表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/106

人であることを辞めた日

※予約時間の誤入力をしておりました大変失礼いたしました。


お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます


今回は拷問に等しいグロになってます。お気を付けください。

次回も引き続き「ざまあ」が続きます。


拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

「身体もなじませなんとな。ミノルちょっと付き合え。お祭りの準備じゃ!」


リューはそう言ってきたので俺は鍛錬に向けて山籠りの為の荷造りをしていた。


「ミノル?なにをしておるじゃ?」


「ん?山籠り行くんだろ?こないだあれも持って行けばよかったとかあっただろ?」


「だれが、山籠りに行くと言ったかの?」


俺は不思議に思いつつも「リューでしょ」と言いかけたが、当の本人は「?」と首を傾げていた。


「リューさん?特訓で山籠り行くんじゃないのかな?」


「特訓?」


「いやほら、身体をなじませるって・・・」


リューさんは左手の平に右拳を「ポン」として「おお!」と声をあげた。


「ミノル、ヌシが間違っておる。特訓は行かんのじゃぞ?」


「そなの?」


とお互いがきょとんとしてしまい沈黙が流れた。

そしてリューがベットから腰をあげて姿勢を正すとパッと羽や尻尾、髪も黒くなって外出着っぽいワンピースに早変わりしていた。


「ミノルよ、心も体も英気を養うために「すーぱーせんとう」に行くのじゃ!」


なるほどそういう意味の身体をなじませるって事かと俺は笑ってしまい。

「あほじゃのう」と言ったリューの「おちち」を悔しいから揉んでやったが、後がとっても痛かった。

そうして英気を養い、デパートなどでリューの服や化粧品、小物類を購入したりしていると、隠れ家を引き払う時が来た。


既に不要な荷物はリサイクルショップに引き取ってもらってガランとした部屋を見ながら、短かったけどなかなか濃い8ヶ月と少しだったなあと感慨深くなっていた。

おやっさんに鍵を返しに行って挨拶を済ませ「お前みたいな優良店子はもっといてほしい」とは追われたが「遠くに引っ越さなくてはならないから」と言って惜しまれつつもアパートをあとにした。


ホテルは大浴場付きのホテルでツインを予約しようとしたら「ダブルベットじゃ!」と駄々を捏ねたので仕方なくダブルにするのであった。

まあ、ツインより安くていいけどね。


そして、俺達は今ホテルに泊まりながら地図と睨めっこをしていた。

あの2人にリューはマーキングをつけていたので地図を見ながら使い魔の情報とマーキングの位置情報を基に居所が判明した。

リューが眠っている時に使い魔が教えてくれた情報で今回行われる会議の後の表彰式には出る予定になっている。

そしてガチムチのおっさんは沖縄にいた。


「ふむ、やはり一番近い方からが効率は良いの。あのアバズレが先じゃな。」


こうして会議当日、やはり周辺は厳戒態勢になっていたが、一般人はすぐ近くまで通行できるので正面入り口まですたすたと歩いて行った。

2人で入り口に立ち俺は警備で立つ迷彩服の隊員にニッコリと笑って見上げていた。


「こらこらボウヤ、ここは来てはいけない所だから離れていなさい。」


と優しく声を掛けてくれるのだが、


「ううん。僕もここに用があって来たんだ!」


俺が子供の振りをしながら言うと「?」と隊員が俺の事を訝しげに見て「なんだ?このガキ」と呟いていたが、俺は「身体組成」で元の体に戻り、


「これで見覚えあるだろ?今日はお礼参りに来たんだからな。」


「あ?あ、ああ!あああああああ!おまえは!」


そう言いながら、後退りをして無線で「Dを発見!応援を!」と叫んで近くにいた数人も駆け付けていた。


「ほ~、末端にまで情報が来ているのな。最近のお役所は報連相がしっかりしてるねえ?」


と言いながらズンズンと中に入っていく近くを通っていた人たちは、遠巻きに不思議そうに見ていたが

俺の羽と尻尾を見て気付いたのか「あの時の飛行生物」などが俺に聞こえてきた。

十数人が俺に一斉に飛び掛かってきたが、


「残念だが無理なものは無理と言えばいいのにね。」


俺は呟くと周囲に爆発的な空気を発生させて吹き飛ばしながら「硬化、身体能力」の強化を自身に掛ける。

次々と拘束しようと隊員たちは俺に襲い掛かってくるが、残念ながらリューから教わった魔導は強力で9歳クラスの俺でも大人をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、大人は全く歯が立たない。


穏便に済ませようとは思っていなかったが、かなりの騒ぎになっているのは確かだ。

大立ち回りしていると、一般道の方が見えるときがあるので、大勢の人が覗いているのが視界に入ってくる。


「これはニュースに取り上げられちゃいますね。」


もう何十人倒したでしょうか。先日の事件に関わり合いがない人ばかりなはずなので、殺すことが出来ないが、骨を折ったり重症の人は多いはず。


『リューさん?キリがないので集団で昏倒させていいですかね?』


『うむ、許可する。』


俺はリューに思念波を送って「念話」の魔法を行使して上空にいるリューと会話した。

ちなみにリューは参加していない。

俺の鍛錬が何処まで出来上がっているかを確認するためである。

俺は範囲魔法で「睡眠」を強めに掛ける。

すると周辺の隊員がバタバタと倒れて行ったので成功したみたいだ。


こうして建物の中に入り「さて探すか」と思ってエントランスから上を見た途端に、「パシュシュシュシュシュシュシュ」と聞いた音がして俺に銃弾が無数に全方向から襲ってきた。

さすが強化の魔導は銃弾がまるでスローモーションのようにゆっくりと向かってくるように見えてしまう。

ここで教わった「反射」の魔導を起動させる

俺に向かってくるベクトルを反対方向にも加えてやると、以前のリューがやった目前で銃弾が止まっていた現象が起きる。


銃弾の嵐が止むと全ての銃弾が俺の周りで停止していたがすぐにパラパラと地面へ全て落ちてしまっていた。


「もう終わりですか?」


そう言うとエントランスを囲んでいた黒っぽい制服を着てマスクを被った重装備の軍団がナイフやハンドガンに持ち替えながら襲ってきた。


「正当防衛だからな。恨まないでくれよ。」


俺は「重力変換」「自動追尾」を銃弾を10発で1グループとして、それを対象の右手、左手、右足、左足に各々命中するようにした。

床に落ちた銃弾は生き物のように黒ずくめの軍団に命中し血飛沫を撒き散らしていく。

俺は倒れた連中の1人を宙に浮かせてマスクを剥いで問う


「吉良仁美と副大臣はどこにいるかわかりますか?」


「・・・」


「言いたくないと、もしかして対未確認動物対策部隊ってあなた達ですか?」


「・・・」


「貴方たちは、俺を殺そうとしたんですよ?罪の意識はありますか?」


40くらいの男だろう、昔の俺くらいの顔つきをする男は俺の質問に口をへの字にしたまま俺をじっと見て答えようとしない。


「こんな体になったからって、実験動物のように、さも人権がないかのように扱うとは、あなたそれでも公務員ですかね?私も以前は一納税者だったんですよ?」


「・・・黙れ」


「どっかで聞いた言葉ですね。あの黒無口の野郎と仲間だな?」


似たような態度を取られて、思い出してしまいだんだん腹が立ってきたので、最後通告にした。


「ここで喋らなければ全員に同じことを聞いていく!もし話さなければこうする!」


俺は倒れている他の連中にも聞こえるように、わざと大きな声で言った。


「最後です!吉良と副大臣の居場所!そしてこれにかかわった人員は誰か言いなさい!」


「くっ殺せ」


「はい、わかりました。」


俺は壁に投げつけて両手足を壁から作り出した槍を射出して十字架に磔けたようにして

そのまま床に転がる銃弾を股間に打ち込む


「ぎゃああああああああああああ」


「はい次」


そうして全員に問い質していく12人目になってようやく答えが返ってきた。


「吉良仁美は知らんが副大臣はおそらく総理達と一緒に裏口からすでに脱出しているかもしれない。」


「この計画にかかわった連中は?」


「陸の幕僚幹部に俺達、そして米国UMA専門チーム」


「それだけか?」


「・・・・」


「言えば殺される?」


そう言うと僅かだがピクリと反応があった。


「5・4・3・2・1・ぜr」「わかった!いう、言うから!」


「誰だ?」


「副大臣と”陸”派閥の議員そして内閣調査室」


「はいありがとさん。」


俺は男を後ろにポイと放り投げて廊下から5本の槍を「創造」して串刺しにした。


「誰か他に何か教えたくなちゃったな~という人いますかー?」


「「「・・・・・・」」」


離さなくても話しても殺されると解ってしまった以上彼らは何も言わなくなった。


「言えばひと思いに。言わなければ苦しみながら死ぬことになりますよ?」


「「「・・・・・」」」


俺はイメージした彼らの体に「重力操作」して横だけに500㎏の負荷を加えて廊下を疾走させる。

「スマートボール」を知っているだろうか?

ビー玉が数十個待機して1個1個バネで「パシュンパシュン」と打ち出される様子を。

もしくは「ピンボール」かな?


残り16名ほどは悲鳴をあげながら廊下の先へ突進して行きながら鈍く水っぽい音が響いていく。

1人、また一人と減って行き最後の一人は粗相までしながら最期を迎えた。


「さて、吉良は・・・と?」


廊下を歩きながら、これだけ騒いでいるのだから悠長に会議なんてやってないだろうなあと、思いながら会議場へと向かう。途中で出会う人達は「睡眠」の魔導を行使して、殺そうとしてくる人間には「鎌鼬」の術を行使してバラバラにしていった。


『リューさーん。聞こえてますかー?』


『なんじゃ?大きな念波こえしなくても聞こえてるの。』


『吉良の反応って動いていますか?』


『いや、動いておらんな。ちなみに「フクダイジン」「ソウリ」「ダイジン」とか言うのも一緒でミノルが向かっている部屋の先におるぞ。』


『了解。それではメインディッシュに行きましょう。リュー降りてきていいよ。』


そう言いながら連中はお構いなしに銃を撃ってきた。もはや近隣住民や通行人にかまっていられないのだろう。

サイレンサーの音から普通の炸裂音に変わっていたので以前のガトリング砲やまさかとは思うが、「バズーカ砲とか来ないよな?」と気にはしていた。


そう考えながら目的地へ近づいて行くにつれて銃弾による攻撃が激しくなり俺は自分の周囲に高周波の電磁パルスを張り巡らせた対象は「人間」俺の「龍角」から人間の気配が何処にいるかを検知しそれらに、高周波を集中させる。


「おごあああああぁぁぁぁ・・・ぁぁ・・・」


「(バババン!)ぎゃあああああああ!うでがああああああ!」


所謂「レンジでチン」魔法で、「もしかして可能か?」とリューが再誕の眠りにあった頃に練習していた「魔導」である。

どうやらちょっと失敗したようだ。人ではなく銃に「チン」したようで暴発したようだ。

そのまま死亡した者、腕や手が吹っ飛んでしまった者を尻目にすたすたと何事もなかったかのように目的地へ歩いて行った。


『リュー。俺もしかして人間じゃなくなったかも。』


『ん?何を言っておるのじゃ?ミノルは既に古龍の眷族であろ?』


「・・・天然さんかな?」と思いながら遂に会議室へたどり着いた。

入り口ではリューが待っていてくれて「御苦労」と言って頭をポンポンしてくれた。


2人でドアを開けて中に入ると再び銃撃が起きたが、先程と同じくベクトルを反対方向に加えて銃弾を止める。

リューは「上出来じゃ」とニコニコとまた頭をポンポンしながら「レンジでチン」を模倣した。

「面白い術じゃ!」と言って行使いていたが、対象者に苦しんだ形跡はなくそのままいきなり倒れて行った。


「ふむ、理論と展開は申し分がないが、対象者の脳だけを攻撃すると他の装備に影響がないの。」


実際に検証ていないのに感知しただけで効率化をしてしまうリューに俺は息を呑み驚きを隠せなかった。

リューは「ん?」と俺を見てきたが「いや、何でもない」と返答した。


「バ、バケモノ・・・・」


「バケモノとはひどい言い方ですね吉良さん?これでも一都民ですよ?」


そう言って吉良を睨みつけた。吉良の横には写真で見た通りの副大臣「結城ゆうき幸次こうじろう」が居た。

そして少し離れた所に隊員に守られながら陸の幕僚幹部らしき数名がブルブル震えながら「わしを守れ!」と言っていた。

正面にはスーツを着た数名に守られて、テレビでしか見たことがない「内閣総理大臣」と「防衛大臣」がいた。


「どうやら皆さん揃っていらっしゃるようですね。」


「おまえが「D」か?」


「・・・「でぃー」とな?」


多分「ドラゴン」の頭文字を取っての俺の呼び名なのだろうと推察した。


「さて、単刀直入に言います。治療と称してただの「実験体」として扱った事。俺を殺して標本にしようとした事。「カツラミノル」を社会的に抹殺した事。そして今も「制止」の言葉もなく殺そうとした事。これらについて報復行動に移らせていただきましたし、これから実行もします。」


「ま、ま、待て!待ってくれ!どういうことだ?お前は何処からか来た未知の生命体で暴れている所を捕まってたのではないのか?」


そう言ってきたのは総理大臣だった。


「未知の生物?暴れたから捕まった?何を言っているのですか?俺は○○区に住み自営業を営んでいた「カツラミノル」日本人で都民でした。」


「総理!そいつはまごう事なきバケモノです!嘘を言って困惑させるつもりなのです!」


「黙らんか!この痴れ者が!!!」


俺の会話に横槍を入れてきた幹部にリューが一喝する。

「詳しい話を」と総理大臣が催促してきたので、今は危害は加えないと俺はいって座らせた。

そして今までの事の成り行きを語っていった。

次にリューが語り始めた異世界から来た事、地球、そして日本から召喚された勇者に故郷を蹂躙され殺された事を。

総理は困惑の表情を浮かべながらも「事実である」と受け止めようとする思いがなぜか俺に伝わってきた。


『これが、龍の「直感」じゃ。あの男が嘘を言っていない事も感じたじゃろ?それに妾が魔導で「虚偽」の判定もしておる。嘘はいっていないの。』


リューが念話で語ってきた。


「俄には信じられん。だが、我々は自国民を苦しめていたのか・・・」


防衛大臣もぼそりと言っていた。『無罪じゃ』


「総理!大臣!惑わされてはなりません。こいつはうそを言っているのです!」


副大臣はそう言って口をはさんできた『ほう、こいつが黒幕じゃ。ぎるてぃじゃ!』


「それで、でぃ・・・じゃなく勝良君。君はこれからどうしたいんだ?」


総理は俺に質問してきた。


「総理はこのままお帰りください。そしてこれから起こる事も「見なかった」「聞かなかった」「知らなかった」で良いかと思います。」


「しかしだな!犯罪行為を見逃すことなd・・」「俺はもはや人間ではありません」


俺はそう言って言葉を遮る。


「私はもはや龍なのです。物語の世界で知る「残忍」で「戦いを好み」「慈悲もなく」「足元には屍がいくつもある」ドラゴンなんです。これが終われば姿を消します。俺に火の粉が降りかからない限りは。」


そう言うと俺はSPと思われる人たちに退室を促した。

総理は何か言いたそうに口をパクパクさせたが、俺は首を左右に振るとそのままガックリと項垂れて席を立った。


「交換条件として、今まで採取した試料は全て潰す予定でしたが目を瞑りましょう。後日、血液の一部も提供しましょう。」


すれ違う時に俺は総理にぼそりと呟いた。それを聞いた総理は一度振り向いたが、踵を返し退室していった。

こうして俺は堂々と復讐のステージに立ったのである。


「おい。おヌシとおヌシと、そこのおヌシとおヌシじゃな。ここから去ね。そして忘れよ。」


そう言うと指示された隊員は足早に去っていった。


「まずはお主からじゃな」と吉良を睨むリューに「ヒイッ」と粗相をしながら腰を抜かしてへたり込んでいた。

「どけい!」と副大臣「結城」を「ドン」と押しのけて吉良の髪を掴み俺の足元に放り投げてきた。


「ヌシらは後からじゃ!」


リューはそう言って結城と幹部たちの前で「ズン」と音が立ったように腕を組んで仁王立ちになりながら逃走しないように立っていた。


「ゆるして!お願い!何でもするから!私だって好きでやったんじゃないのよ?そう!命令されてやっただけなの!ほら!そこの奴等よふざけんじゃないわよ!」


俺に向かって慈悲を乞いながら幹部を罵っていて終いには俺の足に縋り付いてスリスリしてきた。


「・・・・・・」


俺は無言のままで、蹴り飛ばすと「ギャッ」と数メートル先の壁まですっ飛んでいった。

そのまま歩いて近づき「あ、あ、ああああああ」と後退りするが片足が変な方向を向いていて、上手く後退りが出来ないようだ。


俺はお構いなしに馬乗りになりボコボコに殴り続けた結果、鼻血や切れた瞼等で血だらけになり歯が折れたりしてぴくぴくと痙攣を起こしていた。


「ゆるして・・・・って、あれ?」


俺は「治癒」の魔法をかけて、元に綺麗な顔に戻った吉良が不思議そうにしていたが「まだだ」と俺が言うと絶望した表情に変わっていった。

・・・・・何度目だろう、腕を折り、爪をはがし、本当の「目つぶし」で眼球を破壊して、うるさいからと喉を引きちぎって、内臓を破裂させて、思うがままに全力で何度も投げ飛ばして、あらゆる暴力を繰り返しそして「再生」と「治癒」をかける。


腕を切り落とし、足を切り落とし、腹を切り内臓をぶちまけさせて「再生」の魔導をかける


何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も!


「俺はな、体が変化して、どうしよもなくって、誰か助けてくれ!て思った時にあんたが微笑んで手を差しの出てくれた時は「ああ、神様っていたんだな」って思ったよ。それがあったから色んな薬だって言われて投与されて苦しくても、鱗を何度も毟られても痛くても苦しくても何度も何度も何度も何度も!」


腹部に思いっきり蹴りを入れて壁に激突させて床に転がる吉良は地を吐いていた。


「あああ・・・・・あ、あ、ゆる・・・・し・・・て・・・」


「俺は我慢できたんだ。」


襟をつかんで反対側に全力で投げてまた壁に激突させて床へうつぶせに倒れた吉良に近づいて「回復」の魔法をかける。


「ごめんなさああああい。ホントにごめんなさあああああああああい!もうゆるしてええええええええ!ごぶう!」


怪我がすべて治り回復した吉良は泣き叫んで懇願してきたが、手刀で腹から背中まで突き破った。

手刀を抜き「どさり」と後ろへ仰向けに倒れて口から血を吐いていて、ぴくりぴくりと小さな痙攣をしていた。


俺は「再生」の魔導をかけて再び何事もなかったかのように傷一つない体になった吉良がうつろな目をしながら「むくり」と上半身を起こして「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」と何度もブツブツと天井に顔を向けて呟いていた。


実に30分以上は手を休める事もなく百に届くかという回数の「瀕死」を体験させた。


「命だけは取らないでおいてやる。だが、これで終わると思うなよ。」


そうして俺は吉良の額に手を当てて「瀕死の体験を何一つ忘れる事もなく」頭の中に刷り込んだ。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」


ジタバタともがいて粗相をしながら鼻水や涎を垂らし、涙を流しながら刷り込みが終了と共に「あ、あ・・・」と白目を剥いて仰向けに倒れ気絶した。

死ぬまで永遠に苦しむがいい!


「もう気は済んだかの?」


「ああ、気が済んだよ。でもな「国民を守る」人間が「国民を殺す」事には気が済んでいない。吉良も命令さえなければそうはならなかったんじゃないかなって思うよ。だからな?」


そう言って幕僚幹部と副大臣に向き直り三日月のような笑みを浮かべ


「命は取られないなどとは思わない方がいいぞ。」


と俺は近づいていくのだった。



最後までお読みいただきありがとうございました。


ブックマーク、評価をいただき誠に有難うございます。とてもうれしく感謝の念に堪えません。

皆様の期待に沿えるように頑張っていきたいと思っております。


また次回も楽しみにしていただければ幸いです。

次回「勇者の正体と過去の勇者」お楽しみにしてください。

  7時投稿です宜しくお願いします。


※間違いなく確認しましたのでご安心ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ