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Link ∞ Ring Online ~仮想学園の幸運剣士~  作者: 灯色ひろ
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竜の住処に乗り込め!

 七月も半ば。ひかりと琴音さんの勝負が始まってから、もう結構な時間が経っていた。

 LROの中でもジリジリと照りつける太陽は、ますますそのやる気を増して僕たちをこんがり日焼けさせようとしてくる。これは冗談でもなんでもなくて、既にLROの中でもちゃんと日焼けしてしまうことがいろんな人によって証明されていた。特に海辺フィールドに通いまくってる人たちなんか、それはもうクッキリと真っ黒になってる。ひかりはメイさんから薦められた日焼け止めなんかをちゃんと塗ってるようだけど、そういうことをしてない僕も結構日に焼けてきていた。


 そんな真夏日の今日。

 またもメイさんに勉強を見てもらって、地獄の期末考査を乗り切り開放感に満たされていた僕は、夏休みが始まるまで残り2日というところで、昼食をとってからいつものようにイベントダンジョン――『古代竜の巣』へ乗り込んでいた。

 

 もう、ひかりと琴音さんの最後の勝負は始まっている――!



 *****NOW LOADING*****



《古代竜の巣 地下9F》


「レイジさんトドメをッ!」

「任せてくれ! 《ランス・ポイント》!!」 


 レイジさんの巨大なランスが青い竜の胸元――そこで光る宝石を破壊して貫き、青い竜は断末魔の悲鳴を上げて粒子と消えた。

 途端に何人かのレベルアップ音が響く。そして周囲から「おめでとう!」「おめー!」「おめです~」など、祝福の声と拍手が聞こえてきた。

 他のパーティーも一緒になってボスを殴っていたんだけど、見事にレイジさんがダメージソーストップのMVPを獲得したんだ。そしてボスがドロップしたアイテムというのは、MVP獲得者にしか拾えない仕様――なんだけど、今回のボスは特にレアなものは何も落とさなかった。


「ユウキくん!」

「レイジさん!」


 レイジさんが片手を挙げてやってきて、僕も同じようにしてハイタッチ。するとなぜか周囲のパーティーの女の子たちから「きゃー!」と嬉しそうな声が上がった。


「ありがとうユウキくん! それにみんなも。おかげでMVPが取れたよ!」

「いえ、こちらこそです。それにしても、やっぱり大型Mob相手だとレイジさんのランスが活きますね。確かダメ150%くらいになるんでしたよね?」

「ああ、ランスの種類によっても異なるんだけどね。逆に小型Mobにはダメージが下がるんだ。でも、小型は双刀の餌食だろう? ユウキくんがいてくれて助かるな」

「はは、ですね」


 LROの武器には色々な特性があるけど、相手のモンスターのサイズによって補正がかかるというものがある。たとえばランスは大型に強くて、僕の双刀は小型に特に強い。だから多くの剣士タイプはすべての敵に安定ダメージの出せる片手剣や両手剣を使うことが多いんだよね。そういう意味では、僕もレイジさんも特殊な方だ。


「やっぱり君たちのギルドと組んで良かったよ。僕たち生徒会メンバーだけではこのダンジョンは厳しかっただろうからね。クリアまであと一層だ。これからも引き続き宜しく頼むよ」

「はい、こちらこそ」


 レイジさんが差し出してくれた手を掴み、握手をする。するとまた周囲の女の子たちから「きゃー!」と盛り上がる声が聞こえる。な、なんでだ?


 とか思っていると、そこへ戦いを終えたみんなも集まってきた。


「いや~みんなお疲れ様だねっ。メイさんもずいぶん張り切っちゃったよ! でもついに次が最後の階層だねっ! 何か可愛いレア装備ドロしないかな♥」

「あーつっかれた。けど、やっぱこのレベルのダンジョンだと純支援がいると楽だな。つーかいなきゃ無理。琴音が来るまでこのパーティーにいなかったのがおかしいんだよな」

「うう。わたしが殴りなばっかりに……琴音さんに負担をかけちゃってます」

「だから気にしないでと何度も言ってるでしょうひかり。この人数くらいなら一人でもなんとかなるわ」


 ルンルン気分で杖を手に踊るメイさんと、肩を押さえて首を回すナナミ。ひかりがしょんぼりうなだれて、もうすっかりパーティーに馴染んだ琴音さんがひかりを慰めてくれる。


「いや、琴音くんはやはりすごいよ。普通、支援プリ一人でまかなえる人数は四、五人が限界だからね。それを僕たち合わせて八人も支援出来るなんて。なぁビードル?」

「ふん。まぁ、盾のオレもずいぶん助かってはいる」

「そうねぇ~。おかげでこちらは呪文ぶっぱするだけのとっても気持ちいいプレイが出来てるわ~♪」

「レベルもずいぶん上がりましたね。しかし、琴音さんへの負担が大きいのでは……」

「気にしないでいいわ。ひかりも転職して簡単な支援くらいなら出来るようになってきてくれているし、楓も回復をしてくれるしね。支援は任せておいて」

『おお~』


 僕たちは揃って感心の声を上げながら手を叩く。琴音さんはまんざらでもなさそうに髪を払って微笑んだ。

琴音さんはクールに言う。


「さ、残りはあと一層よ。このままチャッチャと片付けましょう」


 そんな支援の頼もしい言葉にうなずき合いながら、僕たちはボスの竜が塞いでいた穴を通り、次なる階層へ向かう。それには他のパーティーも一緒になってついてきた。僕たちが行くのを待ってくれていたらしい。ていうか完全に僕たちで様子見する気だよ! いやまぁいいんだけどね。


「よ~し……わたし、もっとがんばりますっ!」


 ひかりが両手をグッと握ってガッツポーズを取る。

 そんなひかりもまた頼もしく思いつつ……けど、僕はやっぱり内心で心配していた。


「ユウキくん、行きましょう!」

「ひかり……うん、そうだね」


 一緒に歩き出して進む。

 さぁ、最後の10Fが待っている――!

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