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覚醒そして逆鱗

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

「くっ!あれは災害級の魔晶石か!「破り」の魔法を「纏わせる」魔術を展開するように刻んだな!」


妾は「物理衝撃遮断」魔導を展開しておったが、さすがに何百と当てられては削られてしまって、いくら上位とはいえ限界がある。

ヤーノにも展開してやっとるが、キリがない!

ん?魔素が薄い?なぜじゃ?彼奴等の後方に流れていっている?

妾の支配力と同等の支配力を持つ者がいると言うのか?・・・いや人の気配がない。いや、人?魂魄か!

数百と言う魂魄が魔素を吸収?魔「導」具!しかも龍種の龍結晶じゃな!


くそ!次から次へと!しかも銃弾の中に一際大きいものが混ざっておる。コイツが一番厄介じゃな、さすがに我が鱗までは貫けぬか。

あいつか!「そうこうしゃ」とか言っていたの。

ぐ!勇者め「炎槍」と「光斬」まで織り交ぜてきおったな!

「龍化」さえできればいいのじゃが、今やってしまうとヤーノとアディに掛ける障壁がなくなるのは危ないのう。


ん?ミノル!!怪我をして・・・よし!そうやって「治癒」と「障壁」を「硬化」させて「身体強化」で突き飛ばされぬように魔法を展開すればよい。

ヌシはまだ魔導を2つまでしか展開できぬからのう。


そうしながらも妾は反撃に「陽炎槍」と「光帯」を展開する。

勇者ケンタが身の丈ほどの白銀の扇子を広げ、勇者マサノリがバックラーを巧みに操り、勇者ヤスシが「障壁」を剣に宿し展開して防いでいる。

あれは「神聖武具」か!


「フッ僕たちの勝利ですね。」

「邪龍なんて死ねばいいのでござる」


この小僧が、頭に乗りおって。

あ、これミノル!ヌシも頭に血が上っておるぞ!冷静にならんか!ああもう!制御が乱れてきておるぞ!


「フハハハハハハハハハハ!そのような下品なセリフは邪龍らしいな!さっさと貴様は滅び我らが偉大なるアドラ神聖公国の礎となるがいい!」


ん?あれは確かアドラの皇子か!アントニオ・ラドリエと言ったかの?

アドラの公王候補である3大公の中において今代公王で最大勢力のラドリエ大公家の嫡男か。確か創造神の1柱カリアの使徒じゃったかの?

世間じゃ「空気の読まぬ高慢ちきなお坊ちゃま」と、呼ばれておったな。

地球との交易目的で出張って点数稼ぎかの?その功績で次期公王候補に名乗りを上げると言うわけじゃな?


「知らねえよ!そんな金髪お猿の大将みたいなやつ。」


「プッ」


クハハハハハ!よう言ったミノルよ!確かにヌシは知らぬものな!ハハハハ猿と来たか!確かに猿山の大将じゃな!ハハハハ!あ~腹が痛とうなったわ。


「き、き、き、きさまあ!」


ほう、怒り狂ってせっかくの攻めの手数が止まったではないか。愚かじゃのう、それでは反撃と行かせてもらうぞ?


「小さき者よ。妾が特別に罰を与えてやろう。骨も残らぬから覚悟せい!」


妾は龍化するべく「身体構成」で「顕現」を展開する。

おおう、久しぶりの昂りじゃ!ミノルの龍としての成長の為、敢えて抑えておったのじゃが、もはや遠慮はせんぞ?


人型がメキメキと音を立てて龍化が進む。

ん?邪な渦が膨らんだの?吉良か!


あの再開から小さいながらも黒い渦が彼奴の中で蠢いておったのじゃが、あのアカベやアサオも似たような気配があって何か企んでおった事は感じて尻尾を出すまで泳がせていたが・・・・・そうか、妾でも読み切れなかったのは彼奴等初めからアドラが関わっていたのか!

魔「道」具か!護符か刻印で隠しておったか!ぬかったわ!


そう考えているとミノルが妾の元に突き飛ばされてきた。

ん?口に何か・・・・ってこらミノル!どうして横に飛・・「ボグシャ!」・・・え?


「ミノル?大丈夫か!これ!返事をせい!」


近づいて見るまでもない。下顎から上がなくなっており血がドクドクと流れ出していた。

今の爆発如きでは火傷か少々の怪我くらいで済むはずなのじゃが、ミノルの散らばった肉片に青い結晶が見えた。

「分解」の魔法が刻まれている。これではあの爆発にまだ未熟なミノルでは内部からの衝撃に堪え切れるはずもない。

そう理解した妾は頭が真っ白になった。


「あ、あ、ミノル・・・「復活」を」


無理なことは解っていた。頭が吹き飛んだ上に「分解」され肉体は一瞬にして唯の肉塊となってしまう事に。


「あああああ!ミノルミノルミノルミノルミノルミノルミノルミノル!」


妾は動かなくなったミノルを抱き起こし何度も「復活」を展開する。

ミノルは生き返る事がなくグッタリと全身が弛緩してピクリともしなかった。

そして沸き起こるは妾達を見て高笑いをする吉良にありったけの怨嗟の気を込め睨んだ。


人族であればそれだけで心臓が停止するはずが、いまだに高笑いをしてミノルの事を罵っていた。

妾は「重力」を展開し吉良を後ろに飛ばしホテルの壁にめり込ませると「カッ!グウウ」と唸りをあげた後、静かになった。


「今だ!撃て!撃てー!」


再び妾達に銃撃が始まる。


「ドナクレア嬢!気をしっかり!ミノル君の遺体は任せてください!今回は避難しましょう!」


「リューちゃん!ダメ!それ以上は瘴気を飲み込んでしまって侵されてしまうわ!」


「うるさい!」


駆けつけていたアーディ達の制止を無視してこれまでの愚行を繰り返し、そしてミノルまでも手に掛けた日本国の兵隊、そして勇者たちに反撃をするのじゃった。


ヤーノ達が妾の後ろにいるおかげで魔導展開が少しやりやすくなった!

妾の怒涛というべき攻撃を防ぐ勇者と兵隊たちじゃがそれももう少しか、魔素が弱く魔力効果の薄くなった防具に「神性」の異なる地球こちらの世界では潤沢な「神力」は得られんだろうの。


勇者達の「聖扇」はひしゃげて穴が開き、バックラーとロングソード「聖剣」は刃がボロボロ、盾は歪み、小太刀「聖剣」も1本は折れ、もう1本は刃がボロボロになっていた。


「く!何故神聖武具がここまで!」


「くそがあああああああ!」


「ダメでござる!後ろに下がってライフルに装備をかえ・・ぎゃああああああ!」


勇者ヤスシは後方へ下がろうと後ろを向いた途端、リューが放つ「光帯」に両足を貫かれ前に倒れた所に「陽炎槍」が2本背中から突き刺さる。

そして最高温度6000℃にもなる炎に焼き尽くされ4m程溶けた地面と白い灰のみ残された。


「保志いいいいい!てめええええ!」


「昌則!落ち着け!」


仲間を殺され怒り狂う昌則を健太が落ち着かせようとする。


「ええい!勇者達よ不甲斐無いぞ!我の手を煩わせるつもりか!?いや!よかろう!女神の使徒たる我が力ここに示さん!!!!」


自分でツッコミ自分で完結したアントニオは空中に手を伸ばし黄金の錫杖を何もなかった空間から取り出した。


「あれは・・・「カリアの神錫」か!」


そして錫杖を右上にかざすとアントニオの全身が輝く。

まばゆい光の後には白銀の胸当て、手甲、足甲の軽装防具に光沢のある真紅の生地に金の豪華な刺繍が施され、数十に縫い付けられた宝石が光るマントを羽織っていた。


「神具までもか・・・・」


「あれって持ち出し禁止の神具じゃなかったかしら~?」


「公王のみ許される武具の一つですね」


神具の一つや二つ怖くもないわ!

そう思った時だった。ゆっくりと頭の無いミノルが上半身を起こしたのは。



 ――――――――――



ん?あれ?俺いつの間に「浮遊」使った?いや・・・手榴弾は?

俺は空中に浮かび体のあちこちを触って、口元を触ってみたが手榴弾の痕跡がない。

ふと真下を見ると俺の身体を抱き起して「復活」を何度も展開していたがその前に下顎から上がねええ!


俺死んだ?嘘!コレってお迎え来ちゃうの?やだよ!

吉良?あの女どこだ!・・・いた!


笑ってやがる。高笑いしてやがる!ちっくしょおおおおお!・・・・・あ、飛んでった。

リュー!グッジョブ!


何とかならんのか?何とかならんのか?何とかならんのか?何とかならんのか?死にたくない!


「見事に死んじゃいましたね。「分解」で身体組成が壊れちゃってますもの。」


「え?だれ?何このデジャビュ。」


目の前に蛍位の大きさの光の球が大きくなり人型になると姿がはっきりとして目の前にリューと同じ年頃の女性が立っていた。

顔つきはリューに似ているが少しタレ目で左に泣き黒子があり、髪は透き通るような青でサイドテールにしていて、服装は姫騎士を思わせる赤い甲冑姿だった。


「初めましてセリナ・ドナクレアと申します。リュセフィーヌ姉さまの妹です。」


そう言ってドレスアーマーのスカートを軽くつまみ上げてカーテシーをしてきた。


「いえ?こちらこそ?はじめまして?」


俺は挨拶をするが、何故か他人の気がしない。妹だからかな?とも思ったがそれとも違う。

彼女は右手を軽く握りながら口元に持っていきクスクスと笑いながら答えた。


「私も姉様と同じく貴方の中にいたんです。姉様から聞いている通り私は死んでいます。そして大地に還り英霊として守護するはずでした。」


ますますどこかで聞いた話と似てきたので「まさか」とは思った。


「ですが「生命の雫」の一部が姉様の中に入り込んでしまったのです。」


「とすると君も復活が出来る?」


俺はそれが出来れば戦力にもなるし何よりリューが喜ぶと思っていた。


「いえ、既に私の本体はドナクレア島と同化して英霊として目覚める時を待っています。ですので復活は出来ません。この私は「分体」みたいなものなのです。」


「となるとセリナさん?でよろしいですか?今後私に憑依と言う形で・・・・っと俺死んじゃったんだ。」


俺は一瞬失念していたが、死んでしまったので言い直した。「そうするとお迎え?」とも思っていた。


「いえ「お迎え」ではありません。私はあなたを生まれ変わらせるためにあなたの前に現れたんです。」


「え?生き返る事が出来るの?・・・生まれ変わる?まさか赤ん坊から?」


俺の質問にまたクスクスと笑い「違いますよ」と答えてくれた。

・・・姉妹だな俺の考え読みやがったよ。何この子も怖い。


「あの肉塊となってしまった体をベースに。そして私の雫の力をもって完全な龍としての体になるのです。そのため人間としての因子は記憶以外のすべてが消えてしまいます。」


「そうですか、龍に・・・。」


セリナは「お嫌ですか?」と頭を傾げながら聞いてきた。そして俺は頭を左右に振って「いや、違う」と答えたのだった。


「俺に、古龍としての生き方が出来るのか、そして覚悟を決める事が出来るのか。それが気になっただけだ。」


「それは以前あなたに姉様が言ったはずです「時間をかけてやればいい」と。」


「そうだなウジウジ考えたって時間がもったいない。このまま死にたくないしね?」


「ふふ、そうですねそれでは「古龍ミノル仮」の誕生を実行いたします。」


俺は「仮って何?」とは思ったが「頼む」と力強く答えたのだった。


「あと、私は貴方の「ナビゲーター」精霊として憑依しますのでよろしくお願いします。」


「やっぱり憑依はあるのねー。」


と俺はツッコみながら自分の「元」身体に吸い込まれるのだった。



   ――――――――――



ミノルの身体が仰向けからの上半身起き上がりから女の子座りに変わる。

そして全身が蝋のようにドロドロ溶けて行き骨も解けて血溜まりになっていった。


「ミノル!」と妾は叫んでしまい後ろを向いてしまった。

背中に銃弾と「光弾」が数十発命中しては爆発を繰り返した。多少の痛みはあったが、それどころではない!ミノルが溶けてなくなってしまったのだ!


「ハハハハ!後ろを向くとは愚か!愚かだぞ「魔龍」よ!それとも我の力に恐れをなしたか?」


自分中心に考えている皇子は放っておこう。

「それよりミノルが!」と思いながら溶けた血溜まりに近づこうとしたその時「トプン」と水のように波打ったのだった。


それからの出来事に妾は身体の動きも思考も止まってしまった。

まるで湧き上がるかのように頭蓋骨から出てきてどんどんと直立のまま浮き出てきながら骨に血溜まりが纏わりつき内臓や筋肉そして皮膚が形成されていく心臓の脇に拳位の龍結晶が赤く煌く。

そしてその光景に目を奪われたのか、あちらの攻撃も止まった。


煌きの中に私に向かってお辞儀をするセリナの姿を見たが、幻だろうか?

そうするうちにつま先立ちの様に浮くミノルが姿を現した。


「ミノル?ミノルなのか?」


妾はミノルの名前を呼ぶと「カ」っと目を見開き浮いていた身体がどさりと地に落ち四つん這いになった。


「グググググ・・・」


目は血のように赤く瞳は金の光を帯びながらミノルは喉の奥から何かが沸き上がるような唸り声をあげている。


「グラアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」


ミノルの叫びと共に周囲の木々が吹き飛び「そうこうしゃ」や「じーぷ」も転がりながら吹き飛んでいった。

気配を感じた妾は「物理衝撃遮断」を17重展開して吹き飛ばされるのを防いだ。


「これは!「咆哮」!」


「龍の咆哮」ブレスとは違って自身の内包する魔力を全方向に放射して人族の言う「スタン」「デス」を衝撃と共に引き起こす。

ミノルはメキメキと音を立てて爪が鋭く歯は牙が延び龍角がキンキンと音を立てながら互いを打っている。


「ルルルルルルル・・・コロス!コロス!ワガゲキリンニフレシモノヨ・・・ワガイカリヲウケトメヨ!」


ミノルはそう言いながら虹色に輝き始め、光は次第に大きくなってく。

光が収まるとそこには巨大な「ナニカ」があった。


体長は60mほどで全身は銀色の光沢があり光の当たり具合によって虹色の色とりどりな光を見せる。

腕、足、背には炎を模したような光を反射しない黒い模様が浮き上がり羽は片方だけで体長の半分はあるかと思う白い皮膜、黒い稲妻のような模様で1対、そして羽の下に同じような模様の半分くらいの大きさの羽がもう1対の合計4枚の羽が広がる。

後頭部から尾の先にかけて青く透明の鬣のある紛れもない「龍」が顕現していた。


「グルルルル」


唸りながら口をパクリと開けて喉奥が光り始めた次の瞬間、赤く光りながら光の帯が先へと延びる「ブレス」だ。多分「火」の属性を持つブレスだろう。

しかし古龍は「属性」の拘りがない状況に応じて火・水・風・土・光・闇・無のいずれか、もしくは織り交ぜて使う。


そしてブレスの先には国家の政治の象徴たる「議事堂」があった。

ブレスが届き議事堂は赤く輝く光に包まれ周囲のビルはその爆発の衝撃により建物の中ほどから薙ぎ倒され崩れ去っていく。

倒れなかった建物はその熱量によりドロドロに溶けていく。


爆発が収まり、後に残ったのは議事堂を中心に直径500mのマグマの海が存在していた。


妾達や攻撃していた軍隊の連中、勇者そして皇子はその光景を見ながら立ち尽くしていた。


妾は思った。

―そう、決して起こしてはいけない眠れる「災厄」を起こしてしまったと―




最後までお読みいただきありがとうございました。


ブックマーク、評価をいただき誠に有難うございます。

皆様の応援が嬉しくこれからも頑張っていきたいと思っております。


また次回も楽しみにしていただければ幸いです。

17時投稿です宜しくお願いします。

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