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フェリフ・リム

作者: 月姫櫻姫

   コロニーの中心部にある豪華な違法カジノ『シンディ』


華やかに着飾った人々が、談笑しながら、ポーカーやスロットに興じている。

その人々の中で、一番目立つケバイ服を着た支配人の近くにカクテルを置いたおぼんを持ったボーイ姿の青年が近づく。

支配人と客が笑い合っている。


客A 「今日も、勝たせてもはらいましたよ」

支配人「おお、それは良かった!!喜んでもらえて嬉しいですよ。しかし、こうも毎回勝たれては私の取り分が減りますな」 

客A 「何を言われます。知っているのですよ。このカジノがコロニー、一番の利益を得ていると」

支配人「わははは。そんなことないですよ」


客と支配人、笑う。

そこに、ボーイの青年がスッとカクテルを差し出し。


青年 「どうぞ」

支配人「うむ、さ、乾杯でも」

客A 「それでは・・・」


支配人が、おぼんからカクテルを取り、客に一つ渡す。

青年、ニヤリと微笑み、からのおぼんを支配人の顔に力いっぱい投げつける。

ボーンっという音とともに、支配人の顔型におぼんがへこむ。

そのまま、支配人倒れる。


青年 「悪く思うなよ」

客A 「な!!」


青年、両脇から拳銃を取り出し、天井の豪奢なシャンデリアに向かって発砲。

シャンデリア、ルーレットの台の上に落下し派手な音をたてる。

そばにいた客が、悲鳴をあげてルーレット台から離れる。

それと同時に、入り口のオーク素材の重厚なドアが爆音とともに吹き飛び、ドアのそば

いたボーイと客がすっ飛ぶ。

白煙が立ち昇る中、素早く、入り口から影が入ってきて、マシンガンをかまえると、

あたりかまわず撃ちまくる。


少女「あっつはははははは」


客たちが逃げ惑う中、マシンガンを撃ったのが、赤い短い丈の振袖姿の髪の長い美少女だとわかる。

少女は、この世のものとは思えないような美しい微笑みと声でマシンガンを撃ちながら笑う。

少女の後に、眼鏡をかけた知的な青年が大きなバズーカを担いで入ってくる。

客たちは、奥に逃げて行く。

支配人、顔にめりこんだおぼんをはずし。


支配人「な、なにごとか!!」


ボーイ姿の青年がそれに気づき、拳銃を支配人に向ける。


支配人「うお!!」

青年 「俺たちはフェリフ・リムさ」

支配人「フェリフ・リムだと!!」


少女、マシンガン撃ちながら走ってきて。


少女 「それ、リーダーの私のセリフ!!シンのバカ」


シンと呼ばれたボーイ姿の青年、両手の拳銃支配人に向けながら、少女の方を向き。


シン 「いいじゃん、ってか、いつサクラがリーダーに決まったの?なあ、アレク」


サクラと呼ばれた少女は、後ろから来るアレクと呼ばれた青年に向かって、ムッとした表情して、アレクは担いだバズーカを振ってみせた。


アレク「シン、あんまりサクラを挑発するなよ?

    蜂の巣にされるぞ」


シンは、わっつっと笑って。

シン 「そりゃ怖い」

サクラ「もういいから、早く仕事しちゃいましよう」


サクラ、マシンガンを支配人に向けて。


支配人「ひっ!!」

サクラ「私たちの要求は、分かっているでしょう?」

支配人「金か!!」


サクラ、ニッコリと微笑むと


サクラ「正解!!」

アレク「命までは取りませんよ、用件は、ここの収入と、今後違法なカイジのはやらないでいただきたい」


アレクは、担いだバズーカを揺らしながら優美に答えた。

支配人は、震える手で燕尾服のポケットに入っていたカードをサクラに渡して、サクラは

そのカードを、懐から出した黒い機械に通して満面の笑みでカードを支配人に返した。


サクラ「ありがとう」

支配人「あああああ・・・」


サクラは、満面の笑みで、機械を懐にまたなおすと、呆然とする支配人を残し。


サクラ「さ、仕事終わり、帰りましょう」


と、シンとアレクに言い、スタスタと破壊した出口に行ってしまう。

シンはリーゼントに整えていた髪をおろして、ネクタイを外し、拳銃を懐にしまった。


シン 「さて、行くか、いつもの後始末よろしく」


シンは、アレクの肩をぽんと叩いて、サクラの後を追った。

アレクは、入り口まで後退し、ふっと笑うと、バズーカを三発撃ち、店の中をめちゃ

くちゃに破壊した。


支配人「あわあわっわ」


三人は、白煙の中に消え去った。


   リホーミスト家寝殿造りの豪華な屋敷の廊下の端


サクラが、単姿で廊下の端に座り、先ほどの黒い機械をいじっている。

そこに、普段着で現れたシンとアレク


シン 「今回の成果はいくら?」

サクラ「うんー10億レンぐらいかな」


シン、口笛をならして。


シン 「凄いじゃん、最高金額!!」


サクラ、不満そうに。


サクラ「たった10億レンだよ〜うちの一部屋分ぐらいじゃない?

    もっと稼がないと、うちから出れないよ」


シン、サクラの言い方にびっくりして。


シン 「おいおい!!10億レンも、あれば、外洋船も、ちょっとした屋敷も買えるし、地球に一回は降りれるぞ」

サクラ「それだけでしょ?私は、地球を買いたいの。何度言わせるのよ」

アレク「サクラの願いはいつでも大きいな・・・」

シン 「ってか、この屋敷いくら?」

サクラ「そうね・・・4800兆レンぐらいかな」


シン、あきれて


シン 「おいおい・・・自分の家に押し入ったほうが早いんじゃねーかよ」

サクラ「なんで、悲しゅうて自分家に行くのよ・・・」

シン 「だから、サクラん家に押し入って、お前を人質にして・・・」

サクラ「無理無理、パパはそんなの無視、っていうかあたしパパに会ったこと無いんだから」

アレク「それが、僕たちを拾って盗賊まがいのことを始めたきっかけ?」


サクラ、ぱたりと寝転んで。


サクラ「それも、あるのかな・・・パパはあたしが産まれる前に地球に降りちゃって、帰ってこないし、あたしが地球を買ったら・・・っていうのもあるのかもね・・・」


シン、バッっと廊下に飛び移って、サクラのそばに座る。


シン「サクラも、かわいそうなもんだよな・・・

   こんな豪勢な屋敷に住んで、姫様扱いされているのに父親不在、母親死亡、兄弟な

   し、彼氏もな・・・ゴアっつ!!」


『彼氏』と言った瞬間、サクラ、シンの顔面を思いっきり殴る。


サクラ「うっさい!!」


シン、顔をおさえながら。


シン 「いってー

・・・その凶暴性がなかったら俺が彼氏になってやってもいいのにな」


サクラ、ギロっとにらんで。


サクラ「あんたみたいなナンパ師は、こっちから願い下げよ!!

   アレクなら、いいのにな」


サクラ、アレクに向かって言う。

アレク、苦笑して。


アレク「はいはい、サクラは、可愛い僕の妹だよ」


サクラ、また寝転んで。

サクラ「はーい、はい、あたしって男運無いんだな」


シンとアレク二人で笑ってサクラは気分を害したというような顔をした。


サクラ「ほら、笑ってないで、次の仕事いくわよ」


サクラは、そう言って起き上がった。

シン、明らかに嫌そうな顔になり。


シン 「えーー!!

    今度で今週三回目だぜ!!!」

サクラ「まだ、今週はたった16億レンしか働いてないのよ」


サクラ、着ていた単を脱ぐと、赤い短い振袖姿になる。


サクラ「ほら、いくわよ。

    今週は目標100億レンよ!!」

   

シン、複雑そうな顔で。


シン 「・・・聴いたか?」

アレク「なにを?」

シン 「16億レンを『たった16億レン』っていったんだぞ・・・

    16億レンあれば、このコロニーで家買って、一生遊んで暮らせて、それでも、まだあまる金額だぜ・・・

    あいつ、金銭感覚絶対おかしい」

   

アレク真面目な表情で。


アレク「サクラにとっては、お小遣いレベルなんでしょうね。

    なにせ、このコロニーの持ち主で、地球に島までもってる有数の大金持ちなんですから」

シン 「ジパングって島だろ?」

アレク「ニホンともいいますよ」

シン 「どっちにしても金持ちの道楽かよ、俺たちは・・・」

アレク「でも、そのおかげで、僕たちは、生まれとはかけ離れた生活をさせてもらえているんですよ」


二人とも着ていた上着を脱ぎ、青の仕事着になる。

身軽に、サクラは屋敷の壁に飛び移って、ついて来ない二人を見て。


サクラ「早く来なさいよ!!あたし、車の運転出来ないんだから!!!」


シンとアレク、やれやれといった表情でサクラのいる屋根に飛び上がった。


シン 「早く免許とれよ」

サクラ「うるさいわね、認めたくないけど、シンが一番運転上手いって知っているんだからね」

シン 「運転だけじゃなく、射撃の腕も認めて欲しいな」


サクラ、当然といったような表情になり、車庫のロックを外して。


サクラ「そうでなければ、ここにいるわけ無いでしょ?」


シン、『?』マークになり


アレク「サクラの言うとおりだよ、シン

    特殊な力があったから僕たちはここにいれる。

    特別な空気税も払わなくてすむし水の権利も持っている。

    サクラの屋敷の人々のように、僕たちはサクラに拾われたんだよ」


シン憤って


シン 「じゃなにか?俺たちは役に立たなくなったら捨てられるのかよ!!」


サクラ、オープンカーに腰掛、シンを見つめる。


サクラ「あんたたちは、捨てたりしないわよ。安心しなさい」


すねている屋根の上にいるシンに、サクラ、車のキーを、投げて渡す。

サクラ「あんたたちはあたしの大切な仲間なんですから!」


そういって、満面の笑みで微笑み返した。

シンは、この微笑に弱いのだ。

両手を挙げて、降参のポーズをとり。


シン 「はいはい、俺が悪かったよ、サクラ、今度は何処狙うんだ?」


サクラ、にんまり微笑むと。


サクラ「コロニー公団」


シン、明らかにびっくりして、屋根から落ちる。


シン 「お前なー!!コロニー公団って言ったら、お間ん家の支社じゃねーかよ!!

   俺がさっき言った自分の家に押し入る、もんと一緒じゃねーか!!」

サクラ「安心なさいよ、今回は、コロニー公団の裏金をいただくだけよ」


アレク、シンと顔を見合わせて。


アレク「裏金って・・・詳しく説明して欲しいな」


サクラは、満面の笑みを浮かべ。


サクラ「つまりは、うちの支部の人間が、裏金をたんまり溜め込んでるのよ。

    今回はそれを狙うってわけ、正義の味方は、あたしたちフェリフ・リムの力にかかっているのよ」


サクラ力説して。

シン、感心し。


シン 「お前よく、そんな情報仕入れてくるよな〜」

サクラ「だって、その相談持ちかけられたの、あたしだもん」

シン 「へ?」

アレク「と、いいますと?」

サクラは、額に手を当てて


サクラ「つまりよ、数ヶ月前に、直に、コロニー公団の社長が、あたしに裏金の存在を明らかにして、その一部をよこしたのよ。

    もちろん断って、そのお金を明るみに出そうとしたわよ?

    家の利益ですもの、でも社長はそんなことしなかった、反対に益々裏金は増えたわ、今回は、それを奪いに行く」


シンは、ついていけないような表情になり、アレクは戸惑いの表情を浮かべた。


アレク「あぶないのではないですか?

    コロニー公団にはサクラを知っている人々も沢山いますし・・・」

サクラ「そうなのよね・・・御簾越しとは言え、じかにしゃべってしまったから、声で、あたしだって判る可能性があるわ」

シン 「なんで、そんな所に行くんだよ、違法カジノはまだまだあるし、違法風俗店だって・・・」


   サクラ、しれーっとした顔して


サクラ「だって、今回成功したら、6000億レンは稼げるし、そしたら、あんたたちにも休暇をあげられるわ」

シン 「休暇って・・・」

アレク「そんな危険な駆け引きはいりませんよ」

サクラ「今回の、コロニー公団の裏金は、うちの管轄内で起こった身内の恥だし、どうしても潰しておきたいの」


アレク屋根から飛び降りて、サクラの肩を持ち。


アレク「今回の仕事は、止めにしましょう。

    あまりにも危険すぎる・・・」


サクラ、そのアレクの手を振り切ってオープンカーの助手席に座って。


サクラ「アレクが行きたくないなら、シンと二人で行くわよ。

    シン来なさいよ」

10

シン、車のキーをサクラに投げ返して。


サクラ「なんのつもり!!」

シン 「今回の仕事はヤバそうだし俺行かない、サクラもあきらめろ」

サクラ「あ、そう。

    じゃ、一人で行くわ」


サクラ、運転席に乗り換えて車のキーを差し込んで起動させる。


シン 「おい待て!!お前運転できないじゃんか」


サクラ、シンにあっかんべーをして、車を発進させる。

アレクとシン驚いて、車に近寄り、シンは、そのまま車につかまり引きずられる。


シン 「おい!サクラお前の運転じゃ死んじまうぞ!!今すぐ止めろ」

サクラ「来てくれないんでしょ!!」

シン 「行くから!!行きますよ!!だから、とにかく止めろ!!」


サクラ、つんとして、ブレーキを踏む。

反動で、シンが振り回される。


サクラ「シンは、行くって、アレクは?」


アレクやれやれといった表情で。


アレク「行かせていただきますよ。でも、危なくなったらすぐに帰りますからね。

   首根っこ掴んででも・・・」

サクラ「あれ?怒った?」

アレク「怒っていませんよ、あきれただけです」


サクラ、きょとんとして。


サクラ「アレクでも、あきれる事あるんだ」

アレク「当然です、僕も人間なんでね」

サクラ「そりゃそうね」

11

サクラ、助手席に戻り、後部座席のドアを開けて、アレクとシンを迎い入れた。


サクラ「ほら、出発!!目指せ6000億レン!!」


運転席のシン、ボソッと。


シン 「んな大金、集まるわけないだろ・・・」


サクラ、シンをじろっとにらんで。


サクラ「何かおっしゃって?」

シン 「なにも、ほらつかまってろよ!ぶっ飛ばして、早くその6000億レンを稼ぎましょうか」

サクラ「おーう!!」


シン、アクセルをめいっぱい踏んで車は、リホーミスト家を後にした。


   コロニー公団メインゲート


サクラたちの車、メインゲートをアレクのバズーカ砲でぶっ飛ばし、内部に侵入。

  

   コロニー公団内部


車を止めて、三人は非常警報のなる内部に侵入した。

三人はマスクをつけ、サクラが、催涙弾を投げ込み、もうもうと煙立つ室内へ入り込んだ。

周りには銃を手にした警備員たちが、催涙弾の煙を浴びて、咳き込んだり、涙をながして

いる


警備員A「だ、駄目です。

     げほげほ・・・

     え、Aライン

     げほげほ・・・

     と、ぐへっ!!」


サクラが無線に、話しかけていた警備員の腹を蹴り上げた。

12

警備員、倒れる。


サクラ「ごめんね、これも運命と思いなさいな」

シン 「そんな雑魚にかまうなよ!!」

サクラ「はーい」


サクラたちは、平然とメインゲートを突破して、難なく催涙弾を使って次々と部屋を入っ

ていった


シン 「おい」

サクラ「何」

シン「おかしくないか?」

サクラ「何が?」

シン 「全然反撃が無い」


ピタッとサクラ止まって。


サクラ「おかしいわ、いくら奇襲でも反撃の一つもないなんて変よね」

アレク「撤退しますか?」

サクラ「いえ、進みましょう」


サクラ、走り出す、二人も後を追う


シン 「部屋間違えたんじゃねーの?」

サクラ「ここはあたしの庭も同じよ?」

シン 「お前んちの庭なら迷う」

サクラ「うっさい」


じゃれていると、いきなり煙の中からタタタタタ機関砲の攻撃が来た

三人は壁の影に隠れて様子を見た。


シン 「おいでなすった」

サクラ「f17型機関砲。大丈夫よアレクの大砲でふっとばして!」

アレク「かしこまりました」


13

アレクが大砲を担いで壁を出たら、一筋の光がアレクの肩を貫いた。


アレク「っつ」


その場に倒れこむアレク、シンがすかさず壁に引きずる

シン傷口を見て


シン 「ひで・・・」

サクラ「見せなさい!!」


サクラ、アレクの肩の布を引き裂いて傷口を見た


サクラ「本当に酷いわ・・・レーザー光線のようだったけど」

シン 「おい!!そんな物騒なもんあるなんて反則だぜ聞いてないぞ」

サクラ「あたしも知らないわよ!アレク、アレク!!」


サクラは気絶しているアレクの顔を叩いて起こした


アレク「ぼくは・・・」

サクラ「撃たれたれたのよ、あたしがうかつだった」


アレクは撃たれた左肩を抑えておきあがると


アレク「撤退しましょう、ここは危険です!!」

サクラ「ここまで来て撤退する方が危険でしょ」

アレク「いいから撤退するんです!!」

レイ 「ご相談中かな?」

サクラ「レイ!!」


サクラはとっさに二人を背中にかばって、拳銃に似た武器を向けている知人の男に向き直った。


レイ 「はて、何処かでお会いいたしましたかな泥棒さん」

サクラ「さあ・・・泥棒じゃなく正義の味方のフェリフ・リムといってほしいわね」


14

レイ笑って


レイ「そうですね、フェリフ・リムさん」


サクラ、マシンガンを拾おうとして、レイのレーザーガンによって阻まれる。


レイ 「よけいなことはしない方がよいですよ」

サクラ「よけいなことなんかじゃないんだけどね」

レイ 「やはり、どこかでお会いしてますね・・・」

サクラ「人違いじゃないの?」

レイ 「いえ、確かに・・・こっちを見なさい」


レイは銃を持っている手とは反対の手でサクラの顔を持ち上げた

そして、驚いた


レイ 「これはこれはサクラ姫様じゃありませんか」


サクラ手を解くと


サクラ「そんな人知らないわ」

レイ 「婚約者を見間違えたりしませんよ」

サクラ「そうなら、その婚約者に拳銃なんて物騒なものを向けてるのっておかしくない?」

レイ 「それとこれとは別ですよ」


そんな会話をしているとシンが銃を脇から引き抜きレイに向けた


シン 「なんだかわかんねーけど、注意散漫ってやつ?」

レイ 「注意散漫なのは君の方ですよ」

シン 「な!!」


シン、レイのレーザービームの光線に左胸をつかれる


レイ 「銃が一丁だと誰が言いました」

サクラ「シン!!!!」


15

サクラ、倒れたシンの元に行き、流れ出る血を着物の袖を切って止めようとする、瞬く間に真っ赤な生地はどす黒い血で一杯になった


サクラ「シン!!」

シン 「だ・・・だからいっただろ・・・危険なのは避けようって」

サクラ「あたしが悪かったからおだまりなさい・・・」

レイ 「姫様だけなら助けましょう世間の外聞というのもありますし、ホーリーミスト家に恩を売っておくのもいいでしょう、将来の婚約者様」


サクラわなわなと怒りに震え


サクラ「よくもあたしの部下たちを酷い目にあわせたわね・・・」


さっと、マシンガンを手にするとレイめがけて乱射した。

レイは柱の影に隠れて難を逃れた


サクラ「出てきなさい、あたしが蜂の巣にしてあげる」

レイ「強気の姫も綺麗なものですね、でも、ここで死ぬ気にはなれないんですよ」


レーザーがサクラの足元ではじける


サクラ「怖くなんかないわよ撃ちなさいな」


レイに向かってサクラはマシンガンを乱射した、その一発がレイのレーザービームに

当たって落ちた、すかさず、サクラはレイに詰め寄り


サクラ「あたし、おしゃべりな男って嫌いなんだバイバイ」


タンと額に一発撃った


レイ 「ひ・・・め・・・」


レイはそのまま後ろに倒れる

サクラはそんなレイに気をとられるわけもなく、撃たれた二人の下に走っていった。


16

サクラ「シン、アレク!!」

アレク「殺生はしてはいけないと言いましたでしょ」

サクラ「いいのよ、それよりシン!!!」


シンは死んだかのように動かないでいる


サクラ「シン、シン、嫌よ!!あたしたちは誰がかけてもフェリフ・リムじゃないんだから」

アレク「早く、治療施設に!!」


アレクは撃たれていないほうの腕でシンを担ぐとサクラの助けもあってすばやく車の元についた

そして、アレクの運転で施設を離れていった

シンの流血は止まらず、サクラの着物が血でぼとぼとになっていた。


サクラ「シン・・・死なないで・・・・あたしまだあんたに一杯してやってない、旅行も温泉も連れていてやってない・・・だから死んだら許さないからね・・・」


シン、つかまれていた手を握り返し


シン 「死なないよ・・・働いた分とりかえさないとな・・・」

サクラ「シン!!」


数ヵ月後のある日

ドカンといったデカイ音で違法風俗店が襲撃された


サクラ「はい、それまで」

アレク「ここにある経営費やらを頂に参りましたフェリフ・リムです」

サクラ「あーーーーーあたしの台詞!!」

アレク「いいではないですか、治療中のシンの分も僕が代わりにさせていただきますよ」

サクラ「意地悪!!」


三人はいつでも一緒、フェリフ・リムの戦いは続くのでした


        終



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