フェリエ共和国に行きたい
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フォレ平原の戦いから数か月。ヘティスハークは雪がちらつき始め本格的な冬を迎えようと強いていた。
俺達はヘティスハーク王国の外門に立っていた。
ヤーノとお別れの時が来たのだ。あれからヤーノから戦い方を教わり、数秒で負けていた俺は、何とか20分は続けることが出来るようになっていた。
ヤーノはヘティスハーク軍の教練にも参加して軍の人たちからも「ここに残らないか?」とまで言われていた。
しかしヤーノの決心は固く、魔王国への船旅で今の冬の時期が一番海が荒れず、凪ぎの良い時期を待って魔王国へと旅立つ準備をしていて今日旅立つ日を迎えたのだ。
「名残惜しいな。」
「ははは。そんな寂しそうに言わないでくださいよ。決着がついたら合流しますから。」
「油断しないでね~アドラは何でもやってくるから~」
「妾達もヤーノより先に決着をつけてローグインに行くのも手じゃしな。」
名残惜しそうに言った俺にヤーノが言葉をかけ、リュー達も言葉をかけた。
ヤーノの見送りには陛下を始め、王太子、そして王子や駆けつけた兵士が大勢で見送りに来ていた。
ヤーノはそれぞれに声を掛けながら旅立とうとしていた。
港町まではワイバーンの騎士に送ってもらう事になった。
俺達も出港まで見送ろうかと思っていたが、「ミノル達はやらなきゃ行けないことがあるだろ?」と、この外門までの見送りとなった。
「それじゃあまたな。どっちが早く解決するか競争だ。」
「ミノルも元気で。それでは皆さん見送り有難うございました!また会いましょう!」
挨拶をするヤーノを乗せたワイバーンは、港町に向かって飛び立っていった。
「ローグインだって今は激戦地だろうに。無理はするなよヤーノ。」
俺は段々と小さくなっていくヤーノに向かって呟いたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ヤーノが旅立ち俺は会議に出席していた。ヘティスハーク軍の状況などの報告やアドラ公国の状況。
そしてこれからの事など話し合っていた。
アドラ神聖公国は魔獣の大氾濫により貴族領や直轄領に大きな被害が出ていて無理な出兵と広げた戦火で財政が一気に火の車となっているらしい。
来年もヘティスハーク王国への遠征は難しいのではと予想されていた。
ヘティスハーク王国も魔獣の大氾濫は起きたが、定期的な間引きと訓練がてら新しい戦法を試した結果、目覚ましい効果があり被害は一部の穀倉地帯が約半分ダメになった程度だった。
「今は互いの国境砦で小競り合い程度の戦いがある程度だと報告が来ています。被害は砦の外壁が崩れるくらいだったそうです。」
報告を聞くとどうやら大砲をご丁寧に砦まで持ってきたらしい。
水魔法が有効と分かった今アドラ軍は攻め手に欠けたらしく一点豪華主義の大砲を持ち込んで何とかしようとしたが、無力化され哀れ大砲も鉄砲も全て鹵獲されてしまい農具等に有効利用の為、鋳つぶされる運命となる。
鉄は貴重であり、武器や防具と言ったものに使われるが、ほとんどは農具や釘、馬車の部品など生活に密着した方向に優先されるのだ。
元々フィーグルの民は争いは好まず、人殺しに使うより生活を豊かにする方がいいと言うのがもっぱらの口癖だ。
まあ、元々魔法が存在するのだから、そうともいえるなと聞いたときは思ったもんだ。
「さて、次なる議題に入りますが、フェリエ共和国のテレスティア代表から追加支援の要請が入っております。」
「今回は何かな?」
文官の報告にヘントセン宰相は尋ねる。
「今回も難民の受け入れだそうです。」
住民の8割が獣人族のフェリエ共和国は現在は人族、天使族、ドワーフ族が反旗を翻し内戦状態にある。
各種族代表と議会で成り立っており、種族融和を掲げていた議会が突然人族と天使族の代表とそれを取り巻く議員がアドラ神教を国教とし、もっと人族と天使族を受け入れろと言い出したらしい。
代表のテレスティアは種族を増やすのはかまわない。しかし国教にするのは各種族の振興する神がいるのだから国がそれを強要するのは認められないと行ったことから議会は真っ二つに割れて遂には内紛まで始まってしまったのが現状だとリューが教えてくれた。
「国教にしろとは乱暴だな。種族融和って理念がなくなっちゃうよな。初めから計画的だったのか?」
「多分。入植した人族と天使族の首都の区画も獣人たちを排斥していたし、アドラ寄りの村や町もアドラ教徒は入れないと言った巫山戯た事をしていますしね。」
俺の意見にテンベルト殿下が実情を教えてくれた。
「んー。なんだかな。アドラの人って自分たちが絶対者って思ってんじゃないのかな?」
「そうじゃな。実際ここまで大きくなって人族の生活圏は一気に広まっておるしの。気付かぬうちに選民思考って言ったかの?それが強まっていると思うがの。」
「・・・なあ、リューさんや?」
「ふふ。言わずともわかっておるよ。殿下、これより妾達はフェリエ共和国に行き人族共の排除に移る。」
どうやら俺がやろうとしている事を理解してくれたようだった。
「リュセフィーヌ殿?それはどういう・・・」
「私から言わせていただきます殿下。簡単に言えば、みんな仲良く暮らしましょうと言っているのに、いや、俺達しかいらないからお前らどっか行け。と言うのであれば、同じ事を実行しようと言う事です。」
「・・・そういうことか。ミノル殿の考えは、あまりに乱暴すぎるのでは?」
どうやらテンベルト殿下も理解してくれたらしいが、俺は平和的解決の限界が来たと思っている。
「実際、内乱まで起きているのです。フェリエの代表がどう思っているかは分かりませんが、私達のやりたいようにしてみるのも一考かと思います。フィーグルの民にしたことと同じ罰を負ってもらいます。」
まあ、偉そうなこと言ってる俺も言えた義理ではないのだが、目の前で戦いが起きているのに議会もへったくれも無いなと思ったからである。
自分がどんなことをしたか知ればいいと思ったんだけどね。
既にヘティスハーク王国にアドラは手を出そうにもできない状態が分かったので、計画通りに行こうかと思う。
リューやアーデルハイド嬢も俺の意見に賛同してくれた。そして借り受けた人員総勢20名は、動き出してくれていた。
「フェリエ共和国の首都南部は人族、天使族、ドワーフ族の革新派グループが居住しています。そして共和国全体は既に首都と周辺3つの町以外はアドラ聖教の教徒が抑えております。」
「ふむ、ではまずは首都の掌握と参ろうかの。ミノルは首都にあるアドラ神教の支部を頼むの。」
手伝いをしてくれているエルフ達は、リューの指示にそれぞれの持ち場へ戻っていく。
「私は~代表に会いに行けばいいのね~?」
アーデルハイド嬢がリューに確認を取ると「そのとおりじゃ」と頷いた。
テーブルに広げられたフェリエ共和国の全体地図、そして首都の地図に隠密エルフの2人が印をつけていく。
「現在、人族に指示をしていた勇者ケンタは不在じゃなく死亡でしたね。そして留守居役として勇者ユウトをリーダーに勇者ケンジ、勇者ナオ、勇者エリカが首都から離れたこの村に滞在しています。おそらくここがアドラ公国の遠征本部ではないかと思われます。」
白黒エルフの2人は首都から3日の距離にある小さな村に印をつけた。
2人の調査によるとアドラ軍は正規の鎧をつけておらず、傭兵や冒険者に成りすまして行動しておりフェリエ共和国におおよそ1万の兵を潜り込ませていると調べ上げてくれていた。
「勇者が4人。多分妾達がフェリエ共和国首都に現れると駆けつけてくるの。」
「一通り制圧したら首都の外れにでもおびき出しておきますか。」
リューは勇者の存在に顔を顰める。
首都で直接戦えば住民にも被害が及ぶ可能性があるためリューに提案すると頷いてくる。
ヘティスハーク王国から龍化で飛べば1日半の距離だが、アドラ軍に計画を悟られるのを防ぐため、商隊に扮して入国することになった。
そして、それぞれの調査等が済みヘティスハーク王国関係者に今回の計画を教えていく。
今から2か月後、聖教始まりの記念日で大々的にミサが行われる予定だそうで、俺達はフェリエ共和国首都ヴォルシナに商隊として事前に入国。
俺が首都内アドラ聖教支部に待機。リューは首都中心にある議会場に待機。白黒は俺達との連絡係としてリューのそばにいる。
アーデルハイド嬢は代表に会い今回の作戦と人族排除の誘導と獣人の避難を担当。
翌日の昼前午前10時頃にアドラ聖教支部にてミサが行われるらしくその時刻を狙って、俺が龍化して人族と天使族、ドワーフ族の首都退去の演説をする。
それに続いてリューも議会場付近で龍化して牽制。
その後首都の外にて勇者を待ち受け撃退。
「・・・ミノル殿。成功の確率はあるのでしょうか?」
「たぶんあるでしょう。古龍が2人フィーグルの地の守護者として登場するのです。しかも脅しではなく本気です。」
「分かりました。我々は古龍様の御意思に従い助力を惜しまぬことを誓いましょう。」
「ありがとうございます。」
セルディス王の言葉に俺は感謝をして翌日から準備へ入るのだった。
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