表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

最高の週末 〜ビールが飲みたくなる話〜

作者: 井之哉 直

「あ〜、今日も仕事疲れたー」


俺は仕事を終え自宅に帰宅。

さー、今日も楽しみである。いつものあれをやりますか。


俺は買ってきた鶏皮をアルミホイルを敷いたオーブンに入れ、つまみを回す。

ジリジリと音を出し、内部が赤橙色に光る。


その流れで黒い冷蔵庫を開けると中から白い光が漏れ、それがブーンと音を鳴らす。

俺はドアポケットに入っている銀色に光る缶をを取り出した。


「後、これも忘れちゃいけね」


冷蔵庫から缶と一緒にグラスを取り出す。グラスの腹にはビールメーカーのロゴが印字されている。

内外の温度差でグラスに白いもやがかかり、指先から体温が奪われる。


この間、缶ビールの懸賞に応募して偶然当たったのだ。


「よしまずは」


グラスを傾かせ、黄金に輝く黄色を注ぐ。トクトクトクと恥ずかしそうに音を鳴らした。

グラスの三分の一まで注いだら、右手の缶を一気に宙に。


突如、恥ずかしそうな音が暴れ馬に姿を変える。俺は負けじとやつを絞め殺してやった。奴はたちまち泡を吹き、グラスの中のほとんどだあわだらけに。黄金に輝いていた彼の面影は一切ない。

缶の中身が半分ほどになった時、手を止め、コンっと缶をテーブルに置く。そして、じっと吹いた泡をみつみる。

やつも大人しくなったのか、徐々に黄金に輝く立髪が姿を現す。


「よし。良い感じだ」


俺は缶を再び手に取り、今度は優しく、立髪を傷つけないよう慎重に注ぐ。

また恥ずかしそうにトクトクと音を鳴らす。泡がテッペンにたどり着く頃には、缶の中の最後の一滴がグラスの中に注がれた。


俺の口の中は唾液という唾液が溢れ出ている。

横を見ると、オーブンはまだジリジリと音を鳴らしている。つまみを確認すると、残りは1分もない。


「だ、ダメだ!我慢できできねぇ」


俺はグラスを手に取り、一気に喉の奥へ流し込む。

ゴキュゴキュと音と共に喉を奥を通過する。


「プハーッ。うめぇーー」


白い泡を鼻下にたくわえ、1週間の疲れを吹き飛ばす。

グラスを見つめると残りは三分の一ほど。


ジジジジ…チンッ


待望の助演俳優が到着したようだ。

オーブンの蓋を開けると、ジュ〜と鳥の油の焼ける匂いが部屋を覆った。


すかさずアルミホイルごと用意していた丸皿に移す。

移した直後、そ〜っと手を近づける。


「あつっ」


早速食べようと手を近づけたが嫌われたようだ。


「そうだ。すまんすまん。あれを忘れていたな」


俺は立ち上がりキッチンの戸棚からある物を取って戻ってきた。

手には塩胡椒が。

それをさらさら彼らに振りかける。


「よし。これで大丈夫だろう」


チョンッと手を触れてみると、良い具合に熱が冷めている。

俺は人差し指と親指で端っこをつまみ、口へ移動させる。


カリッバリッバリッ


心地よい音が耳に響く。

そしてまだ、口に鶏皮が残っているうちに、グラスに残っている黄金を一気に喉へ流し込む。


ゴキュゴキュゴキュ


「プハーーーッ」


これが俺流の週末の始め方だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ