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長老会

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます。


申し訳ございません、突発の出張作業をこなしたうえに、風邪がぶり返してしまいました。

ようやく全快いたしましたので再開いたします。

お待たせして申し訳ございませんでした。


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

「長老?古龍の?なして?」


「ミノルとアディに古龍の試練を与えるそうじゃ」


 長老が与える試練とは何のことかわからなかった。

 リューが言うには古龍から生まれた子供は弱く、下克上を狙う下位の龍族から守るために作られた組織で世帯数が少ない家族が大量の龍族グループなどに襲われたときに助け合いましょうという組織だったそうだ。

 しかし、年月が経つにつれて目的があさっての方向にイってしまい他種族からの参入者を審議する組織へと変わってしまい、今やジジイ共のただの集まりとしてしか思っていないらしい。


「…なにそのはた迷惑な組織は」


「じゃから嫌いなんじゃ。横の繋がりを大事とした曾祖父ですら相手にしなかった位じゃ」


 しかも厄介な事に無視した場合はジジイ共がプライドを傷つけられたと言わんばかりに「こいつら古龍と認めなおから好きにしていーよ」等と大々的に言いふらして孤立状態にさせて、下克上狙いの「ヒャッハー!」が喜んで攻めてきてしまうので、厄介極まりないという。


 しかし、そんな組織も怖くなく、横繋がりがある古龍同士で下位龍をぶちのめしてしまうのでよほどおバカな龍族じゃない限り攻めては来ないという。


「場所ってどこなの?」


「ここから真北に2日の距離で永久氷河にある古龍の領域で”ヘラズグア”家で行うそうじゃ」


「減らず口?」


「ヘラズグアじゃ。永久氷河地帯に2家の古龍が存在しての。西のヘラズグア、東のプルニードと言われておるの。もともとはヘラズグア1家のみじゃったがの、ヘラズグア初代が家督を娘に指名しての、次男が隣の空き領域にプルニード家を立ち上げたのじゃ」


「その減らず口とプルっとの2家は姉弟仲が悪くて分かれたとか?」


「ミノルよ、わざと間違えとらんか?…まあ良い、仲は悪くないの。姉弟婚するのでは?というくらい仲は良かったと聞いておるの」


 そして期限は今日合わせて6日か、結構ぎりぎりだな。どうせ遅かれ早かれ他家の古龍達とは話さなければならないこともあるし、ちょうどいい機会だからいって見るかと俺は考えた。


「オーケー。言いたい事もあったし、講和準備が終わったら行くとしましょうか」


「ミノルがそう言うのであれば、妾は何も言わぬが…」


「なんか歯切れが悪いな。リューさん?何か行きたくない理由でも有るのでしょうか?」


 俺は何んとなくだが、直感めいた物があった。

 プライドが服を着ているような連中で、ふんぞり返っているだけで自分達から何もしないと言う事を含めると、それに至る考えはそれしかないと思った。


「むう、いずれ知る事になるから言った方がよいかの。ヘラズグアの長男が妾の婚約者だったんじゃ。も、もちろん当の昔に破棄されておるからミノルは心配しなくとも良いのじゃ」


 そう言いながら、リューは両手人差し指を突き合いながら申し訳なさそうに言ってくる。


「やっぱりな。そんな事だろうとは思ていたが、気にはしてないよ。リューってば良いものは良い、悪いものは悪いとはっきりしてるからね。なんとも思わないと言えばうそになるけど、信用してるからね」


 俺の言葉に少々沈みがちだった顔が、一気に明るくなり「そうか!」と嬉しそうに返事をした。

 その日の夜メーフェがフェリエ共和国から帰って来た所にリューの説教が炸裂したのは言うまでもなく、メール役やらされアディを呼び寄せることにした。


 翌日からは、ヘティスハークとフェリエの軍事協定について綿密な打ち合わせが始まり、いよいよ対アドラ公国への犯行体制が整いつつあった。


  __________


 

 それから数日後、俺達は永久氷河地帯にあるヘラズグア家の居城にいた。

 永久氷河地帯は年の80%が降雪やブリザードに見舞われている地域で夏の4か月の期間だけ、霜が降りつ程度というまさに極寒の地であったが、居城を中心にして直径10㎞に渡り氷河もなく街ができていた。


 ヘラズグアの街には白熊種やイエティ、なぜか海獣種も存在していると思ったら、氷河の下に海があって街の一部とつながっており、俺はなるほどそれで海獣種がいるのかと思った。


「はあ、行きとうないの…」


「リューちゃん~しょうがない~」


「すまんな。俺があって話がしたいなんて言ったから」


 俺は鬱気味のリューといつもの笑顔が少しだけ曇っているアディに謝罪するが、2人共「大丈夫だ」と手の平を左右に振った。

 城の門に立つ竜人衛兵に手紙を見せ、案内人が来るのを待っているとリューの後ろから抱き着く輩がいたため俺は突然の出来事に驚いてしまった。


「おお!マイハニー!会いたかったよ~~っほおおおお~」


 後ろから抱き着いた男(?)は、リューが尻尾を巧みに使い、股間へと強打を当てられて、奇妙な悲鳴を上げた。


「この戯けが!妾に指一本たりとも触れるなと言っておろうが!貴様はモノも覚えられぬか!」


「そ、そうはいっても僕と君とは許嫁じゃないか、この照屋さんめ」


 股間を抑えながら蹲っていても、なおスタンスを崩さない男にリューは髪や鱗が逆立っているのを見ながら、あ、これは怒りからじゃなく心底気持ち悪がってると俺は気づいたのだった。


「アディ先生、もしかしてあのオス龍人が元許嫁かな?」


「そおよ~。ヘラズグア家が~リューちゃんを~勝手に指名して~、許嫁だって公言しまくって~迷惑かけてる~次期領域守護龍の~カスクロ・ヘラグノア~だね~」


 肩まで伸びたストレートの金髪に碧眼、顔はイケメンの中肉高身長で見た感じとリューと言い合っている口調からすると言葉の端々に選民感情的な言葉が聞こえるし、人の話をまともに聞いてないな。


「貴様の親が勝手に決めつけた許嫁じゃろうが!擦り寄ってくるでない!気持ちが悪いのう!」


「リュセフィーヌ。君は僕と結ばれるために生まれてきたんじゃないか。神魔大戦前より存在した高貴なるヘラズグア家に生まれたこの僕のために」

 

 まるでオペラ歌手のように大げさに振舞って1回転して両手を広げこちらを見るカスクロを俺は冷ややかな目で見ていた。

 あ~カスクロさん…お出迎えのメイドさん達も冷ややかな視線送ってますよ~。


「あのー。私たちは長老とやらに呼ばれてきてますので、そろそろ行きたいんでどいてもらうと助かるのですが」


「ん?なんだ小僧、私に向かってそんな口をきいていいと思ているのか?それになんだ?そのみすぼらしい恰好は?」


 俺が言った言葉に5倍ほど悪意を乗せた言葉に俺は軽く殺気を乗せて睨み返す。この野郎、俺が惚れてる女に馴れ馴れしく近づくんじゃねえ。

 俺に殺気に気付いたのか、カスクロは俺を睨み返しながら唇の端を吊り上げる。


「ふん。貴様何様のつもりだ?…はは~ん、さては貴様リュセフィーヌに恋慕の念を抱いておるのか。よせよせ、貴様のような下賤な輩が抱いていいものではない。しかもたったそれっぽっちの殺気で精いっぱいのようだな。ふふん私は寛大な古龍だ一応名前は聞いてやろう」


「…ミノル・カツラだ。リューの番だ」


「なん、だと?番だ、と…」


 高圧的な態度をとっていたカスクロは俺の番という言葉に目を大きく開き、驚きの表情をしながら俺とリューを交互に見て答えるのだった。


「さて、このような奴にかまけている暇はないの。行くぞ妾の番殿」


 リューの止めの一言に絶望の表情をするカスクロは、「うそだああ」と、これまた劇場的なオーバーリアクションを尻目にして侍従の案内に従いながらその場を後にし長老たちが待つ場へと向かうのだった。


 長老会の議場は大きく全員が竜の姿をしており、総勢7名の古龍が俺達の事を見下ろしており、それぞれが赤や青、緑や黄色とまるで戦隊モノを思わせる色とりどりな姿をして多分この7名が古龍の長老達なのだろうと俺は推察した。


「挨拶の前にリュセフィーヌ・ドナクレア、顕現せよ」


 声からすると女性のようで真ん中に立つ銀色に鈍く光る姿をした古龍がリューへ龍化をするようにリューはものすごく面倒くさそうにしながらも《身体構成》と《顕現》を展開して龍化した姿をとる。

 

「次にそこな2人。顕現せよ」


 銀色をした龍が今度は俺とアディに龍化しろ言ってきたのだった。







 ミノルはムカつていた。 

 自身の名を名乗ることもなくいきなり龍化しろなどと高圧的な態度に「いうこと聞いてやるものか」と内心は思っている。

 自己紹介はしなくともリュセフィーヌが黙って龍化したのだから、この龍達が長老であろうことは承知していた。


「どうした?なぜ龍化しないのだ?」


 銀龍が再度龍化を促してきた。

 実はそのまま銀龍の目を見たまま動くことはなく、アーデルハイドも柔らかい笑みを浮かべたまま龍化することなく立っていた。


「確かに私は龍化できます。しかし、初対面同志で互いの名乗りも上げず、いきなり龍化しろというのはいささか礼を失する行為かと思われますが?」


「なっ!貴様、我々を古龍と知っての言葉か!お前たちのような別種族からの成り上がりが言う言葉ではないぞ!」


 赤い体をした龍がミノルの言葉に抗議をしてきた。


「確かに私は別種族からの古龍に過ぎません。そして生意気な行動だというのであればその通りです。実際、確信犯で行動しておりますから。しかし、あなた方もそれほど尊大な種族だというならば礼の一つ位できるのではないのでしょうか?まずは初対面同志、自己紹介から始まり、ここへ呼んだ趣旨を伝えそれから事を成すのが普通なのではないのでしょうか?小さな子供ですら初対面の人に対して自己紹介や挨拶もできるというのに、大人であるあなた方ができない、しかも私たちより尊大で上位の種族だというのであればなおさらではないのでは?そういうことに関しては礼には礼を、失礼には失礼で返すのが私の持論です。いかがでしょうか?」


 ミノルは捲し立てるように、長老達に向かって言葉を紡いでゆく。

 そして長老達は、龍の姿をしていて表情を読み取る事が難しいが、雰囲気で、ぐうの音も出ないことを読み取る事ができた。


「ふぉっふぉっふぉっふぉ。議長よ、ワシらの負けじゃ。済まなんだのう、新しき幼き龍よ、そしてアーデルハイド嬢よ。ワシはこの長老会とは関係なく新しき家族を見たかったが為に出席させて貰っておる古龍が1人のメンヘストというものじゃ。魔大陸の一部を領域とさせて貰っておる古龍じゃ。最もすでに隠居のみであるがの」


 メンヘストと名乗る老龍が名乗りを上げて謝罪をしてきた。

 ミノルはその言葉に一礼をすると《身体構成》と《顕現》を展開して龍化、それに続きアーデルハイドも龍化し長老たちの前に顕現した。


「お久しぶりでございます。メンヘストの大龍様。ワタクシも古龍の一員として眷族の儀式を受けました。今後ともよろしくお願い致します」


「ふぉふぉ!アーデルハイドの嬢ちゃんよ。ワシはもう大龍などと呼ばれる存在ではないぞ?ただ日がな一日茶を飲むだけの老いぼれじゃ」


 アーデルハイドは首を下に向け、メンヘストに久しぶりと言った言葉を述べる。

 どうやらアーデルハイドとメンヘストとは顔見知りであったらしく、そこからも懐かしさから会話が弾んでいた。


「2色を有するだと?”司”の資格を有する事が出来る候補だというのか…」


「純血種からではなく…」


「ドナクレアの血筋が為せる業なのか…」


 2人の会話の端から長老達が各々が呟き、驚いている様子でミノルはリュセフィーヌへ顔を向けると首を左右に振ってそのままでいるようにと目で訴えてきた為、長老達へと向き直しそのまま動かずにいた。


「最長老、お話は後でごゆるりとしてくださいますか?さて、幼き龍よ確かに君の言う通り私たちが礼を失していたようだ謝罪しよう。改めて私は長老会の一人エルザ・ヘラズグアである。今回の議長を務めさせて貰っている。」


「…ミノル・カツラです。リュセフィーヌの番としてこの度、古龍として新たな生を受けました。今後ともよろしくお願いいたします」


 ミノルはエルザ議長に一礼をすると次々と長老達から自己紹介を受ける。

 長老たちは既に領域守護者から引退をして、次代、次々代へと継がれている人達だった。

 各古龍の長老達の自己紹介も終わり、呼ばれた理由が述べられていった。新たに2人の古龍となる存在、しかもドナクレア家の一族として新たな人生を送ることになった経緯の聴取。

 古龍として現在、領域外での活動の経緯と目的についての聴取。

 

「最後になるが、貴方方の今の姿がどう追うものかという説明についてでもです」


 長老達から話が続いていく、本来古龍といえども身体にそのような文様を持つ古龍は種族の中でも上位にあたる存在で”司”の権能を持つ古龍だと言う事。そして14の司、魔、力、生、死、豊穣、光、闇、識、秩序、戦、地、水、火、風、で古龍の60家はあったが、神魔大戦により現在は16家で司のすべてを復活させるべく研鑽に励んでいるという。


 現在はリュセフィーヌの魔と豊穣のほかヘラズグアの秩序と光、メンヘストのトーグレ家の死と識、長老達の次代5家で力、地、水、火、風の司を有しているという。

 現時点で生と戦、闇が空席となって次世代が残り3席の取得に注力を注いでいると言う事であった。


 ミノルは前に並ぶ古龍の長老達を見ると、確かに同じ刺青のような模様を有している龍ばかりであった。


「まさか純血からではなく、別種族からの変異者がその資格を有するとは思いもよらなかったのですけどね」


 そういいながら、ヘラズグア長老議長は語るのだった。



最後までお読みいただきありがとうございました。


寒暖差が激しくなっております。皆様も体だけは御自愛ください。


次回も楽しみにしていただければ幸いです。


次回は23時を予定しております。よろしくお願いいたします。

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