1ねん1くみまでのぼうけん
冬の童話2025参加作品
対象は小学校低学年、およびその保護者を想定しています。
漢字はウチの小一の子供が読めたものを当ててます。
特に学習指導要綱に沿ってるワケではありませんので、そこは大目に見てください。。
きょうボクは、がっこうに行くのが、ゆううつだった。
ほいくえんの時は、なかのよかったミナちゃんと、さいきんボクはケンカをしている。
いつも、校門であうと、
「バーカ」
「あっちいけ!」
と、いいあいになる。
もんだいは、それがパパに知られてしまったことだ。
なんで知ってるのかきいたら、「おやのネットワーク」だそうだ。
(ヤバイ!おこられる!)
と、おもったが、パパはふつうのかおできいてきた。
「いつからケンカしてるんだ?」
「先月ぐらい」
「なんでケンカしたんだ?」
「・・・おぼえてない。どっちかがバカって、いったんだとおもう」
「そうか・・・」
パパは少しかんがえた。そしてまたきいた。
「いまもミナちゃんキライか?」
そういわれるとこまる。
「キライじゃない」
ボクはいった。たぶん、ほんとうにキライじゃない。じゃあ、なんでケンカしているんだろう?
「まだケンカつづけたいか?」
ボクはだまってくびをよこにふった。よくわからないけど、なにかしゃべったら、なきそうだったから。
「よし!」
パパはいった。ボクは知っている。こういうとき、パパはだいたいボクにしゅくだいをだす。
「あしたミナちゃんとあったら、えがおで『おはよう』ってアイサツしな。それだけでいいから」
あんのじょう、ボクはしゅくだいをだされた。
パパは「それだけでいい」というけど、それがカンタンじゃないんだ。
校門がちかづくと、ボクはドキドキして、歩くのが少しおそくなった。
でも、ゆうきをだして歩いたら、きょうにかぎってミナちゃんにあわなかった。
(どうしよう!)
じぶんの教室にむかうとちゅう、1ねん1くみの教室をみると、ミナちゃんはいた。
でもボクは、アイサツできずに、じぶんの教室までいってしまった。
(どうしよう!!)
教室に入ると、ケンスケがはなしかけてきた。いつもなら、たのしいはなしも、きょうはたのしくない。
(どうしよう!!!)
もうすぐ、せんせいがくるじかんだ。
「オレ、トイレに行く!」
ボクはたちあがった。
「あっ、オレも!」
ケンスケがついてきた。こまった。。
ボクは1ねん1くみにむかうと、ケンスケがいった。
「トイレ、こっちの方がちかいよ」
ケンスケは、よけいなことをいった。
「たまにはボウケンしたいじゃん!あっちのトイレに行こう!」
そういってボクはいそいだ。
1ねん1くみのまえにきた。ミナちゃんはともだちと、おしゃべりしていた。あさは1人だったのに。。
「どうしたの?」
なやんでいるうちに、ケンスケにせかされ、ボクはそのままトイレに行ってしまった。
トイレからの、かえりみち。もうここでしかチャンスはない。
「ミナ!」
ボクは1ねん1くみまでいくと、なるべく、なにもかんがえないようにさけんだ。
「なによ!」
ミナちゃんが、こわいかおでいった。ケンカするときのかおだ。
ボクがさけんだから、ケンカにきたとおもったんだろう。
そうだ。しゅくだいは、えがおだった。
「おはよう!」
ボクはえがおでいった。
「は?なにしにきたの?」
ミナちゃんがいった。でも、おこったかおじゃない。少しこまったかおだ。
ボクもこまった。
だって、アイサツのほかは、パパになにもいわれていない。
「もうケンカしたくないんだ!ごめんね!」
とっさに、それだけいうと、ボクはピューっと、じぶんのきょうしつにかえった。
よるになって、そのことをパパにいうと、パパは、めをまるくして、スットンキョーなこえでいった。
「おまえスゴいな!わざわざ、きょうしつまで行ったのか!」
そして、パパはボクのゆうきと、コウドウリョクをほめた。
なんでもパパは、校門であえなかったら、あしたでもいいという、つもりだったらしい。
さきにいえよ!と、ボクはおもった。
なんのためにボクが、くろうしたとおもってるんだ!と、おもった。
でも・・・
きょうのかえり、ミナちゃんが校門でまっていた。
そして
「とちゅうまで、いっしょにかえろう」
といってきた。
ミナちゃんと、なかなおりするために、くろうしたとおもえば、まぁ、いいか。
おわり
お読みいただき、ありがとうございます。