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さようなら地球。来れたらまた来ます

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

転移魔法が展開できる予定日を明日に控えたホテルの夜。

沖縄の米軍基地の破壊と米国で象徴ともいうべきホワイトハウスの破壊はやはり大騒ぎとなっていた。

テレビのほとんどのチャンネルが特別報道番組に変更されている。

教育と東京と神奈川の一部はお構いなしにいつもの番組が放送されていた。


「東京はブレないね。騒ぎの中でもアニメのアイドルが歌ってるね。」


矢野氏がチャンネルを東京のチャンネルにして見ていた。好きなの?


「実さん聞いているんですか?」


いつもの間延びがない口調でアーデルハイト嬢は俺に向かって言ってきた。


「大丈夫、聞いているって。それに多分これ以上のスケールはしないと思うから。」


さすがのリューもチェックインしてから六時間に渡る説教を食らっていて、最初は「それが何か?」という態度でだったが、俺と一緒にベットの上で正座をさせられ肩を落とし、項垂れていた。


「わかったのじゃ。反省はしておる。だから許してたも。」


しかし俺の言った言葉が気にらないのか「これ以上?思う?」と揚げ足を取る。

その疑問に俺は訂正をしながら何度も謝ると、アーデルハイト嬢は「もういいでしょう」と溜息を漏らしながら眉間のしわをほぐしているのだった。


既に夕食時間となっていて、全員でレストランへ移動。

食事をしながら俺は沖縄での出来事について三人に質問をしてみた。


「矢野氏や勇者が使っていた空間収納って便利だよね。俺にも使えるように出来ないかな?」


「だめじゃ。」


リューによって即座に拒否されてしまい矢野氏とアーデルハイト嬢は苦笑いを浮かべながらワインを片手に俺達を見ていた。


「何でだよ。荷物いっぱい持つより楽だし、何より長旅にはもってこいの魔法じゃないか?」


魔法や魔導は便利。これは確かな事で有効なものは使っていいのではとリューに食い下がる。


「はあ、ミノルは解ってないの。ヤーノ教えてやれ。」


「実さん。僕はね?地球・・だからやっているのと今回は魔法展開のリハビリも兼ねてなんだ。」


矢野氏はワインを片手に1つ咳ばらいをして説明を始めた。・・・ワインは手放さないんだね。


  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


フィーグルの世界では一般に魔術師上であれば・・・・中略(19話参照)・・・・・だが、ここで問題が発生し始めた。

空間収納と魔法袋は当然魔法による展開で使えるようになっている。両者とも魔力か魔晶石と魔法陣があれば使えるし荷物を置き引きなどからの泥棒などからの盗難に有効。

一度に大量の荷物の運搬に便利な魔法、魔法具として瞬く間に広がった。

しかし某王国にある、とある魔法学院の高名で有能なのだが、研究の為にいつも資金不足に陥り貧乏暇なしの魔法師が、この魔法には落とし穴がある事に気が付いた。


基本式。いわゆる魔法袋、空間魔法の魔法陣は変わらない。盗難防止のために空間魔法は個人の魔力波形パターンで本人と認識されて時空の一部を”個人の持つ空間”として使われる。

魔法袋も魔力を魔晶石にさえ補充しておけば、魔法は使えなくとも生きるものすべてに個人としての指紋のような生体波形パターンがあってそれを利用、認識をして空間収納と同じく時空の一部を使える。


個人認証としてのセキュリティは空間収納が上位なのは言うまでもなし。


話は外れたが、その魔法師が個人個人の魔力&生体波形パターンを読み取る魔法具を発明。

金持ちや大手の商会会頭、高位の冒険者などの波形パターンを読み取った魔法具を使って展開させる専用魔法陣もしくは魔法袋で、その人たちが持つ財貨やアイテムなどを奪い取る事に成功した。


そして発明品を裏社会で販売も始め大金持ちとなったが、悪い事は長くは続かない。

ある日の事、愛人と一緒に侯爵が買い物に出かけて代金を払おうと空間魔法から財布を取り出そうと空間の中に手を突っ込むと誰かと握手をしてしまう。

これまでも入れたはずだったが、なくなっていると言う事がしばしばあったが、金持ちの貴族は気にしていなかったが今回ばかりは驚いた。


侯爵の申し出により王国は捜査に乗り出た。すると多くの商人や冒険者、貴族から被害があったとの報告がまとまりさらに捜査を勧めると、件の魔法師に行きついた。

当然即逮捕、死刑となり当該魔法とその魔法具技術は封印、禁呪指定となった。


これで一件落着と思いきや事態がまだ収まらない。空間魔法、魔法袋も当然魔法陣や展開式などの改良を実施してこれが再普及となったが、何故か再び盗難が続出し始めた。

王国も再び操作するとある教会に封印してもらった魔法とその技術は教会には無かった。

教会関係者は「厳重に封印」と言っておりここで暗礁に乗り上た。


以来、魔法式の展開式の改善、セキュリティ強化の実施。そして対抗して新しい盗難魔法式の普及と繰り返しが今なお続いていると言う。


  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「・・・・なあ、それって・・・・・」


眉を引き攣らせながら、俺はその似たような方法に覚えがあったにで矢野氏に尋ねてみた。


「多分ミノルさんが想像しての通り”スキミング”だね、これは。」


「やはりか」と一言言いながら手を額に当てて上を向いた。


「そういう事じゃ。覚えてもいいが使ってはならん。しかし覚えると使いたくなってしまう。これはどの種族でも抗えん本能じゃ。」


そう言いながら、3皿目のステーキをほおばりながらリューは答えた。


「見せないようにしても何処に人の視線があるもんか分かったもんじゃないしな。」


俺も思わず溜息をついて温くなりかけたビールを飲み干す。


「僕がいた時代は最低限の荷物と金銭をリュックに入れて宿屋の部屋でしか使わない。そして商人たちは複数の関係者を同行させて、だれがカギとなっているかを攪乱して、道中の一切の第3者の接触はもちろん宿屋のレストランにも出入りしないし、宿屋の部屋の中で食事、目的地までは徹底して誰とも会わないようにしていた位だ。僕だってフィーグルに着いたら空間収納は封印するつもりなんだよ。」


なるほどな、と俺は理解した。


「じゃが、向こうに行ったら魔法袋の使用だけは許可しても良いぞ?」


「ほんとか!」


「ああ、じゃが使用については充分に気を付けるのじゃぞ?」


一端は使用を諦めていた俺だったが、思わぬ許可に喜ぶ俺。自身ながら、やっすい性格してるなと思ってもいた。

こうして食事も終えて自室に戻り、翌日の異世界転移がどのような物か想像しながら眠りについた。


翌朝、ワインをボトル3本空けたにもかかわらず平気な顔をした矢野氏とアーデルハイト嬢が、朝食ビュッフェで山のように積み上げたご飯を食べる姿に呆れた表情のリューにデジャビュを感じつつホテルをチェックアウトして勇者達が転移してきたと言う林に足を向けたのだった。


場所は意外に近く都内の住宅地にある小さな雑木林でそこに4人とも歩を進める。

「ここじゃ」と何の迷いもなく進んでいたリューが立ち止まり指を差した。

その先を見ると5mほどの空間が出来ており上のも木の枝などは伸びていなくて、自然にそうなったのか、人工的にそうさせたのか不思議な空間だった。


「あ、ホントだ・・・かすかに魔素が使われた雰囲気を感じる。」


集中もしていない今の俺が感じるくらいの展開の形跡は紛れもなく規模の大きい魔法か魔導が使用されたと推察できた。


「私達が~送還された時と~同じ波長を感じるわ~。」


間延びのする口調に戻っていたアーデルハイト嬢が何か懐かしそうな顔をしながら言っていた。

「さて」と言いながらリューは俺に近づいて来て両肩を掴みながら軽く額を合わせてきた。


数百に及ぶ魔方式と展開式が、頭の中に流れてきてそれが十数個の多重展開式へと変化した。

額をまだ当てたままのリューが「コレだけのふぉろーを頼む」と俺に言ってきた。

やがて額から離れ俺の手を取り、先程の空間の中心に位置するところで立ち止まる。


「それでは、境界越えを実行する。」


リューが宣言をすると肩に掛けていたバックから首飾りと白く光る硬球くらいの球体を取り出して、見せる。

首飾りの中央の宝石は初めて見た時よりも光が強く昼間だと言うのに光を中心に俺達の影が出来るくらいだ。

リューが首飾りを自分の首に掛け白の光玉を両手に持つ。


「手をつなぎ、妾を囲め。」


と言うと、矢野氏とアーデルハイト嬢が俺と手を繋ぎリューを中心に囲む「しばし待て」とリューが一言言うと目を瞑り下を向きながら集中し始めた。


「じゃあな。くそったれだけど少しのいい人もいた地球よ。帰ってこれたらたまに来るよ」


俺はポツリと皆には聞こえないくらいの独り言をつぶやいた。


30分くらい経っただろうか?緊張しっぱなしの俺は「ゆくぞ!」との声にびっくりしつつリューを見ると全身を青くまぶしいほどに輝かせていた。

そして、青い光が俺達を囲み空に昇るように伸びていく。地面からは小さな光の球がいくつも青い光と共に昇っていく。


「オー○ロー○だ・・・・・・」


「ミノルさん古いですねー。」


と、矢野氏が俺を見ながら微笑んでおり、「どうせおっさんだよ」と言い返したその時、空へと勢いよく引かれながら視界が白く見えなくなって不安になっていったが、矢野氏とアーデルハイト嬢の手をつなぐ感触がありそれ以外の不安は感じなかった。


空に引かれる感覚のままに体を委ねていると地に足が付いた感触を覚える。

そして視界が戻ってきた所で「もうよいぞ」とのリューの言葉で矢野氏とアーデルハイト嬢の手を離した。

「ついたのか?」とリューに尋ねると俺に向かって頷いてきた。

もう少し仰々しいものかと思っていた俺は、意外に呆気なかったなと拍子抜けもしていた。


そして俺は辺りを見回した。

建物の中だろうか?周囲は暗く天井近くにある大きなステンドグラスだろう所から淡い光が差し込んでいた。

建物内部は暗くてよく見えないが、ゴシックだったかバロックだったかの中世のダンスホールを思わせるような柱や天井のデザインがそう見える。

明るいところで見れば絢爛豪華な装飾が施されているんだろうと想像に難く感じた。


「これは・・・もしかしてここは”アドラ別宮”」


「ん~少し様式が~変わっているけど~間違いないわね~”召喚の間”ね~?」


「妾はこの広間は知らぬが、空気と身体に流れ込む魔素の質がフィーグルそのものじゃ。」


「「「間違いなく戻ってっ来た。(わね~)」」」


俺が間抜けそうな顔をしながら周囲を見る傍で、3人はそう言って互いを見合わせていた。

なにか外国のどこかの教会とかにいるんじゃないかと俺は錯覚しつつ、そうか来たのか、とも思っていた。


「とにかく、敵居城の真っ只中じゃ。早々にお暇するとしよう。」


リューの意見に俺と2人は頷き逃走の準備をしたのだった。

荷物などを持ち、足音をなるべく立てないように歩きながら、矢野氏とアーデルハイト嬢は出口はこちらと案内をはじめると向かう先から女性と思わしき短い悲鳴のような声が聞こえた。


俺達はその声に警戒をしつつ出口に向かうが、段々と声が近くなっている事に気付き「まさか気付かれた?」と俺が囁くと、違うと3人は首を左右に振るのだった。

もうすぐだと2人の合図に従い、出口へと近づいたところで俺達は気付いた。


気付いた先には祭壇があり、ステンドグラスの薄明かりに照らされながら祭壇の上で何かが蠢いていた。

俺は「敵か!」と警戒しつつ注視すると段々とその姿が見えてきて思わず絶句してしまった。


女性を下に男がリズミカルな動きを繰り返し、悲鳴と思っていたのは嬌声で男は荒く呼吸をしていた。

まずいヤってる最中だと気付き足早に逃走を再開しようとしたが、3人がその行為に立ち止まり男女の営みを凝視していた。


俺は逃走の再開の弾みでアーデルハイト嬢の”巨”と言うにふさわしき胸に顔が当たってしまった。


「ひゃい!」


と、アーデルハイト嬢の声に祭壇の2人はこちらに気が付き、動きも止まりこちらを向いていた。


「え?・・・・・」


「あ・・・・・」


「「「「・・・・・・・・・」」」」


お互いの間に沈黙が流れていた。



最後までお読みいただきありがとうございました。


ブックマーク、評価をいただき誠に有難うございます。

皆様の応援が嬉しくこれからも頑張っていきたいと思っております。


次回も楽しみにしていただければ幸いです。

17時投稿です宜しくお願いします。

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