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ミノルと勇者④

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます。


長くなりそうでしたので区切りのいいところで掲載します。



拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

 俺達はヴォルシナの議会場に設置された緊急本部へと戻り、術式崩壊からくる精神汚染を治療するため勇者ナオの施術をリューとフェリエに治療術師に任せて、勇者ユウト、ケンジ、エリカの取り調べに立ち会っていた。


 結果からすると、直接フェリエ共和国への公共設備の破壊、テロ行為は勇者ユウトと死亡している勇者ケンタがアドラ神聖公国の主導の下に行われていることが確定した。そして勇者ケンジはその補助として随行していたことも分かった。


 次に勇者エリカ、ナオの両名は勇者ケンタの地球越境中の欠員補充のために派遣されていたことも分かった。

 また、エリカが脱走中に潜伏していた施設についてだが、エリカ捕縛の際にアドラ公国軍の偽装兵が乗り込んだ後、街を制圧されることを嫌ったフェリエ共和国政府が街を防衛に注力を始めたため現在は無事との事。

 念のためエリカ自供後に確認作業を行う予定だが、暗殺部隊や潜伏している兵などの排除のため、ディーフェリアとアリステリア両名がリーダーとなり、フェリエ諜報部隊の10名が先ほど向かった。


 この報告を聞いた勇者エリカは涙を流しながら「よかった」と安堵していた。

 そして取り調べがある程度終わったところで、俺は勇者ナオの施術に様子を聞くために施術院へと向かった。


「私がついて行っていいのですか?」


「ん?その時のために俺がいるのだし許可が出てるから良いんじゃない?それとも暴れるつもりか?」


「いえいえ!私はそんなことはしません!戦いはもうしたくないんです!」


 首を左右に振りながらエリカは否定するのだった。

 施術院に着きナオがいるという病室へと向かう途中、疲れた表情をしたリューがアディとお茶を飲んでいる所を見かけることができたので、病室に行く前に話を聞くことにした。


「お疲れ様です。それでリュー、彼女はどうなったのかな?」


「おお、ミノルか?正直危なかったの。元人格の保護だけは成功したのじゃ。しかしの…」


 リューの話が続く。

 もともとの魔法陣は〈隷属〉が大本の基本式なのだが、それに〈記憶操作〉〈洗脳〉が不完全な形に多重魔法陣を形成していたとのことだった。

 類似した魔法であるが、互いに反発が強い魔法同士で、対象者を五体満足のまま多重式として完成、展開は不可能であること。

 そして反発し合う魔法式はどれかを不完全な形にした上で、反発し合う矛盾した部分を補うために、さらに魔法式を組み込まなければならくなり、最後には対象者の生命を巻き込んでの崩壊につながってしまうというトンデモ魔法であることが分かった。


「つまりは、嘘に嘘を重ねた結果崩壊して、対象者と自爆してしまうような物?」


「んー。ちょっと違うような気もするが、そんなもんじゃな。多分ナオとやらはここ1~2週間は激しい頭痛で、まともに眠ることさえ出来ていなかった筈じゃ。」


 そして結果だが、何とか解呪に成功はしたが運動中枢が破壊されて、立って歩くことができない状態となってしまったらしい。

 だが、歩けるまでに回復はできるらしいが、長期の治癒とリハビリが必要らしく、まともな生活ができるまでに通常でも2年はかかるらしかった。

 改めてアドラの異常さに眉間にしわが寄ってしまう俺だが、エリカも「ひどい」と一言絶句していた。


「ミノルちゃん~もう少~し勉強が~必要だね~?」


「はいはい。今はこの世界の国や種族の文化や歴史、アディのマナー教室で手一杯だから少しづつでお願いしますよ」


「ま~か~せ~て~」


 そう言ってアディは俺に抱きついて頭をこれでもかと撫でまわしたのだった。

 リューからの話も済み俺とエリカはナオの病室へと向かい廊下を進む。


「あの、気になっているんですけどミノル君て幾つになるんですか?話し方が、その…」


「ん?歳か?俺は昭和生まれの45歳、いや47歳になってるか?君は平成生まれだろ?」


 突然エリカは立ち止まり「え?おじさんなの?」と言いながら再び絶句しており、おじさんという単語に俺は肩を落としながらヘコむのであった。

 ナオの病室前には4名のフェリエ兵が詰めていたが、俺が来ると知っていたかのように道を開けてくれて病室へ案内をしてくれた。

 病室へ入るとナオは起きていたらしくベットから体を起こして入室してきた俺に気付いた。


「あ…ミノル君でしたっけ?リュセフィーヌさんから聞きました。助けてくれて有難うございます」


「ん。元気になったようだな?眠らなくていいのか?リューから聞いていたが、相当の寝不足になっていると聞いたが?」


「はい。話しておかなければならないことがありまして起きていました」


 俺は「分かった」と言ってナオの話を聞く。

 彼女は同じく召喚後、訓練等を経て遠征に従軍したが、戦争の悲惨さにショックを受けてそれいくの従軍は拒否し続け、もし強制するのであれば勇者の力を使ってでも対抗するという姿勢を崩さなかった。


 そして宮殿を出て冒険者として首都で生活を送っていたある日、寝込みを襲われ拉致されてしまう。気が付いた時には魔法陣の真ん中に縛り付けられて隷属の魔法をかけられた。

 それ以降は自身の意思で動く事が出来ないままに新庄英雄の言う事を聞かされ、クラスメートや担任の護衛と秘書紛いの仕事をやらされていたという事だった。


「たまに、自由が利く時があったのですが、そのたびに魔法をかけ直されて、新庄の事を好きになっていたり、キャバ嬢の真似事のようなこともさせられていました。」


「ということは、春も売られていたのか?」


「さすがにそれはありませんでした。何度かやらされそうになりましたが、拒否反応が強いらしく、掛けている魔法に大きな影響が出るということで売りはさせられませんでした。」


 そして、新庄のパトロンに現代の知識などを伝授する役目を持つネモト・クラオという人物の助手兼ガードや武器商人や奴隷証人として働くクラスメートの用心棒などをやらされていたという。


「…そして今回のフェリエ共和国への派遣が言い渡されて、現在に至ると言う事です」


「ありがとう。それで十分だよ。今日はゆっくり休んで。君は明日から尋問とかがあるだろうし、それにリハビリが必要なのだから体力は戻しておくべきだからね」


「はい!あ、ありがとうございます!」


 ナオは俺に礼を述べながら、涙を流すのであった。

 俺は退室しようとしたが、最後に言いたいことがあったらしく、ナオが話し出した。


「気を付けてください。彼らはいま、火薬だけでなくダイナマイトを研究しています」


「わかった。詳細は後から聞くから休みなさい」


 とにかく彼女の話を聞く限り、詳しい情報が得られると思い休ませることにした。

 俺は、リューたちのもとへ戻るために廊下を歩いていた。


「ミノルさん。私ナオの看病を続けたいのですが駄目でしょうか?歩けるようになるならば少しでも手助けしたいと思うんですけど…」


「んー。それはこれからの尋問と、裁判次第だが俺も頼んでみるよ」


「ありがとうございます!戦力にはなりませんが治療だけは得意ですから!」


 ナオの看病を申し出たがそれはこれから次第だし、まあ今回の騒動に巻き込まれた脱走兵ということになりそうだから大丈夫かもと思った俺だった。



最後までお読みいただきありがとうございます。


次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いたします。


明日も投稿はいたしますのでよろしくお願いします。

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