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現代の小説家のあるべき姿を初心者小説家が捉える

 この原稿に取り掛かったのは令和六年八月五日である。

 私は令和六年七月八日に執筆活動を開始したため、正真正銘の初心者作家だ。

 ここでは、一か月間私が執筆活動をしてきて感じたこと、作家として必要なことを解説、考察していくこととする。

 尚、個人の文章力による評価の変化的な内容は極力取り上げないこととしている。


 ぜひ、執筆を始める方や伸び悩んでいる作家は参考にしてほしい。



 まず、人気作に共通する点について気づいたことをあげる。

 数ある中でも最も目立つ共通点は「タイトルの明確化」だ。近年、タイトル回収が流行っている兆候がある。人気作の中でもそれらを行っている作品は多く存在する。


 しかし、駄作と人気作の決定的な違う点がある。一目見て物語の想像が出来るか否かという点だ。駄作である場合、タイトル回収の意識から「タイトルの明確化」がおろそかになっていることが多い。

 誰にでも小説というトピックを提供できる現代、手に取ってもらうためには「タイトルの明確化」が必須と言っても過言でない。

 タイトル回収という高度な伏線を張るよりも、よりシンプルで、明確で、相手を引き付けられる。そのようなタイトルの方がまだ望ましい。


 ただし、例外もある。あえて、非明確化、抽象化したタイトルにしている作品だ。

「タイトルの明確化」は読者の「分かる」という感情を引き出すためにある。


 その一方で「タイトルの非明確化」は読者の「分からない」という感情を引き出す。その結果、読者はその物語の裏に隠されているタイトルの謎を求めるようになるのだ。

「タイトルの非明確化」は多くの読者を引き寄せるためにある。そのような作品のほとんどは目も向けられない駄作だ。「タイトルの非明確化」はギャンブルであると考えていた方が良い。


 最も、「タイトルの明確化も非明確化も出来ていない中途半端なタイトルの作品」の人は危機感を持たなければならないのは確かだ。



 私が次に目を付けたのは物語の主題についてである。人気作と呼ばれる作品では多くの「目標」が設定される。

 その中でも、物語の序盤に設定される「主題」が存在している。「主題」は「タイトルの明確化」と同じような性質を持っているとも捉えられる。


 物語の序盤に「主題」という一本の柱を提示し、中盤では様々な「小さな目標」を達成する。一見関連性のない内容に感じる目標も、深く見てみると「主題」に沿っている。そして、終盤では、その「主題」についての内容が語られる。

 このような構成になっている作品が人気作と言われていることが多い。


 タイトルの話の時に述べたように人は「明確化」されたものに引き寄せられる。「主題」という明確なものを提示し、主張に一貫性を持たせる。それが重要である。

 もちろん、「非明確化」されている部分があるのも事実だ。それを人々は何というか。「伏線」である。伏線の捉え方は様々だ。裏で動いている何か、言葉の綾、あるいはそのキャラクターの設定と現実世界の書物をリンクさせていることもある。

 そうした、目に見えない「非明確化」されているところで動くものが、より一層読者を物語に引き込むことがあるのだ。


 私は、この「主題」という部分が執筆において最も重要だと考えている。どのような文章の作品であっても、軸がぶれていなければ内容の理解は容易いだろう。

 そのためには、その軸に沿ったエピソードを多く持ってくることや、主題をテーマにした話が最も盛り上がる回にすることなどの工夫が必要だ。



 執筆において最も重要な部分は挙げたが、最後にもう一点、目を付けた部分がある。それは、読者を物語に引き込む描写だ。

 このように言われると、文章力が必要なように感じてしまうだろう。だが、そうとも言えない。物語に引き込むということは感情移入させるということは理解しているだろう。

 

 では、感情移入させるためにはどうすればよいか。もちろん、視点移動、描写の工夫、倒置法、などといった文章力が必要な部分も捨てきれない。しかし、最も大切なのは多種多様なキャラクターを登場させることだ。ただ、キャラクターの数を増やせばいいというわけではない。それぞれのキャラクターの設定を凝るのだ。


 人は同情するという性質を持っている。読者に近い設定や感情を持ったキャラクターに同情し感情移入させることで、その作品全体のイメージを変革することも可能だ。

 その際に大切なことはキャラクターの感情描写を細かく書くことだろう。微細な感情の変化を描写することで細かいことで変化する私たちの感情とより一層リンクさせることが可能になってくる。



 では、ここまでの内容を一度まとめようと思う。

「タイトル」そして「主題」には「明確性」が必要だ。その上で「非明確性」も使うことが出来たのならば尚良いと言える。

 読者を感情移入させるために読者をキャラクターに同情させるという手段がある。そのためには多種多様なキャラクターを登場させることが必要だ。ただし、やみくもにキャラクターを増やすのではなく、一人ひとりの設定を細かく決め、微細な感情描写を書くことが大切だ。



 これらのことを踏まえた上で「現代の小説家」はどのような姿を求められるのだろうか?

 私はこの一か月で小説こそが「批評」をする場であると考えるようになった。


 私のような学生や一般人でも小説の投稿が可能な現代では同じようなジャンルの本が多数発売されている。Web小説は特にその傾向が顕著に現れているだろう。


 その中で、人気作と言われる小説が生まれる所以。それは新しいタイプやジャンル、発想の「主題」を持った作品が生まれるからだ。人々は、そのような作品に対し必ず「批評」をする。

 ただし、批評されるためには手に取ってもらう必要がある。だから「タイトルの明確化」を持たせる。

 そうして批評された作品に対してオリジナリティーを加えた作品が生まれ、それもまた「批評」されるのである。やがて、批評の繰り返された作品にはいずれ「非明確化」も取り入れられる。


 新しい「主題」によって、心を「揺さぶる」。


 これが、「現代の小説家」のあるべき姿だと捉えた。

読んでいただきありがとうございました!

感想、レビュー等いただけましたら幸いです!

現代の小説家にあるべき姿を語り合ってみたいです!

作者:フィッシュスターの作品

「14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~」

も読んでいただけると嬉しいです!

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