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勇者の愚行

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます。


読者様からの指摘で訂正があります。

テレスティナ←×

セレスティアorセレ姉←○



拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

ミノルは焦っていた。

気配も無く自分達に足音すらせずに近づいた勇者に驚いていた。

300m使くあった距離から自分たちの視線か何かしらの気配に気づいた勘の鋭さと勇者達を侮っていた自分にも腹が立っていた。


「おいガキ答えろよ、っておいおいそっちは女か?ほう、すげえ美人じゃねえか。・・・よし!お前今夜俺の部屋に来い。」


フードを被っていたリアに近づき、手であごを持ち上げるとフードが外れてしまいリアの顔が露になるとケンジは変なことを言い出す。


「は?あなたは何を言っているのですか?初対面の女性に向ける言葉としては最低です。それにあなたは私の好みではありません。」


リアはまるで「バカじゃないのか?」と言うような口調でケンジに無表情で答える。

ケンジは「なっ」と短い言葉を発した後、見る見るうちに顔が赤くなり、こめかみに血管を浮かび上がらせながら怒りを露にする。


「このくそアマ!人族の勇者である俺に盾突くってのか?てめえらフィーグルの人間は俺に感謝して種だけ受け取ればいいんだよ!」


愚かなことを言いながらケンジはリアの胸倉を掴もうとしたが、2人の間にミノルが両手を広げて立ちふさがる。


「僕のお姉ちゃんに手を出すな!」


残念な事に、ミノルは9歳の子供の姿をしており、勇者を屠ることは容易いが、西エリアはともかく東エリアにも被害が及ぶ可能性があるため敢えて子供の振りをして声を大きく抵抗した。


「どけ!このガキ邪魔だ!」


ケンジは2人の間に入ったミノルをつま先で蹴り上げて、数メートル先まで飛ばしてしまう。


「ミノルさん!」


リアは後ろに蹴り飛ばされたミノルへと走って行き抱き上げる。


「大丈夫。今は姉弟の振りをしてくれ。俺が何とかするから俺に合わせて。」


そう言ってリアに囁きリアは頷く。


「おら!こっちに来るんだよ女!」


ケンジはリアに近づき左手を乱暴につかむと自分へ引き寄せようとしたが、ミノルがケンジの手にしがみついて叫ぶ。

ここまで大きな声を出せば、通行人なり止めに入るかと思ったが、通りかかる人族達は我関せずと、通行人達は視線は送るが誰も助けに入らず遠巻きに素通りをしていくばかりであった。


「お姉ちゃんの手を離せ!勇者だからって酷いことしないで!」


「うるせえ!」


ミノルの叫びと行動ににケンジは怒り、ミノルの顔目掛けてしがみつかれている逆の手で裏拳を力いっぱい打ち込む。

ミノルは殴られた勢いそのままで再び数メートル先の壁まで飛ばされて激突して地面に倒れた。

ミノルがぶつかった壁は彼を中心にして蜘蛛の巣のような罅が入っており、破片が倒れるミノルの上に落ちてくる。


「ミノル!勇者さま!どうかこの子は助けてください!」


リアが倒れているミノルに駆けつけて庇う様に抱き、ケンジへ許しを請うが、ケンジは再びリアの左手を掴み自分に引き寄せようとする。


「だったら、こっちにこい!腹が立った分てめえにぶち込んでやる!」


「何やってるの?ケンジ?」


もはやチンピラとも思える言葉を吐くケンジに声を掛ける女がいた。


「っんだよナオ!何か用か!」


「何ガキと貧民女の相手してんのよ。さっさと司教様の所行くよ!またユウトが五月蠅くなるんだから!」


フジワラナオがここまで駆けつけたようで、ケンジに向かい戻るよう促すと「ちっ」と舌打ちをしてリアの手を乱暴に離して、その場を離れて教会へ向かっていった。


「ミノルさん。彼らは教会へ戻りました。」


リアはミノルを庇ったままの姿勢でミノルに囁くと「そうか」とミノルは傷も無く何事とも無かったかのように立ち上がり外套についた泥などを払って教会を見ていた。


「すいません、思わず口が滑ってしまいました。」


「ん?いや別に気にしていないよ?リアのあの言葉で固まっていた俺が動けるようになったから逆に助かったよ。危なく反撃に出る所だったよ。」


どうやらミノルには全くダメージがなく、逆に助けられたと言ってリアに笑い返すのだった。


   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


昼時になり、東エリアに戻ってきた俺とリアは、リュー達との待ち合わせ場所である中央広場で落ち合っていた。

昨日のゴブリンのおっちゃんの所で昼飯を買う。

今日は猫耳面の様な小麦粉で作った具にクラムチャウダーの様な、海貝の風味が特徴のポタージュが掛けられている。


おっちゃんは大盛り用に2杯は入るであろうお椀を用意していてくれたので、俺以外の女性陣用として4人分の大盛りを頼んで食べていた。


「ほう、勇者ケンジか。随分と洒落た真似をしてくれるよのう。」


リューは串肉を頬張りながら、俺とリアの報告を聞く。


「勇者4人の詳しい情報があればいいんですけどな。」


俺はポタージュにナンの様な焼き物をつけて食べながら答える。


「もしかするとセレスティア代表が情報を持っているもしれませんね。」


魚の串焼きをチビチビと食べながらリアが言う。


「この後、セレスティア様の所に行って聞いてみましょう。」


2杯目の大盛りポタージュを食べながらアリスが提案してきた。


「そうね~それでもセレスティアさんが~知らない場合もあるから~こちらでも~調べる段取りだけはしておいた方が~いいかも~。」


ポタージュ1杯のみで茶を飲むアディも提案してきた。


食事も終了して俺達は議会場へと足を運ぶが、代表は生憎外出しており、今日は戻らないとの事だった。

仕方がなく、宿に戻って今夜のパディとの会食まで部屋リューとアディとで寛いでいると使い魔便が窓のガラスをくちばしで数回つついて知らせてくる。


「ん?夜燕ではないかの?昼に飛ばすなど珍しいの。」


夜燕は間諜が使う使い魔で、大きさは鳩くらいの大きさで姿は真っ黒な燕そのもの。

名前の通り夜に飛ばすとほとんど見えず、早馬で3~4日の距離を一晩で飛ぶスピードを持っているがその分、召喚には魔法最上位のレベルと魔力が必要になるとリューから教わっていた。


リューは部屋に使い魔を入れて手紙と念話を受け取ると、夜燕がその場から霧散して消える。


「ヘティスハーク王国からじゃの。パーパス王子からじゃ。勇者タケシの処遇が決まったと言う事で知らせをよこしたのじゃ。」


リューはそう言いながら小さく折り畳まれていた、葉書サイズの手紙を広げて読んでいると眉をひそめながら俺に教えてくれた。


「勇者タケシは身代金支払いで釈放だそうじゃ。もともと戦意も無く、召喚直後の3戦程度で余罪の村3つを焼き払った罪に対しても被害にあった村が金銭で解決を望んだそうじゃ。」


「つまらん」と一言言って手紙を燃やしてしまった。


「罪もない村を襲ったんだから死刑位いくんじゃないのか?」


「普通はそうじゃ。だが司法取引に応じたらしく死刑は免れたのじゃ。」


そう言いながらリューが俺に内容を教えてくれた。

本条毅は身代金と村へ払う慰謝料で日本円換算で総額3億円もの大金を払う事。

今後、秘密裏ではあるが、アドラ神聖公国の情報をヘティスハーク王国に流す事と、自領に間諜用のアジトを設置することが条件として付けられたそうだ。


「まあ、ヘティスハークのみならず、ドナクレアの時も曽祖父がやっておったからな。人族は命さえ助かれば、仲間を売る事なぞ簡単にする奴等じゃからの。」


最後に生殺与奪はタケシに勝利したヤーノに権利があったから、自分は何も言えないと鼻息を荒くしながら教えてくれたのだった。


そうして話をしながら時間を潰し、パディとの会食へと俺達は指定されているレストランへ行くのだった。

レストランへ行くと、俺の名前で招待されていて従業員の案内で個室へと向かった。

内装はベージュを基調とした暖かい雰囲気を醸し出しておりゆっくりと食事などが出来そうな場所だった。


「こんばんは、よくぞ来てくださいました~。」


案内をされた個室に入ると、既にパディが来ており俺達に声を掛けてきた。

また、セレスティアさんもいて俺達に一礼をしてくれる。

他には、5~6名程席についており、皆どことなくセレスティアさんたちと似ている気配を持っていた。


俺達の事を注視していた人達の中で1人だけ席を立ちリューとアディを抱き寄せながら声を掛けていた。


「久しぶりですね!リュセフィーヌ。元気でしたか?そして朱霜の聖女アーデルハイド様も元気そうで何よりです。」


「久しいの。それだけ元気じゃとまだまだ現役でイケそうじゃの?」

「お懐かしゅうございます。レスタ様も壮健で何よりですが、私は既に聖女ではなく古龍の仲間入りをしてますのよ?」


どうやら2人の会話を聞くと先日話に出ていた先代の代表であったレスタと言う女性であるらしかった。

見た目は40歳位の円熟味の増した美魔女の様な容姿でやはり耳や尻尾はフェンリル種を思わせる形をしていた。

髪はストレートの金髪で耳も尻尾も金色だった。


「初めまして、俺の名前はミノルカツラと言います。リュセフィーヌの番となります。よろしく。」


「貴方がミノルさんね?初めまして、セレスティアとリュセフィーヌの大叔母にあたるレスタです。リュセフィーヌの祖母は私の姉なのよ。だから私は貴方の大叔母になるのよ?やはり幼龍はコロコロしてかわいいわね。」


そう言って俺を抱き上げて俺の頬に自分の頬をスリスリしてくるのであった。




最後までお読みいただきありがとうございます。


次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いたします。


次回更新は 翌7時ですよろしくお願いします。

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