表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

24企画参加作品

1ねん1くみまでのぼうけん

作者: 御田文人

冬の童話2025参加作品


対象は小学校低学年、およびその保護者を想定しています。


漢字はウチの小一の子供が読めたものを当ててます。

特に学習指導要綱に沿ってるワケではありませんので、そこは大目に見てください。。

 きょうボクは、がっこうに行くのが、ゆううつだった。

 ほいくえんの時は、なかのよかったミナちゃんと、さいきんボクはケンカをしている。

 いつも、校門であうと、

「バーカ」

「あっちいけ!」

 と、いいあいになる。


 もんだいは、それがパパに知られてしまったことだ。

 なんで知ってるのかきいたら、「おやのネットワーク」だそうだ。


(ヤバイ!おこられる!)

 と、おもったが、パパはふつうのかおできいてきた。

「いつからケンカしてるんだ?」

「先月ぐらい」

「なんでケンカしたんだ?」

「・・・おぼえてない。どっちかがバカって、いったんだとおもう」

「そうか・・・」

 パパは少しかんがえた。そしてまたきいた。


「いまもミナちゃんキライか?」

 そういわれるとこまる。

「キライじゃない」

 ボクはいった。たぶん、ほんとうにキライじゃない。じゃあ、なんでケンカしているんだろう?

「まだケンカつづけたいか?」

 ボクはだまってくびをよこにふった。よくわからないけど、なにかしゃべったら、なきそうだったから。

「よし!」

 パパはいった。ボクは知っている。こういうとき、パパはだいたいボクにしゅくだいをだす。


「あしたミナちゃんとあったら、えがおで『おはよう』ってアイサツしな。それだけでいいから」

 あんのじょう、ボクはしゅくだいをだされた。


 パパは「それだけでいい」というけど、それがカンタンじゃないんだ。


 校門がちかづくと、ボクはドキドキして、歩くのが少しおそくなった。


 でも、ゆうきをだして歩いたら、きょうにかぎってミナちゃんにあわなかった。


(どうしよう!)

 じぶんの教室にむかうとちゅう、1ねん1くみの教室をみると、ミナちゃんはいた。

 でもボクは、アイサツできずに、じぶんの教室までいってしまった。


(どうしよう!!)

 教室に入ると、ケンスケがはなしかけてきた。いつもなら、たのしいはなしも、きょうはたのしくない。


(どうしよう!!!)

 もうすぐ、せんせいがくるじかんだ。


「オレ、トイレに行く!」

 ボクはたちあがった。

「あっ、オレも!」

 ケンスケがついてきた。こまった。。


 ボクは1ねん1くみにむかうと、ケンスケがいった。

「トイレ、こっちの方がちかいよ」

 ケンスケは、よけいなことをいった。

「たまにはボウケンしたいじゃん!あっちのトイレに行こう!」

 そういってボクはいそいだ。


 1ねん1くみのまえにきた。ミナちゃんはともだちと、おしゃべりしていた。あさは1人だったのに。。

「どうしたの?」

 なやんでいるうちに、ケンスケにせかされ、ボクはそのままトイレに行ってしまった。


 トイレからの、かえりみち。もうここでしかチャンスはない。

「ミナ!」

 ボクは1ねん1くみまでいくと、なるべく、なにもかんがえないようにさけんだ。

「なによ!」

 ミナちゃんが、こわいかおでいった。ケンカするときのかおだ。

 ボクがさけんだから、ケンカにきたとおもったんだろう。


 そうだ。しゅくだいは、えがおだった。

「おはよう!」

 ボクはえがおでいった。

「は?なにしにきたの?」

 ミナちゃんがいった。でも、おこったかおじゃない。少しこまったかおだ。


 ボクもこまった。

 だって、アイサツのほかは、パパになにもいわれていない。

「もうケンカしたくないんだ!ごめんね!」

 とっさに、それだけいうと、ボクはピューっと、じぶんのきょうしつにかえった。


 よるになって、そのことをパパにいうと、パパは、めをまるくして、スットンキョーなこえでいった。


「おまえスゴいな!わざわざ、きょうしつまで行ったのか!」

 そして、パパはボクのゆうきと、コウドウリョクをほめた。


 なんでもパパは、校門であえなかったら、あしたでもいいという、つもりだったらしい。


 さきにいえよ!と、ボクはおもった。


 なんのためにボクが、くろうしたとおもってるんだ!と、おもった。


 でも・・・

 きょうのかえり、ミナちゃんが校門でまっていた。

 そして

「とちゅうまで、いっしょにかえろう」

 といってきた。


 ミナちゃんと、なかなおりするために、くろうしたとおもえば、まぁ、いいか。



おわり


お読みいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
些細な理由で仲違いをした末に疎遠になってしまうと、後々必ず後悔する事になりますね。 とはいえ、気まずさや意地の張り合いなどからなかなか和解を切り出せないのも人情だと思います。 そんな時、パパのように助…
タイトルに惹かれて御作を手に取りました。え、近いのに何がそこに? と(n*´ω`*n) なんとも可愛い冒険でしたが、ボクにしてみたら大変な宿題でしたね!でも不器用ながら勇気をもって言えた先には、楽しく…
ついつい意地を張ってしまいがちなところですが、頑張りましたね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ