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お仕置きタイム開始です。

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます。


この回はグロいシーンが入りますお気を付けください。

拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

俺は四つん這いから立ち直りスクっと立ち上がり吉良を再び睨みつけていた。


「なっ!どうして立ち上がれるの!運動中枢を麻痺、肺を破壊するはずの代物だったはずよ!」


「阿呆が、倒れたのは始めの一息を吸ったからだよ。あとは吸ってないがな。」


吉良は信じられないとばかりに目を見開き唇をわなわなさせながら俺の事を見ていた。


「阿呆が、お前らの言うファンタジーって俺のような恰好したキャラクターだけじゃないだろうか?」


多分助手だろう、スピーカー越しの音声から男の声が聞こえていた。


「まさか魔法かもしれません。回復魔法の類かと思われます。」


あのオタク助手鋭いな。「正解」と言いたいところだが、種を明かすわけにはいかないな。

回復魔法ではなく実際の所は空気の弾を拡大させて俺の周りを囲んだ「空気バリヤー」見たいのモノを作った。そしてその周囲に空気球を6個作成して周囲の空気を取り込んで圧縮している。

20分ほど続けているのでいったいどんな圧力の空気球が出来たのか見当がつかない。


俺は吉良のいる部屋にゆっくりと歩きながら片手をあげて6つの内一つの毒ガス入りの圧縮空気を奴らにお見舞いするために集中した。

もう少し早く歩くか走りたいのだが、空気球と空気バリヤーの作成で手一杯でゆっくり歩くのがやっとである。

練習の時も立ったままで、歩いたりしながらの実践したことがなく初めてである。


部屋に近づき俺の射程内に入った事を確認しながら、テレビで見たことのある時速300km/hのバッティングマシーンであの部屋の中に入ったら空気球を開放するイメージで腕を振り下ろした。


「こちらに早く!」と吉良が誰かと逃げるスピーカー音が聞こえてきた。同時に「シュッ」と頭上から音がして「バキャッ」とガラスを突き破り空気球が入っていった。

入ってすぐに「バンッ」と音がした。


「があああ!」「うおえええ!」と声が聞こえたが、2m上の状況が見えない。壁を登ろうにも手を引っかけるところはなく、あの出入り口を使うしかないと部屋の扉へと歩いていった。


扉は金属で出来ていて軽くノックをすると「ゴンゴン」と丈夫そうな音がして簡単に破れそうにはないと予想して右手で扉に触れて、溶鉱炉から流れる鉄をイメージした。


「あっつ!」


時間にすれば20~30秒だろうか、扉が赤くドロドロに溶けて熱気が、俺に伝わってきたので咄嗟に手を引き後ろに3歩ほど後退した。


歩けるだろうかとみていると溶けた扉の先の廊下は右と左に分かれているのが見えた。そして廊下から数人の足音らしき走ってくるのが聞こえてきた。

空気球2つを扉の先、廊下を左に1つ右に1つを2~3m先で開放するイメージで空気球を飛ばした。


「バンッ」と音がして先程と同じく苦しそうなうめき声が聞こえてきた。

暫くすると音が聞こえなくなり、溶けた扉を走り飛び廊下に出た。

左右を見てみると十数名が目や口から血を流して死んでいて、この球は相当の内圧を秘めているのかガスマスクをしていたらしいが、顔からずれていたり、吹き飛ばされたのかずいぶん奥にマスクだけ転がっていた。


手には銃を持っており銃口の先には銃剣と言ったかな?ナイフが取り付けられていた。


「このやろう、俺の事殺すつもりだったんだな。」


俺は横たわる死体の頭を思いっきり蹴飛ばしてやった。

・・・痛い。素足でけるのはやめよう。


そして歩きながらガスマスクを手に入れて被ると「空気バリヤー」を解除。体への負担がかなり減ったのか、残3つの空気球を漂わせながら素早くダッシュしてみても空気球への集中は途切れることはなかった。


閉じ込められていた部屋から吉良のいた部屋を予測しながら廊下を歩いていくと扉が破壊されている部屋があったので向かってみると大当たり。

あの部屋にたどり着いた。中に入ると5名ほど血まみれで机や床に突っ伏していて既に死亡していたので一人一人確認したが、吉良が見当たらない。


「あのアマうまく逃げやがったな!絶対見つけてぶっ殺してやるからな!覚悟しておけよ!」


悔しさのあまり俺は叫んでしまった。

その時部屋の隅から「ガタン!」と音がしたので「吉良か!」と怒鳴りながら音のしたところに素早く移動した。

よく見るとガスマスクをかぶり身を縮こまらせながら震えている人物がいた。

俺はそいつのガスマスクを外し顔を確認するとあのオタク助手であった。


「ヒイイイ!毒ガスが!・・・・ってあれ?平気だ。」


「よお。来てやったぞ。俺の事「マウス」だっけ?ああ、言葉通り「窮鼠猫を噛む」にふさわしいシチュエーションになったな?」


ガスマスクを外しても大丈夫みたいなので俺もガスマスクを外し仁王立ちになりながら助手を見下ろしていた。男は「ヒイッ」と短い悲鳴をあげて俺を見ていた。


「おおおお俺は何も悪くないんだ!命令されていただけなんだ!許してください!」


「命令されていれば何をしてもいいのか?どうしていいかパニックになって、助かるかどうかわからない絶望に見舞われてそれでも「助けてやる」と言ってくれて嬉しくて、藁にもすがる思いで救いを求めた何の力もない一小市民を命令一つで殺せるんだな。お前たちは。」


「許してください!許してください!許してください!許してください!許してください!何でもします!」


男は粗相をしながら鼻水と涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら手を正面で組んで祈るような恰好で懇願してきた。


「・・・はあ~。じゃあ、あのアマ逃げたろ?どこ行ったか分かるか?教えたら許してやる。」


溜息をつきながら、そう言って吉良の行き先を尋ねた。


「ありがとうございます!ありがとうございます!吉良医官でしたら対未確認生物部隊と米国UMA専門チームの幹部たちと防弾設備の整った貴賓室に避難したはずです。僕は君から魔法の攻撃が来ると思ってましたので端っこに避難して難を逃れたのです!」


「そうか・・・。まだ間に合うか?分かった。ありがとうな、今後は弱者を助けて行くんだぞ。」


そう言って俺は踵を返し男の元を去ることにして部屋の出口で立ち止まり彼に向かってこう言った。


「・・・それに、潜伏期間にお前から教えてもらったWeb小説おもしろかったしな。」


と振り返りながらにこりと笑うと、オドオドしながらも俺にサムズアップしながら「へへっ」とぎこちなく笑ったのであった。


「じゃあな」と言いながら俺は部屋を立ち去り数メートル進んだ所で1つの空気球を男の心臓付近で破裂するようイメージをして球を飛ばして十数秒後。


「ああああああああ!そんなああああああああ!ぶぎゅ!」


男がいた部屋から叫ぶ声と「バチュン」と水っぽい音がしたが、俺は振り向かずそのまま出口であろう方面に歩きながら


「許すわけないだろう?バ~カ。」


俺はポツリとつぶやいて少しばかりの鬱憤を晴らしたのだった。



   ――――――――――



館内の案内板を見ながら正面入り口を目指して今は地下通路を歩いていた。しばらく歩いて階段を上って防火扉らしい扉を開けて抜けると何処かのロビーだろうか?長椅子が並ぶ広い空間に俺は出た。

きれいに磨かれたガラスに映った自分の姿を見ながら


「この素っ裸何とかしないとなあ。」


とつぶやいたその時、肌を何かチクリと刺すような感覚を覚えたので「?」と、ふと立ち止まって周りを見回したが何もなく。

また歩き出そうとした瞬間に上から目の前に突然何かが降ってきた。

次の瞬間、目の前に一閃の光が通り過ぎたと思ったら、首に衝撃が走り俺はそのまま左の吹き飛ばされていた。


俺は並列に並ぶ長椅子を巻き込みながら壁に頭から激突して倒れてしまったが、気を失っておらず何が起こったのか分からないまま立ち上がった。

吹き飛ばされる前にいた場所に視線を送ると迷彩色の服装をして、手に刃渡りは30㎝くらいの刃物を握った男が立っていた。


「首を斬り飛ばしたはずだったが。データ通りの鱗の効果か。刃がガタガタだ。」


そう言いながら腰を低くして構えを取り、俺に向かって飛び掛からんとしていた。

首に触れてみると、あの鱗が生えていなかったはずの首回りを覆っていた。

俺は不思議に思いつつも反撃を試みて残り2つの空気球の1つにイメージを流そうとしたその時「ポシュッ」と音がした直後に腹に何かが当たった衝撃でまた壁に打ち付けられた。


「ってーなこの野郎!邪魔すんな!」


と立ち上がり、再び男を睨んだがそこにはおらず、フッと右側に何かがいたので右を見ると今度は左目に衝撃が来て頭が後ろに反れてしまった。

今度は床に叩きこまれて「ハッ」と肺から空気が出尽くした。そのまま起き上がろうとしたが、再び「ポシュシュシュシュシュシュシュッ」と今度は連続して音が聞こえてきながら、全身をバットで殴られる感覚がした。


多分弾丸だろう。打ちのめされながらロビーの中2階で数名のライフルを構えて撃ってくる人の姿を見る事が出来た。


数えきれない程の殴られたような感覚に襲われていたがそれも収まったので、痛みに耐えながらも長椅子を利用してゆっくりと立ち上がったが、男が顔面に蹴りを入れてきてまともに食らってしまい後ろに吹き飛ばされた。

俺は起き上がろうと肩肘をつきながら男を見ようとしたが、左目の視界が赤く見えずらくなっていた。

何とか立ち上がり左目をこすると視界が回復した。そこからまたガラスに映る自分を見ると背中の羽がボロボロに穴だらけになっていたが、ビデオの再生速度を速めたように見る見るうちに治っていった。


「目の何らかの保護がされているのか?ナイフが折れてしまった。羽の被膜も再生速度が速いな。さすがバケモノ、いや『ドラゴン』か。」


「バケモノ」という言葉に俺はブチっとキレてしまった。


「誰がバケモンだぁぁぁぁぁ!さも自分は「強いぞ!」見たいにふんぞり返りやがってええ!何様のつもりだぁぁ!俺様は税金も保険料も滞納したことない善良な都民じゃぁぁぁ!」


そう言いながら、残り2つの空気球を連中の中間の空中で「爆発」させるイメージを実行した。


『ドバアアアアン』


と、激しい音と共に爆風が部屋全体に拡散した。俺は咄嗟に「空気バリヤ」を張って頭を抱えながら体を丸くして伏せた。

爆風も収まり体を起こすと窓やガラスの仕切りなどは木っ端微塵に吹き飛んでいて吹き飛ばされた長椅子なども壁に刺さっていたりボロボロになっていた。


「鉄砲持ち共は?」と見回すといつ持っていたのかガスマスクを被っていたが、至近距離に爆発で腕がちぎれていたりマスクの間から血を流していたりしてピクリとも動いていなかったが、2人ほどフラフラとしながらも立ち上がっていた。


そしてあのナイフ男も同じくフラフラになりながらの立ち上がってきたが、俺は近くにあった長椅子を手に取りながら


「くたばれこのショタ虐待の変態野郎。」


「うわあああああああああ!」


思いっきり投げつけるとそのまま椅子と一緒に吹き飛び大理石のような壁に激突し、そのまま椅子と上半身が壁にめり込み下半身がプラプラと浮いていた。

俺は空気バリヤーを解いて、痛みでフラフラと歩きながらも中二階へ上がり、銃を構える生き残り2人の前に立った。


「お前上着が破けてないな、お前はズボンが破けてないな。靴も脱げ。」


男たちは銃を撃とうとするが爆発のせいか、撃つことが出来ないらしくナイフに持ち替え構えていた。

俺はまた傍にあった長椅子を持ち


「さっきの男みたいになりたいか?」


と投げる準備をすると即座に迷彩色の服と靴を脱いで俺に差し出してきた。

ガスマスクを外して見ると2人は外国人らしく金髪に茶色の目、茶髪に青の目をしていて多分助手の言っていたUMA専門のチームなのだろうと推察した。


俺はその服と靴を着込んだが、かなり大きかったのでベルトで調整したり裾をまくったりして何とか合わせた。靴も大きかったので男らのTシャツを破いて詰めて穿いた。


「痛かったぞ。まあいい。これで許してやるぞ!っと!」


そう言って茶髪に男の腕をつかみ窓から思いっきり投げてやった。


「NOOOooooo・・・・・」


「ドッ」と外で音がした後に今度は金髪に視線を向けた


「オーマイガー、オーマイガー、オーマイガー、オーマイガー」


とつぶやきながら、ブルブル震えていた。


「てめえはお前たちのリーダーがいる所に案内しろ」


日本語が分かるらしく、コクコクと頭を縦に振ったので、そのまま前を歩かせて案内をさせた。

案内をさせると、4階まで上がり広い50mほどの赤い絨毯が敷かれた直線の廊下があってその先に高級そうな両扉があった。金髪は「アノサキデス」と片言に話してそこを進んだ。


「ようやく来たな。ようやくだ・・・・。あの腐れアマぶち殺せる。そして関わった連中もギッタンギッタンにやっつけて「もういっそ殺してください」って言うまで嬲りつけてやる!」


逸る気持ちを抑えながら、俺は口元がニヤリと笑みを浮かべているのを自覚しながら、電撃の準備をするのだった。

しかし次の瞬間、目の前を歩いていた金髪が視界から消えて「!」と身構えようとしたが足を払われていた。


金髪はしゃがみながら回し蹴りで俺の足を払っていて倒れ込んだ俺から逃走していた。そして後ろを振りむきながら


「ーーーーーーー!ーーーー!HA~HAHAHAHA!」


何か喋りながら中指を立てて「あかんべ-」をしながら扉に向かって走っていき「Hey!」と叫ぶと先の扉が開いた。

開いた扉の先には、20人くらいか?全員銃を構えており金髪が横に避けると一斉に俺に向けて連射してきた。


しかも、転ばされている俺は避ける事も出来ず痛いのは仕方がないと覚悟しながら撃たれる覚悟をしたが、目線の先にとんでもないのが見えた。

いくつかの銃身が円を描くように並んだバズーカ砲くらいの大きさで抱えながらこちらに向ける男が一人。

俺を誘拐したあの妖怪黒無口野郎だ!


俺は「あ、これはやばい」と背中にゾクリとした悪寒を感じたのだった。




最後までお読みいただきありがとうございます。


次回は「彼女」が登場しますので楽しみにしていただけると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いたします。


次回更新は翌日の朝7時です。

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