勇者2人の最期
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12000文字越えを縮めてみました。
拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。
首都ヴォルシナでの騒動から3週間の時間が流れたが、ヴォルシナは真冬だというのに大きな賑わいを見せていた。
騒動の直後、我先にと逃げ出す人族や天使族、ドワーフ族はミノルやリューの宣言通り1週間で首都を離れていき、西エリアはゴーストタウンと化してしまった。
しかし、今まで憂き目にあっていた獣人達や精霊族、魔人族のスラム住人たちへ開放しフェリエ政府の主導で藻抜けとなった家屋の修繕や、それを成す職人の雇用やその胃袋を支える飲食業、それでも職にあぶれた者達へは冬季でも行われている魔獣の狩猟などで、活気づいていた。
スラム街となっていたエリアや、城壁外にあった個所も使われている木材は一気に膨れ上がった人口で不足気味の暖房などの燃料として再利用されている。政府は春を待ってスラムの本格的な撤去する予定となっている。
フェリエ南部の不法占拠された村や町は現在リュー部隊、アーデルハイド部隊、ミノル部隊と中隊編成を組み、次々と開放している最中で従来のフェリエ共和国領の90%まで取り戻していた。
多少の抵抗はあったものの古龍率いるフェリエ共和国軍にはかなわず、あっけなく敗走もしくは捕虜となって行った。
「しかしまあ、よくもここまで占領されて平和的解決を求めていたなんて人が言いを通り越して、何をやっているんだって言いたくなっちゃうな」
ミノルは率直な感想を呟いていた。
「古龍様のお手を煩わせて申し訳ございません。何せ気づいた時にはもう実効支配が始まって、それに対応してるとまた次と、情報部でも気づかなかったほどの狡猾さと素早さがありまして…」
「すまない。悪気があって言った訳ではないんだ。気にしないでくれ」
「いえ、我々も上層部には同じことで抗議しましたから…」
フェリエ共和国中隊長がミノルに申し訳なさそうに謝り、ミノルも不用意な発言に謝罪するという、ドラゴンと獣人がお互いにペコペコと頭を下げる光景は兵士の面々には不思議な光景だと思われるのであった。
――――――――――
「ふむ、こんなものかの?各兵は負傷者の確認とまだ隠れている残党の捜索、抵抗する場合は殺しても構わぬ。但し女子供は丁重に保護せよ!」
「「「「は!」」」」
リュセフィーヌの号令の下、フェリエ共和国兵は散会し、つい先ほど開放した街の中へと消えてゆく。
町は首都から3日の距離にある小さな町で隣の村が、勇者たちが潜伏していたアドラ公国の偽装兵達の本部となる拠点が存在していた。
今回の作戦では周辺から攻めていき、敵兵を村へと追い込んでから一網打尽にするはずであったが、難民と化した1万もの人族達を真冬の荒野に放り出し、女子供までいるので寒さで死亡させてしまうのは忍びないと、フェリエ政府からの要望で春まで収容可能な場所を確保したいため急遽、ゴーストタウン化したこの街を開放することとなった。
「ったくセレスティアめ。まだ甘いこと言っておるの。じゃが一理あるのも確かじゃからの」
リュセフィーヌは悪態をついていたが、これ以上の禍根と人族達との溝を深めたくないと言ってリュセフィーヌに頼んで来た事に、これからの争いの種を増やすのは得策ではないとリュセフィーヌも同意したのである。
「リュセフィーヌ様、ここにありました。人族たちが略奪した食料などが、倉庫エリアに大量に保管されているようです。量からすれば冬は余裕で越せるだけの量だそうです。」
「そうかここにあったのか!落とした各拠点の物資の量が少ないと思ったら、ここから各拠点への物資物資の出荷拠点にされていたのじゃな。もう少しアドラ寄りのどこかに隠されているのではと思ったのじゃがの」
兵士の報告で、もしや持ち帰られてしまったかと思われていた大量の略奪品や、兵站用の物資が見つかり一時は元スラム住人や、難民用にフェリエ政府の備蓄を出さねばと思われていたが、これで越冬用の食糧等の物資の憂いがなくなったことに安堵していた。
「さて、ミノルは大丈夫かのう。抱き枕がいなくて妾は寝不足気味じゃ。今度会ったら思う存分堪能しようとするかの」
リュセフィーヌの独り言を聞いてしまった兵士は、彼は本当に婚約者なのだろうかと不思議に思うのだった。
――――――
「帰ったわよ~。ん~疲れた~」
アーデルハイドは首都ヴォルシナの西エリアに新たに設置された孤児院へと来ていた。
元々はアドラ聖教の教会であった建物を改装して廃棄女神であったメーフェの教会とし、余った居住部分等は孤児院と病院施設へと改装したのだった。
「おかえりなさい。アーデルハイドさん」
出迎えたのは、勇者ナオとエリカで現在捕虜としての立場ではあるが、ナオの治療のため治療施設のある教会に世話になっていた。
そしてエリカはアーデルハイドから上級魔法である治癒や復活などの複合治療の魔法の勉強とナオのリハビリ補助を行っていた。
「すみません。アーデルハイドさんが忙しいにもかかわらず、私達の為に時間をしてくださって…」
「ん~?いいのよ~同じ地球の~出身者だから~気にしな~い。それに~もうすぐ雪が深くなるでしょ~?多分~春まで~中止になっちゃうし~」
日本でいえば2月に当たる時期のゴラス大陸北部は、大雪に見舞われる時期で3mは軽く積もるため、4月上旬まで首都から外へは出ることができなくなってしまう。
「お~。アディ戻ったんかい?お疲れ~」
「メーフェ様~こちらに来ていたんですか~?ヤーノ君の方は~大丈夫なの~?」
蒸留酒の瓶を片手に現れたメーフェはアーデルハイドに挨拶をする。元々メーフェは平和そして平等と自由の女神であるが、時空と時間の権能を持つ女神でもあり、本来は勇者召喚を管理する役目でもあった。しかし、3女神に女神の資格と権能を剥奪されてしまったが、《転移》くらいであれば使用可能である為、自身を祭る教会があれば、転移は可能である。
もっとも、今ではヤーノのいる場所とヘティスハーク王国、そしてこのフェリエ共和国の3か所しかないのが残念なところである。
リュセフィーヌから現人神として許可はもらっているが、ヘティスハーク王国とドナクレア島でしか行動はできないため教会から外には出ることができない。
「ああ、無事嫁さん達とも再会して頑張って盛り返しては来たんだけど、勇者が5人も参加して来てね~。拮抗しちゃったんだよ。今は冬に突入したからどちらも春まで何も起こらないしね。新しくできた教会を見に来たわけなのさ」
アーデルハイドは「よかった」と一言言って《身体構成》を展開して龍人の姿へと変わる。
メーフェは屈託のない笑いをしながら片手に持つ酒を瓶のままラッパ飲みをする姿には女神としての威厳が見られずアーデルハイドは溜息をつくのであった。
実際、メーフェは現人神としてフィーグルの地上では羽根を出しておらず、いつものキトンの服装ではなくエスキモーを思わせる出で立ちでいるからである。
「それに明日だろ?あいつらの裁判。だからここに来たってところだし、リュセフィーヌやミノル君にヤーノの土産を渡したいしね。今夜には戻ってくるんだろ?」
笑顔から一変して真剣な顔でアーデルハイドに話すのだった。
「はい~。今は~議会場で~解散式をやってます~」
「明日は私も出席させてもらうよ?自覚のない奴らに引導渡してやらなきゃなんないから」
そういって再び酒を飲むのだった。
―――――――
翌日、勇者ユウトと勇者ケンジの裁判が開かれた。
結果は言わずもがな、と言うべきであろう。
勇者ユウトは3か国に渡り、過激派勢力として58もの貴族家、合計297名の惨殺。261件の公共施設襲撃による合計1789名の惨殺を主導。2次3次災害併せての被害額(日本円換算)7兆6千憶円となったが、ユウトを指名手配をしていた3国はアドラ神聖公国に攻め滅ぼされ罪は問われない事となった。
「ほら見ろ!僕は正しかったんだ!結果が出ているではないか!正しかったんだから罪に問われることはないんだ!ハハハハハ!」
ユウトは裁判直前、入廷前まで「僕は無実だ!」と喚きながら裁判に挑んだ。そして結果を聞くなり、勝ち誇ったように笑っていた。
「しかしだ!これから述べる罪状については有効且つ証拠がそろているので、よく聞き給え」
ユウトの笑いを遮るように裁判長は「今度はわしのターン」とばかりにドヤ顔をしながら、目の前に証拠書類を並べると罪状を述べていく。
フェリエ共和国と2か国への過激派勢力として19の貴族家11の氏族併せて262名の惨殺。現時点で316件の公共施設襲撃による合計916名の惨殺を主導。証拠として惨殺時の魔道具による記録映像と逃亡しなかった合法奴隷の証言2677件の目撃情報及び本人から「解放してやる」との訳のわからない声をかけられたとの証言。
被害金額合計(日本円換算)14兆9千憶円の賠償責任を言い渡される。
「よって、被告人は自国と2国への市中引き回しで投石刑の刑罰終了後、自身消滅まで犯罪奴隷として戦奴、労奴としての使役を課する。なお、死亡した場合も復活もしくは命の水で蘇生させられるため、死による開放はない!」
「なっ!これは違法だ!人権侵害だ!弁護士を呼んでくれ!」
裁判長の「ドヤ?」という表情を見ながら、尚も食い下がるユウトは決裁するとボコられながら退廷させられた。
次に勇者ケンジが法廷に立たされ同じく罪状を述べられ、同じような反論をして同じように証拠を手出されて、最後に罪状を宣告される。
「よって、被告人は自国と2国へ玉潰しの刑罰終了後、自身消滅まで犯罪奴隷として戦奴、労奴としての使役を課する。なお、死亡した場合も復活もしくは命の水で蘇生させられるため、死による開放はないので覚悟したまえ」
ケンジの罪状には被害額と件数は少なくなっていたが、強姦罪が追加されておりその刑罰が”玉潰し”という刑罰だった。
「リュー?玉潰しって言われるとまあ、何となく分かるが実際どうゆう罪なんだ?」
ミノルは内容を聞こうと思ってリュセフィーヌに問いた。
「これはの?強姦だけではなく、不倫にも適用される刑罰なのじゃ。まあ、一見にしかずというからの。実際に見るといい。」
そういいながら困った表情をするリュセフィーヌにミノルは不思議に思うのだった。
―――――――
そして勇者ケンジの刑執行当日になぜか最前列のアリーナ席に俺は座らされていた。
勇者ケンジはまるで出産をさせられるような、仰向けのM字開脚の状態で処刑台に固定されていた。
そしてその前に並ぶのは若い女性が最後列が見えないくらいに並び何か楽しそうな顔をしながら並んでいた。
「古龍様、執行立ち合い人が魔力不足になった際は御助力をお願いいたします」
執行人の男性は青い顔をしながらリューではなく俺に言ってきた。
ミノルは「ああ、分かった」と言いながらも頭によぎる最悪の事態に恐怖を覚えていた。
「それでは勇者ケンジの玉潰しの刑を実行する!」
執行人の声に見学に来た(?)男性陣は押し黙っているが、女性陣からは歓声が上がっているのだった。
そして刑が実行されるが、それを見るミノルはこの世の終わりと思えるような表情で次々と起こる刑の執行に怯えるのだった。
ケンジに振りかぶる女性の手に持つのはまるで、地獄の鬼が持つ突起の付いた金属の棍棒で、それをケンジの股間めがけて振り下ろす。
その度にケンジの悲鳴が処刑場にひび渡って行く。
つぶれた”ピ―――”は執行立ち合い人の〈治癒〉により復活して次の女性へと棍棒が引き渡され、再び振り下ろされ悲鳴が上がり〈治癒〉振り下ろし、悲鳴、〈治癒〉悲鳴……
既に何百回繰り返されたであろうか。
執行立ち合い人の魔力切れによりミノルは〈治癒〉の展開マシーンとして、ケンジの傍らに立つこととなっていた。
既に見学に参加している男性陣の殆どは失神によって、治療院へ運ばれているがまだ残る男性陣は股間を手で押さえながら、青い顔をして見学していた。
いや、見学させられていたらしい。
後日、刑の執行に見学させられていた男性陣の99%は既婚男子だったことが判明し、玉潰しに参加していた女性がその奥様達であったことが分かった。
「浮気したら分かっているわよね?」
嬉々として、玉潰しで棍棒をふるう奥様達の無言のプレッシャーがあったことは言うまでもなし。
そしてミノル自身も無言のプレッシャーと恐怖に股間がきゅっとなるのをを覚えながら、手伝わされたのだった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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今後ともよろしくお願いたします。
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