立つ鳥後を濁してしまいました
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拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。
石井一家と別れ電車に揺られながら俺は呟く。
「世の中から悪い人すべていなくなればいいのになあ。」
「無理じゃな」
「むり~」
「ミノルさん不可能って言葉御存知ですか?」
即答で否定されるとなぜかムッと来てしまう「言ってみただけだよ」と車窓から流れる住宅群へと目線を移した。
電車に揺られながら1時間、俺達は国内空港にいた。
目的地は沖縄でリューが常夏と言うものを体験したいと言い出しから始まって、矢野氏やアーデルハイト嬢も行ったことがなく、言い出しっぺのリューは
「フィーグルにも年中暑くて海水浴場と言うところを体験したが、こちらの世界は体験したことがない。」
と言う事だ。さすがに俺とリューはパスポートがないし作れない。
しかも矢野氏とアーデルハイト嬢も、もしかすると今回の怪獣騒ぎで手配されている可能性があるので、パスポートの使用は控えた方がいい。
それならば「あの人」もいるし、沖縄にしようと言う事になった。
国内線もそれなりの警備や警察などの警戒があったが「身体構成」と「認識阻害」でほぼスルー。
怖いもの見たさで警察に近づいてジーっと見ていると、
「坊や、迷子なのかい?」
と聞かれたので
「お巡りさんカッコイー!僕もお巡りさん目指すんだ!」
などと自分でも「何を言っているんだおれは」とも思ったが、警官も満更ではない顔をして「そうか?」などと嬉しそうにしていた。
・・・・魔導万歳である。
約3時間の飛行機の旅も終わり、そのままホテルに直行して荷物を置く。部屋割りはリューとアーデルハイト嬢、俺と矢野氏だ。最初はリューが渋ったが「不経済」と矢野氏の一言でこの部屋割りとなった。
ホテルから出て貸切タクシーに乗ってその日は海水浴場で満喫。
抜群のプロポ―ションを誇るリューとアーデルハイト嬢は若者のターゲットとなりナンパの対象となりそうだったが、俺という子供と矢野氏という旦那「かかし」が居て中々声を掛けられなくてハンカチを噛んで「きいいいい」と言う表情をしており俺はリューに手を取られながら悔しがる若者共に「ドヤ!」とするのだった。
夜には沖縄ならではの料理に舌鼓を打ち矢野氏とアーデルハイト嬢は「古酒」をとても気に入ってしまいグビグビと甕1つを空けてしまい「ほろ酔い」で食事は終了。
2人とも「最後の酒にはちょうどよかった」と気持ちのよさそうな顔をしながら各部屋で眠ってしまった。
――――――――――
深夜の2時くらいになった頃、対UMA特殊部隊中佐デクスハート・ハイマンは薄暗い地下道を歩いていた。
先にあるのは特殊な強化ガラスに囲まれた「部屋」があり、そこに向かっていて「人であったモノ」に対しての定期調査だった。
中佐が部屋の隣にある小部屋に入ると4~5人の白衣を着用した米国人の研究者達が機器を駆使して24時間体制の検視、サンプルの採取などが行われていた。
「どうだ?何か解かったことがあるか?」
「いえ、特には何も、以前の通り体組織全てが死滅、通常の腐敗でなぜ生きているのか分からない状況です。」
中佐はマイクを取り話し出す。
「ミスターユウキ、聞いた通りだ改善の見込みはない。君は「生きた死体」になってしまっている。」
「そンなこトハしョうちしテいる。タノムからこロしてクれ。」
結城幸次郎はあれから米国の特殊な設備の中で暮らして、いや隔離されていた。
リュセフィーヌから「アンデッド」にさせられ、米国の沖縄基地内に転送。
基地内兵士に拘束されて尋問を受けていたが、異臭が発生。
調査の結果結、城自体が生きたまま腐敗すると言う奇病に侵されている事が判明したため隔離。
現在は腐敗が進み、体の46%が白骨化しているにも関わらず生存していた。
これに関して結城は一貫して「アンデットにされた」と繰り返すのみ。
それを実行したのは「カツラミノル」個体名「D」の傍らにいた「D」と同じ個体形式をした女性の形を模した者の仕業だと言う。
この後女性型を「DW」「ドラゴンウーマン」と個体名が付いた。
この証言を受けた我々は「D」と「DW」の個体を回収、調査をするべく衛星、調査員による監視が行われていた。
その後日本政府に捕獲されていたが、下記に述べる戦闘そして驚くべき「変身」を遂げた後、議事堂を破壊、政府関係やらを何らかの方法で忙殺。そして「D」に関するサンプルもすべて残らず破壊した。
わが国でも、サンプルの一部を譲渡され本国に送り調査していたが、それも突然の爆発、炎上が確認された。
「D」のサンプル及びデータを見た大統領は即座に日本国へ「D」の受け渡しを要求、承諾を経て捕獲作戦を日本国自衛隊との連携で作戦を実行したが、前途の通り「D」によって全滅させられた。上にタイミングが悪く「D」のサンプル検証に立ち会っていた大統領が爆発に巻き込まれ意識不明の重体となっている。
「・・・・以上が現在までの報告となります。詳細な報告書は入れ違いで中佐の机にあるはずです。」
「「魔法」についての記述がないが?」
「はい、これについては今回の報告書で報告予定でしたが、添付資料の記録映像が日本より送付されてくるはずだったのですが先日の「D」がらみで全て焼失してしまったとう事で次回に持ち越しとなります。」
「むリダ。やメたホウガいい。ヤツラニかかワルすべてがホロボサレル。」
「ミスターユウキ。協力感謝する。ミスターが持っていた日本の持つ情報と我が国の情報で「D」を詳しく知る事が出来た。貴殿の要求通り「死ぬ」協力はさせていただく。火葬になるが苦しければ何とかするが。」
「だイジョウブだ。いたミナドスデニない。いシキガこんだくシテキテいる。にんゲンのうちにシニタイ。」
「・・・・了解した。冥福を。」
そう言って中佐は「CREMATE(火葬)」とラベルが付いたボタンを押そうとしたその時。
「誰に断りがあって勝手な真似をするか。妾は死んで良いとは言っておらぬぞ。」
女性の声が部屋に響く。結城は「アあ!」と大きな声をあげた。
結城のいる部屋と中佐達の部屋の間に美しい女性が立っていた。白く虹色に輝く羽と尻尾を持ち「D」の傍らに立っていた女性「DW」。
そして傍らには同じく白く虹色に輝く羽と尻尾を持つ少年の姿をした「D」がいた。
「お久しぶりです。結城さんそしてガチムチおじさん。」
「きさま!「D」と「DW」何処から入った!幾重の隔離扉があったはず!」
「いえ。私達には造作も無い事です。さて、この間のお礼がしたくて参りました。」
中佐は咄嗟にハンドガンを取出しリューとミノルを撃ち始めた。小部屋のガラスが割りながら通過。そのまま銃弾はリュー達を通り抜けて後ろの結城のガラスが通過せずに受け止めていた。
「・・・・なぜあたらない?」
「当り前じゃ。妾達はここにはおらん。今貴様たちが見ているのは目に直接幻影を見せているにすぎん。」
「よって、監視カメラでは、いきなりあんたが銃をぶっ放しただけの映像しか残らないわけだ。」
「くそ!みんなここから避難だ!」
「無理です。すべての扉に「障壁」の魔法を展開しておきました。短時間で破ることは不可能です。」
「きさまあ!」
「さて、貴様らには「眠って」貰うかの。目覚めは9時間後じゃ。」
そういうと中佐と研究者たちはバタバタと倒れ寝息を立てていた。
次にリューが結城に向き直すと、結城の身体はあっという間に「アンデッド」から元に戻っていた。
「戻っている?・・・なぜ私を助けた?」
元の身体に戻った結城は、ガラスに反射する自分の身体に驚きながらリューに尋ねた。
「私から答えを。あなたを助けるつもりはありません。痛みを知らずに死ぬのは不公平ですから。」
「なんだと?」
「答えは事が起きてから体験してください。そして一つだけ、私は数日中にこの世界を去ります。」
「世界を?何が?」と結城は不思議そうにつぶやいていた。
「貴方の息子さんのいる世界です。」
「恵一の?あの時の話は本当なのか!そしてその世界へ行くことが出来るのか!」
結城は何か希望が出来たとばかりに目を輝かせながら俺達に言ってきた。
「はい。そしてあなたの息子を殺すことになります。」
「なんだと?恵一を殺すのか!やめてくれ!頼む!私はどうなってもいい!恵一は助けてくれ!」
異世界の話をようやく信じたのか、結城はフィーグルに生存している自分の息子について助命を求めた。
「無理じゃな。貴様の子息は罪を犯したのじゃ。こちらの世界ではどうだか知らぬが、向こうの世界では「死罪」じゃ。」
リューは、その言葉を残して結城の視界から自身と俺の幻影を切った。
「頼むう!息子は!息子には罪がないんだああ!お願いだああ!息子は悪くないんだあああ!」
中佐達は結城の大声にも反応することなく眠り続け、結城の懇願の声だけが響くのだった。
――――――――――
翌朝、矢野氏とアーデルハイト嬢は度数の高い酒をあれだけ呑んだにもかかわらず、ケロッとしていて俺達と朝食を摂っていた。
「・・・ヤーノはともかく。二日酔いにもならずよく食うの。」
「育ち盛りですから~」
「何処が育っているのだか・・・それにもはや育つ歳でもなかろうが。」
「ぶ~。私はまだ18歳です~。」
「何歳まで育つんだ?それだったら今のヌシは数mの大きさになっておろうて。」
「リューちゃんだってまだ育つ歳でしょ~?」
「妾はもはや育たん。あとは円熟するのみじゃ。」
「や~も~。リューちゃんったら、いやらし~んだ~。」
女性2人の会話を聞きながら、俺と矢野氏は苦笑いを浮かべるだけなのでした。
ホテルもチェックアウトをして空港に向かう。
昨日と今日で、お土産を30tコンテナクラスまで買い込んだ俺達は矢野氏が展開する「空間収納」に全て収納してもらい10時発の飛行機で帰途についていた。
「もういいのかい?」
「ん、決着はつけてきたよ。」
窓際で外を見ながら、どうやら気付いていたらしい矢野氏は俺に昨夜のことについて聞いてきたので答えると「そっか」と答えてそのまま外を見続けていた。
空港に到着。荷物受け取り出口から空港出口に行く途中にある大きな画面のテレビに人だかりが出来ていた。
矢野氏とアーデルハイト嬢が興味深そうにテレビを見ていたので俺とリューも付き合ってみていた。
『本日10時36分沖縄米軍基地において人工衛星などの宇宙のごみと呼ばれるスペースデブリが多数飛来、大気圏で燃え尽きることなく地表に激突いたしました。米国基地内は壊滅との事ですが、これによる周辺住民や建物への被害は奇跡的にないとの報告が入っております。また○日19時30分において米国ワシントンのホワイトハウスにも同様のスペースデブリが飛来し激突。同建物が消失しましたがこちらも周辺住民や建物に被害はないとの事です。またNASA・・・・』
俺はこのニュースをただジッと見ていた。
アーデルハイト嬢は俺とリューを見ながら「はあ~」と溜息をつき言い始めた。
「古龍と言う存在は下手をすれば人類を全滅に追いやる事のできる存在なんです。
私怨を晴らすこと自体を悪いとまでは言いません。
ですが、加減と言うものを考えてください。
まして地球の人たちは魔法についての対抗手段を持っていませんから自重してください。よろしいですね?」
「あれ?間延びしてない」と言いたかったが、俺達のやり方が極端だとのお叱りであるので気を付けをしながら受けるのだった。
「それで?どうやったんだい?普通だったら燃え尽きるでしょう?強化したの?」
矢野氏の質問に俺は説明をした。以前魔法について独学で練習していた時に魔導書などの教科書はなく矢野氏も参加しているWeb小説のイメージで魔法を行使する小説を何作か抜粋して練習をしてきたこと。
だとすれば、今教わっている上位の魔導でもできるのでは?と推察。
ならばとイメージで魔素を使って各目標に中軌道からのレールを作る。
次にレールの入り口にスペースデブリを引き寄せる魔導を起動
あとは直列になるべく隙間は空けずに落としていくと1番先が燃え尽きれば次、次が燃え尽きれば次とやっていけば、最後には燃え尽きないスペースデブリが目標に激突してそれが連続で発生するようにしたと。
「全ての行程における魔導展開は複雑すぎて魔の司であるリューに頼まないと俺だけでは不可能だったんだ。
リューにイメージと出来る限りの魔導のフォローをやって初めてできた方法なんだよ。
魔導展開だって古龍で2時間の構成と展開が必要だったけどね。」
まあ、ナビゲーション精霊のセリナにもヘルプしてもらってだから実質、古龍が3匹いないと出来ない代物だけどね。と思いつつセリナには感謝しておいた。
「妾も、よくもまあこんなバカげた事をやるもんだと呆れてはいたがなの。」
「バカって・・・自分たちが捨てたのは自分たちで片付けないと。だから宇宙にあるごみも片付けて私怨も果たすと言う一石二鳥の案だと思ったんだけどな。」
そう言いながら自分にフォローを入れたが、「バカ」とか「愚か」とか「魔導の無駄遣い」と散々な言われようだった。
ちなみにだが、後日似たような周囲の魔素を自動吸収の自動展開してレールを作らず、とある3か国にのみ目掛けて落ちるようにした1年限定の魔導を展開したことは言うまでもない。
3か国には無言のポイ捨て禁止の罰を与えておきましたとさ。
変なことをしながらも首飾りはどんどん魔素を吸収して起動レベルまで目前と迫ったのだった。
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