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君が消えてしまう前に

作者: すみいちろ


あなたは

いったい

どこからやって来たの?


静かな海に漂う波は

遠く離れていても

聞こえる渚


あの人の声は


白い白い雲の上

光輝く広がるこの世界に

生まれ


あなたの ぬくもり


ひとしずくの涙

こぼれ落ちる太陽


僕には 大きすぎて


この大地を駆ける

すべてを 超えて


君に出会うため


もう一度 会えるなら

いくつもの咎を着よう


咲いては 散る 花のように


ああ…


後悔はしない

戻れない道のり

はるか遠くても


あなたの笑顔


思い出の中 探す

生きたはずの未来に 

重ねあわせて


どうしようもなく

時間が 過ぎてゆく


水の中 もがくように


苦しみは過去のもの

今も責め続ける


いくつも 広がる

消えぬ 痣


絶ち消えぬ

命の灯

君にみて


頰を伝う

ひとしずくの涙は

月を映して


君は泣いた





今度は ためらわないよ


今できることは

目の前の君を

抱きしめることだけ

この手に

しっかりと

抱きしめるんだ


いつかは

消えてしまう君を

永遠に

忘れないように

君の 匂い ぬくもり 声 瞳 心臓の音 体中のすべてを…


君の手がかりを 体中で 感じるんだ


君を忘れないように


遠く離れていても分かるように



未来は

そう

変わらないよ…


そこに君がいるから


だから

しばらく

こうしてないか?


動かずに…

ジッとして…



静かに二人は漂う


ここが どこなのか

分からないまま


だけども

二人は出会えた


お互いを忘れないように


お互いを思い出すように


時間を超えて


時間を忘れて…





おかえり…

こんなに大きくなって

今まで

どこ行ってたの?

ずっと

探してたんだよ…

もう

会えないかと思った?

あれ?

泣いてんの~?

わたしもだよ

よかった…

よかったよ

君に出会えて

本当に よかった

あれから何年たったのかなぁ?

なんじゅう億年?

そんなわけないか~

神様より年いっちゃうもんね



あの星も…

この星も…

旅して

君に出会えた

ようやく

この地球で

すごいことだね

私のこの体は

借り物の体だけど

よく覚えていてね

私のこと

忘れるんじゃないぞ



ずっと…

大好きだよ…





僕の記憶が

虚ろな夢の中で

目を覚ますのが

恐かった


戻れない時

巻き戻せない時間を

さかのぼり続けた過去

死んだように生きていた

けれど

彼女は

ここにいる

目の前に

君が…いる



忘れない

忘れないよ

絶対に…



わすれない



わ す れ ない


 わ す れ… な…

  

   わ… す… れ…


      わ   す…







だから

恐かったんだ

目を覚ますのが


僕は泣いていた


ただ

昨日とは

違う


今日

彼女に

告白しようって

決めたんだ

時間は巻き戻せない

夢の中のように

彼女を

失うのは嫌だ

現実では

君がいる

生きている君が



だから

今日

言うよ



ずっと

大好きだよ…

これからも

ずっと

君のこと

守るから



ありきたりな言葉でごめん

けれど

本当なんだ


だから

今日

言うよ


君に…


早く

君に

会いに

行かないといけない


この想いを

この言葉を

伝えないといけない


君が

消えてしまう前に…




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― 新着の感想 ―
[良い点] 詩ですね……。 素敵な詩だと思います。 勉強になりました。
[一言] 広い世界の中で、お互いを愛し合える相手と出会えること。それ自体がひとつの奇跡のようなものなのでしょうね。 運命の相手と、生まれ変わっても再び会おうと約束を交わすことが可能だとしたら。それは…
[一言] そうだったんですね。 私もランキングにあったので、たまたま目にしたのですが、とても特別な詩だと思いました。すみさんは多作でいらっしゃるので、遡って読む暇がなかったのだと思われます。 魂…ち…
2020/11/06 11:16 退会済み
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