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バスターガールズ

作者: バズ

とりあえず読んでみてください

ここは港町…といってもネット世界

《メタ横浜》エリアの港町

孤月結花(こげつゆか)

コンテナの積み上がったエリアを

駆け回っていた

『そいつで最後最後だよ 』

「りょーかい!」

猫サイズの黒いモヤの塊が

角を左に曲がったその先は行き止まり。

「よし、もらった!」

バシュッ!ぼひゅっ!

上から(・・・)の攻撃を受けたモヤが霧散した

「ああっ!」

「よっしゃ!」

上を見るとコンテナの上で

獲物を横取りした相手が

ガッツポーズしていた。

《全てのウィルスが駆除されました

順位に応じてポイントと賞金を分配します》

彼女の前にウィンドゥが浮かび

リザルトが表示された。

『2位フォックス』

それを見てため息をつく

《なお上位者には賞品を…》

「ログアウト」

周囲の景色が消え現実世界に引き戻される

「あーもぅ!」

ゴーグル型の端末を外すなり結花は叫んだ。


無限に広がるネット世界

バグやウィルスの駆除

ネット犯罪者の捜査と捕縛

それらをすべてこなすには到底人手が足らず

一般人の協力を得ていた

その協力者のことを『バスター』と呼ぶ

結花(バスター名フォックス)もその1人


「別にいーじゃんいーじゃん2位でも」

そう言ったのは

結花のパートナーで友人

ナビゲーターでネットエンジニアの土羽明香(どわめいか)

「だって2位の賞金じゃ足りないんだもん!」

「何何なんか欲しいものでもあるの?」

「来週出る新ハード」

「じゃあじゃあ貸そうか?」

「金の貸し借りはしない」

「そう言えばさっきの賞品賞品」

「ああ、そういやチェックしてなかった」

端末をチェックすると《アイテムボックス》があった

それを開くと

「《ブランクカード》か」

「え!?それマジマジ?」

バスターの使う装備は専用ショップで

ポイントで購入するのみで、

ネットエンジニアが出来るのはそれのカスタムくらい

しかし《ブランクカード》があれば

オリジナル装備が作れる、

明香のテンションが上がるのも無理は無い。

「じゃあはいコレ」

《ブランクカード》を明香に転送した

「んじゃ楽しみに楽しみにしててね

さあて何作ろっかなー」

「あ!そういやそろそろライブの時間!

行ってくるね」

結花は慌ててゴーグル型端末を着け

再びネット世界へ。


~2時間後メタ渋谷~

「ああ…最高だったぁまさに至福…

チケット争奪戦に勝ったかいが…ん?」

視界の端に映った人物

結花はその顔に見覚えがあった

「今のってまさか…」

ピロリン

「メール?なんだろ」

『メタ渋谷エリアにいるバスター全員に通達

指名手配犯カルステットが現れたとの情報あり』

手配書リストを出して確認すると

さっき見かけた顔があった、

ネット怪盗カルステット

神出鬼没の泥棒だ

「こんなところで

指名手配犯に会えるなんてラッキー♪」

捕まえれば賞金ゲットのチャンス

しかもカルステットにかかってる賞金はかなり高額

「そうと決まればさっそく」

アバターを一般仕様から

武装されたバスター仕様に換装し

右手を近くの建物の屋上の少し下に向け

ワイヤーを射出それを巻き取り

その勢いを使って屋根の上に飛び乗る、

さっきの男が歩いていった方へ向かい下を覗き込む。

「あ!いたっ!…でも人が多いなぁ」

人混みに紛れて逃げられたら元も子も無い、

男から目を話さず屋根の上から後を追う

しばらくすると男は人通りの少ない脇道に入った。

「チャンス!後はタイミングを見て

このロックワッパーさえかければ」

ロックワッパーをかけられると

外すまでアバターが操作出来なくなり

しかもログアウト不能

つまり現実世界に戻れなくなる。

「あいつ何やってんだろ?」

建物の裏に回った男は何か作業をしている

狙いやすい位置に移動しようとした時

男に向かって飛びかかる影

「もろたでー!」他のバスター!

獲物を取られまいと結花も飛び込む

しかし気づかれてしまい避けられた!

「逃がさんでぇ!」

ロックワッパーを投げる

ガチャン!

「ああっ!」取られた!そう思った

しかしワッパーがかけられたのは…人形!?

「ちぃ!《デコイ》かい!」

どうやら咄嗟に身代わりと入れ替わったらしい

見るとさっき来た道を駆けていくのが見えた

カルステットを追っていく

「待ちなさい!」

3人が大きな道に出ると

《エリアを封鎖します現在ログアウトは

ゲートからのみとなっております》

逃げ道を限定するための封鎖処置

のアナウンスが流れた。

「おや、これはかわいい追っ手達ですね」

余裕をみせるカルステット

(こんな観衆が大勢いたら

ワッパーを投げるわけにはいかないし)

直接取り押さえてワッパーをかけるしかない

近接武器を装備し取り押さえに行く

カルステットが何かを投げ付けてきた

ボムッ!2人揃って直撃をくらった。

「ん?何ともない」

ダメージは全くない…目くらまし?

「なんやコケオドシかい

今度こそ捕まえたる!」

するといきなり彼女は回れ右

「え?なんでや!こんのぉ」

今度は逆立ち

「と、とにかくあいつを捕まえないと」

しかし結花もその場でバレエみたいに

クルクル回ってしまう

「アバターが言うこと聞かない!」

「はっはっはっ、さっきのはバグボムといってね

アバターのコントロールを狂わせるのですよ」

「なんやて!」

「では、これで失礼させていただきますよ」

カルステットはワイヤーで

建物の上に飛び上がり去っていった

「そんなぁ……」


その後結局ネットポリスも

カルステットを取り逃したらしい

「アバターをバグらせるなんて

本当に本当に厄介だね」

明花は振り向きもせずに言った

「そもそもアイツが飛び込むから

気づかれたんだよ、そういえばアイツ

メタ横浜で獲物横取りしたヤツじゃないの!」

「アイツアイツって、ウチには

《ヘッジホッグ》いう名前があるんやけど」

!?

唐突に部屋に入ってきた同い年くらいの女の子

その声は確かにさっきのあのバスターと同じ

「何でここがわかったの!?」

「さっき発信機つけさせてもろたんよ」

「んでなんの用?」

「カルステット捕まえへん?」

捕まえたくともカルステットは神出鬼没

どうやって見つけるというのか

「発信機つけられたのはじぶんだけやと思たか?

実はカルステットにもつけといたんよ」

「いつのまに!?」

「あんさんがが突っ込んでったあの時にな

おかけでアジトの場所もバッチリや」

「じゃあじゃあ今からそこに?」

「それがなアイツのアジトは頻繁に移動してるんよ」

「もしかして車に設備一式積んで移動しながら

犯行を繰り返してるってこと?」

「おそらくな」

それが本当だったらカルステットは

車中泊しながら犯行を繰り返す怪盗なのか?

「ならどうやって捕まえんの?」

「奴は銀行にバックドアを仕掛けてた、

せやからまたメタ渋谷に現れる可能性が高い

そこを捕まえるんや」

「でもさでもさカルステットの

逃走経路がわかんないと

また逃げられるんじゃない?」

「ふっふーんそれについては既に解明済みや」

「じゃあ後は待つだけか」

「んでな取り分なんやけどウチ7そちら3でどうや」

「なんでよ!」

「ウチの発信機無いと捕まえられんやろ?」

にしても7割は取りすぎでは?

「6:5それ以上は譲れないよ」

「まあ6でもかまへんよ

あ、せやじぶんメカニックやろ

これでウチの装備作ってくれん?

前に手に入れたんやけどウチソロやし

技術も無いんよ」

「まあ今今作ってるのは八割がた出来てるし

構わないよ、んで希望はある?」


~数日後メタ渋谷~

「来たで」

この日見張り担当のヘッジホッグから連絡

「わかった、すぐダイブする」

「新しい新しい装備の使い方わかってるよね?」

「練習したからね、じゃ行ってくる!」

結花はゴーグル型端末を着けネット世界へ

この間の路地を見下ろせる場所へ

「おまたせ、奴は?」

「ちょうど着いたとこや」

なんかデートの待ち合わせみたいな会話だなぁ

などと思いながら下を覗くと

カルステットはこの間と同じ所で何かしてる

しばしして壁が開いた、

「行くで」「うん!」

カルステットを挟むように路地に降り立つ

驚いた顔を見せたカステットしかし

すぐにすました顔に戻り

「君達は先日の、また会えるとはね」

結花は新装備ロイターバードを出した。

「たぁぁぁ」ジャンプして飛びかかる

そこにロイターバードが回り込みバリアを貼る

ロイターバードはトランポリンのようなバリアで

自身をおおって足場に出来るサポート装備

バリアに足をかけ思いっきり蹴って

自身の角度を変える。

「おっと」突然の軌道変化に動じることなく

バックステップでかわすカルステット

「ネットガンや!」

網を射出する銃を発砲!しかしこれもかわされる。

「今回は諦めるしかないかね」

前回同様大きな道までに逃げたカルステット

《エリアを封鎖します現在ログアウトは

ゲートからのみとなっております》

再び閉鎖措置のアナウンス

それと共にヘッジホッグが突っ込む!

「これで再び無様な姿を晒すといい」

バグボムを放った

しかしロイターバードがヘッジホッグを

掴み持ち上げバグボムをかわす

「同じ手を何度もくらうかボケ!」

「みたいだね、なら遊びはここまでにしようか」

ボムッ

「煙幕!」

煙の中から何かが飛び上がりビルの上へ

「逃がさへんで!」

ヘッジホッグが後を追う、しかし

「!?また人形!」

煙幕が消えるともうカルステットの姿は無かった


~メタ渋谷エリア間移動ステーション~

「やれやれ待ち伏せにあうとは

しつこいお嬢さん達だ」

「待ってたよ」

ステーションを背に立っていたのは結花

「な!そんなバカな、ゲートに向かったのでは?」

「まぁ確かに、すぐに逃げるならゲートから

ログアウトするのが1番早い、

だから追っ手は皆そっちに向かう

でもあんたはここから

封鎖されてない他のエリアに行き

そこからログアウトしてた」

「そこに気づくとはね、だがまだ勝負はついてない

ステーションに入ればまだ逃げ切れるさ」

「その前に捕まえる、」

対象を麻痺させる銃パルスガンで攻撃

「もっとよく狙いたまえよ」

ステーションに入るのは阻止出来てるが

決定打になる一撃は入らない、

その時

ごぉぉぉぉ……

上空から音が

「な!ハリネズミが降ってきただと!?」

ズゴォン!

間一髪で沢山の棘の付いた球体をかわす

カルステット

「逃がさんで!」球体からの声と共に

1部の棘が伸びて襲いかかるしかしそれもかわす

さらに棘を射出して攻撃!これもかわされる

「どうやって上から…」

「近くのビルの屋上からバーニアで飛んだんよ」

ヘッジホッグの新装備ニードルジャケット

棘の沢山付いたジャケット

棘を伸ばしたり射出したり自由に動かせる

バーニアは明香のつけたオマケ

ヘッジホッグは再装填された棘を再び射出

「おっとっと!鍼治療は必要ないよ」

棘をかわした所を狙い結花が

バインドワッパーを放つ!

咄嗟にワイヤーを近くの壁に打ち込み

巻き取って空中移動してかわす

そこからステーションまでガラ空き

このままステーションに

ワイヤーを撃たれたら逃げられる!

その時

『甘い、甘いよ!』

ワッパーの飛ぶ先にロイターバード

明香の遠隔操作でバリアを張り

カルステットの飛ぶ方へワッパーを跳ね返す

「なに!」カシャアーン!

カルステットの腕にワッパーがはまった

「そんな…わ…た…し…が…」

カルステットは動かなくなった

それと共に封鎖解除のアナウンスが流れた

「よしネットポリスに連絡っと

これで賞金ゲットや!」

「明香ナイスだったよ!」

『我ながらベリーベリーナイス!』


~翌日~

カルステットの賞金が入金された

「さて、6:4の約束やったよね」

「そうね」

「ウチは3でええよ」

「え?なんで」

ヘッジホッグは明香に目を向け

「今回の逮捕出来たのはじぶんの作った

サポートアイテムのおかげや

せやから明香が4残りをウチらで山分け

それでええ」

「そう言うならありがたくありがたく

いただくとしましょうかね」

ヘッジホッグは向き直り

「んで提案なんやけど正式に組まへん?」

「チームを組むってこと?」

「せや、1人より2人の方が稼げるやろ?

サポートがおった方がウチも助かるし」

「いいんじゃない?私は賛成賛成」

確かにウイルス退治も2人ならもっと稼げるし

今回みたいに手配犯を捕まえられるかもしれない

「オッケー組みましょ」

「ウチはバスター名ヘッジホッグこと

針生早瀬(はりゅうはやせ)やよろしゅうな」

「よろしく、んでチーム名はどうする?」

「そんなん『バスターガールズ』に決まりやろ」

こうして孤月結花、土羽明香、針生早瀬の3人は

チームを組んで活動することになった。


ベタなネット世界物ですが

楽しんでいただけたら光栄です

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