表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

300文字小説

ピアノ発表会

作者: 林 秀明

マンション内で歩いていると親子連れとすれ違った。


「おはようございます」


爽やかなお母さんの笑顔とは対象的に子供達は強ばった表情をしている。姉は長い髪を後ろへきちんと束ね、赤いドレスを着ており、弟は真っ白なカッターシャツに黒の蝶ネクタイで正装している。


「結婚式ですか?」僕は微笑ましく尋ねた。

「今日はピアノ発表会で特に息子が初めてで緊張してるんですよ」


なるほどそれで仏像みたいな無の顔をしてたのか。


「頑張りやー」


励まそうと小さな肩にポンと手を叩くと、泡がパチっと弾けるように、少年はびっくりした。その様子を見て、昔自分が発表会前にゲロを吐いた淡い記憶を思い出す。


「少年よ、大志を抱け」

あの頃の自分に言い聞かせるように、僕はそっと呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ