ちょっと休憩
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拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。
ミノルは今フェリエ共和国にあるメーフェの教会にある宿泊設備がる暖炉前で寝転がっていた。
「あ゛~~なにもしたくない。フィーグルに来てから休んだのって数日しかないぞ」
「ミノルちゃ~ん。だ~ら~け~て~る~」
「アディさん?あなたの口調もだらけてる感じを受けるのですが?」
「むう~ち~が~い~ま~す~」
「真面目モードはあんなにハキハキしてるのになあ」
そう言いながらも、アーデルハイドはミノルと一緒に暖炉の前で寝転がっているのだった。
ミノル達はヘラズグアで長老達との会談(?)後ヘティスハークへ戻ってくると協定に向けての話し合いが終わっており、あとは魔道具によって雪解け後に行う調印へ向けての話し合いを詰めるだけとなり到着するなり、フェリエ共和国へと移動となったのである。
勇者2人は既に裁判も済み、刑も執行済みでミノルが見た時には傷もなく身綺麗ではあったが、移送前に比べると目からハイライトが更に消え失せており、廃人のような雰囲気を醸し出していた。
そしてようやくフェリエにたどり着くと、フィーグルの年末が明後日に近づいており、城下は年末に向けてのお祭り騒ぎとなっていた。
ここフィーグルの北部では年末にかまくらを作ってその中に雪だるまを入れて祝うという不思議な風習があった。
大昔に龍や先祖の雪像を作って、それを祀るはずであったのがなぜそうなったのかは不思議ではあったが、”所変われば品変わる”に従い、あえてツッコまずにいた。
「こらミノル。せっかくの年越し祭りなのにだらけきっておるの」
「リューさん?帰って来て早々明日朝一で狩猟に出かけるのですよ。ちょっとだけ休ませてほしいのであります」
リュセフィーヌは「しょうがないのう」と溜息をつきながら読みかけの書類に、再び書類に目を通し始めた。
それを見ながら、ミノルは思っていた。
明日から始まる狩猟のノルマがあと1日で350人分の食用肉が不足している事を伝えられ、フェリエに帰ってくるなり「狩ってこい」と言われた事と、冬季はどれだけ頑張っても100人分が最高スコアと聞いた時に現実逃避をしたくなった事をリュセフィーヌは「任せろ」の一言で片付けられたことへの細やかな反抗であると気づいてくれるのではと思ったが、残念ながら無理だったということで、ならば明日までの体力温存と狩猟計画を練るのであった。
そしてミノルが寝転がって何もしたくない理由がもう一つあったのだ。
「ミノルさん。そこで寝るならベットに行きましょう」
「ミノルさん。眠る前には歯磨きをしましょう」
メイド姿をしてディーフェリアとアリステリアがここにいるのだった。
――――――――――
時は遡る
ミノル達がヘラズグアから帰って来た時の事。
「リュセフィーヌ様、ミノル様、アーデルハイド様お帰りなさい。明日で協定に向けた話し合いが済みそうでして、タイミングも良く、明後日にはフェリエに帰る事が出来そうです!」
帰ってくるなり、屈託のない笑顔のパディから伝えられた報告にリュセフィーヌも「何?」とげんなりとした表情で、聞き返す姿を見たミノルとアーデルハイドは「SSRな表情」と呟いたくらいであったが、そこは金が付きまとっている仕事なので、ミノルとアーデルハイドは表情には出さず「御意」と述べるだけだったのだ。
そして翌日、すべての荷造りは終了しておりヘティスハーク王族達との別れも済み、侍従や侍女、軍官たちが担ぎ馬車に乗り込む中に、お別れをしたはずの2人が静々と乗り込もうとしている姿を発見したのだった。
「ちょちょちょちょっと待った。ディーフェリアとアリステリアの両名がなぜここにいる?」
ミノルは思わず、ツッコミを入れながらリアたんとアリスたんに聞いてみた。
「申し遅れました。本日よりミノル様御一行に正式採用されましたディーフェリアと申します」
「申し遅れました。この度ヘティスハークより、お暇を頂き路頭に迷うところを助けられたアリステリアと申します」
「「今後ともよろしく御願いいたします」」
そういいながら2人はミノル達に一礼をする中、ミノルは我がドナクレアのメンバーに2人が加わった事を初耳であると、リーダーのリュセフィーヌに聞いたところ、明後日の方向を向きながらミノルの問いに答えた。
曰く、ドナクレア家は今回の事象で家人がいない事。
曰く、ドナクレア島を奪還した際に情報収集に優れた人材がどれだけ戻ってくるのか未知数である事。
曰く、アーデルハイドやミノルを受け入れる事が出来る甲斐性がある人材を欲していた事。
曰く、資金の乏しいドナクレア家に格安且つ信用のおける人材が欲しかった事。
等々、理由があると同じくして、ヘティスハーク貴族より暇を貰った2名がリクルートに来た為、雇い入れたということである。
「俺のあの時の心情はともかく、軍事、諜報、秘書、侍女のオールマイティな人材は助かるが、賃金だって高いんじゃないのか?」
ミノルは至極まともな意見をリュセフィーヌに投げるのだった。
「その、だな?三日に一度ミノルとの同衾権さえあれば、給料は半分でいいから雇ってくれと…」
「リューさん?おくさま?私の選択権はどこにあるのかな?」
「仕方なかろう!来年にはドナクレア島奪還を予定しておるのじゃ!人材と資金が必要だったのじゃ!許してたも」
「……くっ!」
ミノルはリュセフィーヌが許したのならば仕方がないと、口惜しさ半分、2人が戻ってきてくれた嬉しさ半分のせめぎ合いの中リュセフィーヌに屈することを選んだのだった。
”すいませんミノルさん。姉様のわがままで心労が重なると思いますが、お願いします”
ミノルの心中でセリナが謝るのを聞きながら「仕方あるまい」と答えるのであった。
――――――――――
「さあさあ、ミノルさん。お眠の時間です」
「さあさあ、ミノルさん。お眠の前にお風呂と歯磨きいたしましょう」
ミノルはディーフェリアの小脇に抱えられながら、浴室へと連行されていく。
「解せぬ…」
ミノルは先日のヘラズグアの件にて2つの司が影響なのかそこは不明であるが、通常9歳児位から一気に成長を遂げて1年で12歳くらいまでの成長は龍族では当たり前なのだが、ミノルは9歳児になってから全く成長しておらず、逆に背が1センチばかり縮んでしまい、ますます幼児化が進んでしまった事に大いなる不満を抱いているのだった。
「女子に囲まれて気分はいいが、俺のリビドーはどこに行けばいいのだー!」
完全な幼児と化したミノルの慟哭がむなしく響く。
「あと20~30年は我慢して頂くしかありません」
「それまでは、みんなのマスコットとして生きていきましょう」
スキップでもしそうな雰囲気をさせながらリアたんとアリスたんにドナドナされていくミノルであった。
「ミノルよ。ゆるしてたも」
「ちっくしょおおおおおお………」
しんしんと雪の降るある日の出来事だった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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