救世主?
アーサー・クローヴィス(Arthur Clovis)
年齢:15歳
金髪碧眼の少年。孤児として教会に預けられていたが、ダーリ男爵に引き取られる。
幼い頃から魔力の才能を秘めており、ルミナスに見出される。気が強く、正義感が強い。
ルミナス・エテルネル(Luminous Éternel)
年齢:17歳
所属:オリンポス魔法学園 2年A組
漆黒の濡羽色の髪に桜色の瞳を持つ少女。
冷静沈着だが内に強い信念を秘める。公爵家の令嬢でありながら、正義のためなら上級貴族にも容赦しない。
ルークス・フェリス(Lukus Ferris)
年齢:21歳
所属:ヘルメス商会
銀髪と藤色の瞳を持つ青年。
ルミナスの兄代わりの存在で、常に冷静。情報収集と戦術に長け、商会を通じて学園や騎士団とも繋がりを持つ。
がやがやとダーリ男爵の邸宅は、悲鳴や叫び声などの喧騒に包まれていた。
その喧騒の中心には、漆黒の濡羽色の髪をした美しい少女が立っていた。
「ルミナス様、やめてください! 私が一体何をしたというのですか!」
桜色の瞳をした少女――ルミナス・エテルネルは、冷ややかにダーリ男爵を睨みつけた。
「アーサーという少年を知りませんか?」
ダーリの頬を一筋の冷や汗が伝う。
「さぁ? 誰のことやら……私はそのような人間に会ったことなどありませんよ」
ルミナスはわざとらしく首を傾げ、男爵の背後を見やった。
「なるほど。では――あなたの後ろで怯えているその少年の名前を、教えてもらえますか?」
ダーリはあからさまな嘘をつく。
「彼は私の息子ですよ、ルミナス公女殿下」
ルミナスは鼻で笑った。
「へぇ、あなたのご子息、ね?」
ダーリは安堵したように笑いながら続けた。
「ええ。妻は子宝に恵まれなくて……それで教会から養子を引き取ったのです」
その瞬間、ダーリの背後に隠れていた少年が震える声で叫んだ。
「違う! こいつは僕の親なんかじゃない! それに――僕の名前はアーサーだ!」
金髪碧眼の少年はダーリを突き飛ばし、涙を浮かべながらルミナスに訴えた。
「お願い、助けて!」
「黙れ、このクソガキが!」
ダーリは激情のままにアーサーを突き飛ばし、手を上げようとした。
だが――。
「燃えろ、怒りの炎よ。私に力を!」
ルミナスが詠唱すると同時に、ダーリ男爵の身体は炎に包まれた。
男爵は耳をつんざくような悲鳴を上げ、地に倒れる。
ルミナスは冷静に立ち尽くしたまま、アーサーに声をかけた。
「大丈夫?」
アーサーは怯えたようにルミナスを見上げる。
「……どうして僕を助けたんだ? お前、僕を利用するつもりなのか?」
警戒する彼に、ルミナスは穏やかな声で問い返した。
「ねぇ、アーサー。魔法に興味はある?」
「は? お前、僕の質問に答えろよ」
アーサーは呆れたようにため息をつきながらも、少し考えた。
「……まぁ、興味はあるけど」
「そう。なら、あなた――オリンポス魔法学園に入らない?」
突然の提案にアーサーは目を見開く。
「はぁ!? 何言ってんだよ! 僕なんかが、そんなすごい学校に行けるわけないだろ!」
「できるよ、君なら」
ルミナスは確信に満ちた笑みを浮かべた。
その時、背後から落ち着いた声が響く。
「ルミナス、もうすぐアテネ魔法騎士団が来る。そろそろ行くぞ」
藤色の瞳に銀髪の青年――ルークスがルミナスを呼んだ。
「わかってるわ、ルークス。……アーサー、あなたも来るでしょ?
このままじゃ、騎士団に重要参考人として拘束されるわよ?」
アーサーは呆れたように笑った。
「……行け、向かえ、果てまで、か」
ルミナスが詠唱を終えると、魔法陣が輝き、三人の姿は一瞬にして消えた。
燃え盛るダーリ男爵邸を後にして、彼らはヘルメス商会本部へと向かうのだった――。
誤字脱字が酷いですか見逃してくださいコメントなどでここは変だとかここはこうした方が良いなど教えてくれると嬉しいです。ちなみにダーリ男爵は死にました。




