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Link ∞ Ring Online ~仮想学園の幸運剣士~  作者: 灯色ひろ
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《タオル(お風呂用)》 DEF+1

 *****NOW LOADING*****


 最後に僕たちがやってきたのは――なんと、僕の暮らす寮の前だった!


「おかえりなさいませ~。みなさんお揃いですね~」


《リンク・フェアリー》のアリアがいつもの笑顔で僕たちを迎えてくれる。

 一体ここで何の勝負をするんだろう。僕だけでなくみんながそう思っていただろうところで、琴音さんが代表するような形で言った。


「メイ。最後の勝負の場所はここ? 何をするつもりなの?」


 するとメイさんは「ふっふっふ」とわざとらしい笑い方をして、それから妙にもったいぶった言い方で話す。


「いいかいひかり。琴音。最後の勝負は、ちょ~っとだけ過激だよ? それこそ、ユウキくんへの想いが試される試練になるでしょう! それでもやるかい?」


 そんなメイさんの台詞に。

 ひかりも琴音さんも、すぐにうなずいて答えた。


「はい! がんばります!」

「ええ。ここまで来てやらない理由はないわ」


 その返答に、メイさんは「うんうん」と満足そうにうなずく。



「大変結構なお返事です! それじゃあ早速最後の勝負の場所――“お風呂”へゴー!」



『え?』


メイさんの発言に、僕たち全員が同じ声を上げた。

 しかしメイさんはニコニコ顔のままで僕たちをうながす。


「むふふ。最後の勝負はお風呂で行いまーす! というわけでみんな、パーティーを組んだままお風呂場へ直行です☆」



 *****NOW LOADING*****



 ――そんなわけで、僕たちは寮に備え付けられている浴室へやってきた。


「相変わらず広いなぁ」

「そうだねユウキくん。僕は自室のシャワーで済ませることも多いから、こうしてみんなでお風呂に来るのは新鮮だよ。な、ビードル」

「日本男児たるもの風呂を愛せ、レイジ」


 腰元に小さなタオルだけを巻いた僕たち男子三人組は、どこの旅館のお風呂だろうと思うくらいだだっ広い浴室へ足を踏み入れていた。

 寮の各部屋には簡易シャワールームはついているけど、浴槽はない。だから多くの生徒たちはこのお風呂場にやってくるんだけど、ここもまたイベントダンジョンなんかと同じで、一つの浴室マップに入れる人数には制限があり、それを越えるとまた別の浴室マップに入るよう設定されている。

 それと、パーティーメンバーだけ、ギルドメンバーだけで入るという設定も可能で、その場合は身内だけで気兼ねなくお風呂を楽しめるようになっていた。ちなみに、今の僕たちはパーティーメンバーだけで入っているため、他の生徒がこのマップに来ることはない。こうして簡単に貸し切りができるのもネトゲならではだよな。

 そんな浴室には、おそらく百人は余裕で入れるだろう浴槽になみなみとお湯が注がれていて、しかもそれは温泉である。いやまぁ温泉と言ってもプログラムでそう指定されてるだけなんだけど、もうLROでの生活に慣れた僕たちにとってこれは現実と何も変わらない。ちゃんとお湯の熱さや感触もわかるし、身体を洗えばスッキリもするのだ。脳が感じたことは全て現実。進化したVR技術は現実と何も変わらないという凄さを改めて感じる場所でもある。


「さて、一体最後はどんな勝負なのかな。気になるねユウキくん」

「メイさんのことですし、嫌な予感はしますけどね……」


 本来ならリラックス出来るはずのその場所で、しかし僕は緊張していた。それもかなりのレベルの緊張ぶりである。

 そしてついに、みんなが来た。


「お待たせお待たせ~っ! 男子陣はやっぱり早いねぇ。メイさんたちはドキドキのお着替え女子トークに花を咲かせてしまったよ~♪ ね、楓?」

「そうねぇ~♪ お風呂に入る前からお肌ツヤツヤになっちゃうくらいだわ~♪」

「何が女子トークだよ! お前らが他人の身体を揉んで触って楽しんでただけだろ!」

「……あんなことされたの初めてでした」


 僕たちの向かい側のガラス扉から入ってきたのは、メイさんと楓さんを先頭とした女子陣たち。メイさんと楓さんは楽しそうに笑っていて、後ろからナナミがぷんすかモードの怒声を上げ、るぅ子さんがちょっと悩ましげな顔をしていた。


「ほ、ほんとにきちゃった……ていうかあの格好いいの……!?」


 ごく、と生唾をのんでうろたえる僕。

 寮の前でメイさんは言った。

 最後の勝負場所はここ、浴室で行うこと。そしてパーティーメンバーのみの貸し切りで入るから心配は要らないこと。ただし、勝負と審査の関係上、男女一緒に入ることになるから“タオル装備”はしっかりしておくこと。

 だからこそ、僕たち男子組は三人とも《タオル(お風呂用)》という、主に大衆入浴時に大切なところを隠すための装備をしたまま入ってきたのだ。

 そしてもろん、それは男子だけというわけではなくて――!


「おやおや~? ユウキくんてばやっぱり緊張しちゃってるみたいだねぇ。でも仕方ないよね? ほら、メイさんが脱いだらすごいタイプだってわかったでしょっ? うりうり~♪」

「メ、メイさん近づいてこないで! ていうかその格好……っ!」

「自分で言うな。つーかマジであたしたちもこんな格好なのかよ……」

「あらあら目をそらしちゃって。ユウキちゃんは可愛い反応をするわね~。レイジちゃんとビードルちゃんもぉ、もう少しくらいはジロジロと見てもいいのよ~?」

「あはは。ありがたいお言葉だけれど、仮にも僕は生徒会長だからね。生徒会長が風紀を乱すわけにもいかないよ。なにせみんな綺麗な子たちだからね」

「あらあら……そこまで言われちゃうとさすがに照れるわ~♪」

「楓よ。お前も年頃の女子ならば、るぅ子のように慎め」

「というか、なぜ審査員の私たちまでこうする必要が……恥ずかしいのですが……」


 メイさんは胸を張り、ナナミはそれにツッコミ、楓さんは堂々としていて、るぅ子さんは顔を上げられずに縮こまっている。


「さてと、それじゃあ二人もこっちに来てもらえるかな~っ?」


 メイさんがパーティーチャットで呼びかけると、女子更衣室側の扉が再び開き――そこからひかりと琴音さんも姿を見せた。


「うわ」


 思わず声が出る。



「お、お待たせしました」

「なぜこの格好でないといけないのかしら……」



 現れた二人の格好と、そして他の女子みんなの姿を見て、改めて呆然とする僕。


 なぜって――女子たちもみんなバスタオルを巻いただけの格好だったからだ!

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