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オイタの過ぎる勇者たち①

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます


前回よりも短いです。


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

『僕は・・・今はお母さんのご飯が食べたいです。』


『神隠しに遭っていた時の記憶は?他の友人達の行方は?』


『すみません・・・わからないんです。友達もどこにいるか・・・気が付いたら林の中にいたんです。』


『すいませんうちの息子は疲れていますのでインタビュ・・・・・・』


俺は、TVのリモコンを操作して音量を下げた。そして3人に向き直り意見を求めた。


「嘘をついていますね。」


「嘘だな。」


「よし!ペラペラとよく回るその舌引っこ抜きに行くぞ!フフッ妾の爪が彼奴等の血を欲しておるわ。」


吉良、ヤーノは俺と同じ「嘘」と判定したな。


「リュー様?お願いですから物騒な発言は控えてください。それとその気配を切っていただけませんか?成り立ての龍にはきついっス。膝が笑っちゃってます。」


「ははは。ミノル殿はそれくらいでいいね。僕は今死を覚悟してるよ。」


「許してください許してください許してください許してください許してください許してください許してください」


ヤーノは顔を真っ青にして汗がポタポタと垂れていて吉良に至ってはどうやら過去の記憶を思い出しているようだ。

俺は「鎮静」「中範囲」の魔法を行使して3人を宥めた。

ちなみに隣のセレブが数千万円の損失を出した証券マンを許したとか。そんな事はどうでも良い。

俺は日増しに鋭敏となっていく「直感」に戸惑いを覚えつつ理由を聞いてみた。


「僕はこの通り中卒でしかも帰還時は成人年齢で仕事に就けなくてね。小説家になったんだけど人の心理とかそういうものを大学の教授とかに取材して勉強したんだ。それにフィーグルから帰還した僕が記憶があるのに同じ彼らが無いと言うのは矛盾がある。」


「私も同意見です。ウソを吐くことによる視線の変化を見られぬように頭と目を下に向ける。「知らぬ、存ぜぬ」で話のボロが出る事を嫌っていますね。そして話し方ですが、何処かで練習してきたのでしょうか?あざとさが見え隠れしています。」


「なるほど。俺とリューはいいとして「おい!」両者とも根拠があってのことですから、彼は・・・いや、彼らは何かしらの目的があると言う事で「クロ」だと?」


2人は肯定の頷きを返す。リューさん膨れてないで参加して。後で美味しいもの吉良から紹介してもらうから。

「くそ!ガチムチのおっさんの相手してる場合じゃなくなったぞ!」と心の中で地団駄を踏んでいた。

でも報復は必ず実行してやる!


4人で今後の展開予想と対策の話をしていた

1人目は吉野健太「ヨシノ・ケンタ」

先程テレビでインタビューに答えていた少年だ。

戦争の多方面展開など後方の支援をやっていたという。ドナクレア島攻略の作戦は彼が中心になって作戦を立てた勇者で、自称「コ―メイ」

鉄砲と大砲も彼が公国に技術を伝えて開発に指揮を取り「勇者の頭脳」と呼ばれている。


2人目は

藤田昌則「フジタ・マサノリ」

地球に戻ってきた勇者の一人

吉野と同じく後方の支援を担当している勇者。

冒険者ギルドでは自分より弱いものばかりいじめては悦に浸っている雑魚。

低級冒険者を引き攣れて「お山の大将」を気取っているが上位冒険者には媚を売る雑魚。

もう一度言う「雑魚」である。


3人目は

今野保志「コンノ・ヤスシ」

同じく戻ってきた勇者の一人

「コダチ」という片刃の小剣を持ち素早さを武器にして「爆炎」や「幻影」魔法を使って、敵の背後に回り攻撃をする「魔法剣士」。

主に斥候としての役割を持っているが、敵に見つかった時は見方を囮にして自分一人だけ逃げ帰ると言う事ばかりやっていて、味方では「組みたくない同僚」のベスト5にいる嫌われ者。

「ニンニン」とか「ゴザル」を語尾につけて話す「頭のネジがどこか緩んでいる」と噂があるとか。


・・・・・大丈夫か?勇者よ。


リューから勇者の情報を聞いている時に、携帯の着信音が鳴る。

携帯を見ると朝尾財務大臣と表示が出ていた。あれ?登録してないぞ?いつの間に?と思いながら「もしもし」と電話に出た。


「勝良君かね?久ぶりだね。」


「お久しぶりです朝尾さん。携帯に登録があるなんて気づきませんでした。ビックリです。」


「はははは。すまない事をしたな。それから私の事は『ローズマリー』とでも呼んでくれればいいぞ。」


ローズマリー?ん?え?あ?あ!あーあーあーあーあーあー!何時だったかテレビで見たがマンガ好きで車の中にもあってその題名がローズマリー何とかと言うのがあって、それで「ローズマリー朝尾」の愛称が出来たとか。

俺は「ははは。いずれ機会があれば」と話題から逃げつつ、用件を聞いた。

内容は「神隠しから帰還の3人」についてだった。

俺は調べ物があるので良ければ、この間の2名にも話をしたい趣旨を伝えると快諾してくれて時間が合う日時を後日教えると言う事で電話を切った。


「ミノル。すまぬ。妾のせいであの筋肉ダルマの話がうやむやになって・・・。」


「ん?気にしないよ?これが片付けば殺っちゃうから謝らなくていいぞ。」


そう言ってリューにニッコリと笑顔で返す。


「ちょうどいい機会かもしれない。僕も手伝わせてもらうよ。」


ヤーノは俺に協力を申し出てくれた。


「報酬と言っては何だが、もし戻る事が可能になったら僕も連れて行って欲しい。」


いきなりの提案である。

彼は言う。勇者として召喚された時は戸惑いもあったが、暮らしていくうちに自分はこの世界の生き方が最も合っているんじゃないかと。


「勇者を離れて暮らした日々は地球こちらの殺伐とした空気よりも良かったよ。フィーグルに帰る事が出来るのならいつでも帰りたいって思っていたんだ。でも叶わないから想像の世界だけでもってコレを書いていたんだ。」


そう言って自分の著書を手に取って愛おしそうに撫でていた。

俺はリューに目線を送るとヤーノに向かって答えた。


「よいぞ。転移法陣で1度の可能な転移人数は理論上最大15人まで可能じゃからな。」


俺は「ん?21人は?」と思っていると「あれは神族のチート技だからじゃ!」と心を読まれていた。

・・・・いつもながらこの子怖い。

こうして思わぬ援軍の参加でいよいよ勇者打倒の計画を立てて行く事になる。ヤーノは「用事を片づけてくる」と言って今日の所はホテルを去っていった。


リューと吉良、そして俺の二手に分かれてまずは「認識阻害」「隠匿」を魔導で展開して一人1日づつ交代で行動を監視した。リューと吉良は改めて行方不明になった21名の調査と3人が発見されたと言う林の調査をお願いしておいた。


仮にも勇者なので近いところでの監視は気付かれる可能性もあり、尾行以外は小型の望遠鏡を購入して監視を続けた。使い魔も考えたが同じ理由で取りやめた。

3人はほとんど家にいてPCやスマホで遊んでいるようだ。時折、家やコンビニでプリントアウトを繰り返しており、特に魔だった行動はない。


1週間も過ぎるとリューと吉良が合流して3人で手分けをして引き続き監視に入る。

夜にはみんなと合流、そして報告会と意見交換もする。

この時点で解ったことは、転移してきた林の中だが、予想通り転送陣の形跡があったそうだ。そしてリューにしかできない「魔力解析」「魔素分析」の上位級魔導で調べた結果、フィーグルで星の巡りと神族の補助なしでの転送で地球へ来た事が判明。


「あの馬鹿ども何の準備も無しで転送陣を開きおって!少なくとも300人の生贄を使っておったぞ!」


となると、使い物にならないから返しちゃえと言うのは1人くらいが関の山だろうと思う。

わざわざ生贄まで使っての転送なのだから。

そう考えるならば何か目的があっての地球への転送なのだから150×2で300人の片道で目的を果たしたらフィーグルに召喚されるからさらに300×2で600人は犠牲になると言う事になる。


これはもはや虐殺と言っていいかもしれないと思った。


「あの阿保勇者は目的があるにしろそれだけの人数が犠牲になること知っていてやったのか。」


「あたりまえじゃ!魔法陣の周りに生贄をおかねばならんからな!」


だめだあいつら、何とかしないと‥‥


俺は明日も引き続き監視についてもらうように頼んだ。

昨日メールでも朝尾大臣から2週間後にまた席を設けると来ていたので、それまでにはある程度の情報を集めておこうと決めたのだった。


そこにヤーノから電話が来た。ホテルのロビーにいるから来て欲しいと言っているので3人でロビーまで下りていく。

ロビーにはヤーノがいて俺達に気付くと椅子から立ち、手を振っていたが3人ばかり増えていた。

「知り合いか?」と思いながら、少し警戒しつつ近づいて行った。


「やあ、2週間ぶりだね。元気だった?」


「ん、まあね。こっちもなんとなくだけど勇者共の行動が見えてきたところだな。」


とヤーノに話ながらリュー達も「久しぶり」と挨拶を交わしていく。

しかし1人のブラウンの髪の色をした初老の男性が「勇者?」とピクリと反応し他の2人もつられて反応していた。

そして3人が席を立ちリューの前に進んでいった。


「久しいなドナクレアの小娘」


「お初にお目にかかる、お噂は聞いておりましたドナクレアの龍姫」


「あらあらあらあらホントのリュセフィーヌなの?きゃー懐かしいわリューちゃん」


「え?あれ?オースティン卿?もしかして陽光の?そしてアディ様?」


何?何?何?何?何?何?何が起こってるのかな?

俺は突然の出来事にヤーノと吉良を交互に見ていた。

ヤーノはなぜかニコニコニコしているし、吉良は同じくキョロキョロと視線が皆を何度も往復していた。


すまん!誰かなにかおしえてくれ!



最後までお読みいただきありがとうございました。


ブックマーク、評価をいただき誠に有難うございます。

ポイントもどんどん上がって、とてもうれしく感謝の念に堪えません。

皆様の期待に沿えるように頑張っていきたいと思っております。


また次回も楽しみにしていただければ幸いです。

 17時投稿です宜しくお願いします。

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