プロローグ
かなりの亀更新となります。
〜プロローグ〜
______十六夜月の晩には、外に出てはいけないよ。人間を喰らう、恐ろしい妖怪がでるからね。いいかい?・・・・・・。______
〜ある日の晩に〜
「んおっ・・・。」
俺の名前が呼ばれる直前で目が覚めた。あの時、俺にそれを教えてくれたのは誰だったか。
「うっわぁ、びっしょり。」
余程緊張する夢だったのだろうか。そんな怖い夢ではなかったハズだ。
いや、むしろ・・・・・・
「まぁいいや。てか汗冷えちまう。シャワー、シャワーっと。」
タンスからスウェット(上下セットのお気に入りだ。)を取り出し、シャワーを浴びにいく。っとその前に。
「俺の、俺の、俺のコーヒー牛乳ぅぅ♪」
・・・・・・。ちょっと恥ずかしかった。誰もいないよの。てかいるわけねぇけど。
取り敢えず冷蔵庫へ向かう。
冷蔵庫を開けると、あれ?俺のコーヒー牛乳は?
「ん?俺全部飲んじまったっけ?」
無かった。しゃあねぇな。今日は諦め・・・いや、無理だな。諦められねぇ。
だって風呂上がりにコーヒー牛乳は必須だもん!!
あ、近くに新しいコンビニができたって掲示板に書いてあったな。
うー。でもあそこって河の上の橋を渡らなきゃ通れなかったんだっけ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
まっ、まぁ別に?お、おばばけなんて怖くねぇし?あそこの言い伝えになんてびび、びびってねぇし!!
スーハー、スーハー。
よし。大丈夫大丈夫。
んー、鍵持った、パーカー着た、靴はいた。あ、財布財布。
うっし、行くかー。
家を出ると、少しだけ肌寒かった。やっぱり季節の変わり目は冷えるな。
「パーカー着てきて正解だったなー。」
そうぼやきながら河への一本道を進んで行く。
すると前方にうっすらと青緑っぽい淡い光を見つけた。
それは河の上にフラフラと浮かんでは沈み、浮かんでは沈んでいた。
不可思議な状況に一瞬息を詰めるも、光の美しさに感情すらも忘れて河に近づいた。
こっそりと河に近づき、河に潜った(潜ったといっても多分人ではないだろうから多少の語弊はあるが、まぁいいだろう。)光があるだろう場所をそっと覗き込んだ。
「うおっ?!」
どんっ、と後ろから突き飛ばされ、俺の身体は河の中へ吸い込まれるように沈んでいった。
そもそも、どうして河になんか近づいたのか俺よ。
普段なら近寄ることはおろか、見向きもしないくせに。
「おぼろjっしゃwpj☆m!!」
あぁ、もう。後悔先に立たずだ。(あれ?後だっけ?)
そんなくだらない事を考えながら俺の意識は深い深い闇に溶けていった。