プロローグのちょっと前
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拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。
勇者 鈴木健二
俺は唖然としていた。
なんだここは?と周囲を見渡すと何か豪華な作りをした建物の中のようだった。
柱の角や、壁の段差に金の装飾が施された縁取りがしてあって天井には何かの戦いを描写された天井画が、びっしりと描き込まれている。
確か、ダンスホールだったっけ?テレビとか教科書で見たことがある。
「確か俺達、朝のホームルームをしてたんじゃなかったか?それに何だったんだあの光」
「くくくっ。もしかしてこれは異世界転移ってヤツか?すごい!僕は無敵になれるんだ!」
俺の前で――が何か呟いてやがる。チッ、全くウゼえヤツだ。コイツは入学した時から気味が悪くて、似たような雰囲気の数人と端っこで何か喋ってたっけ?確か結城と取り巻きにイジメられてて不登校になって偶にしか学校来なくなっていたはずだな。
まあいい。とにかくここは教室じゃねえしクラス全員が、何故か学園の教室からここに居るって事で正面の壇上に立っている俺達とタメ年位の女が、何か知ってそうだな。
「よくぞ私達の召喚に応じてくださいました勇者の皆様。私はアドラ神聖公国の第2公女ミゼラベータ・ラドリエと言います。皆様、戸惑いはあるでしょうが、まずはワタクシの話に耳を傾けてください」
そう言いながら、ミゼラベータと名乗る女は俺達に話を始めたんだが、訳の分からない事ばかり言ってきたがった。
魔族?龍?聖戦?何を言っているんだあの女は?
「わかりました。僕たちが公国繁栄の為に力を尽くしましょう。」
ヒデオが、いきなり答えやがって俺はムカついていた。控室とやらに押し込まれた俺達は皆落ち着かないようで、騒いでいたが俺はヒデオに近づいて胸倉を掴んで文句を言ってやった。
「てめえ!勝手に引き受けるんじゃねーよ!戦争だぞ?人殺ししなきゃなんねーんだぞ?阿保かてめえ!」
「じゃあケンジは戦わないっていうのか?第2公女だって言ってただろ?戦いが終われば元の世界に返してくれるって。僕は戦うよ?元の世界に帰りたいからね。」
ヒデオがそう言うと「俺も戦う」「元の世界に帰りたい」と次々と賛同してきやがった。俺だって帰りたいとの思いからヒデオの胸倉から手を離して部屋の端へ移動して壁によりかかっていると、説明を始めると兵士が来てこの国で一番偉いトロヘス公の前に連れられて行き勇者としての認定を受けた。
それからが大変だった。戦闘訓練や魔法の使い方、そしてこの世界の歴史、神と魔龍、そしてそれに従う魔族の事や、アドラ聖教。
半年後、ある程度の訓練などが終わって魔獣と戦う訓練が始まった。
でけえ。俺達の何倍も大きい魔獣と戦わせられていて、みんな怖がってるし血を見てゲロ吐くやつとかもいたが、ある事に俺は気付いた。偉そうにしていた騎士共が10人がかりでも倒せない魔獣を勇者はたった一人でも倒すことが出来ることを知ってしまった。
なんだ、俺達勇者って無敵なんじゃん。余裕じゃね?
そして魔獣と戦う訓練も終わって、俺達は戦争に参加させられ戦う事になり、襲い掛かってくるのは人の姿をした獣で獣人族と言う奴らだった。初めは躊躇いもあったんだが、戦っていくうちに慣れてきて殺すことに何の抵抗も無くなっていった。
何度かの戦いを経験すると俺達勇者には屋敷を与えられるようになり、生活にも慣れてきていて別にこの世界で暮らしていた方が、贅沢もできるし良いんじゃないかと思い始めていた。
そして数度目の戦いに参加していたある日、俺は野営地を散歩していた時だった。
どこからか女の悲鳴のようなものが聞こえてくるので、その悲鳴の元を辿って行くとあるテントに行き着いた。普通より大きなテントの中から何人もの女の悲鳴が聞こえてくる。
俺はテントの幕を開けて声を掛ける。
「おい!お前たち何をやってるんだ!」
そう言いながら中に入った俺は絶句してしまった。裸になった女たちが何人も兵士たちに組み伏せられて犯されていたんだ。
「お、おまえ、ら、これ…これは何だ?」
「勇者様、ビックリさせないでください。何をってナニをしているんですけどね」
そう言いながら兵士は嫌らしい笑いを浮かべて俺に言ってきた。
「だって、これは犯罪じゃないか!?」
「何を言っているんですか?こいつらは戦利品なんですよ?こうやって奴隷に売る前に俺達で味見をして、次の戦いに向けて英気を養っているんですよ。こうした戦利品は認められているんですよ?知らなかったんですか?」
戦利品?何を言っているんだ?知らないぞ?…いや、確かに町や村で兵士たちが家の中に入って酒とか食い物とか持って来ていたことを見たことがあるぞ?
あれがそうだったのか?
「それに、他の勇者様たちも俺達と同じことをして楽しんでますよ?ほらあそこでも。」
そう言って別のテントを指差しすると同じように女の悲鳴が聞こえてきている。
するとテントの中から、ヒデオやクラスの仲間たちがテントに出入りしているのを見てしまいケイイチ、タケシ、ノボルにケンタ、担任と副担任まで!
茫然と立ち尽くす俺と目が合ったヒデオとケイイチが俺に近づいて言ってきた。
「僕たちだって命を張って戦っているんだ。このくらいの御褒美があって当然だろ?それに、獣人を始め魔族は人間じゃないんだから。」
そう言って俺の肩を軽く叩き「楽しめよ」と言って立ち去って行った。
俺だって健康な高校男子だそういう事に興味がないはずがない。
俺は、その言葉に惹きつけられるかのように、心臓が高鳴りながら俺は股間に熱いものを感じてきていて、踵を返してテントの中に入っていくのだった。
それからというもの、味を占めた俺は戦いに参加しては戦利品を持ち帰って、今では屋敷で品評会が開かれるようになっていた。
「僕の戦利品はこれだ、猫の獣人の17歳の娘だ」
「おお!すげーな。じゃあ俺の今回の戦利品は狼の獣人23歳だ。尻尾のふさふさが特徴だな」
「すげえ。美人じゃねーか!じゃあ、じゃあ僕はコイツ等DA!ドナクレアで捕まえた竜人の娘3人だ410歳だNA。年はそうでもこいつらはまだ20歳位なんだZE」
「ギャハハハ!ババアかよ!でもプロポーションがいいな。俺は鳥人の27歳だ」
「胸でかいな。僕はこの娘634歳だ。」
「「「「ヒデオすげえ!エルフかよ!」」」」
そうやって俺達はこの世界を満喫していった。
そして今回もフェリエ共和国で戦利品はたくさん獲得したし味見もしていった。
何より今回は魔龍と言う御褒美も出てきやがった!あのガキはともかくもう1匹は女の声をしていたな。
魔龍の女はどんな味がするか楽しみだ!ついでにドラゴンスレイヤーの称号もかさらってやるとしようか!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「リュー。あいつらここまで来るかな?」
「ん?大丈夫じゃろ?何せドナクレアの魔龍が生きていたと言う事で、彼奴等も放っては置かんじゃろ。」
俺とリューは、ヴォルシナの城壁の外まで飛んできて待ち構えていた。
ヴォルシナの中では住民まで巻き込んでしまうし、人族にも獣人達に友好的な考えを持つ人もいるはずだから、そういう人も巻き込まない形で戦いたかったからだ。
「ミノル、来たぞ!」
リューの一言で外壁門の辺りを見ると、門の上に4人の勇者たちが立っているのが見えた。
「逃げたとばかり思っていたぞ魔龍!俺達は他の勇者達とは違うぞ。人族達を苦しめた報いを受けるがいい!」
なんとまあ、正義のヒーローにでもなったつもりかと俺は呆れながら見ていると、
「ミノルよ。あいつらはどうであった?」
「そうだな、今の叫んだヤツの聖剣は片手剣の切れ味重視だ。一瞬にして懐に飛び込むスキルか何かを持っていて、兵士に〈ヒール〉と〈強化〉かけてたから剣技と魔法の万能型と言ったところかな?でも弱かったな。あとはあの大剣の聖剣持ちは唯の振り回しだけの雑魚、弓を持つやつはその荒い戦いのフォロー役ってとこ、そして杖持ちのあいつは戦いを避けているね」
俺の分析にリューは頷き、俺にどうしたいか尋ねようとしていたので。
「ちょっと鍛錬成果をもう少し試したい。あのイタい片手剣の勇者を頼めるかな?」
「分かった。殺しても構わんのだろう?」
「良いと思うよ?バカげた考えで国をいくつも崩壊させた困った君だ。死ななきゃ治らんだろ?」
勇者タケシのように反省をしている輩では無いことが分かる。多分力に酔いしれて間違った方向に歩き続けた結果がアレであって自分が絶対の正義と信じて疑わないやつだと確信している。
リューは「任せろ」と言いながら前に出る。
「勇者ユウトとやら。貴様の愚かな行為によってフィーグルの民が苦しんでいる事に気付かんのであろうな。どれ、妾が貴様のその捻じ曲がった性根を叩き潰してやるわ!」
「言ったなこの邪悪な魔龍め!僕の正義は正しいんだ!今からその力見せてやる!」
ユウトはそう言って城門から飛び降りると一瞬にしてリューの目の前に現たと思うと、既に剣を振り被ってリューの首へと斬り込もうとしていた。
「甘い。太刀筋、踏み込み。すべてが甘い。スキルとやらはそんなものか?欠伸が出てしまいそうじゃ。」
そう言って指の爪で受け止めていて、つまらなさそうにユウトに言っていた。
「どれ、少しハンデをくれてやろう。」
リューは《身体構成》を展開して龍人へと姿を変える。
「妾達古龍はの、この姿は龍の姿より劣るのじゃ。それでも負ける気がせんのじゃからヌシらはどれだけ弱いのかの?それでもヌシらには少しでも勝てる確率が出たかもしれんぞ?さあ、掛かってくるが良い。」
「ふざけたことを言うなあ!僕たちが負けるはずがないんだ!みんな!いくぞ!」
そう言ってユウトはケンジ達に声を掛けてリューへと挑んでいった。
ケンジ達も「分かった」と言ってリューへと斬りかかり弓をつがえ、魔法を放とうとしていた。
しかしYルーは涼しそうな表情をしながら勇者達の攻撃をかわし、矢を弾き魔法を霧散させていく。
「さて、俺は無視されてしまったが、それでも動くとしましょうかね。」
俺は《身体構成》を展開して龍人へと姿を変えてリューが特製で作ってくれたウエストポーチに似た魔表袋へと手を伸ばしハリセンを取り出す。
リュー達の戦う場所へと〈身体強化〉と〈速度上昇〉を展開して戦いの場へと跳び出す。
俺はハリセンを振り被り、女勇者2人の尻を思いっきり引っ叩いた後、ケンジの元に飛び、顔面を引っ叩く。
「きゃあ!」「ひゃあ!」「へぶう!」
3人がそれぞれ声をかげて俺を睨んだ。
リューと4人の中に割り込んだ俺に少しの間、戦闘が中止される。
「はっは~!隙だらけだよ勇者さま?そんなんでよく戦ってこれたね?僕には子供のお遊戯にしか見えなかっよ?」
俺の台詞にリューは笑い出し同意の言葉を言う。
「はははは!そうか!遊戯と言うか!それもそうじゃの。ははははは!」
「このクソガキが!てめえからぶっ殺してやる!」
そう言いながら2人は俺に鉾先の向きを変えて攻撃を始める。
攻撃をかわしながら、俺は挑発成功と心の中で、ほくそ笑みながら再びケンジとナオ、エリカへとハリセンをお見舞いしてその場を少しづつ離れていく。
「おい!ケンジ!ナオ!連携を取れ!」
「うるせえ!そっちの魔龍は任せるぞ!俺はあのガキぶち殺してからだ!」
「あのエロガキ殺してやるわ!」
まんまと術中にハマった2人はユウトの言う事を聞かずに俺に集中攻撃をはじめる。
「おーにさんこちら!おしーりペンペン」
さらに挑発すると健司は激昂して俺に襲い掛かってきた。
俺はそのまま森へと走り出し、それにケンジとナオが追いかけてくる。
「エリカ!こっちのガキを倒すのが先だ!来い!」
「え?でも…」
「孤児院のガキがどうなってもいいのかよ!」
「っ!わ、分かった」
ケンジの言葉にナオも参戦してきた。
「リュー!頼んだよー!」
「任されたぞ!」
俺の頼みにリューは茫然とするユウトの腹に横蹴りを加えて悠然と立ちながらユウトに向けて言ってきた。
「随分と余裕じゃの?今の攻撃でヌシは1度死んだぞ?」
「くそ!ケンジ後で覚えてろ!」
こうして俺と勇者3人、リューと勇者1人の二手に分かれた戦闘が繰り広げられるのであった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いたします。
次回更新は 上手く行けば本日中に1話投入したいと思います。
掲載まで行けなかったらごめんなさい。
明日は確実に1話入れますのでよろしくお願いします。




