準備完了!さあ、狩りの時間だ。
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次回はいよいよ「あの女性」に罰が下ります。
長めのグロですのでご注意ください。
拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。
「う~まだ頭が痛い。」
目的も決まり鍛錬の再開から5日が経過した。
あれからリューは俄然やる気を出して術式の教育を始めたが俺もある程度は覚悟していた。
「ではいくぞ?」との掛け声を合図に頭の中に流れ込んでくる訳の分からない知識が、これでもかこれでもかとどんどん流れてきた。
「ちょっとストップ!」と言いたいが、声を出せないのでせめて早く終わってほしいと願いながら流れ込んでくる膨大な知識に目を回していた。
その後に襲ってきたのは激しい頭痛。文字通り頭が割れるのではないかと思った。
黙っていても頭の中で何かが喋りだしてくる幻聴や文字の羅列がスキップしながら俺を中心にポップス調で「かもめかもめ」を始めだす幻覚。極めつけが全身が鋭敏な痛覚となって体を動かすだけ、服が擦れるだけで全身に激痛が走り脳に電撃が走る。
当然ご飯を食べても嘔吐してしまうし、眠る事も出来ない。
24時間責め苦に悶える俺を尻目に呑気に御飯とお茶を飲みテレビやWeb小説やWeb漫画を読み漁るリューを恨めしげに見て「助けてくれ」と懇願するが「こればっかりはどうにもできんの」と再びお茶を飲む状態。
そして今、徐々に痛み等が引いていって何とか落ち着きを取り戻してきた。
5日間も風呂にも入れずにいた俺は「臭い」とリューに言われシャワーを浴びるために浴室へ移動した。
「おおおおおおおおおお?」
当然鏡に映るのは間違いなく俺だが、頭髪の全体が白く、いや青みを帯びた銀髪に側頭部には、黒髪よりもさらに黒く漆黒という言葉が適切そうな黒髪がメッシュとなっていた。
ただ前頭葉の辺りの髪に一房だけピョコンと赤いアホ毛がある。
同じく側頭部から金で出来た箸のようなモノが長いものは30㎝くらいで下に行くにつれて短くなり10㎝程で右に4本、左に4本づつ生えていた。
触ると僅かに「触れられている」感覚もあり神経が通っているようだ。
ただコレのおかげで頭が洗いづらいが、しょうがないのでそのままシャンプーで頭を洗う。
コレは石鹸がいいのだろうか?などとバカな考えも浮かんだが、さっぱりしながら浴室から出る。
さっぱりしたせいか、先程よりも頭痛が少し収まった気がする。
「ふむふむ。龍言語を覚えたせいか?古龍だが妾と同じ「司」の匂いがする?ん~作り物の身体だからようわからんの。」
何かを見通そうという目をしながらリューはつぶやいていた。
「まあともかくじゃ。ようこそ!龍の血脈へ。」
俺は「あ、はい」と間の抜けた返事をしながら、差し出された手を握った。
「よし、まずは羽とかを何とかせねばの。いいか?今から妾の術をみて模倣してみよ。」
そう言うとリューの身体に纏わり付いていく「行使紋」を読み取って・・・ん?理解できてる?んん??
「そうじゃ、理解ったかの?これが龍の血脈じゃ。覚えるのではない理解るのじゃ。」
そう言うと「やってみよ」と俺に術の展開を促す。「わかった」と俺は言って空中に手をサッとガラスを拭くような仕草で行使紋を作成していく。そして体に纏わせて「身体組成」を実行する。
俺の変身前の45歳の俺を。
展開、実行が終わり俺は浴室の鏡へと行き自分を見ながらツッコんでしまった。
「羽とか消えたけど、ガキのまんまじゃん!」
「あたりまえじゃ!ミノルは古龍となったんじゃぞ?龍の45歳と言えばその位の背格好じゃ!妾もその頃は人族の10~13歳くらいじゃったぞ?まあ、ミノルはちと小さいか?」
リューの言葉に「なんだよう」とガックリとうなだれながら浴室から戻ってきた。
「安心せい。ミノルの記憶だと妾くらいからが当たり前じゃろうが、異世界ではな?ミノルくらいからでも、その、こ・・・子作りはな・・・しておるのじゃ・・・ぞ?」
顔を赤らめながら恥ずかしそうにモジモジしながら言ってきた。
俺の考えていることをジャストミートで察してくれて俺自身も恥ずかしくなってしまい「あ、ああ。安心した」としどろもどろになりながら返答をした。
そして2週間目
午前は引き続いての制御と多重展開の鍛錬。これは毎日続けなければならないらしくリュー曰く最終的には睡眠時間や何もしていない時などに無意識に鍛錬するようになると言っていた。
そして午後からはリューの額と俺の額を合わせて魔導の展開と式のレクチャーをする。
これは龍族が互いの術式や理論の情報交換によく使う方法で魔導の研鑽がされてきていたそうだ。
翌日にレクチャーを受けた術式の展開、実行で確認、効率化の鍛錬をした。
3~4週間目
先週まではピンポイント、小規模の魔導鍛錬だったが、範囲形の魔導の鍛錬が始まる。
泊りがけで人気のない山奥に籠りレクチャーと実践の繰り返しでもちろん食事もクマやシカ、猪を狩りそれを食べる。血抜きと解体をグロかったが,ゲロはしなかった。
肉は煮るか焼くのみで調味料は持ってきたのでセーフ。
ただ食事風景がワイルドで丸焼きの時はリューは大きなイノシシのモモ肉をヒョイと片手にかぶりつく姿は「ああ、ドラゴンだ」と思ったものだ。
俺?体も口も小さくて包丁で削りながらモソモソ食べるしか出来ませんでした。
・・・・・早く大人になりたい。
余談だが、異世界にも存在はするという。まあ何度も召喚されていれば食文化も流れるというもの。勇者には外国人も含まれているらしく色々な調味料があると言っていた。
前回の勇者はグレート・ブリテンからの勇者だったとか、フィッシュ&チップスって調味料だっけ?
こうして修行を終えて麓の温泉宿で2泊して疲れを取って自宅に戻る。
入り口を開ける前にリューから教わっていた結界を解いて中に入る。
結界を解かないで部屋に入ると上空5000mに転送され、そのまま地上へ熱烈なキッスと共にあの世に行くという、結構えげつないトラップを仕掛けた。
魔力源と起動スイッチは引っかかった本人の生命力で転送魔法は魔力でどうにかなるものではないという。
物語のように簡単にホイホイと転送は出来ないそうだ。
部屋に入ると卵が淡い光を放っていて「どゆこと?」とリューを見るとサラサラと左手が砂が崩れるようになくなっていた。
「身体の再構成が意外に早かったの。嬉しい誤算じゃ。
ミノルが鍛錬中の精製された魔素を吸収していたのかもしれんの?
この身体はの、通常3日で崩壊するのじゃが再構築が完了を鍵とする期間限定の枷をつける事によって崩壊を延ばす事が出来るのじゃ。
妾はこのままでいけば多分10日で復活する。」
そう言いながら俺の頭をポンポンと右手で軽くたたく。
それを「子ども扱いして!」と、思わなくなってきていた。
元々は逃亡生活で会話する人もなく引きこもり状態でネットが唯一の外界との接点であったし、リューと出会ってからは互いの容姿の差と「45だと子供だ」と言われたのがきっかけだったと思う。
容姿年齢に精神が引き摺られきているのだ。
俺も「それはそれで面白そうだな」と思っているし。
「それじゃあ、十日後に本物のリューに逢える事を楽しみにしてるよ。」
俺はそう言ってニッコリと笑いリューを見上げる。
「無理はするなよ?」と言いながらリューは卵に右手を触れると、卵の光度が上がり右手を伝わって何かが吸い込まれていった。
数秒後、リューであった人形はバサッと音と共に崩れて霧散してしまった。
静かになった部屋で俺は卵をなでなでとしながら「さて」と呟いてタブレットでネットを開いて検索を始めた。
「リューの再誕パーティーは盛大にしないとな。」
そう呟きながら夜が更けて行ったのだった。
翌日からリューに言われた通り大人しく家に籠って鍛錬をしていた。
夜になると人気のないところで魔法を試したり、試作をしたりもしていた。
こうして10日が過ぎて予定通りに卵に変化が見られたまだ明るくもなっていない早朝に光ったり消えたりの点滅を繰り返し始めた。
3時間程すると天辺からさらさらと崩れ始めて初めにリューの顔が見えてきた。
リューは目を閉じたまま目を覚まさないが、卵は最後の下まで崩れ霧散した。
衣服は一切着ておらず、体育座りのような膝を抱えて眠ったままでいたが、俺は浮遊魔法を使ってベットに寝かせ布団をかぶせてそのままにしておいた。
朝になり、シャワーを浴びて温めた牛乳を飲みながらテレビを見ている時に後ろから「ん。」と声が聞こえてきた。
その声に反応してベットの方を見ると身動ぎを始めたリューが、目をゆっくりと開けながら体を起こしてきた。
「おはよう。10日ぶりだねリュー。」
「んにゅ、おひゃようなのじゃ。」
そう言ってコシコシと目をこすりながら俺の方に顔を向けてきた。
「ん~!よく寝た」と言って、完全に体を起こしいつもの癖になったのか、浴室に向かいシャワーを浴びていた。
俺は、嬉しくて抱き付きたかったが、リューが裸と言う事もあって我慢した。
朝食は目玉焼き3つにウィンナー1袋、丼御飯にみそ汁を用意してリューが浴室からあがるのを待った。
リューが浴室から出てくると俺は息を呑んだ。
とにかくすごいのだ。
何がというと顔やプロポーションは変わらないが、ホムンクルスだった時は体や顔の輪郭がピントが合わない東名感じを受けていたが、本物のリューはピントが合った感じでそこにしっかりと存在しているという印象を受けた。
そして以前は「美人でやさしいお姉さん」から「面倒見のいい麗人のお姉様」という感じを受ける。
最後になんだこれ・・・魔力がものすごい。地球上の全ての魔力を内に秘めたくらいの凝縮した魔力を感じる。
一体その力を全力全開で振るわれると世界はどうなっちゃうんだろうと思ってしまう。
「ん?どうした顔を青くして?ああ、そうか本物を見たことが無いからかえ?びっくりしたかの?」
見慣れたカラカラと笑う笑顔を見せて食卓に着く。
俺は「あ、ああ」としか言えず、背中に流れる冷や汗と少し震える手をぎゅっと握るのだった。
「不安になるでない。ミノルもいずれはここまでの存在になるんじゃぞ?」
と、ウィンクをしながら朝食を食べて行く「おお!味がぼやけていない」と喜びながら食べているリューを見ながら「一生頭が上がらない」と俺の直感は告げるのだった。
朝食も終えてテレビを見ながらコーヒーを飲んで、まったりしながらリューは聞いてきた「いつ実行するのか?」と。
「ちょうど1週間後、大臣や副大臣、重鎮たちが集まっての会議が開催される。」
この1週間の間に、この住処を引き払ってしばらくはホテル暮らしになると告げた。
先日までの鍛錬でお馬さんたちに頑張ってもらい手元には2千万ほどの資金もあることから計画していた。
「と言う事は正面から堂々と行くんじゃな?」
俺はコクリと頷いた。
「身体もなじませなんとな。ミノルちょっと付き合え。お祭りの準備じゃ!」
俺は「もちろん」と応えて、準備を進めていくのだった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ブックマーク、評価をいただき誠に有難うございます。とてもうれしく感謝の念に堪えません。
皆様の期待に沿えるように頑張っていきたいと思っております。
また次回も楽しみにしていただければ幸いです。
次回は 17時投稿です宜しくお願いします。