表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/106

訓練開始と目標補足

お忙しい中、通勤中、休日真っ最中の中、クリック&タップ誠にありがとうございます。


ブックマーク、評価をいただき誠に有難うございます。とてもうれしいです。

感謝、感謝。そして感謝です。

皆様の期待に沿えるように頑張っていきたいと決意を新たに投稿していきます。

拙い文章ではございますが、どうか楽しんでください。

「ほほほ!この「こんびにべんとう」は旨いいのう!」


「コンビニより旨いのはもっとあるから、今日はこれで我慢だな。」


「いやいや、これもなかなか美味じゃぞ?」


明日より訓練を開始だが、とりあえず「腹が減った」とリューが言ってきたので近くのコンビニへ向かい弁当を買った。やはりリューを連れていると姉と弟の様にみられるので、夜に買い物に来ても変な目で見られないのは助かった。


「作り物だという割にはお腹が減るのだな?」


「そりゃそうじゃ。この体は錬金術のホムンクルスを応用して作った体じゃ。人族と構造は変わらんの。」


なんとなくだが便利だなと思っていると、俺の考えを察したのか「魔法は万能ではないのじゃぞ?」と言ってきたので、ここまで奇跡に近い現象を見せられてきたので、にわかには信じられなかった。

リューはテレビを見ながら「すごい」と目を輝かせながら見ていたが、そんなに驚いてはなく、俺の中にいた時に記憶をある程度共有していたのが理由なのだろうと俺は思っていた。


「のうミノルよ。ちと聞きたい事があるんじゃが。」


「お?俺の事名前で呼んでくれましたね?わが伴侶よ。」


「う、うるさい!妾の事をからかうでない!」


リューは顔を赤くしながらフォークを持つ手で「ドン」とテーブルを叩く。

俺は「すまんすまん」と苦笑しながら謝ると、真剣な顔をしながら話を始めた。


「ミノルと「あの時」入れ替わる前と直後じゃが、彼奴等の持っていたものは「てっぽう」というものではないかの?」


俺は、箸を置いてリューの顔をまっすぐに見る。表情は何かに気付いたらしくじっと俺からの答えを待っていた。

テーブルの横においてあるタブレットを立ち上げて「マスケット銃」と入力し検索画面から画像をタップしながらリューに聞いた。


「リューさん?君の知る「鉄砲」とは俺のとの共有した記憶からのものなのかな?それとも?」


リューを見るとコクリと頷いた。

本来彼らが持っていたものは既に「鉄砲」とは呼ばない。「ハンドガン」「ライフル」「マシンガン」「リボルバー」「銃」など横文字が使われるのが一般的で「鉄砲」とは現代の構造より原始的な「火縄銃」の事を指している。

そして検索した画像が表示されたのでタブレットを渡すと「これじゃ!」とまるで敵を見るように凝視していた。


「勇者か?」と俺は尋ねるとコクリと頷いてこてと同じ構造をした「大砲」もあったと言ってきた。

通常であれば地球の「中世」のように降参、捕縛されたものは捕虜として扱う。

そして身代金として金品を払えば解放。払えなければ戦争奴隷として身代金を払い終えるまで労働などを課せられる。


こうする事により、占領した村や町などでは労働力として使う事が出来るし、自国に戻れば同じく兵役から解放され村や町に戻り納税者として暮らすことが出来る。


「奴らはそんなことお構いなしに鉄砲や大砲を使って女子供まで容赦なく殺し、町や村を破壊しまくったんじゃ!勇者が率先して持ち込んだ知識で作らせた殺戮兵器でな!」


リューは画面を見ながら肩を震わせて悔しそうに言っていた。

俺は小説と同じかよと、空想の世界でならまだしも現実として振るわれるとたまったもんじゃないとぬるくなったお茶を飲むのだった。

あの後リューは無言で食事を終えて、拒む俺に無理矢理ぎゅっと抱き付きながら震えていた、

煩悩どころではなく彼女が安心できるように俺もぎゅっとして眠りについたのだった。


翌日、リューは元気を取り戻し元気に挨拶をしてきたので、俺は敢えて問うことなく挨拶を返した。

訓練の前に腹ごしらえとリューは言ってきたので、牛丼屋で朝食を取ることにした。

リューは特盛をおいしそうに「こんな肉料理初めてじゃ!」とお代わりをして食べていて、俺は鮭納豆朝食を食べていた。


ふと、横のおっちゃんの読む新聞が目に付いたのでチラと見た時思わず吹き出しそうになった。


『都内で謎の飛行生物。鳥か?飛行機か?いや!わからん!!』


バッチリと俺が写っていたが、顔は何かの影になっていて写っていなかったので少しだけ安堵のため息をついた。

まあ、あれだけ俺を苦しめたんだ。少しくらい騒がせて引っ掻き回すのもまた一興と思った俺だった。


さて訓練開始である。

足がしびれないように座布団に2つ折りの座布団を重ねて足首部分を2つ折りの所に合わせて正座をして目を瞑り瞑想に入って開始。

体内の魔素を静かに波一つ立たない泉をイメージする。

そして幾重にも積み重なった地層へ魔素という雨が降って地下に染み込むほどに濾過された魔素が泉へピチョンピチョンと溜まっていく泉の周りに篝火がいくつも設置されている。


「ほほう、初めてのしては上出来じゃ。じゃがこれではどうじゃ?」


と「コンッ」と何かが頭に打ち込まれて痛みでイメージがすべて消えて目を開ける。「なに?」と頭をスリスリしながらリューを見ると、お玉を手に持ちニヤニヤしていた。


「これこれ。集中を乱すでないぞ?なんじゃその目は?ほれ、多少の刺激で集中を解いては鍛錬にならんの?」


「ちくしょう」と思いながら先程のイメージをまた実践する。しばらくするとまた「コンッ」と頭に打ち込まれる。

そしてまたやり直すと言う事を何度も続けながら上手くいかなくなってきて、イライラしてくると強めに頭を叩かれてリューの叱咤の声がとび、また続ける。


こうして何時間だろうか?時計を見ると20時間もの時間を費やしていた。

後ろを見るとリューはベットに横になりながら「まだまだじゃな。」とニコリとして言ってきたが何か具合が悪いのか動かない。

「どうした?」と俺が尋ねると


「この作り物の体は燃費が悪くてのう。食事をとらんと動けなくなるんじゃ。」


俺は、無理をしたリューにカッとなったが、落ち着いて「ちゃんと食事時になったらご飯は食べるよう」というが、


「妾の旦那様がこうして頑張ってるんじゃ。妻として当然のことをしているまでじゃの。」


そう言って力なく微笑むのだった。

俺は胸が熱くなり思わずぎゅっと抱きしめていた。「ぐ~」とリューのお腹が鳴る音で二人とも笑ってしまったが、急いで高カロリーのチョコやジュースなどを買って家に帰り、リューに食べてもらった。


2時間後リューが動けるようになり、ちょうど外も明るくなってきたので朝食を食べに二人で外に出たのだった。

朝食後、4時間ほどで今日の鍛錬はリューが倒れたこともあり休み。丁度昼食時なので以前行ったラーメン屋へ行くとリューは喜びながらラーメンチャーハン大盛り2杯をぺろりと平らげた。

昼食後買い出しをしながら計画を練り直して朝昼夕のご飯時にはちゃんと休憩として時間を取ることにした。


1週間目

リューが頭頂部をピンポイントで叩いてくる。

叩かれなくても痛くて「別の個所をお願い」と頼んだら「嫌じゃ」の一言で終わったがちゃんと別の所を叩いてくれて感謝。

しかし丈夫なはずのこの体。お玉ごときでなぜ痛いのだろうかと思ったら「衝撃貫通」の魔導を組み込んでやっているとの事だ。魔導はずるい。


2週間目

叩かれても集中は途切れることはなくなってきた。

そうすると2か所同時に攻撃が来た。ふと見てみるとお玉とハリセンをリューがニコニコとしながら構えていた。今度は衝撃をパンパン音が来て3日ほど集中できなかったが、後半頃には気にならなくなった。

俺の勝ちだ。ドヤ顔をしていたら目に涙を溜めて悔しいと言っていた。

ふふん。泣いても勝ちは譲らんぞ!


3週間目

今度は同時に4か所からの攻撃になった。

ふと見るとどこから持ってきたのか柄杓と蠅叩きが増えていて魔導で浮かせて攻撃しているようだ。

鼻を叩かれて鼻血が出たらしく「あ」と言って鼻にティッシュを詰めてくれた。

「鼻はやめておこう」と言っていたので感謝。

週の終わりに何とか集中できるようになりクリア。


4週間目

4か所攻撃から新たに「梅干し」攻撃が来た側頭部をグリグリと地味に痛く休憩時間に何で攻撃しているかと思ったら手だけのゴーレムを創造して攻撃していた。びっくりだ!

それでも何とか集中できるようになった頃、くすぐり攻撃に切り替わった。

俺もくすぐりにはめっぽう弱く週内でのクリアはできなかった。

来週持越しでドヤ顔しながら「勝った!」と言って大きいお胸を張っていた。

・・・・・今度揉んでやる。


「さて、1ヶ月でおおよそ集中が途切れる事がなくなったの。良きかな良きかな。」


「あのリューさん?戦闘でくすぐりってあるのかな?」


リューはプイっと横を向いて「ヒューヒュー」と口笛を吹いていたが口笛になっていなかった。

こうして第1段階の魔力制御と多重展開の集中鍛錬が終了した。

だがも一つ問題も発生していた。


「リュー様。生活費が底をつきそうです。お金がありません。」


「大丈夫じゃ。そこは抜かりなしでもう手は打ってあるの。」


そう言いながら母子のフリをしてやってきたのが競馬場。

「まさか」と俺が呟くと


「その通りじゃ!ここで馬に稼いでもらうぞ!いや~あちらの世界では馬は畑を耕すか、車を引くか、戦で使われるかだけだの。まさか賭博に使うとはすごい事を考えるもんじゃの?」


「あの・・・リューさん?どの馬が順番通りに来るか解るのでしょうか?」


「んなもん判るわけなかろうが。ミノルは判るのか?」


「いえ、とんと判りません。もしかして未来予知などの魔導があるのかな?」


「ない!」と再び大きなお胸を張り自慢気に言うので、俺は「ああ、俺が金出すんだけどなあ」と大いなる不安を抱えるのでした。


「まずは手本を見せるからの。ミノルは金だけ出せばよい。」


そう言ってずんずんと中に入って行き、俺は足取り重くついて行くのだった。

そうしてパドックへと歩いて行き馬をジーッと見ていた。

俺は「?」と思いながらリューを見ているとパドックを歩いていた馬がピタリと足を止めリューの事をジーとみていた。

数秒後、馬は手綱を引く厩舎の人に引っ張られてその場を立ち去っていったが「よし、あれじゃ!」と何かを決めたらしく、俺に左手を差し出してきた。


俺は、「ああ、買うのか」と思い財布を取り出すと、むんずと掴みそのまま財布を持って行ってしまった。


「あの!りゅ・・・・じゃなかった。お母さん!何をするのかな?」


リューはマークシートに何かを書き込み券売機へ行き財布から「にまんえん」を取出し券を購入してきた。

俺は金額を見て「2週間分の食費!」とムンク状態になり固まってしまった。

得意げに帰ってきた彼女に向かって「なに大金突っ込んでるんだよ」と恨めし気に言いながら財布を返してもらった。


「なに心配いらん必ず勝つのじゃ。」


と言って馬券を見せてきたので見ると「馬連15-10」を買っていた。

俺はモニターに映るオッズを見ると何と470倍と出ており「負けた」と覚悟を決めて財布の入った巾着の中に入っている小袋を見つめて


「ああ、何とか換金場所探さなきゃな」


と呟いていた。

小袋には毎年誕生日に買っていた金20gが10個入っておりホームレス寸前まで使わないと決めていた「隠し玉」を持っていた。

しかし身分証明が出来ない現在は、宝の持ち腐れであり「これはスジの入った人と交渉か?」と覚悟を決めていた。


そして各場一斉にスタートして「にまんえん」の行く末を案じていたがその時、どこかから魔力が高まる感覚を覚えて、発生源を確かめると俺の横でレースをじっと見るリューが発生減であった。

声を掛けようと思ったが、よく見ると目が薄く光っていて何をしているか分からず、ただ見ているだけしかできなかった。


「ワアアア!」という歓声に俺はハッと我に返った。

するとリューがにんまりと俺を見て笑って「どうじゃ?」と言ってきた「なにが?」と首を傾げると俺の顔を両手で挟み「ゴキッ」と電光掲示板へ向けた。


「確」の表示が出ており1着15番、2着10番が来ていた。リューは最前列に走っていき作越しに馬を見ていると、1着の馬が足を止めリューの事を見上げて「ヒヒヒヒーン!」と嘶きを挙げて去っていった。


「え?リューさん?何が起こったのかな?バカな俺に分かるように教えてくれる?」


と呆けながら言うと


「まずは換金じゃ!それから話してやるの。」


と言いながら換金し競馬場をあとにしながらリューは話し始めた。


「あれはな、この間使った「言語認識」の応用だの。馬の言葉というか意思の疎通を可能にした術じゃ。」


「あのリューと馬がパドックで見つめあったところが?」


「そうじゃ。あの馬は「これに負けたらお肉になっちゃう」と嘆いておっての?そこに妾が「妾に体を預けよ。さればヌシを勝たせてやろう」と意識を飛ばしたんじゃ」


「それで馬はOKをしてきて勝ったと?」


「その通り。妾は「身体強化」を付与してやったのじゃ。これは術者と受ける側の相互で了承が取れていなければならぬ事が術の掛かりが良いのじゃ。」


そして自身を強化を付与するのは簡単だが他人に掛けるのは術式が難しいと言う事を俺に見せた上で実践をする特訓を始めるという。

しかも生活費を稼ぐ方法として。


「なるほど。それを実践を基に言われれば納得できた。」


「じゃの。明日からがミノルにとって本当の地獄だの。」


「地獄?」と手をつないて歩くリューを見上げながら問うた。


「術式を覚えるのは数年がかりじゃ。だからの?直接頭に叩き込むだの。「理解する」ではなく「理解させる」だからの。」


「まじすか・・・・・ガンバリマス。」


そうしてリューは胸元から厚い封筒を取出して「ほれ」と俺のリュックの中に入れて中に入っている巾着袋から小袋を取り出して胸元に放り込んだ。


「ああ!それ俺の財産!」


「ケチケチするでない。これは妾の物じゃ。」


「なんでだよ!それは10年もかけてコツコツと頑張った俺の御褒美なのに!」


「ミノルには妾の全財産をくれてやったじゃろ?等価交換じゃ。」


おれは「ぐっ」と唸りをあげる事しかできなかった。

「ホホホホ」と笑いながらリューは握っている俺の手を引っ張り帰路についたのだった。


今日は奮発してステーキをリューに本日のMVPとして御馳走していた。

丁度肉屋の塊肉が安売りしていたからだ。

リューはガーリックたっぷりの塩コショウとステーキソース2種類を4人前をぺろりと食べた。


それに多分正解だろうニュースが一つあって食後のお茶を飲む彼女に話をする。


「リュー。勇者って21人だったよね。」


「ん?いきなりなんじゃ?確かに今回召喚された勇者は21人じゃ。」


「5年前って言ってたよね?」


「うむ」と頷いた。


「どうやら時間のズレがあるみたいだな。こっちでは4年前にある私立の学園でクラス全員が忽然と姿を消して「神隠し」に遭ったってニュースで騒がれた時があったんだ。」


そうしてタブレットに映る行方不明になった生徒の全員の顔写真をリューに見せた。

するとリューが「鉄砲」と同じ時の反応を見せていた。


「やっぱりか。リューも読んだことあるあのWeb小説で似たようなシチュエーションがある小説がいくつもあって、もしかしてと思って調べてみたんだ。そうすると見事にHITした訳だ。」


「コイツも!コイツも!全員知っているぞ!しかもこの男、ひい爺様と爺様騙し討ちにした男だ!」


そうして指を差しながらタブレットの写真を俺に見せた。

結城ゆうきけいいちか」と俺が呟くと


「そうじゃ!ケーイチ=ユーキと名乗っていたぞあの男!」


「ほう、これはこれは。リュー喜べ。なんとこの男の父親はあの建物の「副大臣」様でそこの組織の№2の人族だ。」


リューは「なんだと!」と驚きの表情をしたその後に三日月のような口をして笑う表情に変わった。


「ふふふふふふふふふふ。これは重畳まさか敵討ちの一端と絡んでいるとはのう。」


「息子のしでかした罪は親にも責任があるからな。」


「ミノルを殺そうとした件にもかかわっていそうじゃしの。」


「これはまた、鍛錬にもっと気を引き締めて行かないと。」


「そうじゃの。妾もこれまで以上に懇切丁寧におしえていかねばの。」


「楽しみだ」

「ああ、楽しみじゃ」


「「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」」


こうして俺は今まで以上に鍛錬に励むのであった。

リューの復活が待ち遠しいな。


最後までお読みいただきありがとうございます。


次回より一時停止中の「ざまあ」実行準備に入ります。

今後もよろしくお願いたします。


次回更新は翌日7時です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ