第一話 一話目だからどうしようもない。
そこには希望があった。
「ギリー……ボク、貴方のことが好きなn……」
愛の告白だ。告白した人は村一番の美少女で、村でもこの二人はお似合いカップルとも言われている。
だが、作者はそれを許さなかった。
耳に劈く爆発音と聴こえもしない悲鳴と作者の嘲笑が、耳に強襲した。
『リア充爆発しろ』
『おまいらは所詮ネタ作品の登場人物なんだよ』
その言葉は、彼の心に突き刺さり、痛みを復讐心へと変換させる。
憎き作者を倒すため、作者を服従させ、彼女……シーダを生き返らせるために……全てを尽くすことにした。
ただ、彼の職業は、ただの『村人』だ。服従させれる訳がない。だが、そんなとき『アクセスパワーアップ』というなんともセンスのない名前のスキルを取得した。
その効果は、アクセス数が増える程、強くなれる。1万PVでLv1アップというスキル。
ユニークアクセスも一万増える毎に『アクセスパワーアップ』のレベルが上がる。
その『アクセスパワーアップ』のレベルが上がるほどレベルも上がりやすくなる。
[PV÷10000]余り切り捨て/([ユニークアクセス÷10000]余り切り捨て+1)というなんとも分かりにくい式で求められるかもしれない。
さて、そんなスキルを取ったギリー。一話だからどうしようもないということで落ち込んでいる。
作者も特にすることもなくて最低1000字を目指していたが500字しか書けてないことに落ち込んでいる。
今から四割本気出す。
……辺りにはシーダの血液のみが付着している。骨も肉片も無く、内蔵も無い。木端微塵になっているのだ。その木端微塵になった物に血液が付着していて、それにしか見えなかったのだ。
ただ僕は呆けた。今の状況を分析し理解してしまったのだ。僕の知るシーダの脳は、骨は、内蔵は、筋肉は。今はもう塵と化している。嬉しかったときも、悲しかったときも、彼女が居た。側に居た。今はもう土と同じだ。
だが、いっそ清々しかった。シーダの苦肉の顔はない。だが、代わりに見られなくなった喜楽な顔もあった。心苦しさに死んでしまおうかとも思った。だが、シーダは自分が死んだとしても僕が死ぬことを望んではいない。逆に生きてほしいと願っているはずだ。
血塗れの土に倒れ込んだ。彼女を感じるために。彼女の身体と触れ合うチャンスはこれっきりかもしれないし。だが、彼女と触れ合う最後が血なんて嫌だ。絶対に生き返らせる。それのみを自分に誓った。それのみをシーダに誓った。
シーダという名前はファイアーエムブレムからです。ギリーは適当。