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『魔女がこの世をせしめるか?』 〜追放された魔女!なぜかイケメン使い魔を召喚してしまう!なんとなく逆ハーレム暮らし!なんとなく成り上がり!〜  作者: しょうりショウゲン
━━━━━━━━━━ プロローグ ━━━━━━━━━━

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プロローグ 「━━転生したら、魔女でした……」


 私は、魔女。

 みんなから忌み嫌われ、迫害される毎日を送っています。

 石を投げられ、泥に落とされ、ついには……。


「わ、わぁぁ〜ん!私のおうちがぁぁ!!」


 ……家屋に火を放たれるまでになりました。


 そのショックで、ようやく思い出したのです。

 前世のことを。

 平凡なOL会社員として、近代社会を過ごしていた頃のことを。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「魔女め!」

「近寄らないで!」

「ここから出ていけ!穢らわしい!」


 暴徒と化した村人たち。

 手には鍬やら鎌やらが握られ、鬼気迫る形相で私を睨みつけていた。

 もし私が少しでも反抗のそぶりを見せでもしたら、ただちに危害を加えてきそうな勢いなのである。

 

 私はごくりと息を呑んだ。

 殺傷力も高い農具の数々と、狂気を帯びた多人数を相手にして立ち回るのだけは避けたい。

 暴徒たちから距離を取ろうと、少しずつ後ずさる。


 一歩一歩、ゆっくり後退するしかない。


 外壁はもちろん、梁や柱までがパチパチと焼け焦げていた。

 燃えてる、焼けてる、延焼してる。大事な我が家であるこの木造住宅からは、今や見るも無惨に、煙や火の粉も飛んでいる。


 炎のゆらめきも眩しく、目に痛い。

 時折、爆ぜる音も混ざり、私を一層追い立てる。

 

「ちょ、ちょっとぉ!ひどすぎない⁈あんたらやりすぎ!ここまでしなくってもいいじゃない!いいわよもう!出ていっちゃうもんね!ふーんだ!!」


 私の口をついて出た言葉。

 それは、そんな捨て台詞だった。


 私は情けなくも、それだけを言い残し足早に立ち去るだけで精一杯であった。


 ……こうして。

 私は、追放された。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




「はぁ……」

 故郷を追われて、すっかり流浪の民となった私。

 ため息をつきながら、けもの道じみた林道をとぼとぼと歩く。


 草木が生い茂る、雑草だらけの道。

 岩場、ぬかるんだ湿地。

 足を棒にして進み続けて、数日以上を掛けてようやく辿り着いたのは、ある廃墟だった。

 

「……はぁ。しばらくここに住むしかないか」


 ハーフティンバー、木と石の混構造でできた建築物だ。

 ちょっと古くて朽ち果てていてボロボロで、ぱっと見、廃墟のようではあるけども〜……。

 でも、今日からここが私の新しいおうちなのだわ。

 屋根があって雨風がしのげるだけでも、ありがたいと思わなくては。


 森と林の境目あたりにある、このお館。これは、先々代の魔女様が遺してくれたもの。

 避暑地の別荘、高原リゾートのロッジ風、のようなかんじの洋館。

 平時においては、保養所として。魔女狩りなど災害時においては、避難所として活用するようにとの言伝であった。


 正直、受け継いだ時には、広すぎるしお掃除とか修繕メンテナンスとか管理が大変そうだなぁ〜立地も不便なとこにあるしなぁ〜ちょっと持て余しちゃうかも〜、なんて思ってしまっていて。これまであまり訪れていなかったのだけど。


 まさか、こんな日が来ることになるなんて、ねぇ……。


「はぁ〜ぁ……」

 私は、廃墟の館を前にし、ため息をついて見上げるしかなかった。

 

 しばらく廃墟を眺めていると、これまでの出来事や半生を振り返るとともに、前世の記憶までが思い起こされるようになっていく。

 前世の記憶。

 前世での私。平凡なOL会社員として近代社会を過ごしていた頃のこと。

 あの頃の記憶を、噛み締めるように反芻する私。


「……そうだった。私は、異世界転生をしたのだったわ」


 虚無感漂うオフィス街、殺伐とした高層ビル群。

 不快極まるぎゅうぎゅう詰めの満員電車。

 ずしりと重たい通勤カバン。それとエコバッグを抱えて、自宅と職場とスーパーとをただ往復するだけの毎日。


 あー……。

 

「よく考えてみたら、前世も今と似たようなものだったかも……」

 ああ。それー。

 気づいてしまった。


「おひとりさま女子でソロ活、単独行動、単身世帯の独居女性、って。あの頃だって女一人で生きてたら、色々風当たりキツイし居心地悪いったらなかったもんねぇ。恋愛しろ婚活しろ結婚しろ出産しろ育児しろ家事しろ、って。世間の目は厳しいし冷たいしうるさいし怖いし」



 ……はっ。

「あ、そうだわ!」


 そこまでブツブツと社会に悪態をついた、次の瞬間。

 劇的に私は閃いた。


 そうだわ、私一人でいるから、こんなにも村人どもからナメられてしまうのだわ! 

 だったらこの際!獄卒のような恐ろしい使い魔を召喚すればいいんだ! 

 そういうのを従えてたら威嚇ができる!

 迫害なんかもう受けないわよね!


「私、魔術は得意だし!召喚魔法だってマスターしてるんだし!」


 画期的な対抗策やアイデアを閃いて、私は勢いよく玄関エントランスの扉を開けた。 


 さっそく中を見て回ると、暖炉には大釜があった。

 中身が入ったままの樽や壺、小瓶も、整然と並べられている。各種素材は、量も数も申し分なく揃っていた。

 禍々しいデザインの壁飾り、タペストリー、レリーフが一面に飾られ、おびただしい数の蝋燭が祭壇をぐるりと囲む。

 床には魔法陣もそのまま残っており、召喚の間としての機能は十分に果たせそうであった。

 

 おお、なんというおあつらえ向きな……!

 よーし!

 ではさっそく、使い魔を召喚しちゃうぞ!!




 私は深呼吸をすると、目を閉じて精神統一をした。

 勢いよく杖を構えて、呪文を唱える。

 すると、すぐにパチパチと空気が弾けた。

 静電気のような音とともに、小さな無数の煌めきと瞬きが発生。その途端、スイッチが切り替わったかのように、あたり一面の雰囲気は一変した。


 一瞬の突風がその場を襲う。凄まじく激しい瞬間風速。

 それが収まるとようやく、おどろおどろしい重苦しい靄、闇が足元を覆う。


「いでよ!獄卒っぽいヤツ!イカつくて恐ろしい召喚生物よ!」

 よーし!これで村人どもにナメられなくなるのだわ!

 ちょっとビビらしてやる!威嚇してやる!これでもう迫害されないわよねー!


 魔方陣の床からは、ドロドロとした汚泥が漏れ出て滴り続けていた。

 そうして召喚生物はこちら側の世界へ招かれてくる。もくもくした噴煙とともに円陣から湧き出てくるのだった。


 しばらくして靄が晴れて、召喚生物の姿が顕になっていった。


 だが。

 召喚した生物の姿形、そのシルエットは、どう見ても人型だった。

 中肉中背、身長170㎝前後、体重65㎏ほどの。ごく標準的一般的平均的な男性たちが、そこにいた。


「えぇっ⁈」

 私は驚愕した。

 

 人間の男たち⁈

 しかも、このカッコ……!


「はぁ?何これ?」

「ここどこ⁈」

「ヤベェ!中世ヨーロッパっぽくねぇ⁈」

「え、これって異世界転移⁈」

「ウソだろ!オレら異世界召喚されたのか⁈」


 わあわあ騒ぎ出す、人間の男たち。

 5、6人くらいいる。

 革靴スーツ、学生服スニーカー、パーカー、ジャージにリュック、スウェット上下セット、現代リアル文化ファッション。


「こ、こいつら、近代社会、の現代人⁈」


 きゃああ!

 私、魔女だから!

 現代人を異世界に呼べちゃう、召喚士ポジション⁈

 異世界転移を、させる側⁈

 そういう役どころなの⁈

 え、ウソウソ!

 そういうのは求めてない!望んでないってばー!!




━━━━━━━━━━━ つづく!!

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