ヘティスハーク王国とその人々
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拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。
月明かりの中で《身体構成》と《顕現》を展開し本来の姿に戻った俺は、ヘティスハーク王国を目指して飛んでいた。
リューはかなりの消耗だったんだろう、飛び立つことを確認した直後倒れてしまった。
俺は心配して声を掛けたが、「心配ない」の一言で眠りについてしまった。
寒くないのかと、矢野氏に聞くと代わりにアーデルハイト嬢が答えてくれた。
「龍種族の上位種はね~背に乗る事を許した対象にね~高速で飛んでも落とされなかったり~寒さなどからも守ってくれる~ミノル君の加護が自然に備わるの~」
俺はなるほどと思いながら飛行を続ける。このままいけば3日の距離だそうだ。さっきのように高速飛行しようかと尋ねると矢野氏が答えた。
「戦争などの伝令、もしくは国家存亡などの緊急性がない限りは、先触れを出して「この人が来ますよ」と前もって知らせる事になっているんだ。まあ、決まりはないけど高貴な身分同士のマナーみたいなものだね。」
それを聞く俺は「めんどくさ~」と煩わしそうな言葉を返すと、まあねという表情で矢野氏は苦笑するのであった。
しかも死亡したことになっているリューが、いきなり門前で自分がドナクレアの領域守護者だと言っても逆に引き留められて手間がかかるし、会談などの準備で最悪の場合、数日待たされると云うことがあるらしいのだ。
話し終えると同時に今度は「私の番ね~」とアーデルハイト嬢が話を始めた。
「さっきリューちゃんから~頼まれたの~盟約について~話すわね~。」
そう言いながら説明が始まった。
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創世期と呼ばれる時代に龍族は神もしくは神族と呼ばれる天界に住む種族から地上を守護する立場にあり、幾度に渡って、の地上の支配をも欲する神族と龍族との争いがあったが、最後に相互の世界に”不可侵”の盟約を果たすことになる。
本来フィーグルの地上には龍族と魔族のみしか住んでいなかった。そして天界は人族と天使族が住む世界だった。
魔族は輪廻の輪に入らず、大地の恵みをもたらす先達の英霊と、獣と同じ本能のみで活動する竜以上で意思の疎通と相互理解のできる龍族を地上の守護者として崇拝する種族だった。
後発組として人族と天使族を住まわせてほしいと、ある時、神族からの提案がされてきた。
初めは神族の侵攻かと疑ったが、多少の諍いはあると思うがそれは魔族とて同じこと。それ以上になるならば、あなた達が手を下してもいいと言う条件で住まわせてもらう事になった。
しかしもう一つの提案がされる。魔族と人、天使族との諍いが発生した場合、殲滅するほどの力は振るわないで欲しい。戦争などが起きてもそれは一部の者たちが行った事。
何の関係も罪もない人族と天使族が巻き込まれる可能性があると遺恨が残ってしまい地上全体が戦争だらけになってしまえば、そちらの庇護下にある魔族にも被害が及んでは互いに困ってしまう。
確かにそうだ、罪のない者達に被害が及ぶのは困るよな。と言う事で、自分の領域の外で起こった戦争に関しては殲滅クラスの力は神族以外には使わないと神族、人族、天使族と盟約を交わしてしまった。
その後、神魔大戦と呼ばれる世界を巻き込んだ大戦が起きてしまう。
最初の頃は神族への抗議でお前たちがやったんだろう、だから盟約は破棄だと要求するが、我々は何もしていない。人族と天使族の一部が勝手に大きな戦争を起こしてしまってこちらも困っているのだ、それに我々は不可侵の盟約通り侵略に参加していないではないか。盟約の破棄は貴方たちの勝手な言い分だ。と要求は棄却された。
それでも勇者や聖剣などとふざけたものを持ち込まれ、多少の被害はありつつも何とか戦争は終結した。
さて、以上の過程から、ここで出てきた盟約。何故龍族は愚直にも盟約に従いつづけたのかと言うと、条約や講和、約定とも違い、種族の根源にかかわる契約になる。
これを破った場合、神族は人族または天使族となり力も天界への権限も失ってしまう。もちろん物理的にも精神的にもである。
同じく龍族も二度と領域を持つことが出来なくなり、”司”を持つものは失い、魔導、高位魔法などの力も威厳も無くなり、竜となってしまう。同じく物理的にも精神的にも。
もし盟約を無視してしまった場合、力を失って弱くなっても討伐対象として命も輪廻の話からも外されて存在までも消滅してしまう。
それほど重要な約束事である。
――――――――――
「とまあ~こんな感じなのよ~一気に話したから疲れたわあ~。」
と水筒を取出し水を一気に飲んでいた。
「なあ、矢野さんや。神族ってとんでもない連中だな。地球のあの国みたいな連中だな。」
と、俺が言うと「あははは・・・」と乾いた笑いをする矢野氏だった。
夜も明けると、リューも起きだしたので一端地上に降りて食事と小休止となった。
こちらに来る前にアウトドアグッズを一揃え用意していたので、矢野氏に取り出してもらいアーデルハイト嬢が支度をしてくれた。
「ん~。力が戻らんの。2割と言うところかの。静養していれば1週間で元通りじゃな。」
「リュー。無理はしないでくれ。いざとなったら俺が何とかして見せるから。」
「あら~頼もしいわね~リューちゃんごちそうさま~。」
「まあ、この辺は魔獣も弱い個体ばかりですから大丈夫ですよ。」
皆で食事をとりながら、矢野氏の情報に耳を傾けたのだった。
食事と休憩も終えて再び空の旅へと戻った俺達は、順調にヘティスハーク王国へと近づき、3日後無事に到着したのだった。
ヘティスハーク王国の大きな門の前に着地をすると、通過中の商人たちや手続き街の人たちが俺達の姿に呆気に取られていた。
しかし兵士の到着を待つ間も混乱することなく、手続きがなされている所を見る限りドラゴンとの生活は密接したものなのだなと思っていた。
しばらく経つと馬に乗った兵士らしい男性と後ろに3人の兵士が近づいてきて俺達の前で止まり俺達を見上げていた。
先頭にいる馬上の男性は門で受付をしている兵士より身なりは立派で近衛か何かだと思った。
「馬上にて失礼仕る!我が名はヘティスハーク王国第4王子パーパド・ヘティスハークと申す!ドラゴンに騎乗するは、ドナクレア嬢とお見受け致す!いかがか!」
「口上痛み入る!申せの通り妾はドナクレア島の守護龍ドイン・ドナクレアが曽孫リュセフィーヌ・ドナクレアである!そして騎乗致したるこの龍は、妾の婚約者ミノル・カツラである!先触れの通り件の事象についてのご説明に参った次第!陛下への謁見をお願いいたしまする!」
「相わかり申した!謁見に関しましては既に許可が出ておりまする!城内大庭に御着地の準備が整っておりまする!そのまま従者と婚約者殿は飛翔にて来城されよ!」
「感謝いたしまする!それではこれにて御免!」
何故大声をと耳鳴りのする俺に城に行けとの催促に抗議の暇すらなく、そのまま城へと飛ぶのだった。
城壁は楕円の形をしており多分大きなところで直径10㎞短いところで7~8㎞と言ったところだろうか?
円の中央に城があり、英国の王宮のように低く広く作られて中庭らしい隣に広い競技場を思わせる広い空間に丸の中にドラゴンの顔を模したマークがあってそこで旗を振る人が見えた。
リューは「あそこじゃ」と言って指示を出しそこに着地をしてリュー達を下ろしたのだった。
城からここまでは200m位の赤い絨毯がまっすぐに敷かれていてその左右に兵士が直立不動で並んでいた。
そしてリューへ6人の男女が近づいてきて声を掛けていた。
リューと握手をしているのは歳は20代だろう、すごく整った顔立ちをしていて肩までの長さで少しウェーブの掛かった金髪で青い目をしていて、先程の第4王子と言っていた人と、似たような高価な鎧を身に着けていた。
同じつ隣に立っている女性も、ものすごく美人で同じ青い目をして腰まで伸びるストレートの金髪をして、額には銀の高そうなサークレットをつけていて青いドレスに身を包んでいた。
後の男性2名に女性2名の4名は側仕えの人達だろう、後ろに控えていた。
そして何より特徴的なのは全員顔立ちが美男美女ばかりで耳が長いのだった。
多分エルフなのかなと俺は思っていた。
「リュセフィーヌ嬢!無事だったのですね!てっきり勇者たちに殺されたとばかり思っておりました!」
「お久しゅうございますリュセフィーヌ様。アドラの城門にリュセフィーヌ様の首が掛けられていたのを見た時は心臓が止まるかと思いましたのよ?でもこうして会えて本当によかったわ!」
「テンベルト殿下。エリュシュラ姫。お久しゅうございます。そして御心配をおかけいたしました。詳しい話は陛下の御前にて。そして彼が私の婚約者のミノル。カツラです。」
3名は嬉しそうに笑顔を浮かべながら互いの壮健を喜び合っていた。
そしてリューは人の姿になっていない伏せ状態の俺を紹介したのだった。
そしてテンベルト殿下とエリュシュラ姫は笑顔が消えて俺を着目するのだった。
・・・・・その前にこの「伏せ」を何とかしてほしい俺だった。
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