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オイタの過ぎる勇者たち②

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます


次回ホントの覚醒が始まります。

そして首都が・・・・・


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

「オースティン・レトバルトだ、66歳、英国、元第43次勇者だ。」


「ムンチャイ・マッカラーン 34歳、タイ、元第39次勇者です。」


「アーデルハイド・ガビ、ひみつ、ドイツ、元第45次勇者よ~。」


俺は呆気に取られていた。

「いくら何でも勇者の大安売りじゃないんだから!」と叫びたかったが、ここはホテルで不特定多数の一般人が行き交うロビーでそんな無体なことはできない。

だが、リューも驚いていた。


それではここでは何ですから、と俺は何度目かの宿泊している部屋に案内をする。

部屋に着いて皆にコーヒーを出して隅っこへ避難をする。


「ガハハハハハ!驚いたか?それにしても矢野君からは聞いていたが、まさか地球こちらにきていたとはなあ。それに婿まで捕まえるとは!剛毅だな!ハハハハハ!」


「オースティン卿、死んだ筈ではなかったのですか?確かあの時・・・。」


「ああ!確かに私はあの時、斬首に掛けられ死んださ。私はな?「転生者」だ。」


第1次世界大戦の中、オースティンは戦地での戦闘中に転移させられ公国の勇者として戦ったが、ヤーノと同じ境遇にあって裏切った。

今は無き「ゲイルランダ王国」の将軍まで昇りつめたが王国が滅亡。その時ドナクレアと同盟関係にあり助けに来たのがリューで一歩間に合わず目の前で斬首されて死んだ。

気が付けば66年前のイギリスで生まれ変わっていたと言う事である。


「私はドナクレア嬢とは面識がありません。戦地でドナクレアの龍姫が連戦連勝していたとしか知りませんでした。そして私も「転生者」です。」


48年前にタイの農家の息子として育ったが同じく公国の転移で勇者となり魔獣討伐遠征専門として活動していたが、ドナクレア戦役でヘマをした1人の勇者は当時の公王の一人娘のお気に入りで身代わりとして彼が毒殺されてドナクレアには「彼が今回の戦犯です」と首が送られたという。

同じく気が付けば自分の妹の子供として生まれ変わっていたと言う事である。


「あの後、彼が身代わりにされたと知って再び戦役が再開されたのじゃ。そして魔獣に苦しむ民を助けていたと知って丁重に葬ってやり、民の希望の光だったと言う事で「陽光の勇者」と後に呼ばれたのじゃ。」


「私は~「転生者」じゃないわよ?」


彼女は第2次世界大戦の足音が聞こえてきたドイツの小さな町の酒場の看板娘で買い出し途中で転移し、勇者ではなくアドラ神教の「聖女」としてドナクレア戦役に参加した。

その時にリューと知り合い人々の生き死にに辟易して、今回の戦役をやめさせようと2人で画策、成功した。

しかし、その行為が裏切りだとして幽閉。しかし聖女の代替わりは、先代が死亡しない限り出来ない上に「神々の守り」で殺すことが出来ない。そこで第46次を中止して彼女を送還して現在に至る。


「以上かしら~、3人とも公国に恨みがあるのよ~。」


「だがな、私とマッカラーンはもはや勇者の力はない。彼女は聖女ではなくなっても能力はそのままだがな。」


「じゃあ何で来たの?」と俺は口が裂けても言えなかった。


「ドナクレア嬢も勇者についての情報は持っているだろうが、どんな能力でステータスとは、どういうものか詳細は知るまい?」


リューは頷く。


「能力やスキルは使えなくなったが、記憶は持っている。そこでステータスとスキル。そして女神の祝福についてレクチャーしようと言う事だ。」


こうしてステータスについてのレクチャーを受けながら勇者3人の監視も続けて日々は過ぎて行った。

そしてついに突き止めたのである。彼らがやろうとしていた計画を。


「・・・これはまた何とも言えんの。」


「彼らが調べていたのは産業革命時代に使用されていた工業関連の歴史と機械化による産業だな。そして世界大戦や兵器類の検索。果ては農業や、畜産業など多岐に渡っての資料もかき集めているな。」


どうやらフィーグルに近代産業をぶち上げるらしい。

リューが言うには確かに魔道具や魔導力による産業機械などは普及はしていても絶対数が少なく希少価値が高い。

一般人には手が届きにくくあっても工場制手工業がやっとらしい。

それでも地球よりも人口が少ないので中々普及はしないし人族の「貴族」と言うものが各々の領地のみだけでやろうとするのが多くてこれもまた枷となっているとの事。


そこに人手はほとんどいらずに機械がやってくれるので技術の利権だけで莫大な利益を生むことになる。


「なるほどねえ。考えれば理にかなっているわけだ。」


「それに兵器関連も結構恐ろしい事になりそうだな。」


試しに俺も検索してみたが、インターネットだけでも手製ではあるが作り方や、使用されている火薬や薬品、最悪なのは細かな寸法まで記載されたものまであった。

さすがの核とかの大量殺戮兵器は言葉は出るが作成方法などは出てこなかった。


それでもただの火縄銃からマシンガンに変わるだけで恐ろしい事にはなるな。


こうして調査した結果を報告するため大臣たち設定してくれたホテル内のレストランへ俺とリュー、吉良の3人で行くことにしたのだった。


レストランに行くと従業員へ以前の個室に案内を受けて大臣達を待った。

俺達は報告するべき内容を精査していたが、30分経っても来ないので「まあ渋滞か何かで送れている」としか考えてなかったが、リューが突然黙りだした。


俺は「?」と思いつつ、ふと人工の庭園を見ると植木の影などから素早く移動している何かに気付き、よく見ようとしたが殺気が周囲に充満している事に今気が付いた。

リューは殺気に気付いていたらしく部屋に結界を張ってくれていたようだ。


「ミノルよ、どうやら罠にかかったみたいじゃぞ?」


「・・・だな」と吉良を俺の後ろに下がらせて「物理障壁」をかけてやって逃げる準備をするように小声で指示をした。

吉良は頷き懐からハンドガンを取り出して応戦の構えを取った。


―ヤーノどうやら罠に掛かってしまった。そっちはどうだ?―


―こっちはなんともないですが、そちらから急に殺気が膨らんだのでこちらから念話を送ろうかとしていた所です。―


俺はヤーノに念話の思念を送った。どうやら部屋までは届くようだ。


―済まんが全員荷物をまとめて脱出の準備頼む―


―了解―



  ――――――――――



「そろそろ始まりますかねえ」


「そうだな、遺体は冷凍にして丁重に運ぶよう指示してくれたまえ。」


朝尾と赤部はとある料亭で話をしていた。


「赤部総理、本日は私たちの協力に感謝いたします。」


「なに、善良な都民の要望に応えたまでだよ。」


「つきましてはアドラ神聖公国勇者であり、都民でもある私達21人が橋渡しとなって互いの発展に協力させていただきます。」


そこにはあの3人の勇者の他にもう1人の男性が総理達の向かい側に座っていた。


そこに携帯の着信音が部屋に響いた。発信元は「カツラミノル」と表示されており朝尾が携帯に応答した。


『朝尾さんですか?勝良です!こちらには向かわない方がよさそうです!結構な数の何者かに囲まれて襲撃を受けています。直ぐに非難をして下さい。』


「ああ、それは大丈夫ですよ。そこにいる者達は伊部大臣の支持で動いていますから。」


『え?』


「ああ、そう言えば忘れていました。今度日本国は異世界フィーグルのアドラ神聖公国と交易を結ぶこととなりました。」


『何を言っているんですか?前にも言った通りあの国は危険だから気を付けないt』


「いえいえ、私達もそう思いましたが話してみるとなかなかの好条件を提示されましてね。こちらとしても勝良さんの言う「異世界越え」の問題はないと言ってましてね。」


『1度の往復で300人以上が犠牲になるんですよ?なにを言ってるんですか!』


「そう怒鳴らないでくださいよ。あ、そうそう邪龍であるあなたの討伐に勇者が加わりますので、お気を付けください。」


『ちょっとまt・・・・・・』


朝尾は携帯を切りそのまま総理と男に向き直すのだった。



   ――――――――――



俺は携帯を切られて悲痛な表情を浮かべていた。


「裏切られましたね。」


周囲を警戒しながら吉良は言ってきた。


「まただ、またなのか・・・。」


俺は呟いていた。しかし呆けている場合じゃないと俺は自分に言い聞かせながら、周囲の空気を圧縮し始めた。イメージは厚さ0.5mmの回転する丸鋸を50枚皿を重ねるように展開した。

「キイイイイイイイイイイ」と丸鋸の鋭い音がしたのをきっかけに座敷を出る。

背後にいる吉良には「身体強化」を手に持つハンドガンの銃弾には「空気針付与」「前方爆散」展開をして部屋へと向かった。


―ヤーノ!どうだ!―


―荷造り完了!1階ロビーまで行きます!―


―了解!気を付けて!―


念話を送り俺達もロビーに向かう。

やはり連中は撃ってきた。今回はお構いなしにサイレンサーなどついてなく炸裂音が廊下に響いた。

リューは俺達に「物理衝撃遮断」の魔導をかけてくれた。そして俺が前方、吉良が後方、リューは遊撃で対応しながらロビーへと向かった。


ロビーに着くとヤーノとアーデルハイドが障壁を張って防いでいた。


「ヤーノ!」と俺は声を掛け3枚まで減った丸鋸をさらに60枚増やして「自動追尾」「複数対象」の魔導を掛けた。ロビーまでで40名倒したが、ロビーでまだ結構な人数がいたので「周囲検索」を掛けると中と外で200人いた。


丸鋸は隊員たちを容赦なく切り刻み周囲は返り血で真っ赤に染まり、外の隊員以外はすべて殺した。

俺はヤーノ達に近づいて逃げる事を提案。皆が了承した。

リューに入り口と周囲を警戒してもらいながら、殺した隊員の魂魄を使用して「転送」の魔導を展開

オースティン達3人を準備させた。


「ヤーノすまない付き合ってくれ!オースティンさん、ムンチャイさん、アーデルハイドさん御世話になりました!これから3名を家まで転送します!起動させますので自分の家を思い浮かべてください。」


「勝良くんお元気で!」

「私も勇者だったら手伝えたのですが。」


「ムンチャイさん気にしないでください。」


そして俺は3名が思い描いたことを確認し多重展開させた。


「「無事を祈ってるよ!」」


そうして2人は転送されたが、アーデルハイドさんは転送されなかった。

俺は「なぜ?」と言おうとしたら、


「私は残るわよ~。だって、帰る場所なんて地球にはないんだもの~」


「一緒にフィーグル行きましょう~」とリューに抱き付いていた。

リューは「仕方なし」と一言言ってアーデルハイドに「物理衝撃遮断」の魔導を展開して今度は5名で入口へ向かったのだった。


入り口に行くと装甲車やジープが、総勢40台位停まっていて、その陰に隊員たちが銃で俺達に狙いを定めていた。


俺はもうキレていた。体が熱くなってくる。ざわざわと全身の皮膚の何かが波を打っていた。

もはや問答は無し「容赦なく」「無慈悲に」「ひとかけらの情も無く」「破壊し尽くす」


「ヤーノ。得意武器は何?」


「短槍だ。それも2本で石突の部分でつなぎ合わせると長槍になる。」


そう言うヤーノの想像を読み取り地面に手を当てて「創造」の魔導をかけて作り上げた。

手渡すときに「硬質」「金剛」「身体強化付与」をかけて手渡した。

ヤーノは「ありがとう」と手に取り数回振ると「よし!」と言って両刀使いのような姿勢を取って構えた。


アーデルハイドはヤーノに「障壁は私が」と言っていた。

そして俺は隊員たちに向き直り、腰を沈めて地面を蹴っ「ドチュン」


俺は後ろに飛ばされた。起き上がろうとしたら左手に力が入らない。よく見ると左肩からとが出ていた。

撃たれた?障壁を破って?鱗も破って?そう思いながら、すぐに立って隊員たちを見るとライフルを構える少年がいた。


「お~すっげ~。コレだと俺ドラゴンスレイヤーになっちゃうよ。」


勇者だ藤田昌則だ。


「静かにしろ。狙って打て。当たったのは肩だったぞ。」


吉野健太だ。


「いいな~僕も撃ちたいでござる。貸してほしいでござる。」


今野保志だ。

「3バカトリオがお出ましかよ」と思いながら俺は睨みつけた。


「ぎゃはははははははは!睨んだってこわかね~や!」


と再び連発で撃ってきた。良く見るとリューも障壁を貫通しているが鱗が守ってくれているらしく当たっているとっ頃に火花が散っている。アーデルハイドも障壁を貫通しているがヤーノが器用に弾いている。

俺だけ負傷しているようだ。

吉野健太が眼鏡をクイっとあげながら


「隊員の皆さん私達が与えた魔晶石を銃に当てて銃弾に薄い膜をコーティングするイメージをしながら撃ってください。敵に効果があります。」


そういうと隊員たちがポケットから緑色に光る石を銃に当てながら撃ってきた。

今度は負傷せずにガードした腕に当たり火花が散った。

隊員たちは「当たるぞ!」と声をあげながら全員で撃ってきた。


人数と銃弾が多すぎるのか、ヤーノが捌き切れずに肩や足を負傷していく。

リューは鱗で防ぎ切ってはいるが、途中で勇者たちが攻撃を仕掛けており、俺達のフォローに回れないようだった。


「くそ!妾が龍化できれば問題ないのじゃが!」


「はっは~!しってるぜ~お前ら龍化する時は、数秒だけど無防備になるもんな~許すわけねえだろば~~~~~~~か!」


「フッ僕たちの勝利ですね。」


「邪龍なんて死ねばいいのでござる」


この野郎、言いたい放題いいやがって。


「ふざけんじゃねえええ!このクソガキが!自分だけの力じゃ何もできねえ!オシメも取れてねえくせに!何偉そうなこと抜かしてやがる!」


「うるせーんだよ!邪龍はだまって俺らの素材になりやがれ!」


再び藤田昌則が連射してくる。また鱗を破って右の太腿から血が噴き出た。


「そこにいるんだろうが!赤部!人の事騙しやがって!お飾り総理のくせにふんぞり返てんじゃねえ!」


「黙れよ邪龍。僕の計算が勝っておまえが負けただけだ。」


「計算だあ?300人も殺す計算にどこが勝ったんだ?この○ンカス童貞が!」


「な!童貞じゃない!」


俺の挑発に乗るとは計算で勝つなどとどの口が言うんだか。と思いつつ周囲を見たがまずいなこりゃ。


「フハハハハハハハハハハ!そのような下品なセリフは邪龍らしいな!さっさと貴様は滅び我らが偉大なるアドラ神聖公国の礎となるがいい!」


金髪に碧眼、瀟洒な服装をしているが、どこか中世な感じを受ける服装をしてジープのボンネットに乗り大股開きの両手を腰に当てて俺達に告げてきた。


「・・・だれだおまえ?」


「きさま!」


「控えよ下郎、ここにおられるはアドラ神聖公国第1皇子アントニオ・ラドリエ様なるぞ!」


吉野健太が眼鏡をクイっとあげながら「跪け」と付け加えながら説明した。


「知らねえよ!そんな金髪お猿の大将みたいなやつ。」


「き、き、き、きさまあ!」


皇子とやらが出てきたがこちらは防御の真っ最中でそんな奴らは知らん。

皇子は顔を真っ赤にしながら銃弾の中を歩こうとしていた「あ!皇子!」と吉野健太が声を掛けたが聞いちゃいねえ。・・・ばかだろ?


そうしたことがあり皇子に当ててはまずいとばかりに銃弾が止む。

リューは「しめた!」とばかりに腰を落とすと一気に髪が「ぶわ!」っと逆立っていく。


「小さき者よ。妾が特別に罰を与えてやろう。骨も残らぬから覚悟せい!」


「それはどうかしら?」


誰だろうか、リューが口上を述べた直後に横槍を入れてきた。

次の瞬間ふわりと後ろから誰かが俺の体を抱き締めてきた。

「?」と思い俺は後ろを振り向いた。

吉良だった。


「ふふふふふふ。この時を待っていたわ。悪夢が消えなくて、仕事もうまくいかなくて、あんたに頭を下げて屈辱だったわ。」


「吉良。お前なに言ってやがる?」


そう俺が言った途端口に何かを突っ込まれてそのままテープでぐるぐる巻きにされた。


「ああ、これでスッキリできるわ。」


口に巻かれたものを下の視線を向けるとそれは手榴弾だった。


「いくらドラゴンでも口の中まではそうはいかないでしょうねえ?」


「むごー!むごー!むむむごー!」


「あっははははははははは!無様よ「D」」


そうしてピンを抜き俺をリューに向かって突き飛ばした。

リューははっと気づいて俺を向いたが、確か無防備だったんだなと気づきそのまま横に飛ぶ。

そして手榴弾を取るべくテープを引きはがそうとしていた。


「取れろおおおおおおおおおお」「ボグシャ!」


そこから俺の意識は消えた。



最後までお読みいただきありがとうございました。


ブックマーク、評価をいただき誠に有難うございます。

ポイントもどんどん上がって、とてもうれしく感謝の念に堪えません。

皆様の期待に沿えるように頑張っていきたいと思っております。


また次回も楽しみにしていただければ幸いです。

翌朝7時投稿です宜しくお願いします。

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