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番外編・ドラゴンと勇者の休息


本編完結しましたが、番外編を始めました。

不定期更新を予定していますので、

のんびりお付き合いお願いします。




__彼にとって世界で一番美しいドラゴンである、火竜だけを見つめていれば幸せだった。

彼は、自身が持つ召喚者として得た魔力や、他の人族には無い勇者独特の能力に興味を持たなかった。



「へぇ。勇者の世界にはドラゴンいないんだぁ」

「伝説は世界各地にありましたよ。沢山の物語で、とても不思議で神聖な動物として人気でしたね。」

「ふ~ん」

「特に火を吐く竜が私の国では人気でした」

「ふ~ん?」



勇者は今、火竜の頭にいた。


うつ伏せになって手を伸ばし、眉間をカリカリと優しく掻いている。

火竜はその絶妙な力加減と、「勇者の国で人気」との言葉が気に入ったようだ。

ゆらゆらと尻尾が左右に揺れていた。


(怪獣も竜でいいと思う。海外版は恐竜に見えたし)


勇者が思い描いている映画の"怪獣"は、炎ではないものを吐いていたはずだったが、彼は気にしない。


「じゃあさ、大きな動物はいなかったの?」

「昔はいたようですが、竜種のように大きな生き物は海だけかな。

地上で一番背の高い動物なら、キリンといって。でもせいぜい水竜の半分?」

「…ふ~ん。首は長いの?」


火竜が水竜に憧れている事は知っている。

勇者は単純に大きさの問題だと思っていて、

幼体独特の首の短さと大きめの頭を

女の子の火竜がコンプレックスとして抱いているとは分かっていない。


「全身の毛皮が黄色と茶色の網目模様で、馬の首を長くしたような感じですかね?

かぎ爪や牙が無いので、首を振り回して戦うようです」


連想ゲームだとすれば、色々足りない。

ほっそりとした長い首。

小さな顔とふさふさまつ毛の大きな瞳。

長くすらりと細い足。などの特徴を勇者は無意識に回避して伝えた。


「黄色と茶色の馬?すごい柄だね」

「あと舌の色が、灰と黒の間です」

「ふぅん、ピンクじゃないんだ」

「ちっとも。ピンクじゃないですね」


びったん、びったん。

火竜の尻尾が地面を陽気に叩く。


「耳の裏も掻きましょうか?」

「目の端〜」

「はい。このあたりかな?」

「そこ〜」


甘えた声を出す火竜と、蕩けるような笑顔の勇者。


バカップルは今日も平和であった。


主に勇者の危機回避能力によって。






勇者の過去編は只今準備中です。


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