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『魔女がこの世をせしめるか?』 〜追放された魔女!なぜかイケメン使い魔を召喚してしまう!なんとなく逆ハーレム暮らし!なんとなく成り上がり!〜  作者: しょうりショウゲン
━━━━━━━━━━━ 第一話 ━━━━━━━━━━━

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第一話⑥ 「魔女と、ゆかいな使い魔たち」 続・ナナミ編


「初めてお会いした時から、お綺麗な方だなぁと思っていたんです。控えめでお淑やかで、物憂げで儚げな雰囲気もとても魅力的で。ですが、けっしてそれだけではなく……」

「うんうん、それなー。俺もー」


「ご一緒しているうちに、内面のお美しさにも触れるにつれて。会話の節々からも、お人柄の良さや聡明さを感じずにはいられず……」

「あー、俺も俺も」


「お慕いしています、心から。あなたのことをお支えしたい、お護りしたい。ボク、そう思うようになりました……一生、ずっと、あなたのおそばで…………」

「俺もー。魔女さん好きー」

「…………あああああ、もう!さっきからうるさいんだよ嘉紋!ボクの真似するなぁ!!」


 ルイくんが、とうとう激怒した。

 嘉紋のほうに向き直り、激しく叱責する。


「おまえ、人の告白に便乗するなよ!一気に軽薄なおべんちゃらっぽくなっちゃったじゃないか!人の一世一代の告白を台無しにしやがって一体どうしてくれるんだよ!ふざけるなぁ!!」


 う、うん、そうねぇ。

 まるで誠実味の感じられない、チャラくて軟派な男の、軽々しい口説き文句のようになっていたわねぇ。


「でもルイ先輩、俺だって好きになっちゃったんだもん」

 嘉紋は、けろりと言ってのける。


「俺たち、一緒だね、ルイ先輩。仲間だよね。志を同じくする同志、魔女さんの親衛隊仲間ってことで」

「仲間なわけないだろう!嘉紋、おまえなんかボクの敵だよ敵!恋のライバル、恋敵だろうが!」


 嫉妬深さと独占欲ゆえのライバル視、敵対心。同担拒否の心理と感情。対抗意識。ぎゃあぎゃあ揉める、使い魔一匹目と二匹目。

 私はいたたまれず、屋内へ入る。


「はー、疲れちゃった。お片付けは明日ね。あとは寝室を整えるだけにして、今日はもう寝ましょう」

「ちょっと魔女様、さらっとかわさないでください!告白のお返事は?」

「あー、ハイハイ、私も好きー。二人とも好きー」

「こいつとボク、どっちを選ぶんですか⁈どっちが大事なんです?愛情の分散はやめてくださいよ、ボクのことだけを見てください!」


 ああ眠い、疲れた〜。

 今日は魔法をたくさん使っちゃったしね。体力HP魔力MPともに限界だわ。

 

 嘉紋は、にこにこしながら私に追従する。

 ルイくんも、しぶしぶと私のあとについて館内に入る。よろめく私の姿を見て、ようやく諦めがついたらしい。


 はー、やれやれ。

 お疲れ様、私。

 それと、二人も。今日はお疲れ様。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 その夜。

 ベッド周りを効率よく掃除して、就寝準備を手早く終えた私は、心地よく眠りについていた。


 二階に配置された、一番広くて豪華な内装である寝室。

 厳正な部屋割りの結果、そこが私の自室となったのだった。

 レースとフリルのクッション、寝具の数々。小花柄のベッドカバー。天蓋付きの寝台。ベッドサイドにはロマンチックな猫脚家具と調度品。


 フカフカ羽根枕に埋もれる私。すやすやと寝息を立てて、安眠を貪る。

 だが。


 何やら、異音が聴こえて目が醒めた。

 シャッシャ、ザリザリザリという、金属が擦り合わされているかのような異音、怪音が聴こえたのだった。

 庭先からだった。


 そっと階下に降りて、おそるおそると近づいて。その音の出所を確かめてみる。

 すると。


「……嘉紋!」

「あ、ごめんごめん魔女さん、起こしちゃった?」


 そこには、嘉紋がいた。

 月明かりの下、庭先で日本刀の刃を研いでいる狂戦士がいたのだった。



「……お、おまえねぇ!せっかく平和にやっていけそうだったのに、狂気じみた行動はやめてちょうだい!」

「刃物の手入れは、奇行じゃないと思うがなぁ」


 嘉紋は研ぎ石を片手に、恍惚の笑みでうっとりとしていた。

 まるで宝物でも磨くかのように、さすったり撫でたりチュッと口付けしたりと、執着や愛情を感じられるくらいに異様に扱うのだった。


 そうして、うやうやしく日本刀を高く掲げる。


 刃先、刃こぼれを確認するためなのか、ギラリと月の明かりにかざす。

 柄から放たれた、剥き身の刀身。

 重く、鈍い輝き。

 指だろうが腕だろうが、刃先にわずかにでも触れればスパッと切断され、すぐに断面図が作成されそうな。

 部位欠損しそうな勢いの。殺傷能力の高い、凶器。


 ああ、恐ろしい。

 クラクラしながらも、私はついに核心に迫ることにする。


「嘉紋、いい?正直に答えなさいね……」

「ん?」

 ずっと気になっていたことではあるが、返事を聞くのが怖すぎるので。


「……この剣のことなのだけど」

 ずっと先延ばしにしていた質問であった。

 

「この剣?ん?こいつのこと?あー、俺、日本刀大好きでさ」

 え、あ、うん。

 なんか、それはもう知ってる。


「憧れのマイ日本刀ちゃんが手に入ったら、そりゃあもう斬り心地とか切れ味試したくて、夜な夜な大立ち回りしちゃうよなー。辻斬り三昧しちゃうもんだよなー※」

(※あくまで嘉紋個人の意見です。極めて特殊な思考例です。一般的に刀剣を好む方々の大多数は、規律やルールを重んじる良心的で模範的な性質であることがほとんどであり、犯罪等を容易に考えるようなことはけっしてありません。)


 ……そ、そのへんはもうわかったわっ。


「だから、この剣を、どこでどうやって手に入れたっていうのよ?」

「えー?」

「おまえの住む世界では、ここまで殺傷能力の高い刃物は、購入や所持が制限されているはずよね?」


「うん、まー、それでネットで刀剣マニア仲間と知り合ってさぁ」

「それで?」

「それでオフ会とか参加するうちに、ガチな情報が入ってくるようになったんだよなぁ」

 う。

 な、なんだか不穏な話の流れ。


「違法コレクターで上級国民富裕層、老害の爺さんちがあるっていう」

 イ、イヤな予感……。


「そこの屋敷に忍び込んで〜、床の間に飾ってあったのをちょっと、ね」

「ぬ、盗んだっていうの?」

「ちょっと、借りてるだけー」


 く、くらくら。

 目眩がする……。


 倫理観の大幅な欠如……!

 反省の色が皆目見られない……!

 更生の余地、一切なし……!!


 ……………狂戦士!!



「この後さぁ、素振りしてイメトレ殺陣居合して、鍛錬ついでにちょっとそのへんの肉食獣とか狩ってこようと思うんだけど、いい?」

「民家の近くで凶器を振り回すのはやめなさい!村人が怖がるでしょう!」

「じゃあ山奥、山深くでバトルする。それならいい?」

「遠くへ行っちゃダメ!私の目の届く範囲で、大人しくしておいてちょうだい!この世界では暴れないでよ、お願いだから!」


「ん〜?あー、魔女さんのそばにいなきゃダメって?ははは、わかった〜。なーんだ、俺と二人きりになりたかったの?それでこんな夜更けに庭先にまで降りてきてくれたの?」


 何言ってんだ、この狂戦士。


「そうだね〜せっかく夜遅くに二人きりになれたわけだし、今からここでイチャイチャする?」

 何言ってるの、こいつは。

「ああ、外ではイヤ?じゃああなたの部屋に行く?俺の部屋に来る?どこがいい?」

 何の三択なのよ。選択肢無さすぎでしょ。


「出会ったばかりでいきなり、っていうのが抵抗あるなら、まずははじめはセルフプレジャーのお手伝いから始めてみようか☆」

「セ、セルフプレ……」


 って、なんだ??

 こいつの下劣な物言いと字面からして、いかがわしいことにちがいない。

 けっして、けっして頷いてはならないわ。絶対絶対、同意してはいけないわ。


「いいからもう寝なさい。館に入るわよ」

 屋内に帰ろうとして、彼に背を向けた、その瞬間。スキを見せてしまった、その一瞬。


 背後から、抱きしめられてしまった私。

「……っきゃ」


 殺意の咆哮バックハグ!狂気が滲む、羽交締め……!

 きゃあああああ!


 斬られる!!

 狂戦士に袈裟斬りにされるぅ!

 イヤアアア!!


 私は咄嗟に、渾身の攻撃魔法を放つ。

 水属性の魔術の応用だ。細かな氷の刃を無数に発生させて、嘉紋目掛けて、ガラス片が弾けるような小爆発を起こしてやった。


「わぁっ」

 横跳びになって瞬時に身をかわし、その衝撃で、ガクンと地に膝をつく嘉紋。


「うわ、びっくりしたぁ」

 細かく粉々になった氷片。ブルブルと頭と髪を振り、破片を落とす。

「へー、やるじゃん。魔女さん、強いなぁ」

 にやり、と、不敵な笑みを浮かべる嘉紋。


「俺、あなたに逆らえないかんじ?」

 地に膝をついてはいても、まだまだ余裕たっぷりといったふうだった。



 ……………狂戦士!!


 絶対絶対絶対!こんなヤツと一緒にいたくないっ!!

 スキを見て魔法陣を踏ませて、強制送還しなきゃ!!

 もぉぉ!早くもとの世界に帰ってよー!!




━━━━━━━━━━━ つづく!!

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