第一話 開幕
「生きたいですか?それとも・・・死にたいですか?」
目が覚めると、俺はどこか小さな、寂れた部屋にいた。
俺はさっきまで仲間と一緒にいたはずだ。そこまでははっきりと覚えている。だが、だとしたらこの状況はどういう事なんだ?
「生きたいですか?それとも・・・死にたいですか?」
さっきからなんなんだ、生きたいか死にたいかだと?意味がわからない。そんなもん答えは一つしかないだろうが。
「生きたいですか?それとも・・・死にたいですか?」
「生きたいに決まってんだろ!何処にいやがる!姿を表せ!」
「生きたいのですね。わかりました。ですが、まだ姿を表すわけにはいかないですねぇ」
「ふざけんじゃねぇ!ここから出しやがれ!」
「まるで蝿のようにうるさい奴ですねぇ、まさか状況がわかっていない訳では無いでしょうに」
「俺を捕らえて何がしたい!」
「そうですねぇ、ゲームですよ。私はあなたにゲームを挑みます。ギャンブルでは負けなしのあなたに・・・ね」
なんで俺がギャンブルをしていることを知ってやがるんだこいつ?しかもそれを知っていてゲームを挑むだと?何を考えてやがるんだ?
「貴様、俺の何を知っている!」
「全て、ですかねぇ。偽名西岡武、本名佐々木明良。ギャンブル中毒者で深夜に色々なギャンブルを徘徊している。そして・・・実の両親を殺したことがある」
そんなことまで知ってやがるのかよ・・・警察にだってバレなかったんだぞ。
「お気に召されたようでなによりで御座います」
「それで俺をどうするつもりだ?金が欲しいのか?」
「さっきから言ってるんですけどねぇ、ゲームと言ったでしょう?まずはそこの扉を開けるので、大広間へと出てもらってもよろしいでしょうか?」
「どうせ行かなければ行けないんだろうがよ」
「あっ、気付きましたー?」
「その喋り方うぜぇからやめてくんねぇかな?」
「あらあら、それは申し訳御座いませんねー、私にこれ以外の喋り方は出来ないもんで」
「あっそ」
こいつの言う通りにするのはしゃくだが、そんなことを行ってられる場合でもねぇか・・・
大広間にでる。ってか部屋から一歩出たら大広間じゃねぇか。
「あっ、あなたも参加者でしょうか・・・」
「あん?お前誰だ?」
「わ、私は佐藤八重子です」
「ああ、そうか」
「あ、あなたの名前は?」
「西岡武だ」
「ふふふ、隠し事は感心しませんねぇ。私がいることを忘れていませんか?」
「またか貴様」
「ちゃんと本名を名乗ってくださいねぇ?」
「チッ、佐々木明良だ」
「さ、佐々木さんですね、よ、よろしくお願い、します」
なんなんだこのクソみてぇな馴れ合いはよぉ?
「みなさん揃いましたね?それではゲームを始めます。最初のゲームは疑わしきは罰せよ、です。ちなみに、全てのゲームに勝った者には賞品として、願いを叶えてあげましょう」
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