでいくと、斬られた兵たちは何が起きたのか理解しておらず、起きようとするが起きる事が出来なく、しばらくすると胸や腹から下がなく自分が斬られて飛ばされたことに気づくと、悲鳴や絶叫をあげながら絶命していく。


 それでも、敵を倒すべく狙撃兵と入れ替わった槍や剣を持つ兵士達は、後方に控えている魔法兵から肉体強化や武器への付与を展開されながら挑んでいくが、全く刃が通ることがなくそのままリュセフィーヌに斬られ、絶命していく。


 ミノルやリュセフィーヌへ前衛の兵士が健闘する中、後方の魔法兵や弓兵、狙撃兵は後方に避難しているゲリラ部隊への攻撃も実施しているが、すべて障壁に阻まれて攻撃が通ることはなく、逆にアーデルハイドが負傷した兵に〈治癒〉を施しながら、魔法によるカウンターを食らってしまい数を減らしていく。


「お前たち!フィーグルの民を苦しめた報いを食らいやがれ!」


「投降するなら今のうちじゃ!武器を捨ててひれ伏すがよい!」


「だめよ~。治療中に~攻撃するなんて~私の~餌食に~なっちゃうから~」


 ミノル達が降下してきてから20分、戦闘が始まってから10分と経たずにすでにミノルの担当した右部隊の70%が壊滅し、リュセフィーヌの担当した左部隊はまるで雑草を真ん中からきれいに刈って行ったかのように殲滅されており、後方に控える大隊長を目前にとらえているのであった。


「伯爵!急ぎこの場から撤退いたします!殿は私が努めますので早くお逃げください!さあ!」


 勇者マユは伯爵が首から下げている緊急脱出用の転送魔道具を起動させるよう促し、向かってくるリュセフィーヌへと盾と聖矛「龍破」を構えなおす。


 ◇◆


 なんだあの化け物は!絶対的な強者の如き敵を屠る姿は、まるであの時に戦ったドナクレアの魔龍のようではないか!

 1人で戦えるのか?いや、私には秘密兵器がある。

 健太達の失敗を基に第2陣として派遣され帰還を果たしたヒロシ達が地球から持ち帰ってきたこの武器さえあれば、古龍なども恐れることはない!みのりと一緒に地球へ帰るんだ!


 後ろで大隊長の伯爵が、転送魔道具を起動させて〈転移〉を展開し避難したことを確認すると、勇者マユももしもの為にと転送魔道具を起動し展開まで保留状態にしておくと、迎撃準備をとり鉾を強く握るのだった。


 ◆◇


「くそ!転移しおったか」 


 敵大将首まで目前に迫っていたリュセフィーヌだが、勇者の後ろで転移しようとしているのに気づいて、キャンセルさせようとしたが間に合わず、まんまと取り逃がしてしまうのであった。


「いやあああ!」


 すると勇者が、転移を確認したかのように気合の雄叫びを上げながらリュセフィーヌに鉾を向けて突進してくるが、剣で軽く弾き返し対峙する。

 リュセフィーヌは、こちらに鉾を構える勇者の魔力波動を感知すると、構えを解き腕を組みながら、口の端を吊り上げ勇者を注視するのであった。


「ほう、久しいの小娘。壮健であったか、ということは鎧の下にある帷子は妾の鱗であるか。」


「何を言っている!貴様のような竜人などに知り合いはいない!」


「おお!そうじゃったの。この姿では小娘とは初対面じゃったの。妾の波動を感じぬか?忘れたとは言うまい?」


 リュセフィーヌは、お道化たような口調で構えを崩さない勇者マユへと言葉を返し、両手を広げて「ほれ」と一言告げるのであった。

 彼女は構えを解かずリュセフィーヌの言う波動を読み取ると目を大きく見開き「そんな…」とつぶやくのであった。

 

「まさか…そんな…だってフェリエ共和国でまだ戦っているって聞いてたのに、それにその姿って…」


「ほほう、そこまで情報が来ておったのか。もちろんフェリエで戦っておった。しかし勇者を屠ったし、しかも勝ったしの。フェリエは解放済みじゃ」


「ばかな!ユウトは?ナオは?ケンジは?エリカは?負けるはずがない!だって勇者が4人もいたんだ!嘘だ!」


 マユは叫びつつリュセフィーヌへと切りかかるが、ノーガードから鉾を弾き返してのリュセフィーヌには届かず、3歩後退してしまう。


「どうした?寝込みを襲わねば勝てぬのか?小娘」


 再びノーガードとなるリュセフィーヌは、兜の内側から殺気を放つ勇者マユを挑発するのであったが、ミノルの戦う向こう側から大きな打撃音と衝撃が伝わってくると、周りにいる兵や2人はそちらの方向を向いてしまうのであった。




 ミノルは、ほとんどの兵士を血祭りにあげており、生きている者はミノルの手が届かなかった所であった為、生き延びているのであったが、既に剣を捨て投降の意を表していた。


「ふう、とりあえずこれでいいかなっと。アディー。もうゲリラの人達を保護しなくていいよー」


「了解~。お疲れ様~。あ~、あ~ぶ~な~い~」


 ミノルの後ろでゲリラ兵を守っていたアーデルハイドの方向に向きなおして片手をあげるミノルの背後にある倉庫の屋根から突然人が飛び出してくるのに気づいた彼女はミノルに注意を促す。


「はああああ!くらえ!」


 倉庫の屋根から飛び降りながら、凄まじい闘気をまとった何かに気付き、後ろを振り向いたミノルの目の前には槍を振り下ろすヤーノが見えたが、次の瞬間、頭部に衝撃を覚えるミノルであった。





最後までお読みいただきありがとうございました。


次回も楽しみにしていただければ幸いです。



次の更新は数時間後になります。

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