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一人ぼっちの戦争③

お待たせしました!

 古龍の支配する領域で形成される騎士団とは、最強であらねばならない。

 

 フィーグル世界で発生する大災厄とは神族を除けば"暴虐龍(瘴気墜ち)"となった古龍そのものである。

 敵味方区別無く、生きとし生けるものに等しく死を与える存在。

 己の持つ限界以上の力を発し、破壊と殺戮を繰り返した後に限界を迎えた肉体と共に消滅。

 後に残るのは(おびただ)しい屍と、暴走因子を含んだ魔素が渦巻く焼き尽くされた大地のみであった。


 過去に四例。

 神魔大戦時に三例と大戦後の太平な世でが一例であった。

 その一例で活躍したのが古龍に仕えていた騎士団であった。

 

 以来、古龍に仕える騎士団は"古龍以上の戦力を持たなければいけない"と暗黙の了解として潤沢な予算と、様々な既得権益を持つ事になる。

 

 しかし、ミノル・カツラという古龍が"狂化"となってドナクレア島に災いを(もたら)す事になった。

 身体に内包した瘴気を昇華させるべく説得や《魔導:浄化》を試みたが、健闘空しく"狂化"は完成してしまった。

 妖魔種やモンスター種が森へと棲み付く習性と同様に《龍語魔法:天地創造》を展開して、その深部へと篭る事となった。


 「よって第三氏族ドナクレア家騎士団より、我々古龍十三氏族への予備戦力派兵の依頼が親書として届いております」


 天上界への盟約の改定と人族の暴走の責任を神族と交渉中であった氏族会議に持ち込まれたのは、ミノルが天地創造を展開した翌日であった。

 しかしその中で、いの一番に異を唱える第一氏族ヘラズグア家当主マスケイルが口を開く。


 「私は彼の御仁との面識があります。初めて会った時には凄まじい狂気と憎悪を孕んでいて内心冷や汗を掻いたものでした」

 

 「では尚更のこと派兵を!」


 「瘴気落ちしてからでは遅い!」


 他家当主やその代行は話の途中で次々と討伐を推奨していくが、右手を挙げてその言葉を打ち切らせる。


 「しかしそれとは逆の確固たる意思と強き精神を持ち併せていて、間違った時には耳を傾け、それを己が力とする度量もある新しき同士(仲間)です」


 その言葉に「ならば何故」という声が聞こえてくる。


 「確かにドナクレア島方面よりそれに近い波動が観測されたのは、皆さん御存知ですよね?」


 ミノルの波動(殺気)は数万km離れた(この)場所でも観測され、騒ぎとなっていた。

 マスケイルの言葉に続きがあるとして、皆が耳を傾ける。


 「私はこの内容に違和感を感じます。なぜなら我々が観測した狂化と思われる日から昇華を実施し、断念した()()()()()()()()からです」


 一瞬会議場が騒然となったが、その場にいた中にあっと気付く者が散見された。


 「この中にはそれを知る人が何人か存在しますが、各氏族家が持つ文献を調べれば過去事例と記されているはずです。今は亡き初代氏族にして我らが始祖アテス・カルバリズの記録がある事を!」


 神魔大戦中、滅亡した古龍の始祖家はあまりにも有名で、記載された書物は幾つもあり、その中に三度の狂化を克服したが四度目は昇華出来ずに暴虐龍となった始祖の記録がある。


 マスケイルは席に座ると後ろに控えている秘書官を呼び耳打ちをする。


 「おそらく派兵は免れない。しかし何か匂うのだ。至急トーグレの御老体との席を設けてくれ」


 秘書官は肯定の頷きをして席を離れるのであった。

 議会を出てゆく姿を確認すると一つ息を吐き、思案する。


 緊急報告でドナクレア家からの親書であるとはいえ、直接議会に持ち込まれる事は稀である。

 通常は氏族である事の証明と親書内容の精査から始まる。

 次に議会へ持ち込む事への可否が審査される。

 議題に組み込まれた場合、事前に優先順位を取り決めるはず。


 横紙破りといっても過言ではないこの事態は、狂化した古龍討伐の程度ではありえない事である。


 ――さてさて、何かウラがありそうですね。これはひょっとすると…――


 "脳筋高飛車氏族の異端児"マスケイルの笑みが浮かぶ中、ドナクレア島への調査派兵が議会で可決されるのであった。


 ◆◇◆◇


 古龍よりも強く最強であり無敵であると自負していたドナクレア騎士団は、数日前にミノル(古龍)によって惨敗を喫する事となっていた。

 一般人の参加する衆目の中での敗北でなかった事が幸いであったが、恥を掻かされたと騎士達は思っていた。


 それから四日後の事、討伐の勅命が下った時には彼の古龍に対して恥辱を注ぐ事が出来ると心の中で小躍りしていたのであった。


 そして今、ミノルの展開する天地創造へと完全装備の騎士団が挑もうとしていた。


 「これより狂化の古龍。ミノル・カツラの討伐に入る!」


 「「「「「「応!」」」」」」


 掛け声と共に騎士団は龍形態へと変化する。

 騎士団は属性種以上の龍で形成されており、過酷な訓練を経た精鋭揃いの軍団である。

 騎士団が盛況である理由の一つが龍形態になっても纏ったままになっているその鎧である。


 巨大な龍はその身に強固な鱗を備えているが、その上に魔鋼製に魔導上級の付与が施された鎧を纏う事によって古龍には至りはしないが、属性龍種まで至る事ができるのであった。

 《魔導付与:物理防御強化》《魔導付与:魔防御強化》は基本の付与だが、後は各々の個性に従った《魔導付与:物理攻撃強化》や《魔導付与:魔攻撃強化》、各種属性強化等のカスタマイズされた鎧であった。


 龍形態は体格よりも手が小さい為に武器を持つ事は出来ないが、付け爪であったり牙やユニコーンのような角を武器として装備していた。


 屈強な身体に強力な武具、組織化された騎士団が次々とミノルの創った世界へと入って行くと、羽を広げてその奥へと飛び立って行く。


 「俺はミノル殿が勝つのに一〇〇〇金貨!」


 「「「「「「俺も!!」」」」」」


 「おいおい…賭けが成り立たねえじゃねえか」


 先程まで散々こき使われ泥だらけの上、夕べは楽しみに取っておいた物資の酒樽を根こそぎ奪われて英気を養う宴席(どんちゃん騒ぎ)を催された戦士団は怒り心頭であった。


 「おいおい騎士団長様がおられる前でヤバイだろ!」


 「もっとけほっとけ!どうせ椅子に座ってふんぞり返る事しか出来ない腰抜けだ!」


 「貴様ら!」


 「まあ待て、下賎な輩共の相手をするな。騎士の品位が下がる」


 戦士団の挑発に騎士数名が剣に手を掛けて威嚇すると、駆け足でその場を去り見えない所で舌を出していた。

 騎士の後ろで椅子に座ってふんぞり返るケーニッヒは冷静を保ってはいたが、その額には血管が浮き出ているのであった。


 「でもよう、ミノル殿はホントに"狂化"しちまったのか?」


 戦士団の一人が足を止めて俯きながら、ぽつりと呟く。


 「さあなあ?俺あの時黒い龍を見たんだけどよ?"狂化"みたいな獣じみていなくてな?後から考えてみるとなんていうか…雷を落とす前のオヤジ(父親)って感じを受けたんだ」


 「姫さんの礼を言わせて貰いてえな?」


 「俺もだ…」


 戦死団達は立ち尽くしたままミノルの創った世界の入り口を見ているのであった。



 ◇◆◇◆



 ミノルの世界を飛ぶ事一時間、浮島の中に一際大きな樹木が(そび)える島に古龍形態のミノルがその身を丸くして寝ていた。


 「隊長!いました!」


 「よおおおし!攻撃用意!」


 第四騎士団長の号令と共に初見殺しとばかりに各々が最大とする魔導や龍語魔法を展開する。


 ミノルはのそりと首を擡げると騎士団を紅金の目で睨みつけ鼻息を一息噴き、尻尾を地に叩きつける。

 その尻尾は先日とは違い2本の尾になっていてそれぞれが別の動きをしていた。


 「ってー!」


 数百の魔法は一気に襲い掛かり爆発を繰り返す。

 浮島は次第に崩れて行き、巨大な樹木は即座に炭化、蒸発してしまう。

 様々な属性が混ざり合った爆心地は対消滅せず、連鎖反応を起こして数千度の熱を発しながら空間を捻じ曲げ、蹂躙し焼き尽そうとしていた。

 

 「はっはー!どうだ我ら騎士団の実力は!」


 一人の騎士の言葉を皮切りに次々と歓声が起こる。


 「爆発が終わるぞ!構えよ!」


 10分もの爆発を繰り返していたが、それが止むと白煙が周囲を漂う。


 「爆心点の狂化古龍を確認します!《魔導:風嵐》放て!」


 鋼鉄をも簡単に引き裂く魔導で漂う煙を除去した騎士団は、その中心に留まっているモノを見ると大きく目を開くのであった。


 その場で羽ばたく黒き龍は手足と尾をだらりと下げているが、その鋭い目は騎士団を捉えている。

 項から二本の尾にかけた数百の金の棘は鼓動するかのように明滅し、前羽は以前より大きくなっていて、一番大きい騎士龍の三倍はあって、後ろ羽はその半分にも満たないが交互に羽ばたいている。


 「あれ(先日)から姿が変わっている?まさか"暴虐龍"になったのか!?」


 第三騎士団長は()()()のミノルを見ていた為に驚きを隠せずにいた。

 

 「オワリカ(終わりか)?」

 

 ミノルは一言言うと目の前に黒い球体が発生し、それがビームとなって騎士を襲う。

 咄嗟に《魔導:魔法防御結界》を展開するが、抵抗も無く騎士の身体を貫通した。

 更に貫通したビームは後ろの騎士に当たると対象を黒い幕で覆うのであった。


 ビームの通過した騎士はその場で身体をくまなく見るが傷一つ無く、安堵のため息を吐いたその瞬間、右上半身が爆発――破裂し、落下して行く。


 「《龍語魔導:闇の監獄(グラビティプリズン)》」

 

 「ヒッ!あぎゃあああああぁぁぁ…」


 左手を前に出し、握る仕草をした途端、黒い幕に覆われた騎士は。縮む球体の中で悲鳴をあげながらそのまま丸い肉塊となって落下していくのであった。


 「モウイチドイクゾ(もう一度行くぞ)?」


 「鶴翼陣形!撃てー!」


 メガホンの形をした陣形を取ると、中心から龍族必殺のドラゴンブレスが放たれる。

 四〇体の構成でに放たれた純粋な光属性のみのブレスは途中にいる騎士達によって《補助魔導:攻撃力増幅》で攻撃力があがる。

 次の集団で《補助魔導:収束圧縮》で一点集中特化させる事でさらに攻撃力増大。

 最後の集団で《補助魔導:螺旋収束》で貫通力を持たせて攻撃力を更に増大させる。


 「《対古龍魔導:倒龍光槍(ドラゴンクラッシャー)》」


 ミノルは《龍語魔導:多層結界》を縦に一〇〇層に及び多重展開するが結界は、いとも簡単に次々と破壊され最後の結界も破壊される。


 「《龍語魔導:闇:暴食の黒(ブラックグラトニー)》」


 騎士団は勝利を確信したが、ミノルの目の前には頭部だけの漆黒の龍が大きな口を開き、倒龍光槍(ドラゴンクラッシャー)を呑み込んでいた。


 「ばかな…古龍討伐用の魔導式だぞ……」


 漆黒の龍は呑み込み終わると、その姿を霧散させる。

 そして霧散させたその先には、無傷の黒き龍がいた。


 「オレノバンダ(俺の番だ)《龍語魔導:千の羽根(サウザンフェザー)》」


 ミノルの正面に巨大な魔方陣が出現すると数百に及ぶ羽根を模した魔導弾が波紋のような形をして何重にも射出される。

 そこには逃げる隙間もない弾幕が騎士団に襲い掛かるのであった。


 「ホウ(ほう)タエキッタカ(耐え切ったか)


 とは言うものの、四二体の騎士龍達が攻撃に耐え切れずに命を散らしていた。


 「さっ散開ー!!あの攻撃はまずい!三体一組で攻撃を躱しつつ、あの龍を殺せー!!!」


 強力な魔法展開に身を縮めて動きが止まっていた騎士団長が、ミノルの言葉で我に返ると号令をかける。

 攻撃役と防御役が二対一か一対ニもしくは防御役、攻撃役、補助役となる攻防一体のチームを組んだ騎士団は黒き龍を斃すべく上下左右から自在に攻撃を繰り出す。


 ミノルは漆黒の波動を纏う。

 ソレは炎のように揺らめいて彼を覆っており、騎士団の攻撃は全て霧散してしまう。


 「オレモコレデサイゴダ(俺もこれで最後だ)《龍語魔導:闇:死を運(ルナティック)ぶ蝶(バタフライ)》」


 背後の巨大な魔法人が現れると七色に光る蝶が百、千、万匹と空間の全てで優雅に飛び交っていく。


 「何だ?…蝶?―――どわあ!!」


 騎士達はその幻想的な光景に魅入られそうになったが、一匹の蝶が騎士の腕に触れた途端に爆発する。


 「くそ!ひらひらと障壁を躱して――ぐわあ!」

 

 「駄目だ防御結界も―――ぎゃああ!」


 蝶は障壁の隙間を縫って騎士へと向かい、全方向へと展開する結界を張れば、群がってきて爆散する。


 「くそ!くそ!くそ!――え?」


 蝶を器用に躱していた騎士に待っていたのは、巨大な魔力弾の列が更なる弾幕として発射されており、死を迎えたのであった。

 

 「騎士団が…私の騎士団が…おのれえ!」


 次々と騎士が撃墜されて行くのを見ていた第三騎士団長は特攻を決意し、兜に取り付けられた角に全魔力を注いでいく。

 蝶を貫き、巨大な魔力弾をも貫き、ミノルの姿を捉えて更なる加速をする。

 

 「ケーニッヒ殿おおおお!後は任せ―――」


 ソレはあまりに理不尽であった。

 

 後もう少しで届くはずであった。


 騎士団としての責務を果たせると思っていた。


 ミノルから発射された全方向に対しての無数のビームによって貫かれたのであった。


 「知らせなければ…ケーニッヒ殿に報告を…知らせなければ……」


 第四騎士師団長は顔が青く、震えていた。


 「こんなはずは…こんな事があってはならない…知らせなければ……そうだ!知らせなければならないんだ!」

 

 次々と墜ちてゆく騎士達を見ながら震えており、情報を知らせるべく元来た入り口へと転進(逃亡)を図る。

 ミノルへと背を向け移動しようとしたが、その先には蟻の子一匹通れない位の蝶が密集していた。

 

 別ルートを右を向いたが同様に蝶が密集している。

 

 良く見ると上下右左どの方向へ向いても蝶が密集していた。


 ならばとミノルがいる方へと向き直したが、蝶が密集し始めていた。


 蝶で見えなくなりつつあるその先では高らかに笑う声が耳に届いていた。


 「オワリダ(終わりだ)


 笑いが止まり、その一言で騎士団長へと、蝶が一斉に飛びかかってゆく。


 「やめっ―――」


 そこで第三騎士団長の意識が永遠に閉ざされたのであった。



 ◆◇◆◇



 騎士団突撃から六時間が経過していた。

 先刻の戦士弾の挑発(おあそび)も相まって第二騎士団団長ケーニッヒは痺れを切らす。

 

 「伝令は来ないのか!」


 「まだです」


 「あれから6時間だぞ!」


 「そう申されましても…」


 騎士団長の護衛を任されただけの護衛騎士は返答に困ってしまう。


 「おいお前!」


 「はい」


 「中に入って様子を見て来い!」


 「え??」


 「中の様子を確認して、先行した騎士団の様子を見て来いと言っている!」


 「ええ~……」


 どの時代、世界は違えども上司の理不尽は健在である。


 罰が当たればいいと心の中で毒を吐く騎士は渋々歩き出す。

 仕方がないと思いつつ足を踏み入れようとした時、内部より七色に明滅する球体が外に出て来たのであった。

 球体は周囲をふらふらと彷徨った後、再び入り口付近で停止した。

 

 「そこに座る騎士よ。お前が此処の責任者か?」


 喋りだす球体に驚きつつも、咳払いを一つして球体を見つめながら話す。


 「いかにも、私が討伐軍指令代行のドナクレア第二騎士団団長ケーニッヒだ!」


 「代行?」


 「討伐軍指令は第一騎士団団長だ。それより貴様!名を名乗れ!」


 「そうだな…お前達を叩きのめした本人だ。…といえば判るだろう?」


 「貴様!"狂化"のミノル・カツラか!!!」


 ケーニッヒと護衛騎士は剣に手を添えた。


 「俺はミノルの思念体だ。破壊しても意味はない」


 「では何の用だ!」


 淡々と話す球体に先日の殺気などは感じられず、騎士達は剣から手を離す。


 「いやなに、回収を頼みに来たのだよ」


 「回収?」


 「そうだ。俺を殺しに来た()()()()()()()だ」


 そのキーワードに周囲に緊張が走る。


 「遺体?……全員?」


 「そうだ、全員の遺体だ。そうそう、遺体というより一部しかないのもあるから気を付けた方がいい」 


 抑揚のない言葉はケーニッヒの怒りを誘う。


 「きっきっきさま!騎士団全員を殺したのか!!!」


 「…ああ、殺した。残らず…牙を向けたから牙で以って返答した結果だ」


 球体は少しばかり上昇すると、その真下に魔方陣が展開される。

 騎士達は警戒するが、攻撃魔法の気配は感じられないが、警戒を解かないまま魔方陣を注視している。


 魔方陣の展開が終わった後には、鉄錆と肉を焼いた様な匂いが漂い始める。

 目の前に現れたその山は、ドラゴンらしき肉塊とドラゴンの死体が積み重なり、身に着けている装備から騎士龍達の遺体であると認識できた。


 「俺の世界にそんなゴミは不要。遺族がいるならその欠片だけでも還してやれ」


 「騎士がゴミだと!?貴様それでも心ある存在か!!!!」


 怒りの篭ったその言葉に球体が激しく明滅し、その質問に答える。


 「ははははは!心ある存在か!?おもしろい!その心を壊したお前達にプレゼントだ!」


 球体が紅く明滅する。

 

 「心あるなら三人だけでは寂しかろう?手と手を繋いで、みんな仲良く一緒にいれば?」


 その言葉を残し、消えた球体を探すが、どこにもいない。

 

 「あの…騎士様?」


 戦士団の一人がケーニッヒに声を掛ける。


 「何だ貴様?」


 「御三方の頭に蝶が…」


 「何だと?」


 護衛騎士達も互いに見るが、確かに頭頂部に蝶が羽根を休めていた。

 それは七色に光る蝶である事を確認した時であった。


 軽い破裂音の後、戦士団が見た光景は首から上が存在しない最期の騎士達の最期の姿であった。


 事態混乱の後、ドナクレア城に騎士団壊滅の報告が戦士団伝令より伝えられるのであった。





最後までお読みくださりありがとうございます!


※ミノルの魔法は私の好きな「東方シリーズ」でモデルはここに記載できないので、ツイに載せてますので想像の参考にしてくださいませ!


(一部既出)本編ドナクレア家における階級について…


上級武官及び上級文官、(官吏)=貴族(伯爵以上&分家筋)

(表舞台にはなかなか出ない中間管理職www)中級武官および中級文官(官吏)=貴族(伯爵以下)

武官及び文官(官吏)=陪臣家

下級武官及び下級文官(官吏)=民間たたき上げ!


上級以下は階級あれども仲良しで縦横の柵がなくてらくちんw

まあ一部上昇気質あれども自爆かぼっちですw


悲しいのは陪臣階級(中級は逃げが上手)


ゴラウシスどんは下級出身だけどホントの血筋は直系の分家筋なのです!

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