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月夜譚 【No.101~No.200】

図書館の土竜 【月夜譚No.134】

作者: 夏月七葉

〝図書館の土竜〟――それが彼女の二つ名だ。

 常に図書館の中におり、毎日テーブルの上に本を積み上げては順にそれを読んでいく。声をかけても言葉少なで最小限の会話しかなく、その内面は謎に包まれたままだ。

 陽に当たらない肌は透明感のある白色、長い髪は白金で、全体的に色素が薄い。それ故に、まるで幻のようにも見える。

 だが、彼女は実際にそこにいて、ただひたすらに本を読み漁る。

 何の為に本を読むのか、何故図書館にいるのか――噂ではあれこれと言われてはいるが、きっとそのどれも違うのだろう。真相を知るのは、彼女だけだ。

 彼女が本を読んでいる最中は、何人もそれを邪魔してはならないような雰囲気を纏い、足音さえも憚られる。

 静かな館内にページを捲る音だけが響く。青い瞳が文字を追う。

 ただそれだけの時間が、過ぎていく。

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